知的障害者の男性と引き離されることになる娘との親子愛を描く、製作エドワード・ズウィック、主演ショーン・ペン、ミシェル・ファイファー、ダイアン・ウィースト、ダコタ・ファニング、ローラ・ダーン他共演、監督、脚本ジェシー・ネルソンによるハートウォーミング・ドラマ。 |
・ショーン・ペン / Sean Penn / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェシー・ネルソン
製作総指揮
マイケル・デ・ルカ
デヴィッド・ルービン
製作
マーシャル・ハースコビッツ
エドワード・ズウィック
脚本
クリスティン・ジョンソン
ジェシー・ネルソン
撮影:エリオット・デイヴィス
編集:リチャード・チュウ
音楽:ジョン・パウエル
出演
サム・ドーソン:ショーン・ペン
リタ・ハリソン・ウィリアムズ:ミシェル・ファイファー
アニー・カッセル:ダイアン・ウィースト
ルーシー・ダイアモンド・ドーソン:ダコタ・ファニング
ランディ・カーペンター:ローラ・ダーン
マーガレット・キャルグローブ:ロレッタ・ディヴァイン
ターナー:リチャード・シフ
イフティ:ダグ・ハッチソン
ロバート:スタンリー・デサンティス
ブラッド:ブラッド・シルバーマン
ジョー:ジョセフ・ローゼンバーグ
ウィリー・ハリソン:チェイス・マッケンジー・ベバック
コナー・ローズ:メイソン・ルセロ
フィリップ・マクニーリー:ケン・ジェンキンス
ジョージ:ボビー・クーパー
レベッカ:キャロライン・キーナン
ライト:ウェンディ・フィリップス
ブレイク医師:メアリー・スティーンバージェン
リリー:ロザリンド・チャオ
ジャスロウ医師:マイケル・B・シルバー
判事:ローマ・マフィア
ルーシー(2歳):エル・ファニング
アメリカ 映画
配給 ニュー・ライン・シネマ
2001年製作 132分
公開
北米:2001年12月28日
日本:2002年6月8日
製作費 $22,000,000
北米興行収入 $40,270,900
世界 $97,818,140
■ アカデミー賞 ■
第74回アカデミー賞
・ノミネート
主演男優賞(ショーン・ペン)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス。
スターバックスで働く知的障害者サム・ドーソン(ショーン・ペン)に女の子が生まれる。
”ビートルズ”の大ファンであるサムは、生まれた子に”レノン=マッカートニー”の曲から取った”ルーシー・ダイアモンド”という名前を付けるが、妻レベッカ(キャロライン・キーナン)は、退院と同時に姿を消してしまう。
その後、サムは一人でルーシーを育てようとするが、彼に子育てが出来るはずもなく悪戦苦闘する。
そんなサムを見た、向かいの住人アニー・カッセル(ダイアン・ウィースト)は、彼にミルクの与え方などを教える。
時は流れ、サムはその後もアニーの世話になりながら、成長したルーシー(ダコタ・ファニング)は6歳になり、7歳の知能しかないサムは、娘の言動などに戸惑い始める。 しかしサムは、同じ知的障害の友人で、映画好きのイフティ(ダグ・ハッチソン)、ロバート(スタンリー・デサンティス)、ジョー(ジョセフ・ローゼンバーグ)、ブラッド(ブラッド・シルバーマン)らの助けも借りながら、ルーシーとの幸せな日々を過ごす。 やがて、学校に通うようになったルーシーは、サムの知能を上回ってしまい、それに気づいた彼女は勉強を拒んでしまう。 その後、サムは売春婦に声をかけられたことなどで、その関わりを福祉局の調査で問題視され、養育能力に疑問を持たれるようになる。 そして、家庭裁判所の判断で、サムは保護されたルーシーとの面会を制限されてしまう。 サムは、イフティらの意見で最高の弁護士を雇うことを決め、敏腕弁護士リタ・ハリソン・ウィリアムズ(ミシェル・ファイファー)のオフィスに向かう。 高額の弁護料を払える訳もないサムを、リタは追い払おうとするが、彼女が代わりの弁護士を紹介することになる。 その後、サムの訪問を何度も受けたリタは、彼との接触で、周囲の目が気になるようになり、自分に社会奉仕ができることを証明するため、無報酬で弁護を引き受けてしまう。 しかし、裁判が近づいても、サムを擁護できる証人が一人も見つからずに、リタは焦ってしまう。 傍聴人のイフティら、仲間達しか味方がいないままサムの裁判は始まるが、リタは敏腕弁護士らしい働きを見せる。 リタは、母親が知的障害者にも拘らず、医師になったブレイク医師(メアリー・スティーンバージェン)を証人に呼び、検事のターナー(リチャード・シフ)に対抗する。 そんな時、父サムと面会したルーシーは彼と外出してしまい、悪気のないサムをリタは責める。 リタは、児童福祉局のマーガレット・キャルグローブ(ロレッタ・ディヴァイン)に言い訳をするが、結局、ルーシーはターナーに個別質問を受けることになる。 