1987年に発表された、H・G・ウェルズの古典的SF小説”透明人間”をヒントに製作された作品。 人間の透明化を研究する科学者が自ら実験台になり人格なども変化し暴走を始める姿を描く、監督ポール・バーホーベン、主演エリザベス・シュー、ケヴィン・ベーコン、ジョシュ・ブローリン他共演のSFサスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ポール・バーホーベン
製作総指揮:マリオン・ローゼンバーグ
製作
アラン・マーシャル
ダグラス・ウィック
脚本:アンドリュー・W・マーロウ
原案
ゲイリー・スコット・トンプソン
アンドリュー・W・マーロウ
撮影:ヨスト・ヴァカーノ
編集:マーク・ゴールドブラット
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演
リンダ・マッケイ:エリザベス・シュー
セバスチャン・ケイン:ケヴィン・ベーコン
マシュー・ケンジントン:ジョシュ・ブローリン
サラ・ケネディ:キム・ディケンズ
フランク・チェイス:ジョーイ・スロトニック
ジャニス・ウォルトン:メアリー・ランドル
カーター・アビー:グレッグ・グランバーグ
ハワード・クレイマー博士:ウィリアム・ディヴェイン
隣人の女性:ローナ・ミトラ
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2000年製作 112分
公開
北米:2000年8月4日
日本:2000年10月14日
製作費 $95,000,000
北米興行収入 $73,209,340
世界 $191,200,000
■ アカデミー賞 ■
第73回アカデミー賞
・ノミネート
視覚効果賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ワシントンD.C.。
科学者のセバスチャン・ケイン(ケヴィン・ベーコン)は、ある研究を成功させる。
セバスチャンは、それを元恋人のリンダ・マッケイ(エリザベス・シュー)に伝える。
国家の最高機密である研究メンバーのリーダー、セバスチャンは、人間を透明にするための研究を、既に動物実験で成功させていた。
翌朝、研究所に向かったセバスチャンは、同僚でリンダの恋人であるマシュー・ケンジントン(ジョシュ・ブローリン)と共に、透明になり逃げ出したゴリラを追う。 ゴリラを麻酔銃で眠らせたセバスチャンは、チームの獣医師のサラ・ケネディ(キム・ディケンズ)に、動物の扱いについてを非難する。 その後セバスチャンは、メンバーのフランク・チェイス(ジョーイ・スロトニック)、他カーター・アビー(グレッグ・グランバーグ)、ジャニス・ウォルトン(メアリー・ランドル)らチームのメンバーとゴリラへの血清を投与し、元の姿に戻すことに成功する。 国防総省、ペンタゴン。 リンダは、研究がほぼ完成に近づくことを知っていたために戸惑い、クレイマーは結果を出すことをセバスチャンに急がせる。 実験成功に自信を見せるセバスチャンは、リンダとマシューらメンバーを説得し、自ら人体実験に志願する。 3日間の予定で、自分で血清を投与したセバスチャンは、激痛に苦しみながらも姿を消し、実験の成功にメンバー達は喜ぶ。 チームは、順番でセバスチャンを監視することになるが、サラやジャニスは、姿が見えない彼の存在が気になる。 リンダも透明のセバスチャンに迫られるが、それを拒み研究所を後にする。 そして、セバスチャンは元に戻るために血清を投与されるが、再生の段階で異変が起きて暴れ始めてしまう。 心肺停止したセバスチャンは一命は取り留めるが、結局は元には戻れずに姿は消えてしまう。 ラテックス・マスクを作ったリンダとマシューだったが、10日間も元に戻れないセバスチャンは焦り始める。 耐え切れなくなったセバスチャンは、カーターが監視する中、研究所を抜け出してしまい自宅のアパートに戻る。 セバスチャンは、以前から気になっていた隣人の女性(ローナ・ミトラ)の部屋に忍び込み、彼女に襲い掛かる。 カーターから連絡を受けたリンダは、セバスチャンのアパートに向かい、車とマスクを確認する。 