数々の名曲を残した作詞家ガス・カーン夫妻の音楽人生を描く、監督マイケル・カーティス、主演ドリス・デイ、ダニー・トーマス、フランク・ラヴジョイ他共演のミュージカル・ドラマ。 |
・ドリス・デイ / Doris Day / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・カーティス
製作:ルイス・F・エデルマン
脚本
メルヴィル・シェイヴルソン
ジャック・ローズ
原作
”The Gus Kahn Story”
ルイス・F・エデルマン
グレース・カーン
撮影:テッド・D・マッコード
編集:オーウェン・マークス
音楽:ガス・カーン
出演
グレース・ルボイ・カーン:ドリス・デイ
ガス・カーン:ダニー・トーマス
ウォルター・ドナルドソン:フランク・ラヴジョイ
グロリア・ナイト:パトリス・ワイモア(歌:ボニー・ルー・ウィリアムズ)
フレッド・タウンゼント:ジェームズ・グリーソン
アンナ:メアリー・ウィックス
ジョニー・マーティン:ジュリー・オシンス
サム・ハリス:ジム・バッカス
エグバート”バート”ヴァン・アルスティン:ディック・シモンズ
ルボイ夫人:ミナ・ゴンベル
ルボイ:ハリー・アントリム
フローレンツ・ジーグフェルドJr.:ウィリアム・フォレスト
アイリーン・カーン(3歳):ミミ・ギブソン
アイリーン・カーン(6歳):バニー・ルーベル
ドナルド・カーン(4歳):クリストファー・オルセン
ドナルド・カーン(8歳):ロバート・ライデン
コーリン:ジョーン・ヴォース
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1951年製作 110分
公開
北米:1951年12月6日
日本:未公開
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
20世紀初頭、シカゴ、ロシター&サンズ音楽出版社。
配達人をしながら作詞をするガス・カーン(ダニー・トーマス)は、歌詞などを持ち込むものの相手にされない。
諦めないガスは、社員のグレース・ルボイ(ドリス・デイ)にしつこく頼み、昼休みに何とかそれを見てもらう。
ガスは、持参したサンドイッチをグレースに食べてもらいながら、彼女の意見を聞く。
内容が堅苦しいと言われたガスは、気分を害してその場を去り、グレースに慰められるものの、外のゴミ箱に歌詞を捨ててしまう。
その夜グレースは、両親(ハリー・アントリム/ミナ・ゴンベル)と食事をしていた。
そこに、会社で住所を聞いたと言うガスが訪ねて来る。
グレースを驚かせたガスは、昼間の意見を参考にして、感じたままを歌詞にしたことを伝えて、彼女にそれを見せようとする。 グレースはガスを追い返そうとするが、両親に歓迎された彼は紹介され、食事をご馳走になる。 ガスは、ルボイの語る言葉にを聞きながら、自分の歌詞の貧弱さに気づきその場を去ろうとする。 グレースから、自分の感じる言葉で詩を書くことを勧められたガスは、歌詞を渡して立ち去る。 翌日、ガスの歌詞”I Wish I had a Girl”に曲をつけたグレースは、上司のロシターに新曲を見せるものの相手にされず、辞職して他社に持ち込もうとする。 タウンゼント音楽社に向かったグレースは、フレッド・タウンゼント(ジェームズ・グリーソン)に曲を見せるが、破産したと言う彼に協力を断られる。 食い下がったグレースはフレッドを説得し、何とか曲を聴いてもらう。 母と過ごしていたガスは、訪ねて来たグレースが曲を自費出版したことを知り驚く。 ガスは、曲を宣伝するために仕事を辞めるべきだと言うグレースの意見に賛成できないものの、母親は息子を応援しようとする。 その後、グレースとガスの努力は報われて、”I Wish I had a Girl”は評判となる。 両親が出かけた日にガスを家に招待したグレースは、楽しい時間を過ごそうとするものの、ガスは話もせずに曲作りを始める。 フレッドは、ヒットメーカーのエグバート”バート”ヴァン・アルスティン(ディック・シモンズ)がガスに歌詞を依頼するつもりだとグレースに伝える。 