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ヒットマンズ・レクイエム In Bruges (2008)

初仕事で子供を巻き添えにしてしまった殺し屋がその責任を問われ同僚に命を狙われたことを発端に展開するクライム・サスペンス。
主演コリン・ファレルブレンダン・グリーソンレイフ・ファインズクレマンス・ポエジーキーラン・ハインズ他共演、監督、脚本マーティン・マクドナー

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

レイフ・ファインズ / Ralph Fiennes / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:マーティン・マクドナー

製作総指揮
テッサ・ロス

ジェフ・アッバリー
ジュリア・ブラックマン
製作
グレアム・ブロードベント

ピーター・チャーニン
脚本:マーティン・マクドナー
撮影:アイジル・ブリルド
編集:ジョン・グレゴリー
音楽:カーター・バーウェル

出演
レイ:コリン・ファレル

ケン:ブレンダン・グリーソン
ハリー・ウォーターズ:レイフ・ファインズ
クロエ・ヴィレット:クレマンス・ポエジー
エイリック:ジェレミー・レニエ
ナタリー:エリザベス・バーリントン
カナダ人旅行者:ジェリコ・イヴァネク
デニース:アンナ・マデリー
ジミー:ジョーダン・プレンティス
マリー:テクラ・ルーテン
神父:キーラン・ハインズ

イギリス/アメリカ 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ

2008年製作 107分
公開
イギリス:2008年4月18日
北米:2008年2月8日
日本:未公開
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $7,757,130
世界 $33,394,440


アカデミー賞 ■
第81回アカデミー賞

・ノミネート
脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ロンドン
初めての仕事を終えた殺し屋レイ(コリン・ファレル)は、その場を離れベルギーブルージュに向かうよう指示される。

同じ殺し屋ケン(ブレンダン・グリーソン)とブルージュに着いたレイは、クリスマス・シーズンということもあり、2週間もの間ケンと相部屋で暮らすことになる。

その後、観光気分のケンとは違い、レイは何かを思い詰めていた。

そんなレイは、映画の撮影アシスタントのクロエ・ヴィレット(クレマンス・ポエジー)に出会い惹かれてしまう。

ボスのハリー・ウォーターズ(レイフ・ファインズ)からの電話連絡を受け損ねたケンは伝言を受け取り、クロエと食事をする約束をしたレイに派手な行動を控えさせる。

レイは、クロエとの食事に行かせてもらうために、古い文化に興味を持つケンに仕方なく付き合う。
...全てを見る(結末あり)

しかしレイは、ターゲットの神父(キーラン・ハインズ)殺害の巻き添えで子供を殺してしまい、罪の意識に苛まれていた。

その後、レイはクロエと食事をするが、自分が殺し屋で彼女がヤクの売人だということなど、ジョーク混じりの他愛もない会話を楽しむ。

その時、クロエのタバコの煙に憤慨した、隣席のカナダ人観光客(ジェリコ・イヴァネク)と妻をレイは殴り倒してしまい彼はクロエと店を出る。

その頃ケンは、待ち構えていたハリーからの電話を受け、子供を殺害してしまったレイの抹殺を命ぜられてしまう。

レイとクロエは、彼女の部屋で愛し合おうとしていたが、クロエと組んで観光客から金を脅し取っていた元恋人エイリック(ジェレミー・レニエ)が現れレイに銃を向ける。

エイリックは、レイに簡単に銃を奪われ、空砲の銃で目を傷めてしまい、クロエに病院へ連れて行かれる。

クロエの部屋から、ヤクと拳銃の実弾を持ち出したレイはケンのいるパブに向かう。

店内で、撮影現場にいた小人のアメリカ人俳優のジミー(ジョーダン・プレンティス)を見つけたレイは、彼と連れの売春婦デニース(アンナ・マデリー)、そしてケンとで、ヤクをやり一時を楽しむ。

