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ハンガー Hunger (2008)

北アイルランド問題で収監されたIRA過激派達の抵抗運動を描く、監督、脚本スティーヴ・マックイーン、主演マイケル・ファスベンダースチュアート・グラハムリアム・カニンガム他共演の実録ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

マイケル・ファスベンダー / Michael Fassbender / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:スティーヴ・マックイーン

製作
ロビン・グッチ
ローラ・ヘイスティングス・スミス
製作総指揮
イアン・キャニング
ピーター・カールトン
エドゥムンド・コールザード
リンダ・ジェームズ
脚本
スティーヴ・マックイーン
エンダ・ウォルシュ
撮影:ショーン・ボビット
編集:ジョー・ウォーカー
音楽
レオ・エイブラハムズ
デビッド・ホルムズ

出演
ボビー・サンズマイケル・ファスベンダー
レイモンド・ローハン:スチュアート・グラハム
ドミニク・モーラン神父:リアム・カニンガム
ゲリー・キャンベル:リアム・マクマホン
ローハンの母:ヘレナ・ベリーン
ローハン夫人:レイン・ミーゴウ
デイヴィー・ギレン:ブライアン・ミリガン
ゲリーの恋人:カレン・ハッサン

イギリス/アイルランド 映画
配給 Icon Film Distribution
2008年製作 96分
公開
イギリス:2008年10月31日
北米:2008年12月5日
日本:2014年3月29日
製作費 £1,707,277
北米興行収入 $154,080
世界 $2,724,470


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1981年、北アイルランド
紛争で2187人が殺害され、イギリス政府は、獄中の活動家から政治犯としての身分を奪い、メイズ刑務所のリパブリカン(IRA過激派)の囚人は毛布だけを受取り糞尿にまみれて抵抗した。

メイズ刑務所
刑務官のレイモンド・ローハン(スチュアート・グラハム)は、テロに警戒しながら通常の職務に就く。

護送されて来たリパブリカンのデイヴィー・ギレン(ブライアン・ミリガン)は、囚人服を拒み私服を着ることを要求する。

看守は何も答えず、ギレンは全裸になり、毛布一枚を渡されて、ゲリー・キャンベル(リアム・マクマホン)のいる糞尿まみれの監房に入れられる。

面会日に、恋人(カレン・ハッサン)が隠し持ってきたラジオを受け取ったゲリーは、監房に戻りそれを使い世の中の情勢を知る。

囚人のボビー・サンズマイケル・ファスベンダー)は、看守に監房から引きずり出され、抵抗したために、ローハンに痛めつけられる。
...全てを見る(結末あり)

サンズは無理矢理に散髪され、傷つきながら体を洗われ、監房は清掃される。

数日後、サンズは、何事もなかったかのように両親と面会する。

ギレンが面会で受け取った本部からの指示を渡されたサンズは、私服を着ていられるように交渉しろという指示を受ける。

普通の服を与えられた囚人らは、私服を着る権利を与えられないため、それに抗議して暴れはじめる。

刑務所側は機動隊の出動を要請し、全裸の囚人を監房から引きずり出して身体検査を始め、抵抗する者は容赦なく痛めつけられる。

そんなある日、老人養護施設の母(ヘレナ・ベリーン)を訪ねたローハンは、押入って来た者に射殺される。

ドミニク・モーラン神父(リアム・カニンガム)の訪問を受けたサンズは、二度目のハンストをすることを伝える。

前回のハンストとどこが違うかを聞かれたサンズは、やり方を変えて75人が参加し、死ぬ覚悟もあると答える。

死ぬためのストではないはずだと言われたサンズは、自分達の決意を見せると伝える。

死者のことや、気にもしないイギリス側の見方を考えているか問われたサンズは、一時的な士気の低下があっても、更に強固な意志を持った世代が生まれると伝え、神父に協力を求める。

前回は協力しても、相手の降伏が目的の死ぬためののストなら話は別だと言う神父は、サンズが、あくまで交渉を拒む考えであることを知る。

ストを中止するよう言われてもそれを拒むサンズは、少年時代の話をする。

クロスカントリーの大会で国境を越えアイルランドに向かったサンズは、プロテスタントの少年らとも交流する。

川で傷ついた子馬を見つけたサンズは、その場で少年達と対処について議論し、現れた神父の前でサンズが子馬を水死させた。

サンズは神父に罰を与えられたが、子馬を苦痛から救い、皆に代わり罰も受け、それから逃れた者達から尊敬されたことを話し、行動することに価値があると神父に語る。

ある意味、納得した神父は、もう会うことはないと言って席を立つ。

ハンストは予定通り始まり、サンズは肝臓や腎臓他の機能低下で医療室に収容される。

苦しみに耐えながら抵抗を続けるサンズの元に、両親が訪ねて来る。

ベッドの横で自分に付き添う母親に気づいたサンズは、少年時代のクロスカントリー大会のことを思い出す。

サンズは、母親に見守られながら息を引き取り搬送される。
__________

ボビー・サンズは、ハンガーストライキの66日目で死亡した。

その間に北アイルランド選出の下院議員に当選し、7か月後にハンストが中止された時には、更に9人が亡くなっていた。

毛布と糞尿の抵抗の間に、16人の刑務官が殺害された。

イギリス政府は囚人の要求を受け入れたが、政治犯であることは認めなかった。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1981年、北アイルランド
北アイルランド問題で多数の死者を出し、収監されたリパブリカン(IRA過激派)の囚人は、政治犯としての身分を剥奪され、毛布だけを受取り糞尿にまみれて抵抗した。
妥協案も認めない囚人のリーダー、ボビー・サンズは、二度目のハンストで死を覚悟した抵抗を始める・・・。
__________

今や世界の映画界で認められる存在となったスティーヴ・マックイーンの長編初監督作品。

スティーヴ・マックイーンは、第61回カンヌ国際映画祭でカメラ・ドール(新人監督賞)を受賞し、世界の映画祭や映画賞で絶賛された。

非常にデリケートで複雑な”北アイルランド問題”において実際に起きた物語で、サッチャー首相の強硬姿勢に抵抗する囚人達の意志を貫く姿を描く、スティーヴ・マックイーンの力強い演出が見所の作品。

淡々と進む物語なのだが、目的以外に見向きもせず突き進むリパブリカン(IRA過激派)の考えを伝えるような、無駄のない張り詰めた雰囲気がある映像が印象的だ。

中盤、主人公のボビー・サンズと協力者でもある神父との、リパブリカンの全ての考えが集約しているような、約24分間の緊張感ある会話シーンは見応えある。

終盤のハンストの場面ではやせ衰え激変する姿も痛々しい、主人公のボビー・サンズを熱演する、スティーヴ・マックイーンの長編作品全てに出演しているマイケル・ファスベンダー、刑務官スチュアート・グラハム、主人公を説得する神父リアム・カニンガム、囚人リアム・マクマホン、その恋人カレン・ハッサン、同じ監房の囚人ブライアン・ミリガン、刑務官の母親ヘレナ・ベリーン、主人公の母親レイン・ミーゴウなどが共演している。


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