サスペンスの巨匠アルフレッド・ヒッチコックの代表作”サイコ”の製作秘話を描く、アンソニー・ホプキンス、ヘレン・ミレン、スカーレット・ヨハンソン、ジェシカ・ビール他共演のドラマ。 |
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・アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock 作品一覧
・アルフレッド・ヒッチコック / Alfred Hitchcock / Pinterest
・スカーレット・ヨハンソン / Scarlett Johansson / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:サーシャ・ガヴァシ
製作
アイヴァン・ライトマン
トム・ポロック
ジョー・メジャック
アラン・バーネット
トム・セイヤー
製作総指揮
アリ・ベル
リチャード・ミドルトン
原作:スティーヴン・レベロ”Alfred Hitchcock and the Making of Psycho”
脚本:ジョン・J・マクラフリン
撮影:ジェフ・クローネンウェス
編集:パメラ・マーティン
音楽:ダニー・エルフマン
出演
アルフレッド・ヒッチコック:アンソニー・ホプキンス
アルマ・レヴィル:ヘレン・ミレン
ジャネット・リー:スカーレット・ヨハンソン
ヴェラ・マイルズ:ジェシカ・ビール
アンソニー・パーキンス:ジェームズ・ダーシー
ルー・ワッサーマン:マイケル・スタールバーグ
ジョセフ・ステファノ:ラルフ・マッチオ
ペギー・ロバートソン:トニ・コレット
エド・ゲイン:マイケル・ウィンコット
ホイットフィールド・クック:ダニー・ヒューストン
バーニー・バラバン:リチャード・ポートナウ
ジェフリー・シャーロック:カートウッド・スミス
ソール・バス:ウォレス・ランガム
アメリカ 映画
配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
2012年製作 98分
公開
北米:2012年11月23日
日本:2013年4月5日
北米興行収入 $17,561,860
世界 $23,570,540
■ アカデミー賞 ■
第85回アカデミー賞
・ノミネート
メイクアップ賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1944年5月16日。
野火を鎮火させたエド・ゲインは、兄ヘンリーをスコップで撲殺する。
1959年7月8日、シカゴ。
アルフレッド・ヒッチコック(アンソニー・ホプキンス)と妻アルマ・レヴィル(ヘレン・ミレン)は、新作「北北西に進路を取れ」のプレミア会場を後にする際、記者から引退の時期ではないかと質問される。
記者の言葉や新聞記事を気にするヒッチコックは、新作の題材を探す。
アルマは、作家ホイットフィールド・クック(ダニー・ヒューストン)と食事をして、ある原稿の脚色を頼まれる。
”パラマウント・ピクチャーズ”スタジオ。 ペギーは、母親を墓から掘り起こした殺人者”エド・ゲイン”の事件を題材にしたその内容に、周囲が関心を示していないことを伝える。 ”サイコ”を読んでいたヒッチコックは、アルマからクックの原稿を渡されるものの、二人の関係を疑う彼はそれを拒む。 エド・ゲインは、墓から掘り起こした母親をベッドに寝かせ、それに寄り添って眠る。 夜中にアルマを起こして、”サイコ”のシャワー室の殺人場面を読ませたヒッチコックは映画化を決める。 ヒッチコックは、物語の結末を知られないようにするために、国中の著書”サイコ”を買い占めるようペギーに伝える。 関係者に新作”サイコ”の製作を発表したヒッチコックだったが、感触は良くなかった。 パラマウント社長バーニー・バラバン(リチャード・ポートナウ)はヒッチコックと会うが、”サイコ”製作に難色を示す。 資金を自分で調達するしかないヒッチコックは、なぜ”サイコ”にこだわるかをアルマに聞かれる。 ヒッチコックは、映画作りを始めたころの体験を語り、その頃に戻りたいことをアルマに語る。 ヒッチコックのエージェント、ルー・ワッサーマン(マイケル・スタールバーグ)は、自己資金で製作する”サイコ”の配給だけを任せ、利益の40%をバラバンに要求する。 バラバンはそれに同意し、ヒッチコックはその場で製作費分の小切手を切る。 ヒッチコックは、世間の笑いものになる可能性を考えるが、アルマは成功すると言って彼を励ます。 その後ヒッチコックは、ジョセフ・ステファノ(ラルフ・マッチオ)を呼び、脚本を書かせる。 その内容の検閲のため映倫に向かったヒッチコックは、担当のジェフリー・シャーロック(カートウッド・スミス)に、脚本など細部までチェックされる。 主人公”ノーマン・ベイツ”を演じさせる二枚目俳優アンソニー・パーキンス(ジェームズ・ダーシー)と面会したヒッチコックは、彼がゲイの噂を嫌っていることを知る。 パーキンスは、自分が主人公の生い立ちと重なることを強調して役への意欲を見せる。 アルマは、ヒロインの”マリオン・クレイン”役にジャネット・リー(スカーレット・ヨハンソン)を勧めるものの、彼女が気に入ったヒッチコックの態度が気になる。 リハーサルが始まり、ヴェラ・マイルズ(ジェシカ・ビール)がマリオンの妹役となり、彼女とは、ある件で問題を抱えていたヒッチコックは撮影を控えて落ち着かない。 そしてヒッチコックは、作品の内容についてを誰にも話さないことをキャストとスタッフに誓わせて、完全封鎖されたスタジオで撮影を始める。 