翌朝、拳銃を調達したケンは、ホテルのオーナーの妻で、妊娠中のマリー(テクラ・ルーテン)に、レイから200ユーロを受け取ったことを聞かされ彼を捜す。

殺した子供のことで、苦悩するレイの気持ちを察しながら、ケンは背後から彼に迫り拳銃を構える。

しかし、ケンはレイが自殺しようとしたのを見て思い止まり、二人は話し合おうとする。

レイから銃を奪ったケンは彼を逃がそうとするが、死にたいと言い思い詰める彼は泣き崩れてしまう。

ケンは、レイに他の子供を救えと助言して、彼を列車に乗せて旅立たせる。

その後ケンは、ハリーにそれを知らせ、自分を殺したければブルージュで待っていることを伝える。

憤慨したハリーはブルージュに向かい、ケンはそれを迎え撃つ準備をする。

列車内のレイは、運悪く殴ったカナダ人に見つかり、警察に連行されブルージュに戻る。

ブルージュに着いたハリーは拳銃を手に入れ、その場にいたエイリックが、レイから怪我を負わされた事を聞き、その後、カフェで待ち構えるケンと顔を合わせる。

ケンは、自殺しようとしたレイが心を入れ替えることが出来ると説明するが、ハリーはそれに納得しない。

二人は”ブルージュの鐘楼”に向かい、閉館だと言い張る受付係をハリーは叩きのめしてしまう。

その頃、レイは保釈金を払ったクロエの出迎えを受け、ジミーと出くわし、エイリックの姿も見かける。

鐘楼に上ったケンは拳銃を置き、ハリーに今まで世話になったことを感謝して覚悟を決める。

ケンを殺せなくなったハリーは、彼の足を撃って鐘楼を降りるが、現れたエイリックからレイを目撃したことを聞く。

ハリーは、自分を止めようとするケンを仕方なく撃ってしまい、レイの元に向かう。

重傷を負ったケンは、拳銃を拾い力を振り絞り鐘楼の階段を上り始める。

塔の上からハリーを狙おうとしたケンだったが、広場が霞んでいたため彼は身を投げる。

それに気づいたレイは、息のあったケンからハリーが来ていることを知らされる。

レイは、ハリーに追われながらホテルに向かい、ケンが隠した拳銃と彼の遺書を見つける。

ハリーもその場に現れるが、マリーが彼を部屋に通さないため、彼女を危険にさらしたくない二人は、決着をつける方法を考える。

そして、レイは窓から運河を行く船に飛び降り、それをハリーが見つけ拳銃を構える。

レイは、遠過ぎて撃たれないと確信するが、ハリーの弾丸は彼のわき腹を捉える。

船を降りて逃走するレイを追い詰めたハリーは、彼を銃撃するが、流れ弾でその場にいたジミーを殺してしまう。

ハリーは、自分も子供を殺したと思い込み、筋を通すために自殺する。

レイは、最悪のブルージュでは死にたくないと思いながら救急車で運ばれていく。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
殺し屋レイは、初仕事で子供を殺してしまい、心の傷を背負いながら、同僚のケンと共に、ベルギーブルージュに行くことをボスのハリーから指示される。
やがてケンは、レイに責任を取らせるために、ハリーから彼の抹殺命令を受ける。
しかしケンは、レイが子供を殺したことで心を痛め、自殺しようとするほど悩んでいるのを知り、彼を逃亡させようとする。
それを知ったハリーは激怒し、ブルージュに向かい、自ら始末をつけようとするが、ケンはそれを迎え撃つ覚悟を決める・・・。
__________

純粋な犯罪ドラマなのだが、作品全体に漂うユーモアと人情物語が、絶妙なバランスで描かれ、一昔前のコーエン兄弟の作品を髣髴させる。

因みに音楽担当は、コーエン兄弟作品の常連カーター・バーウェル

映画の世界ではあまり登場しないベルギーブルージュの美しい街並みや、クライマックスの舞台になる、夜の”ブルージュの鐘楼”などの描写が新鮮でもある。

第81回アカデミー賞では、細やかな気遣いが感じられる、監督マーティン・マクドナー自身の脚本が、脚本賞にノミネートされた。

ゴールデングローブ賞では、主演のコリン・ファレルが男優賞(コメディ・ミュージカル)を受賞し、他、作品賞とブレンダン・グリーソンが男優賞にノミネートされた。

残念ながら、日本では劇場未公開に終わりソフト化もされていない。

子供を殺してしまい、傷心の殺し屋を演ずるコリン・ファレルは、ユーモアや自堕落な一面も垣間見せる、人間味溢れる若者を熱演している。

息子のような新人の殺し屋の気持ちを察し、深い人情味を見せるブレンダン・グリーソンの出色の好演は、彼のベストパフォーマンスと言っても過言でない。

レイフ・ファインズの裏社会のボス役も興味深く、彼の芸域の広さは周知だが、出演しているというだけで、その作品の格が上がる感じを受ける、名優の域に達している。

主人公と恋仲になる、地元の犯罪者クレマンス・ポエジー、その元恋人役ジェレミー・レニエ、小人の俳優ジョーダン・プレンティスカナダ人旅行者ジェリコ・イヴァネク、ホテルのオーナー役のテクラ・ルーテン、ハリー(R・ファインズ)の妻役エリザベス・バーリントン、売春婦アンナ・マデリー、そして、殺される神父役で、キーラン・ハインズが端役出演している。


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