自分が作曲したいグレースは、何年もガスと組んでいるにも拘わらず、結婚していないことに驚くフレッドに、彼との関係を話す。 ガスとグレースが組むべきだと言って帰ろうとしたバートは、そこに現れたガスをフレッドから紹介される。 自分を名字で呼ぶガスに、バートの作詞依頼の件を話したグレースは、その気がない彼に、受けるべきだと言ってチャンスを掴ませようとする。 今更パートナーを変える気はないと言うガスは、グレースの提案を無視して曲を弾かせる。 自分の曲ではなくバートの楽譜を見てそのまま弾いたグレースは、ガスが気に入ったために満足する。 その曲をテナーのジョン・マコーマックが歌い、ステージに呼ばれたガスは、作曲がバートと知り驚く。 憤慨したガスは、成功のために小細工をしたグレースを批判するが、別れると言う彼女を引き止めて、プロポーズしてキスする。 ガスと結婚したグレースは、やがて妊娠して、それを彼に伝える。 喜ぶガスは、その瞬間に”Pretty Baby”の歌詞が閃く。 その後、出産を控えるグレースは、ガスの曲を嫌う不躾な家政婦アンナ(メアリー・ウィックス)を雇う。 フレッドと話をしたガスは、出産を機にグレースに身を引かせるようにと言われ、その件を彼女に話そうとする。 それを話す勇気がないガスは、妊婦にも拘わらず曲の売り込みに行ったグレースがいる劇場に向かう。 グレースは、サム・ハリス(ジム・バッカス)を説得して強引に曲を聴いてもらい、採用される。 アメリカは第一次大戦に参戦し、ガスとグレースは、各地のキャンプを回り慰問演奏を行う。 終戦を喜ぶガスは、グレースが2人目を妊娠したことを知り喜ぶ。 グレースの出産のことばかり考えていたガスは、肝心な時に作詞に熱中してしまう。 無事に女の子を出産したグレースの元に向かったガスは、傍にいなかったことを彼女に謝罪し、歌詞を渡して歌う。 6年が経ち子供たちも成長し、ガスはフローレンツ・ジーグフェルドJr.(ウィリアム・フォレスト)からの電話を受け、ブロードウェイに誘われるものの、家族と別れる気がないので断ろうとする。 電話を代わったグレースが仕事を引き受けたため、受話器を取ろうとしたガスは、はずみで彼女の頬をぶってしまう。 グレースを気遣うガスは、彼女に説得されてニューヨークに向かう。 現地に着いたガスは、ソングライターのウォルター・ドナルドソン(フランク・ラヴジョイ)を訪ねて作詞を始める。 競馬場に連れて行かれたガスは、ウォルターとは仕事はできないと考えるものの、詞は気に入られて組むことになる。 歌手のグロリア・ナイト(パトリス・ワイモア/歌:ボニー・ルー・ウィリアムズ)に歌詞を批判されたガスは、シカゴに戻ろうとする。 ガスに惹かれたグロリアは、彼を引き止める。 グレースは、夜中にパーティー中のガスからの電話を受け、電話口でグロリアが歌う新曲を聴き、彼の雰囲気が変わったことを知る。 ジーグフェルドのショーの初日を迎え、ガスはグレースが現れたために驚く。 ガスとグロリアの関係が気になるグレースは、彼女の楽屋に呼ばれる。 グロリアは誘いはしたものの、ガスは家族のことしか考えていないと言われたグレースは納得し、彼の元に向かいキスする。 その後、ガスの曲はヒットを続け、豪邸で暮らすようになる。 ウォルターがハリウッドに行くことを知ったガスは、グレースに手を引かせるべきだと言う彼とのコンビを解消する。 大恐慌で不況となり、音楽を楽しむ時代ではなくなり、屋敷を売却したガスとグレースの生活も困窮する。 グレースは、ガスが生活のためにプライドを捨てて作詞しているのを見ていられず、ハリウッドのフレッドに電話をする。 自分から仕事を頼む気はないと言っていたガスは、グレースが頼んだことも知らずに、フレッドからの電話を受けて映画音楽を依頼され、ハリウッドに向かうことになる。 家族で引っ越すことになったガスとグレースは、株はやっていなかったと言うアンナから資金提供を受けて旅立つことになる。 