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バレー・オブ・バイオレンス In a Valley of Violence (2016)

ある町でトラブルに巻き込まれた流れ者の戦いを描く、製作、監督、脚本、編集タイ・ウェスト、主演イーサン・ホークジョン・トラヴォルタタイッサ・ファーミガジェームズ・ランソンカレン・ギラン他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト
監督:タイ・ウェスト

製作
タイ・ウェスト
ジェイソン・ブラム
ジェイコブ・ジャフケ
ピーター・ポーク
製作総指揮
ジャネット・ブリル
デヴィッド・L・シフ
アリックス・テイラー
脚本:タイ・ウェスト
撮影:エリック・ロビンズ
編集:タイ・ウェスト
音楽:ジェフ・グレイス

出演
ポール:イーサン・ホーク
クライド・マーティン連邦保安官:ジョン・トラヴォルタ
メアリー・アン:タイッサ・ファーミガ
ギリー・マーティン保安官補:ジェームズ・ランソン
エレン:カレン・ギラン
ハリス:トビー・ハス
”タビー”ローレンス:トミー・ノヒリー
ロイ:ラリー・フェセンデン
ダラー・ビル:マイケル・デイヴィス
バーテンダー:ジェームズ・キャディ
神父:バーン・ゴーマン

アメリカ 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ
2016年製作 104分
公開
北米:2016年10月21日
日本:未公開
北米興行収入 $53,650


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
愛犬アビーと共にメキシコに向かう途中の流れ者ポール(イーサン・ホーク)は、ラバが怪我をしたと言う神父(バーン・ゴーマン)から助けを求められ、近くの町デントンは、罪人に支配されていることを知らされる。

哀れな人々を救うためにデントンに向かおうとする酔った神父は、馬が必要だと言ってポールに銃を向けるが、合図と共にアビーに襲われる。

銃を奪ったポールは、命と引き換えに弾丸と水筒をもらうと神父に伝えてその場を去る。

デントン。
雑貨屋に向かったポールは、主人のダラー・ビル(マイケル・デイヴィス)が留守だったため酒場に向かう。
...全てを見る(結末あり)

ダラーに会いたいことをバーテンダー(ジェームズ・キャディ)に伝えたポールは、豚の世話をしているのでそろそろ戻ると言われる。

行商人の話を聞いていた保安官補のギリー・マーティン(ジェームズ・ランソン)は、カウンターのポールをからかうものの相手にされない。

この町は”バレー・オブ・バイオレンス”だと言って行商人を追い払ったギリーは、ポールに侮辱されたために憤慨し、通りで決着を付けようとする。

いきがるギリーは、フィアンセのエレン(カレン・ギラン)に喧嘩が始まることを伝え、仲間のハリス(トビー・ハス)、”タビー”ローレンス(トミー・ノヒリー)、ロイ(ラリー・フェセンデン)と共に、ポールが出てくるのを待つ。

