豪雨の中でモーテルに宿泊することになった者達が謎めいた殺人事件に巻き込まれていく恐怖をスリリングに描く、監督ジェームズ・マンゴールド、主演ジョン・キューザック、レイ・リオッタ、アマンダ・ピート、ジョン・ホークス、アルフレッド・モリーナ他共演による衝撃のサスペンス・スリラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・マンゴールド
製作総指揮:スチュアート・M・ベッサー
製作:キャシー・コンラッド
脚本:マイケル・クーニー
撮影:フェドン・パパマイケル
編集:デヴィッド・ブレナー
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演
エドワード”エド”ダコタ:ジョン・キューザック
サミュエル・ロード:レイ・リオッタ
パリス・ネバダ:アマンダ・ピート
ラリー・ワシントン:ジョン・ホークス
ジニー・イジアナ:クレア・デュヴァル
ジョージ・ヨーク:ジョン・C・マッギンリー
アリス・ヨーク:レイラ・ケンズル
マリック医師:アルフレッド・モリーナ
テイラー判事:ホームズ・オズボーン
キャロライン・スザンヌ:レベッカ・デモーネイ
ルー・イジアナ:ウィリアム・リー・スロット
ロバート・メイン:ジェイク・ビジー
マルコム・リヴァース:プルイット・テイラー・ヴィンス
ティモシー”ティミー”ヨーク:ブレット・ローア
被告側弁護人:カーメン・アルジェンツィアノ
地方検事:マーシャル・ベル
地方検事のアシスタント:マット・レッシャー
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2003年製作 90分
公開
北米:2003年4月25日
日本:2003年10月25日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $51,475,960
世界 $90,259,540
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
精神科医マリック(アルフレッド・モリーナ)は、殺人犯である死刑囚のマルコム・リヴァース(プルイット・テイラー・ヴィンス)との会話録音を聴いていた。
地方検事(マーシャル・ベル)は、死刑執行前夜に、尋問のためリヴァースが移送されることを、アシスタント(マット・レッシャー)から知らされて驚いてしまう。
雨が降りしきる中、街道を走っていたジョージ・ヨーク(ジョン・C・マッギンリー)は、道路に落ちていたハイヒールを踏んでしまい、タイヤがパンクする。
ジョージはタイヤ交換をしていたが、妻のアリス(レイラ・ケンズル)が、走ってきた車に轢かれてしまう。
アリスを轢いたのは、1980年代に活躍したハリウッド女優キャロライン・スザンヌ(レベッカ・デモーネイ)を乗せて、彼女の携帯電話の電池を探して余所見をしていた、運転手で元警官のエドワード”エド”ダコタ(ジョン・キューザック)だった。 エドは、責任を取らされるといって制止するキャロラインを無視して、アリスの様子を見る。 ロックされた車の窓を割り、キャロラインの携帯電話を奪ったエドだったが電池切れだった。 街道にハイヒールを落としていた、娼婦のパリス・ネバダ(アマンダ・ピート)が、豪雨で増水して道を塞がれて立ち往生し、焦って電話線の電柱に車をぶつけてしまう。 ジョージは、エドの運転する車で最寄のモーテルに向い、アリスを運び込み、主人ラリー・ワシントン(ジョン・ホークス)に、電話をするように指示する。 しかし、電話は不通で、50キロ先に救急病院があることを知ったエドは、アリスの連れ子ティモシー”ティミー”(ブレット・ローア)を車から降ろす。 その場に泊まることをキャロラインに伝えたエドは、それに抵抗する彼女を車から引きずり出して病院に向う。 途中、パリスを乗せたエドは、道路が増水していることを彼女から聞くが、車を走らせる。 ラリーは、キャロラインが女優だと気づき、チップをもらい最上の部屋の鍵を渡す。 パリスの言った通り、水にはまってしまったエドは、現われた、結婚したばかりの若い夫婦、ジニー・イジアナ(クレア・デュヴァル)とルー(ウィリアム・リー・スロット)の車を止める。 