贋作の美術品を売りさばく父の窮地を救おうとする娘と泥棒に間違われた探偵が巻き起こす騒動を描く、監督ウィリアム・ワイラー、主演オードリー・ヘプバーン、ピーター・オトゥール、イーライ・ウォラック、ヒュー・グリフィス、シャルル・ボワイエ他共演のコメディ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ウィリアム・ワイラー
製作:フレッド・コールマー
原作:ジョージ・ブラッドショウ
脚本:ハリー・カーニッツ
撮影:チャールズ・ラング
編集:ロバート・スウィンク
音楽:ジョニー・ウィリアムズ
出演
ニコル・ボネ:オードリー・ヘプバーン
シモン・ダーモット:ピーター・オトゥール
デイヴィス・リーランド:イーライ・ウォラック
シャルル・ボネ:ヒュー・グリフィス
ベルナール・ド・ソルネ:シャルル・ボワイエ
警備主任:ジャック・マラン
グラモン:フェルナンド・グレーヴィー
パラヴィデオ:マルセル・ダリオ
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1966年製作 123分
公開
北米:1966年7月13日
日本:1966年11月
製作費 $6,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
美術品収集家シャルル・ボネ(ヒュー・グリフィス)は、パリの大邸宅の秘密のアトリエで、娘ニコル(オードリー・ヘプバーン)から、自らの贋作である美術品を、競売にかけるのを止めるよう説得される。
しかしシャルルは、億万長者が絵を買い、喜んでいるのだから問題ないと、それを聞き入れようとしない。
偽物のチェリーニのヴィーナス像を、美術館に貸し出して満足気のシャルルだった。
しかし、アメリカ人の美術品収集家デイヴィス・リーランド(イーライ・ウォラック)が、ヴィーナスに目をつけ、シャルルの身辺を探り始める。
就寝中、物音に気づいたニコルは、屋敷に侵入して絵を盗もうとしていた、シモン・ダーモット(ピーター・オトゥール)に銃を向けて発砲してしまう。 シモンに傷を負わせたニコルだったが、警察には通報せずに、彼をホテルに送り届ける。 帰宅したニコルは、警察に連絡したら贋作がバレてしまうことを恐れたことを父シャルルに説明する。 翌日、美術館で出くわしたニコルとシモンは、ヴィーナスの防犯装置の説明を、グラモン館長(フェルナンド・グレーヴィー)から受ける。 実はシモンは、有名な美術商ベルナール・ド・ソルネ(シャルル・ボワイエ)が雇った私立探偵だった。 シャルルのコレクションに疑いを持ったド・ソルネが、シモンに調査させていたのだった。 ニコルに接触したリーランドは、ヴィーナス惚れ込んでいることを彼女に伝える。 その後、ヴィーナスに、もしもの時の保険が掛けられることになり、シャルルはそれにサインしてしまう。 しかし、それにより、ヴィーナスの科学鑑定が行われることになってしまう。 シャルルは身の破滅を感じ、ニコルは仕方なく、泥棒だと思い込んでいるシモンに、ヴィーナスを盗んでもらうことにする。 美術館に下見に行ったニコルとシモンは、厳重な警備下のヴィーナスを盗み出す準備を始める。 一方、リーランドはヴィーナスを手に入れるために、ニコルに指輪を送り、結婚を迫り婚約してしまう。 閉館間際に美術館に入り、その後も館内に潜んでいた二人だったが、狭い物置に閉じ込められてしまう。 シモンの機転で何とか物置から抜け出し、ブーメランを使ってわざと2回も警報を鳴らす。 大統領から、警報を切るようにとの命令を受けた警備主任(ジャック・マラン)は、美術館の警備電源を全て切ってしまう。 その間、ニコルがヴィーナスを盗もうとしている理由を知ったシモンだったが、二人は物置の中で、お互い惹かれ合っていることに気づく。 ヴィーナスを奪ったシモンは、それをニコルに預け、夜が明けて、それがなくなったことが分かり、館内が大混乱になる中、清掃員に扮したニコルは、警備室にいたシモンと共に逃亡する。 リーランドは、盗品でもいいからヴィーナスを手に入れたいことをド・ソルネに伝え、彼は、シモンをリーランドに紹介する。 リーランドと会ったシモンは、ヴィーナスを手に入れるには、ボネ家と縁を切り、ニコルとの婚約も解消することが条件だと言い渡す。 その後、現れたニコルに、シモンは、初めて泥棒をしたことと、自分が探偵で、世界各地の美術館の特別顧問をしていることを伝える。 シモンはリーランドにヴィーナスを売り、結局、偽物で大金を手に入れる。 やがてニコルとシモンは結婚することになり、シャルルは贋作から手を引くことになるが、彼の”ゴッホ”を欲しがる南米人パラヴィデオ(マルセル・ダリオ)が現れ、彼を歓迎してしまう。 ニコルとシモンはそれを見ながら、諦め顔でハネムーンに出発する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
パリ。
美術品収集家シャルル・ボネは、自らの贋作を競売にかけるのを止めるう、娘ニコルから説得される。
しかしシャルルは、億万長者がそれを喜んで買うことを理由に、二コルの意見を聞き入れようとしない。
美術館の偽物の”チェリーニ”のヴィーナス像に目を付けた、アメリカ人美術品収集家リーランドは、シャルルの身辺を探り始める。
その夜、ニコルは屋敷に侵入し、絵を盗もうとしていた男シモン・ダーモットに銃を向け、怪我をさせるが、父親の贋作バレるのを恐れ、警察には通報しなかった。
実は、シモンは、美術商ド・ソルネが雇った私立探偵で、シャルルのコレクションに疑いを持ち、彼に調査させていたのだった。
その後、ヴィーナスに保険が掛けられることになり、それにより科学鑑定が行われる。
身の破滅を覚悟する、シャルルの姿を見たニコルは、泥棒だと思い込んでいるシモンに、問題のヴィーナスを、盗んでもらうことにするのだが・・・。
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ジョージ・ブラッドショウの原作を基に映画化されたロマンチック・コメディ。
どんなジャンルでも、繊細且つ重厚な作品に仕上げるワイラーが、パリを舞台に、軽快かつ切れのいい演出で見せる、小粋なストーリーとなっている。
”ジョニー”としてクレジットされていた、ジョン・ウィリアムズの、テンポのよい楽しい音楽も印象に残る。
美しく品があり魅力的な女性として、ピークに達していたオードリー・ヘプバーンとしても、「噂の二人」(1961)以来となるW・ワイラー作品で、30代も半ばを過ぎているにも拘らず、彼女の魅力やファッション・センスが際立つ作品。
もちろん彼女の衣装はジバンシィのデザイン。
「アラビアのロレンス」(1962)以後も話題作が目白押しのピーター・オトゥールの、スマートな”泥棒”探偵振りも実に楽しい。
結局は、偽物を掴まされるアメリカ人の富豪イーライ・ウォラック、贋作のコレクションに生涯を懸けるヒュー・グリフィス、そのライバルのシャルル・ボワイエら、ベテラン俳優が脇を固め、警備主任のジャック・マラン、美術館館長のフェルナンド・グレーヴィー、”ゴッホ”コレクターのマルセル・ダリオらも大いに笑わせてくれる。