3人の友人同士が親友の死をきっかけに型破りな行動を始めて人生を見つめ直す姿を描く、監督、脚本、編集、出演ジョン・カサヴェテス、主演ピーター・フォーク、ベン・ギャザラ他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・カサヴェテス
製作
アル・ルーバン
サム・ショウ
脚本:ジョン・カサヴェテス
撮影:ヴィクター・J・ケンパー
編集:ジョン・カサヴェテス
出演
アーチー・ブラック:ピーター・フォーク
ハリー:ベン・ギャザラ
ガス・ディミトリ:ジョン・カサヴェテス
メアリー・ティナン:ジェニー・ラナクル
ジュリー:ノエル・カオ
パール・ビリンガム:ジェニー・リー・ライト
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1970年製作 142分
公開
北米:1970年12月8日
日本:2000年3月18日
製作費 $1,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
仲のよい三人、新聞記者アーチー・ブラック(ピーター・フォーク)、広告会社勤務のハリー(ベン・ギャザラ)
歯科医ガス・ディミトリ(ジョン・カサヴェテス)は、親友スチュワートの葬儀に出席する。
やりきれない思いの三人は、夜通し飲み歩き、夜が明けて、バスケットボールや水泳で気分転換をする。
再び飲み始めた三人だったが、アーチーとガスのように吐けないハリーは疎外感を感じ、二人に絡んでしまう。
気を取り戻した三人は、ハリーの家に向かうことになり、彼は不仲の妻と争いになり、彼女を殴ってしまう。
ハリーは、アーチーらに制止されてパスポートを持ち出し、三人はそれぞれの職場に向かう。
仕事を終えた三人だったが、ハリーが突然ロンドンに行くと言い出し、アーチーとガスも、それに同行することになる。
ロンドン。
雨の中、ホテルに到着して部屋を取った三人は、休息した後にカジノに向かう。
彼らはそこで、ガスがメアリー・ティナン(ジェニー・ラナクル)、アーチーがジュリー(ノエル・カオ)、そしてハリーがパール・ビリンガム(ジェニー・リー・ライト)の三人の女性と知り合いホテルに戻る。
ガスは、ギクシャクしながらもメアリーとベッドで戯れ、アーチーは、話そうとしないアジア人のジュリーに戸惑ってしまう。
翌朝、外出したガスとメアリーだったが、彼女は気分を害し姿を消してしまい、アーチーも、意味不明な言葉を発するジュリーと別れる。
ホテルに戻ったアーチーとガスは、三人の女性を部屋に連れ込んだハリーに呼ばれる。
三人と女性達は、ただ訳も無くその場を過ごす。
そして、アーチーとガスはハリーを残し帰国して、子供達への土産などを手にして家族の元に戻る。
*(簡略ストー リー)
友人の葬儀で顔を合わせた仲のよい悪友の三人、アーチー、ハリー、ガスは、やりきれない思いでその夜、街で飲み明かす。
翌日も同様に飲んでいた三人だったが、妻と不仲のハリーだけが疎外感を感じてしまう。
三人はハリーの自宅に向かい、妻に手を上げた彼を、アーチーとガスが制止する。
それぞれの仕事に向かった三人だったが、ハリーの提案で、彼らはロンドンに向かうことになる。
現地に着いた三人はカジノに向かい、それぞれが女性を連れてホテルに戻り、現実を忘れた時間を楽しもうとするのだが・・・。
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ジョン・カサヴェテスが、ファミリーと言える盟友ピーター・フォークとベン・ギャザラと共に、中年男性の悲哀を風刺を込めて描いた作品。
脚本を兼ねるジョン・カサヴェテス自身が、最も気に入っている作品にもあげている。
息の合った三人の様子は演技には見えず、特に、街角で小競り合いなどを映すロング・ショットなどは、ロケというより隠し撮りに近い手法であり、いかにもカサヴェテスらしいリアルな映像となっている。
何不自由のない家庭生活を送る二人に対し、夫婦間の問題を抱えるベン・ギャザラの提案で起す奇妙な行動なのだが、結局は、ある種の満足感を得られる彼を残し、帰国したピーター・フォークとジョン・カサヴェテスは、家族の元に帰り現実に戻る・・・。
彼らのその表情に全てが集約された、シニカルな表現による幕切れも、シンプルではあるが実に印象的で考えさせられる。