1933年に発表された、ファニー・ハーストの小説””Imitation of Life””を基に製作されたクローデット・コルベール主演の「模倣の人生」(1934)のリメイク。 貧しい未亡人がチャンスを掴み大女優となり娘との関係に苦悩しながら幸せを探し求める姿を描く、監督ダグラス・サーク、主演ラナ・ターナー、ジョン・ギャヴィン、サンドラ・ディー、スーザン・コーナー、ファニタ・ムーア共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ダグラス・サーク
製作:ロス・ハンター
原作:ファニー・ハースト”Imitation of Life”
脚本
エレノア・グリフィン
アラン・スコット
撮影:ラッセル・メティ
編集:ミルトン・カラス
音楽
フランク・スキナー
サミー・フェイン
主題歌:アール・グラント”Imitation of Life”
出演
ローラ・メレディス:ラナ・ターナー
スティーヴ・アーチャー:ジョン・ギャヴィン
スージー・メレディス:サンドラ・ディー
サラ・ジェーン・ジョンソン:スーザン・コーナー
アレン・ルーミス:ロバート・アルダ
デヴィッド・エドワーズ:ダン・オハーリー
アニー・ジョンソン:ファニタ・ムーア
トム:ジャック・ウェストン
フランキー:トロイ・ドナヒュー
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1959年製作 124分
公開
北米:1959年4月30日
日本:1959年5月
製作費 $2,000,000
北米興行収入 $6,417,810
世界 $25,000,000
■ アカデミー賞 ■
第32回アカデミー賞
・ノミネート
助演女優賞(スーザン・コーナー/ファニタ・ムーア)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1947年、コニー・アイランド。
謝肉祭で賑わう海岸で、未亡人ローラ・メレディス(ラナ・ターナー)は、はぐれた娘のスージーを探していた。
ローラは、アニー・ジョンソン(ファニタ・ムーア)の娘サラ・ジェーンと遊んでいたスージーを見つけて、アニーに感謝する。
アニーは、ローラが住み込みの使用人を探しているのを知り雇ってもらおうとする。
実は、それほどの余裕があるわけでもないローラはそれを断るが、アニーとサラ・ジェーンが住む家もないことを知り、彼女らを家に連れて行く。
ローラと海岸で出会った青年スティーヴ・アーチャー(ジョン・ギャヴィン)が、それを笑顔で見つめていた。 アパートに着いたローラは、一晩限りということでアニーに伝え、狭い部屋を彼女らに与える。 アニーは、白人だった夫に捨てられたアフリカ系の女性で、肌の白いサラ・ジェーンは彼女の娘のようには見えなかった。 翌朝、ローラが目覚めるまでに家事をこなしたアニーは、ローラにモデルの仕事が入ったため、スージーの面倒を見ることになる。 モデルの仕事にはありつけたものの、ギャラは小切手の郵送となり、ローラは帰宅後に通販の宛名書きの内職を始める。 アニーは、給金なしの共同生活をすることをローラに頼み込み、彼女もそれを承諾する。 その後、ブロードウェイの女優を目指すローラは、仕事を探すことが出来ず落胆する毎日を送る。 そこに、海岸で子供達の写真を撮ってくれたスティーヴがアパートを訪ねてくる。 ローラに惹かれていたスティーヴは、彼女をランチに誘うが、舞台のオーディションの話が入りローラは途中で席を立つ。 そしてローラは、ハリウッドからの紹介というはったりで、エージェントのアレン・ルーミス(ロバート・アルダ)と面会し、有力者の出席するパーティーに招待される。 メイドがいるように装ったローラだったが、ハリウッドの紹介が嘘だとルーミスばれてしまう。 ローラは正直に真実を伝え、その演技力と美貌にルーミスは目を付ける。 その夜、ルーミスの事務所に出向いたローラは、若くもなく演技経験も未熟な自分を、その美貌を武器にあらゆる手段を使って売り込もうとする彼の計画を知り、気分を害してその場を立ち去ってしまう。 帰宅したローラは、その場にいたスティーヴを前に泣き崩れてしまう。 アニーとスティーヴは、そんなローラを優しく慰める。 ある日、サラ・ジェーンに届け物をしようと学校に向かったアニーは、母親がアフリカ系だと知られたくない娘に恨まれてしまう。 帰宅した二人はお互い傷ついてしまい、特にアニーはその現実に落胆する。 その後、現れたスティーヴが、仕事を得たことを喜ぶローラは、彼から愛を告げられ求婚される。 しかし、女優を諦めきれないローラは、それを受け入れることを躊躇する。 そこにルーミスから電話が入り、CMモデルのローラの写真を見た劇作家デヴィッド・エドワーズ(ダン・オハーリー)が、彼女をキャスティングしたいと言ってきたというのだ。 胸ときめくローラは、再び傷つくと執拗に止めるスティーヴを見限りルーミスの元に向かう。 台本を渡されたローラはオーディションに挑むが、演出家のトム(ジャック・ウェストン)やエドワーズの思い描くような演技が彼女には出来ない。 ローラは、エドワーズの台本を批判してステージから立ち去ってしまう。 しかし、そんなローラの厳しい指摘を、逆に気に入ったエドワーズは彼女を採用する。 そして舞台初演の日、脇役ながらローラの演技は絶賛され、彼女はエドワーズに身を任せてしまう。 