”OK牧場の決闘”の後日談をその後も続いたワイアット・アープとドク・ホリデイの友情を中心に描く、製作、監督ジョン・スタージェス、主演ジェームズ・ガーナー、ジェイソン・ロバーズ、ロバート・ライアン他共演の本格派西部劇。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・スタージェス
製作:ジョン・スタージェス
脚本:エドワード・アンハルト
撮影:ルシアン・バラード
編集:フェリス・ウェブスター
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演
ジェームズ・ガーナー:ワイアット・アープ
ジェイソン・ロバーズ:ドク・ホリデイ
ロバート・ライアン:アイク・クラントン
フランク・コンヴァース:ヴァージル・アープ
サム・メルヴィル:モーガン・アープ
チャールズ・エイドマン:ホレス・サリヴァン
オースティン・ウィリス:アンサン・サフォード
リチャード・ブル:トーマス・フィッチ
ラリー・ゲイツ:ジョン・P・クラム
ウィリアム・シャラート:ハーマン・スパイサー判事
アルバート・サルミ:オクタヴィウス・ロイ
モンテ・マーカム:シャーマン・マクマスター
ジョン・ヴォイト:カーリー・ビル・ブローシャス
スティーヴ・イーナット:アンディ・ウォルショー
マイケル・トーラン:ピート・スペンス
ウィリアム・ウィンダム:テキサス・ジャック・ヴァーミリオン
ロニー・チャップマン:ターキー・クリーク・ジョンソン
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1967年製作 101分
公開
北米:1967年11月1日
日本:1967年10月
製作費 $1,800,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1881年10月26日にアリゾナ準州、トゥームストーン。
ワイアット・アープ(ジェームズ・ガーナー)、ドク・ホリデイ(ジェイソン・ロバーズ)、ヴァージル・アープ(フランク・コンヴァース)、モーガン・アープ(サム・メルヴィル)らの町の保安官側に対する、アイク・クラントン(ロバート・ライアン)一味との対決がOK牧場で迫っていた。
郡保安官や無法者カーリー・ビル・ブローシャス(ジョン・ヴォイト)らを味方に付けたクラントンだったが、ワイアット側のヴァージルとモーガンは負傷するものの、彼らがその場を制圧し、互いに引き上げる。
弟などを戦いで亡くしたクラントンは、ワイアットらの幸運を長続きさせないために、次の秘策を練る。
ワイアットは殺人罪で起訴されるが、自らの正当性を訴え、スパイサー判事(ウィリアム・シャラート)はそれを認め、検察側の訴えを却下する。 その後クラントンは、手下を使いヴァージルを闇討ちにし、今度はワイアットが訴えるが、目撃者が復讐を恐れ証言を拒んだために訴えは却下される。 保安官選挙が始まり、開票を待つワイアットらだったが、立候補したモーガンが銃撃され、当選の報を聞いた後に息を引き取る。 ワイアットは、体が不自由になったヴァージルとその家族をカリフォルニアに連れて行くため汽車に乗り込み、それにドクも同行する。 途中、ワイアットに電報が届き、彼が連邦保安官に任命され、判明したモーガンを殺した犯人を逮捕するよう要請を受ける。 助手の経費は出なかったがドクが志願し、乗換えで待ち伏せしていたクラントンの手下を、ワイアットとドクが倒す。 クラントンは、自分の息がかかっていた保安官のスペンス(マイケル・トーラン)を追放し、手下を保安官助手に任命させて、戻ってくるワイアットを逮捕しようとする。 ワイアットとドクは、ツーソンの保安官シャーマン・マクマスター(モンテ・マーカム)と共にトゥームストーンに戻る。 しかし、命を狙われていることを知ったワイアットは、一旦町を離れ、助っ人を集めたドクと町外れで合流する。 