二人が携帯電話を持っていないことを知ったエドは、パリスを連れて、彼らの車でモーテルに戻る。 パリスは、ラリーに侮辱されながらも部屋をとり、ジニーとルーも宿泊することになる。 エドは、出血のひどいアリスの傷口を縫おうとするが、そこに刑事のサミュエル・ロード(レイ・リオッタ)が、囚人ロバート・メイン(ジェイク・ビジー)を移送途中に現われる。 ロードも宿泊することになり、エドは無線連絡を彼に頼むがそれも不通だった。 アリスの傷口を縫い合わせたエドは、ティミーが話をしないことを不思議に思う。 ジョージは、口をきかないティミーが、家を出た実父に暴力を受けていたことをエドに伝える。 ロードはアリスの様子を見て、安定はしていることをエドに伝え、パリスに声をかけるが相手にされない。 部屋に戻ったパリスは、所持していた大金を確認して、パイプにつながれたメインはそれを逃れようとする。 衣服の背中が血に染まっているロードは部屋を出る。 電話の充電が終わったキャロラインは、外に出て、電波のつながる場所を探すが、彼女は何者かに襲われる。 何かを感じたエドは、洗濯室で殺されたキャロラインの生首を見つけ、ロードとラリーに知らせる。 そこに、ロードの部屋である10号室の鍵があったことから、彼らは部屋に向うが、メインが逃亡していた。 エドは、宿泊客を集めて状況を説明し、メインを捜すためにロードと周辺を捜索する。 ラリーは、大金を持っていたキャロラインの部屋に行き彼女の荷物を物色する。 取り乱したジニーは部屋に向かい、妊娠したことが嘘だったことをルーに伝え、彼はそれを知って激怒する。 エドはある建物で、人が暮らしている様子があることを確認する。 トイレに閉じ篭っていたジニーは、ルーの声が聞こえなくなったためにドアを開けるものの、何者かに襲われ窓から外に逃げる。 その場にいたロードらが部屋を確認すると、血まみれのルーが息絶えていた。 エドとロードは、逃亡したにも拘らずモーテルに戻っていたことに驚くメインを捕らえて拘束し、ラリーに見張らせる。 ショックを受けたジニーの荷物を取りに行ったパリスと、証拠写真を撮ろうとしたエドは部屋で出くわし、彼は警察を休職した理由などを話す。 エドは、ルーが持っていた9号室の鍵を見つけ、その後、ラリーが目を放した隙に、メインが殺されていることが分かる。 ロードとエドは、ラリーがメインを殺したのかを問い詰め、その場で8号室の鍵が見つかる。 エドは、ラリーがキャロラインの財布を盗んだことを知り、焦った彼はパリスにナイフを突きつける。 銃を向けられたラリーはその場から逃走するが、冷凍庫から男の死体が見つかる。 車で逃げようとしたラリーは、外に出ていたティミーを助けようとしたジョージを轢き殺してしまう。 その頃、呼び出されていたテイラー判事(ホームズ・オズボーン)は、リヴァースの弁護士(カーメン・アルジェンツィアノ)やマリック医師から、リヴァースが関る一連の事件が、複数の者による犯行だと知らされる。 ラリーを問い詰めたロードは、彼がラスベガスで大負けした後に立ち寄ったこの場で、主人が死んでいたためにそのまま居座り、死体を冷凍庫に保管したという話を聞く。 ロードは、ラリーが今回の殺人の犯人だと決め付けるがエドやパリスはそうも思えない。 ジニーは、100年前に水飢饉で全滅した、先住民の墓があることが関っているのではないかと意見するが、ロードは尚も犯人はラリーだと息巻く。 自分達に、何か共通点があるのではと意見するジニーだったが、パリスとラリーの向う目的地が、フロリダだということぐらいだった。 その後、アリスが息を引き取っていることが分かるが、そこには6号室の鍵が置かれていた。 そして、ジョージの遺体を調べたロードらは、7号室の鍵を見つける。 事故死したジョージは、順番に殺される状況にないため、ジニーは再び先住民の呪いを考える。 エドは、パリスとジニー、そしてティミーを車で逃がそうとするが、ジニーとティミーが車に乗った瞬間に爆破が起きる。 しかし、車内に二人の姿はなく、他の死体も消えてしまいパリスが取り乱してしまう。 そこで、残った者達は、自分達の誕生日が同じだということに気づく。 さらに、殺された者達も同じ誕生日だと知ったエドは、自分達の名前に、全て州名が付いていることにも気づく。 