町を出るようにとバーテンダーから忠告されたポールだったが、ギリーがアビーに近づこうとしたため通りに出る。

ギリーを殴り倒したポールは、タビーとロイに銃を向かられるものの、ハリスが、一対一の勝負だと言って2人を制止する。

店に戻ったダラーは、買い物をしたポールに、代金はいらないと怯えながら伝える。

ギリーが勝負に5ドルを賭けたため、ポールはその金を貰ってほしいとダラーに伝えて店を出る。

ホテルに向かったポールは、エレンの妹のメアリー・アン(タイッサ・ファーミガ)に、風呂に入りたいことを伝える。

アビーが気に入ったメアリー・アンは、ポールの手の怪我の手当をして、彼がギリーを殴ったことを知り驚く。

それを喜んだメアリー・アンは、ポールとアビーに風呂を用意し、夫は町を出たことなどを話す。

憤慨しながら戻ったエレンは、ポールの肩を持つメアリー・アンに、面倒なことになると言って忠告する。

話を聞こうとしないメアリー・アンは、エレンを侮辱して追い払う。

今後のことを考えたポールは町を去ろうとするが、連邦保安官であるギリーの父クライド(ジョン・トラヴォルタ)が現れる。

足が悪いため座って話をするクライドは、所持している銃や鞍などから兵士だと思えるポールが、こんな町に寄った理由を訊く。

出て行こうとするポールに、脱走兵なら逮捕する義務があると言うクライドは、別の町に向かい、ここには二度と近づくことを許さないと伝えて脅す。

それ以上ポールを追及しないクライドは、ギリーの件は正当防衛だと言って、この件は終わりだと伝える。

町を去るポールに話しかけたメアリー・アンは、出会えたことは嬉しかったと伝えて、エレンと父と共に写っている写真を彼に渡す。

時々、思い出してほしいと伝えたメアリー・アンは、ポールに別れを告げる。

町を離れたポールは、夜になり野営をして眠るが、忍び寄って来たギリーらにアビーが撃たれてしまう。

それに気づいたポールはギリーらに捕らえられ、メキシコに行きたいだけだと伝えるものの、アビーはナイフで刺し殺される。

タビーとロイと共にポールを崖から突き落とすよう指示されたハリスだったが、気が進まない。

突き落とされたポールを確認しながら、ハリスはギリーらと共にその場を去る。

翌朝、無事だったポールは崖を登り、アビーを埋葬して復讐を誓い、デントンに戻る。

神父に出くわしたポールは、発砲されたために彼を痛めつけ、銃とガンベルト、そしてラバを奪おうとする。

デントンへ行った神父から、説教をするなら金を払えと保安官に脅されたと言われたポールは、彼に酒だけを渡して町に向かう。

町外れの父の家にいたメアリー・アンはポールに気づき、傷ついた彼に、ギリーらを殺すのなら手を貸すと伝える。

戦争で多くの人を殺したことで苦しんでいるポールの気持ちを察したメアリー・アンは、全てが終わったらついて行くと伝えて彼に迫る。

それを拒んだポールは、今の生活から抜け出したいと言うメアリー・アンに、世界の人々は皆苦しんでいると伝える。

妻や娘がいたが捨てたことを話したポールは、望むようないい場所などには連れて行けないとメアリー・アンに伝え、入隊した日に家族を捨てた自分は、戻る勇気がない情けない男だと話す。

