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センチメンタル・アドベンチャー Honkytonk Man (1982)

肺病を抱えながら人生の最後に一花咲かせようとするしがないウエスタン歌手が彼を慕う甥と共に旅を続ける姿を少年の視点で描く、製作、監督、主演クリント・イーストウッド、息子のカイル・イーストウッドが甥役を演ずるヒューマン・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)

クリント・イーストウッド / Clint Eastwood 作品一覧
クリント・イーストウッド / Clint Eastwood / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:クリント・イーストウッド
製作総指揮:フリッツ・メインズ
製作:クリント・イーストウッド
脚本:クランシー・カーライル(原作)
撮影:ブルース・サーティース

編集
フェリス・ウェブスター
マイケル・ケリー

ジョエル・コックス
音楽:スティーヴ・ドーフ

出演
レッド・ストーヴァル:クリント・イーストウッド
ホイット:カイル・イーストウッド

祖父:ジョン・マッキンタイア
エミー:ヴァーナ・ブルーム
ヴァージル:マット・クラーク
マーリン:アレクサ・ケニン

ハイウェイ・パトロール:ティム・ソメーソン
アーンスプリガー:バリー・コービン
ヘンリー・アクスル:ジョー・レガルブート
ジャック・ウェイド:ジョン・ラッセル

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1982年製作 122分
公開
北米:1982年12月15日
日本:1983年4月
北米興行収入 $4,484,990


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
大恐慌の時代。
ウエスタン歌手のレッド・ストーヴァル(クリント・イーストウッド)は、ラジオのライブ番組”グランド・オール・オプリ”のオーディションに向かおうとしていた。

レッドは途中、姉のエミー(ヴァーナ・ブルーム)の家に立ち寄るが、夫ヴァージル(マット・クラーク)は、砂嵐で畑をダメにし、所持金も底を突いていた。

祖父(ジョン・マッキンタイア)や息子ホイット(カイル・イーストウッド)を養うヴァージルは、カリフォルニアへの移住を考える。

大酒飲みで病気持ちのレッドは、気分が悪いと人に辛く当たり、甥のホイットそれに手こずるだった。

ホイットを連れたレッドは、ある酒場で歌った後、鶏舎で鶏を盗み逮捕されてしまう。
...全てを見る(結末あり)

西部劇のポスターを見たホイットは、レッドを脱獄させることを思いつき、それを実行して見事に成功させて帰宅する。

祖父が資金を出し、病気のレッドの世話役として、ホイットはナッシュヴィルまでレッドのお供することになる。

同行した祖父は、ホイットに昔抱いた夢を語り、彼は車の運転も任され、レッドの作詞の手伝いをしたりもする。

途中、顔馴染みのアーンスプリガー(バリー・コービン)に借金の取立てに行ったレッドは、彼かの有り金を巻き上げて先を急ぐ。

その場にいたマーリン(アレクサ・ケニン)という少女が、ナッシュヴィル行きを希望し、ホイットは仕方なく、レッドに内緒で車のトランクに彼女を押し込み出発する。

ハイウェイ・パトロール(ティム・ソメーソン)に止められたレッドは、トランクのマーリンに気づく。

マーリンを追い返そうとするレッドは、歌手志望だという彼女の歌を聴き、その酷い歌声に益々呆れてしまう。

車の修理が必要となってしまい、祖父とは別れることになり、レッドもバスでメンフィスに向かい、車が直り次第ホイットも向かうことになる。

レッドと合流したホイットは、叔父の病気を案ずるのだが、彼はそれを気にもせず、ようやく”グランド・オール・オプリ”の会場に到着する。

早速オーディションを受けたレッドは、ホイットの手助けで作ったバラード、”ホンキートンク・マン”を歌い好印象を持たれるが、咳き込んでステージを降りてしまう。

医者の診察を受けたレッドは結核と診断され、療養所行きを勧められ、歌は唄わないないよう忠告されれる。

そこに、レコード会社からレコーディングの話が入り、心配するホイットを無視し、レッドはそれを受ける。

吐血までしながら、何とかレコーディングを終わらせたレッドとホイットの元に、れたマーリンが現れる。

レッドの病状が悪化し、ホイットとマーリンは、彼の命が長くないことを知医師からされる。

そして、ホイットとマーリンの看病の甲斐もなく、レッドは息を引き取り、2人で彼を埋葬する。

ホイットは、レッドの墓前で彼のテンガロンハットを被り、ギターを弾き追悼の歌を唄う。

ホイットとマーリンは、カリフォルニアに向かうことになるが、停車中の車のラジオからは、レッドの”ホンキートンク・マン”が流れていた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
大恐慌の時代。
中年のウエスタン歌手のレッド・ストーヴァルは、ラジオのライブ番組”グランド・オール・オプリ”のオーディションに向かおうとしていた。
レッドは、途中、姉エミーの家に立ち寄り、大酒のみと病気持ちの彼の世話役として、甥のホイットが、ナッシュヴィルまで付き添うことになる。
資金を出した祖父も同行することになり、3人の旅は始まるものの、車の故障で各自は別れることになる。
メンフィス入りしたレッドはホイットと合流して、ようやく”グランド・オール・オ プリ”の会場に到着する。
そして、オーディションは始まり、ホイットの手助けで作った曲を歌うレッドだったが・・・。
__________

親子でありながら、微妙に距離を置き、息子カイルを贔屓して描かず、扱わないクリント・イーストウッドの演出が冴える作品。

地味ではあるが、50代に入り渋みも増したイーストウッドの熱演も光る、人情味に加え、彼、独特のユーモアも楽しめる、ファンにとっては愛すべき一作。

商業的には全く振るわなかった作品ではあるが、その後のイーストウッドの、監督としての評価を語る上では見逃せない作品。

後にミュージシャンとなるイーストウッドの息子カイル・イーストウッドもなかなかの好演で、主演のイーストウッド以外は、アクのある役者は登場せず、存在感のあり過ぎる彼が病弱なため、少年や途中に出会う少女の存在がかなり強調され、さらに、それを和らげる大ベテランの祖父役ジョン・マッキンタイア他、姉家族らの素朴な演技も実にいい。

タイトルとなる”ホンキートンク・マン”の歌詞も泣かせてくれる。

息子の旅立ちに理解を示す主人公の姉ヴァーナ・ブルーム、夫マット・クラーク、気のいい同行者でホイット(カイル)に力を貸す少女アレクサ・ケニン、詐欺師バリー・コービン、酒場で一瞬だけ登場する、イーストウッドの「ペイルライダー」(1985)や「リオ・ブラボー」(1959)のジョン・ラッセルなどが共演している。


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