次の瞬間、動揺したエドは、マリック医師に質問され、多重人格障害の殺人犯リヴァースの話を聞かされる。 マリックは、エドがリヴァースの人格の一人だということを伝え、彼はリヴァースに戻る。 モーテルの状況を、興奮しながら話していたリヴァースは、マリックから、複数の人格を集めた結果に対立が起き、人格が減っていくことを知らされる。 モーテルで会った人格の中に、4年前に殺人を犯した者がいて、それがリヴァースを支配しているのだった。 それを消滅させて、判事がそのことを認めれば、刑の執行は中止されるとマリックが彼に伝える。 そして、リヴァースはエドの人格に戻る・・・。 ロードが乗ってきたパトカーを調べたパリスは、彼が囚人で、車のトランクに隠された移送担当の刑事の死体を発見して、ロードが背中を刺して殺害したことに気づく。 パリスはエドを捜すが、現われたロードがトラックの鍵を要求して彼女を脅す。 ラリーがロードを叩きのめすが射殺されてしまい、パリスはその場を逃れる。 現われたエドはパリスを落ち着かせて、ロードと撃ち合いになり、彼を射殺する。 銃弾を受けたエドを、パリスは病院に運ぼうとするが、彼は息絶えてしまう。 翌朝雨が上がり、パリスはトラックに乗り、その場から走り去る。 マリックは、殺人を犯した人格が、リヴァースから消えたことを判事に伝え、ネバダ州裁判所は、彼の刑執行の中止を決定する。 リヴァースは、マリックの管理下で入院治療を受けることになる。 移送されるリヴァースは、フロリダでオレンジ園を持ったパリスの人格になる。 パリスは、その場で部屋の鍵を見つけ、襲い掛かろうとするティミーに気づく。 モーテルでの殺人犯はティミーで、その人格になったリヴァースは、異変を感じたマリックに襲い掛かる。
...全てを見る(結末あり)
(ロードは刑事の衣服を着たために、血に染まっていた)
*(簡略ストー リー)
激しい雨の中、ある一家の妻が、街道で女優キャロラインの乗る車に轢かれる。
車を運転していた元警官のエド・ネバダは、傷を負ったジョージの妻を最寄のモーテルに運ぶ。
電話が普通のため病院に向ったエドは、途中、娼婦のパリスを乗せるが、増水のために立ち往生し、通りすがりの若いカップルの車を止めてモーテルに戻る。
そこに、囚人メインを移送中の刑事ロードが現われて宿泊することになる。
その後、キャロラインが惨殺死体で見つかり、カップルの夫も殺される。
逃亡に失敗した囚人も殺され、ロードは、囚人を見張りを任され、キャロラインの財布も盗んだモーテルの主人ラリーを犯人だと決め付ける。
一方、殺人犯で死刑囚のリヴァースが、尋問のため判事の元に移送されることになるが、精神科医のマリックは、彼が関った一連の犯行が、”複数”の者によるものだと説明するのだが・・・。
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観終わると、巧妙且つ思わぬ展開、またどんでん返しもあるその内容に驚かされる、ジェームズマンゴールドによる軽快でシャープな演出も冴えるスリラーの快作。
観客は、随所に挿入される腑に落ちないシーンに頭を傾げてしまうが、途中で登場する先住民の呪いで納得、または更に混乱してしまう。
謎解きのヒントになるショットが度々登場するために、一瞬たりとも目が離せない。
序盤でモーテルに宿泊することになる(するように仕向けられていく)、各人の関連性を描写するめまぐるしい展開も圧巻だ。
終盤で、多重人格の犯人の幻想と分かり納得するのだが、期待通りに起きる更なるショックに驚かされると共に、満足感さえ感じてしまうスリラーも珍しい。
魅力的な出演者も注目で、幻想の多重人格、元警官の運転手をクールに演ずるジョン・キューザック、囚人を移送中の刑事ということになっているレイ・リオッタ、娼婦アマンダ・ピート、モーテルの主人を装っていたジョン・ホークス、結婚したばかりのカップル、クレア・デュヴァルとウィリアム・リー・スロット、事故に遭う一家ジョン・C・マッギンリー、妻レイラ・ケンズル、息子ブレット・ローア、女優のレベッカ・デモーネイ、囚人ジェイク・ビジー。
現実の精神科医アルフレッド・モリーナ、判事ホームズ・オズボーン、被告弁護人カーメン・アルジェンツィアノ、地方検事マーシャル・ベル、そのアシスタント、マット・レッシャーなどが共演している。