時は流れて、ローラの舞台は成功を続けて、彼女はブロードウェイのスターとなる。 1958年。 ローラは、新境地を切り開くためエドワーズの作品以外の舞台にも出演し、それも好評となる。 そんな時、ローラは10年ぶりにスティーヴと再会する。 成長したスージー(サンドラ・ディー)やサラ・ジェーン(スーザン・コーナー)とも再会したスティーヴは、ローラに未だに諦めきれない胸の内を伝える。 しかし、ローラはルーミスからの連絡で、イタリアの巨匠の映画出演のオファーを受ける。 結局は以前と変わらないローラを見て、スティーヴは彼女の元を去って行く。 その頃、未だにアフリカ系だということに劣等感を感じるサラ・ジェーンは白人の男性と付き合い、そのことを隠して生きるとスージーに告げる。 サラ・ジェーンは、母アニーのような惨めな体験や生活を恥と思い、彼女を軽蔑しローラの前でも過ぎた態度をとってしまう。 ローラにそれを注意されたサラ・ジェーンは、体調も思わしくない、母アニーを傷つけてしまったことを後悔し謝罪するが、気持ちの整理はつかないままでいた。 サラ・ジェーンは、家を抜け出して、恋人フランキー(トロイ・ドナヒュー)に会いに行く。 しかし、フランキーはサラ・ジェーンの母親がアフリカ系だと知り憤慨し、彼女を殴り倒してその場を去って行く。 帰宅したサラ・ジェーンは、再び母アニーを罵り心を閉ざしてしまう。 スージーの高校の卒業式出席のため、ローラはイタリアの仕事を断ってしまう。 卒業式にはスティーブも出席し、彼はローラがイタリアに行かなかったことに驚く。 そこに、再びイタリアからのオファーが入り、ローラが留守の間、スティーヴがスージーの面倒を見ることになる。 スージーはスティーヴに憧れを抱き始め、やがて惹かれていく。 そんなある日、アニーはサラ・ジェーンが図書館の仕事に就かず、ナイトクラブでダンサーをしていることを知る。 ナイトクラブに出向いたアニーは、サラ・ジェーンに他人呼ばわりされてしまう。 その後サラ・ジェーンは、母アニーを捨て家出してしまう。 アニーはサラ・ジェーンを連れ戻そうとせず、スティーヴの協力で彼女がロサンゼルスのナイトクラブにいることだけを知る。 体調が悪化し、残された時間が少ないことを悟ったアニーは、サラ・ジェーンに会い、彼女をただ抱きしめて別れを告げる。 サラ・ジェーンは、母アニーに憎しみは抱いていないことを感じながら涙する。 スージーは、母ローラとスティーヴが未だに愛し合い、結婚を決意したことを知りショックを受ける。 娘のスージーがスティーヴを愛していることを知ったローラは、彼を諦めてでも娘を選ぶと彼女への愛情を示す。 スージーはローラの気持ちを理解するが、しばらく離れて暮らすことにして遠方の大学に進む。 危篤状態になったアニーは、ローラやスティーヴに感謝し、そして娘サラ・ジェーンへの愛を語りながら息を引き取る。 アニーの葬儀は執り行われるが、それに間に合わなかったサラ・ジェーンは、教会の前の棺の前で自分の母親だと言って泣き崩れる。 そしてローラは、そんなサラ・ジェーンを優しく抱き寄せる。
...全てを見る(結末あり)
成功を手に入れる一方、娘スージーと過ごす時間もないローラは、なぜか空しい日々を送っていた。
*(簡略ストー リー)
舞台女優を目指す、貧しい未亡人のローラ・メレディスは、ある日、家もないアフリカ系の女性アニー母娘に出会う。
その母娘を気の毒に思ったローラは、彼女らを家に連れて行き、その後、助け合いながら共同生活を始めることになる。
同じ頃に出会った青年スティーヴと惹かれ合うようになったローラだったが、女優への野心のため彼と別れてしまう。
その後、小さな役を手に入れ、それがきっかけとなり、家庭を犠牲にしてまでも努力して、ついに大女優となったローラは、スティーヴと再会する。
全てを手に入れたローラは、娘のスージーへの愛情や、支え合ってきたアニー母娘の軋轢などに苦悩しながら、幸せを探し求めようとする・・・。
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ドイツ出身で、ナチスの迫害を逃れアメリカに渡った、ダグラス・サークのメロドラマ。
ダグラス・サークは、単独としては最後の監督作品になった。
舞台女優を夢見る野心家の女性の波乱の人生と、彼女を支えながら、白人との間に生まれた現実を。受け入れられない娘との溝に悩むアフリカ系女性の悲哀を、ダグラス・サークが社会性のあるテーマとして濃密に描いた注目作でもある。
その内容が受けて、全世界では約2500万ドルのヒットとなった。
第32回アカデミー賞では、母娘を演じたファニタ・ムーアとスーザン・コーナーが助演女優賞にノミネートされた。
魔性の女のイメージを隠しつつも、ある時は、自分のキャリアを築くために大胆な行動をとり、自分への恩に報いる友への友情も忘れない、美しくも逞しいヒロインを演ずるラナ・ターナーの好演は光る。
主人公への愛を諦めずに、支えとなるジョン・ギャヴィン、娘サンドラ・ディー、主人公の使用人として献身的に仕えるものの、偏見を抱く娘との溝に苦しむファニタ・ムーア、その娘で、母親の愛情を受け止めながらも、偏見を排除することができないスーザン・コーナー、主人公のエージェント、ロバート・アルダ、劇作家ダン・オハーリー、演出家ジャック・ウェストン、サラ・ジェーン(S・コーナー)の恋人トロイ・ドナヒュー、そして、ゴスペル界最高の歌手マヘリア・ジャクソンも葬儀の場面で霊歌を熱唱する。