息子ドナルド(ロバート・ライデン)の話で、グレースがフレッドと電話で話したことを知ったガスはショックを受ける。 プライドが傷ついたガスは、グレースと話をするものの納得できず、1人でハリウッドに向かう。 映画スタジオの音楽部門で作詞を始めたガスは、作曲家のジョニー・マーティン(ジュリー・オシンス)が、金のために既存の曲をアレンジするだけなので満足できない。 自分らしい仕事をして復活することを心に誓ったガスだったが、発作を起こして倒れてしまう。 病院に駆け付けたグレースは、過去にこだわるガスの考えを変えようとして励まし、必ず立ち直らせると伝える。 そのことをフレッドにも話したグレースは、ガスは休養が必要だと言う医師に、夫から仕事は奪えないと伝える。 その後、ウォルターを呼んだグレースは、ガスを復帰させるための協力を求める。 ウォルターと再び組むことになったガスは、フレッドの協力もあり、仕事が次々と入るようになる。 ウォルターとグレースは、完全復帰したガスを称える企画を計画し、業界の大物を集める。 パーティーだと言われて出席したガスは、スピーチしたウォルターに紹介されてステージに上がる。 ウォルターや出席者、そしてグレースに感謝したガスは、彼女を呼び寄せて、その場で愛を伝える。 ウォルターにリクエストされたガスは、グレースが持っていた、最初に渡した歌詞を見ながら、彼女と共に”I Wish I had a Girl”を歌う。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストーリー)
20世紀初頭、シカゴ。
働きながら作詞をしていたガス・カーンは、音楽出版社に勤めるグレース・ルボイと知り合い、彼女の協力で曲を発表する。
作詞の才能はあるガスがチャンスを逃さないために、グレースは陰で様々な努力をしながら彼に協力する。
当初から支えてくれた音楽出版者フレッドの協力を得ながら結婚したガスとグレースは、数々のヒット曲を世に出し、豪邸で暮らすまでになるのだが・・・。
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ルイス・F・エデルマンとグレース・カーンの著書”The Gus Kahn Story”を基に製作された作品。
1940年代からミュージカルも手掛けるようになったマイケル・カーティスが、数々の名曲を残した作詞家ガス・カーンとグレースの音楽人生を描いた作品。
作詞の才能はあるものの、不器用でアピール力に欠けるガス・カーンと、その弱点を補う妻グレースが夫の成功のために献身的に尽くす姿を描く、マイケル・カーティスのユーモアをまじえた無駄のない軽快な演出が見どころの作品。
物語は20世紀初頭から始まり、第一次大戦と大恐慌を経て、トーキー時代の到来によりハリウッドで主人公が活躍がするまでが、激動の時代と共に感動的に描かれている。
主演のドリス・デイは、作詞家である夫ガス・カーンの才能を活かし、諦めずに支え続ける妻グレース・ルボイ・カーンを好演し、随所で見事な歌声を披露してくれる。
音楽一筋であり、周囲の動きについていけない雰囲気はあるものの、才能を開花させて成功する、人現実がある人物ガス・カーンを熱演するダニー・トーマス、彼と組むソングライターのウォルター・ドナルドソン役フランク・ラヴジョイ、ガスを誘うものの諦める歌手のパトリス・ワイモア(歌:ボニー・ルー・ウィリアムズ)、主人公らに協力する音楽編集者ジェームズ・グリーソン、主人公が雇う家政婦メアリー・ウィックス、ガスがハリウッドで組む作曲家ジュリー・オシンス、ブロードウェイのプロデューサー役ジム・バッカス、ガスと組むソングライターのエグバート”バート”ヴァン・アルスティン役ディック・シモンズ、グレースの両親ミナ・ゴンベルとハリー・アントリム、フローレンツ・ジーグフェルドJr.のウィリアム・フォレスト、主人公の娘(3歳)ミミ・ギブソン、6歳のバニー・ルーベル、主人公の息子(4歳)クリストファー・オルセン、8歳のロバート・ライデン、歌手のジョーン・ヴォースなどが共演している。