それを否定し妻子の元に戻れると言うメアリー・アンの話を聞こうとしないポールは、彼女の馬を借りて町に向かう。

ギリーを銃撃しようとしたポールだったが、メアリー・アンが現れたために思い止まる。

風呂に入っているロイにお湯を運んだメアリー・アンは、その場にポールが現れたために驚き、持っていたカミソリを渡す。

ロイに襲い掛かったポールは、今日は容赦しないと言って、止めを刺さなかったことを後悔しろと伝えて喉を切り裂く。

動揺するメアリー・アンと逃げるポールに気づいたエレンは、ロイが殺されていたために叫び声を上げる。

その場に向かったクライドは、ギリーがポールを追ったことを知り、息子の愚かな行為を責めて痛めつける。

ポールを野放しにしておけないクライドは、エレンとメアリー・アンから話を聞く。

ポールが武器を所持しているか分からないクライドは、留置場の銃を見張るようハリスに伝え、ギリーには、エレンとメアリー・アンを安全な場所に連れて行くよう指示する。

外を見張ったクライドは、タビーを保安官事務所に向かわせて様子を見てこさせようとする。

ポールが犬を殺されたことをメアリー・アンが知っていたため、手助けしたか問い詰めたギリーは、そのつもりだったがしなかったと言う彼女を痛めつける。

建物の屋根で銃を構えるハリスは、忍び寄って来たポールから、クライドとタビーを撃つよう指示される。

ポールに謝罪したハリスは、襲うことに反対だったことをポールに伝える。

怯えるタビーを保安官事務所に向かわせたクライドだったが、ハリスが銃撃したために驚く。

ハリスを責めながらタビーの元に向かったクライドは、彼と共に保安官事務所に向かう。

2人を撃てと言われたハリスはそれを拒み、ポールに銃を向けられて覚悟を決めるものの、娘に一目、会いたいと伝える。

銃声が聴こえ、タビーは通りに落下するハリスを確認し、クライドは外に出てポールに対抗する。

ポールが愛犬を殺されたことを知ったクライドは、その件は同情するものの、保安官として人殺しを見逃す訳にはいかないと伝える。

邪魔をすれば自分も殺すと言われたクライドは、タビーが加勢しないためにポールと対決するしかなかった。

このままクライドの指示に従う気になれず部屋を出ようとするギリーに、妊娠していることを伝えたエレンは、この状況でする話ではないと言われる。

エレンとメアリー・アンをその場に残し、ギリーはポールと決着をつけようとする。

保安官事務所に戻ったクライドは、通りに横たわるハリスの死体を見つめるタビーに、窓から離れるようにと指示する。

動揺して、もうこんなことはご免だと言うタビーは、窓から離れなかったために射殺される。

ポールから、恨みはないので死ぬ必要はないと言われたクライドは、話し合いを提案し、負けを認めて銃を捨てて通りに出る。

クライドの話だけは聞いたポールは、現れたギリーと一触即発になる。

2人の間に入り制止しようとしたクライドは、撃ち合いになったために弾丸を浴びてしまい、ポールは身を隠す。

倒れたクライドが息を引き取ったため、怒りがこみ上げるギリーは、ポールを捜す。

銃弾を受けていたポールは、厩で自分の馬を見つけ、現れたギリーに襲い掛かり傷めつける。

命乞いをしたギリーは、ポールが離れたためにナイフを手にする。

しかし、メアリー・アンがギリーを背後から射殺し、ポールに寄り添う彼女は、助けると言ったはずだと伝えて抱きあ合う。

町にたどり着いた神父は、自分のラバを見つける。

ギリーを捜すエレンは、厩に向かい叫び声を上げる。

神父は、傷つきメアリー・アンに支えられたポールから、今こそ救いが必要だと言われる。

メアリー・アンから、自分がいると言われたポールは、彼女と共にホテルの中に入る。

クライドの死体に歩み寄った神父は、祈りを捧げる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
愛犬アビーと共にメキシコに向かう途中の流れ者ポールは、”バレー・オブ・バイオレンス”と呼ばれる町デントンに立ち寄る。
保安官補のギリーとトラブルになったポールは、相手を叩きのめしてしまう。
ギリーの父である連邦保安官のクライドは、ポールが、容赦なく人を殺してきた元兵士だと気づき、正当防衛を認めて、面倒が起きる前に町を出るよう要求する。
それに従ったポールだったが、追って来たギリーらにアビーを殺され、自分は崖から突き落とされる。
無事だったポールは、アビーを埋葬して復讐を誓い町に戻る。
ギリーの婚約者である姉エレンと共にホテルを経営していたメアリー・アンは、ポールに惹かれて手を貸そうとする。
妻子を捨てて入隊し、その後、戻る気にならなかったポールは、メアリー・アンの気持ちを受け入れることができず、単独でギリーらに復讐しようとするのだが・・・。
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若手期待の映画人として期待されるタイ・ウェストが、製作、監督、脚本、編集を兼ねた正統派西部劇。

西部劇ファンアからするとやや物足りなさは感じるものの、復讐や対決といったオーソドックスな物語が盛り込まれ、雰囲気を出そうとしている努力は窺える内容にはなっている。

”バレー・オブ・バイオレンス”というタイトルから、無法の街で、どのような物語が展開するか期待に胸膨らませたのだが、一見すると支配者的な連邦保安官やその取り巻きなどを含め、男気や気骨のない弱々しい男達しか登場しないという珍しい西部劇だ。

冒頭はニヒルなガンマン風である主人公も、闇討ちに遭い泣き言を言うような場面もあり、ごく普通の男達の戦いであるため盛り上がりにも欠ける。

兵士として多くの人を殺し、妻子を捨てたことで心に傷を追う主人公のイーサン・ホークと、連邦保安官役のジョン・トラヴォルタという、大物二人の共演は注目したい。

主人公の惹かれる夫に捨てられた若い女性タイッサ・ファーミガ、その姉であるカレン・ギラン、彼女の婚約者である保安官補のジェームズ・ランソン、彼の仲間で主人公に同情的なトビー・ハス、仲間のトミー・ノヒリーとラリー・フェセンデン、雑貨屋の主人マイケル・デイヴィス、バーテンダーのジェームズ・キャディ、神父のバーン・ゴーマンなどが共演している。


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