ワイアットは、スペンスが鉱山労働者の給料を奪ったことを知り、駅馬車の中継所にいるはずのスペンスを追う。 スペンスを見つけたワイアットは、盗んだ現金を確認して、銃撃してきた彼を射殺し、ドクやシャーマンの元に向かう。 酒が切れたドクは町の酒場に出かけ、手配中であったブローシャスが、付近にいることに気づく。 ブローシャスを逮捕しようとしたドクだったが、撃ち合いになり、後を追ってきたワイアットが彼を射殺する。 モーガンを殺した、賞金のかかった4人目の犯人も逮捕せず射殺したワイアットは、助っ人のシャーマンらに謝罪し、彼らと別れる。 残ったドクは、ワイアットをただの復讐鬼だと罵るが、持病の咳の発作が起きる。 ワイアットは、ドクを空気のいいコロラドへ連れて行くことにしする。 その頃クラントンは、ワイアットらが町を去っただけでは満足出来ず、手下に彼らの抹殺を命ずる。 療養所に入ったドクは、医者の言いつけを守らずに酒を飲み続け様態は改善しなかった。 トゥームストーンの顔役、ホレス・サリヴァン(チャールズ・エイドマン)らに、州保安部長として町に戻ることを要請されたワイアットは、手下を買収してクラントンを追放した顔役連中の強かさをドクに伝える。 クラントンへの復讐のためメキシコに向かったワイアットだったが、ドクも病院を出て彼を追う。 合法的にクラントンを連れ戻すというワイアットにドクは同行し、牛泥棒の容疑でクラントンを逮捕しようとする。 逮捕されたクラントンの手下が、口封じのために殺され、彼の逮捕が難しくなったワイアットは、復讐と割り切り、クラントンを倒すことをドクに伝える。 クラントンを見つけたワイアットは、保安官のバッジをドクに渡し、決闘を挑み一発で彼を仕留める。 ドクを療養所に戻したワイアットは、彼からバッジを受け取り別れを告げる。 そしてワイアットは、法の番人から足を洗うことを決めて旅立っていく。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ワイアット・アープやドク・ホリデイが制圧した”OK牧場の決闘”が終わり、対決したアイク・クラントンは、ワイアットらへの復讐の秘策を練る。
仲間を集めたクラントンは、ワイアットの弟ヴァージルを闇討ちし、モーガンの命を奪う。
その後、ワイアットは連邦保安官になり、ドクを助手にしてクラントンの手下を倒す。
そして、双方一歩も譲らない、因縁の戦いは続くのだが・・・。
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”OK牧場の決闘”までの経緯を描いた、傑作西部劇「OK牧場の決斗」(1957)でメガホンをとったジョン・スタージェスが、再び同じ登場人物を主人公にし、西部劇にありがちなロマンや野望のようなものを捨てた作風が実に新鮮で、それ故にさり気なく描かれる、男の友情が際立つ快心作と言える。
この辺りは、なんとも微妙に意見が分かれるところで、自分自身も子供の頃に観た記憶では、「OK牧場の決斗」(1957)に比べ、見せ場も少なく物足りなく感じたものだった。
ジェリー・ゴールドスミスの西部劇音楽も興味深く、テーマ曲は耳に残る。
感情抑え気味に主人公ワイアット・アープを演ずるジェームズ・ガーナーは、30代とは思えない貫禄と風格があり頼もしい。
対する酒浸りで咳の病気を持つギャンブラー、ドク・ホリデイ演ずるジェイソン・ロバーズの、演技派らしい、玄人受けする名演も光る。
敵役アイク・クラントンを演辞手いるロバート・ライアンも、アクの強い、敵対する悪党のボスを熱演している。
名脇役達、チャールズ・エイドマン、オースティン・ウィリス、リチャード・ブル、ウィリアム・シャラート、ラリー・ゲイツらが共演する中で、2年後の名作「真夜中のカウボーイ」(1969)で脚光を浴びるジョン・ヴォイトが、台詞は少ないが印象に残る役で登場するのも注目だ。