そして、アニーが証人として呼ばれ、サムに有利な証言をするが、彼女自身の父親のことをターナーに聞かれ閉口してしまう。 サムの裁判に振り回されるリタは、実は彼女自身が、息子のウィリー(チェイス・マッケンジー・ベバック)に愛情を注ぐ暇もなく、それが理由で母子関係は悪化していた。 翌日のサムの証言のために、彼を自宅に連れて行ったリタは、ターナーの質問に対する準備をする。 そして翌日、店のマネージャーのジョージ(ボビー・クーパー)が、裁判で証言してくれた通りに、サムをコーヒー係に任命する。 張り切って仕事をこなすものの、サムは客の注文についていけず、裁判にも遅れてしまう。 そしてサムの証言は始まり、彼は予定通りにリタの質問に答えるが、ターナーとの受け答えで、イフティに入れ知恵された”クレイマー、クレイマー”の映画の場面を語りだしてしまう。 リタは、休廷を求めるもののそれを却下され、ターナーに質問を続けられたサムは取り乱してしまう。 結局、サムは養育能力がないと判断されて、ルーシーと引き離されてしまい、彼女は里親のランディ・カーペンター(ローラ・ダーン)の家に引き取られる。 ルーシーに会いたくてもそれが果たせず、サムは彼女を取り戻すことを諦めて絶望し部屋に引き篭もる。 そんなサムは、華やかに見える生活の惨めさをさらけだし涙するリタを、優しく抱きしめ互いに励まし合う。 そして、気を取り戻したサムはルーシーに会いに行き、リタと協力して裁判に臨むが、結局は福祉局の意見が優先される。 リタは、ルーシーを里親から取り戻すことは諦め、自由に面会する権利を得る案をサムに持ちかける。 サムは、あくまでもルーシーを取り戻すことにこだわり、それをリタに伝える。 里親ランディの家の近くに引っ越したサムは、ルーシーに会い愛情を示す。 夜中に家を抜け出したルーシーは、サムに会うために彼のアパートに向かう。 ランディが心配することを気遣ったサムは、ルーシーを送り届ける。 ”ピザハット”で働くようになったサムは、毎日のように自分に会いに来るルーシーを、ランディの家に律儀に送り届ける。 ランディは、ルーシーの気持ちを理解して優しく接するが、彼女は心を開かない。 ある日リタは、息子ウィリーとサムのアパートを訪ね、彼との出会いで自分が救われたことを伝え感謝する。 その後ランディは、サムとルーシーの固い絆を理解し、彼女をサムの元に戻す。 そして、サムとルーシーは、仲間達やリタ親子、ランディらに見守られながら幸せな生活を始める。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
7歳の知能しかない、知的障害者サム・ドーソンは妻に逃げられるが、周囲の協力を得ながら娘のルーシーを育てる。
やがて、学校に通うようになったルーシーは、自分の知能が父親を上回ってしまうことに気づいて勉強を拒んでしまう。
さらにサムは、親としての養育能力を児童福祉局に疑われ、ルーシーと引き離されてしまう。
困惑したサムは、敏腕弁護士リタの元を訪れるものの相手にされない。
ルーシーを取り戻したい一心のサムは、諦めずにリタのオフィスに通う。
そして、リタは社会奉仕のために、サムの弁護を無料で受けるのだが・・・。
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コメディ・タッチで始まるストーリーは、純真な主人公の人柄や周囲の援助の輪により心温まる感動のドラマとしてクライマックスを迎える。
主人公がビートルズ好きだという設定であり、シェリル・クロウ、エイミー・マンなどが彼らの曲をカバーし、随所で効果的に使われ、非常に心地よい雰囲気で進行する物語だ。
家族の生活を疎かにする敏腕弁護士が、主人公との交流で、親子関係で最も大切なものが何であるかを悟る姿も感動的だ。
ドラマの進行と共に父親としての”風格”が備わる主人公、対する敏腕弁護士は”母親”に戻り、次第に柔和になっていくという、細やかな演出なども見所の一つだ。
第74回アカデミー賞では主演男優賞(ショーン・ペン)にノミネートされた。
既に演技派として着実にキャリアを重ねていた主演のショーン・ペンは、娘と生活することのみを思う一途な父親をほぼ完璧に演じ、愛くるしい娘役のダコタ・ファニングと共に、その演技は絶賛された。
敏腕弁護士から”母親”に戻る表情がほっとするミシェル・ファイファー、主人公の隣人ダイアン・ウィースト、心ある里親のローラ・ダーン、児童福祉局の職員役ロレッタ・ディヴァイン、検事のリチャード・シフ、主人公の友人ダグ・ハッチソン、スタンリー・デサンティス、ブラッド・シルバーマン、ジョセフ・ローゼンバーグ、弁護士リタ(ミシェル・ファイファー)の息子役のチェイス・マッケンジー・ベバック、医師役メアリー・スティーンバージェン、家庭裁判所の判事役ローマ・マフィア、売春婦のロザリンド・チャオ、そして、ルーシーの幼少時代、コタ・ファニングの妹エル・ファニングなどが共演している。