リンダらはセバスチャンが他の者に見つかる前に捜し出そうとするが、彼は何食わぬ顔で研究所に戻ってくる。 しかし、その後もセバスチャンは監視カメラに細工などして研究所を抜け出し、実験犬を殺してしまったもりする。 リンダとマシューは、仕方なく今回の件をクレイマー博士に話し、彼は委員会を招集し対策を考えようとする。 その後、それを知ったセバスチャンはクレイマーを殺害し、リンダとマシューがそれを知る。 チームのメンバーはセバスチャンを捜そうとするが、ジャニスが彼に殺されてしまい、サラは、実験を止めようとしなかったリンダを責める。 セバスチャンを捕らえようとしたメンバーだったが、カーターが彼に襲われて重傷を負い、サラも殺されてしまう。 カーターは死亡し、リンダとマシュー、そしてフランクはサラの死体も見つける。 そこに現われたセバスチャンはフランクを殺し、マシューも傷つけられ、彼とリンダは冷蔵保管庫に閉じ込められる。 リンダの機転でその場を脱出し、彼女は、爆破物を仕掛けて変装し逃げようとするセバスチャンを追い火を放つ。 リンダに襲い掛かるセバスチャンを、意識を取り戻したマシューが叩きのめし、爆発物を見つけた二人はその場から逃れようとする。 エレベーター内から逃れようとした二人は、何とか爆破から逃れるものの、セバスチャンに襲われてリンダが彼と共に落下する。 リンダは、ワイヤーに掴りエレベーターを落下させて、それに乗っていたセバスチャンは、階下の火の海にのみ込まれる。 そして、建物から無事に脱出したリンダとマシューは、救急車で病院に運ばれる。
...全てを見る(結末あり)
今回のプロジェクトに関し、委員会に説明などを求められたセバスチャンは、恩師であるハワード・クレイマー博士(ウィリアム・ディヴェイン)に、細胞結合の不安定さを語る。
*(簡略ストー リー)
人間を透明にするという、国家機密の研究の成功に目処を付けた天才科学者のセバスチャン・ケインは、その成果をプロジェクト委員会から迫られる。
セバスチャンは、研究チームのメンバーで元恋人のリンダやその恋人のマシューらと、自分自身の体で人体実験をすることを考える。
3日間の予定で実験を行ったセバスチャンらは、それに成功して彼は姿を消す。
研究メンバーは、交替でセバスチャンの監視をすることになるが、姿の見えない彼のイタズラっぽい行動を、同僚らは気にし始める。
そしてセバスチャンは、今までに体験したことのない感覚を味わいながら、それを利用してみたくなる気持ちが抑えられなくなり、暴走を始めてしまう・・・。
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物語や内容は単純なのだが、当時の先端技術を駆使した、脅威のVFX映像などが話題を呼んだ超大作。
血管から投与された血清により、肉体が再生または消えていく映像は神秘的でもあり、見えない姿を、様々な方法で確認させる手法など、アイデア満載の作品でもある。
*第73回アカデミー賞
・ノミネート
視覚効果賞
その視覚的な面白味だけでなく、透明になった科学者の苦悩や内面の変化を、表情の見えないままに表現する、恐ろしさの中にユーモアも交えたポール・バーホーベンのテンポのよい演出も見逃せない。
北米興行収入は約7300万ドルで、9500万ドルの製作費を回収することはできなかったものの、全世界では約1億9100万ドルのヒットとなった。
2006年に劇場公開作品ではない続編も製作された。
研究チームのリーダーである、自信過剰な天才科学者ケヴィン・ベーコンは透明になってしまうために、主役はクレジット通り知性を感じさせるエリザベス・シューであり、彼女はアクションもこなし肉体的にも熱演している。
公開当時は、その後の活躍を期待しなかったが、今見るとかなり注目度が高い、研究チームのメンバーでリンダ(E・シュー)の恋人ジョシュ・ブローリン、同僚獣医のキム・ディケンズ、ジョーイ・スロトニック、メアリー・ランドル、グレッグ・グランバーグ、セバスチャン(K・ベーコン)に襲われる、プロジェクト委員会の博士ウィリアム・ディヴェイン、隣人女性ローナ・ミトラなどが共演している。