その間、脚本を手直しするアルマはスタジオに姿を表さず、彼女とクックの関係を疑うヒッチコックは、トラブル続きの撮影に苛立つ。 ヴェラ・マイルズは、ブロンドの女優に異常な関心を示すヒッチコックに注意するようジャネット・リーに忠告する。 アルマもそれを意識し、彼女とクックの関係に気づき動揺するヒッチコックは、作品をチェックしたと言うバラバンの意見を聞き入れず、酒で気を紛らせる。 ヒッチコックを車で送ったジャネット・リーは、ヴェラ・マイルズを嫌う理由を彼に尋ねる。 「めまい」の出演が決まっていたヴェラ・マイルズは、撮影直前に妊娠したために降板した。 そんな彼女の考えをヒッチコックは理解できなかったのだった。 クックは、アルマが脚本を手伝ってくれるのなら、絶好の場所だと言ってその家の環境を見せる。 帰宅したヒッチコックは、書斎の机の”グレイス・ケリー”の写真の上に、アルマの指輪が置いてあったことに気づく。 アルマとクックの脚本を読んだヒッチコックは、それが駄作だと言い切る。 その後、シャワーの殺人シーンを撮ったヒッチコックは、興奮して自らナイフを握り、ジャネット・リーを驚かせる。 控室に戻ったヒッチコックは倒れてしまい、それが、クックの家にいたアルマに知らされ、彼女は夫の元に戻る。 撮影が進まないという連絡を受けたヒッチコックはスタジオに向かおうとするが、アルマがそれを制止する。 自分が代わると言うアルマは、スタジオ入りしてスタッフに指示を与え、現れたバラバンと代行監督を追い払ってしまう。 バスルームの砂に気づいたヒッチコックは、帰宅したアルマにクックとの関係を問い追及する。 協力しているだけと言うアルマに、自分をサポートするべき時に何もしないことで、ヒッチコックは彼女を非難する。 それに対してアルマは、30年間陰で支え続け、結局は表舞台で絶賛されるのは夫だけであり、生き甲斐を感じられる事を見つけただけだと言って反論する。 自分は妻であり、契約した女優のように指示をされたくないと、アルマはヒッチコックに伝えてその場を去り、彼は答えを返せない。 その後、撮影を終えたヴェラ・マイルズは、”グレイス・ケリー”のように大スターにしてあげられたというヒッチコックに、自分には家庭があると答える。 クックの家に向かったアルマは、彼が女性といることを知りその場を去る。 作品の試写を終えたヒッチコックは、スタジオ側の評価が良くないことをワッサーマンに知らされ気落ちする。 ”ヒッチコック劇場”で二部に分けて放映されるだろうという話も聞かされたヒッチコックは、アルマがどう評価するかに意味があるとワッサーマンに言われる。 アルマに、退屈な作品”サイコ”が駄作だと伝えたヒッチコックは、彼女が必要であることも付け加えて謝罪する。 隠してあったキャビアを出したアルマは、嘆いていても仕方がないことをヒッチコック伝え、”サイコ”を再編集することを提案する。 編集を始めた二人だったが、シャワー・シーンに音楽はいらないというヒッチコックと、その効果を必要と考える音楽担当のバーナード・ハーマンとアルマは対立してしまう。 しかし、付け加えられた音楽にヒッチコックは満足する。 映倫のシャーロックに上映を認めてもらえないヒッチコックは、シャワー・シーンを残す代わりに冒頭のラブ・シーンを取り直すことで彼を納得させて撮影を終える。 映倫の許可は下りるものの、パラマウントが拡大公開をする気がないことを知ったヒッチコックは、”サイコ”の恐ろしさや、その内容を極秘にするための対策をとる。 ヒッチコックは、劇場の警備員配備や上映途中からの入場が制限され、それを徹底させて宣伝として利用する。 1960年6月16日、公開当日。 スクリーンにシャワー・シーンが映し出され、ヒッチコックは、観客の悲鳴を聞き作品の成功を確信する。 劇場を去るヒッチコックは、いつものようにカメラに囲まれる。 ヒッチコックはアルマを呼び寄せ、自分達の勝利だと伝えて、彼女ほどのブロンド美人は、自分の作品に登場しないと付け加える。 その言葉を30年間待っていたというアルマに、それ故に自分は”サスペンスの巨匠”とは言われるとヒッチコックは答える。 ”サイコ”が最高のヒット作になったことで、ヒッチコックは自宅とプールを手放さなくて済み、彼はその後アイデアを思案中であった。 そんなヒッチコックの肩に、カラスが舞い降り・・・ アルフレッド・ヒッチコックは、その後に6作品を撮ったものの、”サイコ”を超えるヒット作はなかった。 1979年、オスカーとは無縁だったヒッチコックに、”アメリカン・フィルム・インスティチュート”は生涯功労賞を贈った。
ヒッチコックは、秘書のペギー・ロバートソン(トニ・コレット)に”ロバート・ブロック”の”サイコ”に興味があることを伝える。
...全てを見る(結末あり)
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劇場は長蛇の列ができ、アルマと共にその場に姿を現したヒッチコックは、上映後の観客の様子を見守る。
*(簡略ストー リー)
1959年。
「北北西に進路を取れ」のプレミア会場で、映画監督アルフレッド・ヒッチコックは、引退についてを記者に聞かれる。
その言葉を気にしたヒッチコックは次回作の題材を探し、母親を墓から掘り起こした殺人者”エド・ゲイン”の事件をモデルにした”ロバート・ブロック”の小説”サイコ”に注目する。
妻アルマが、新作よりも作家クックの原稿の件を話題にすることを気にしながら、ヒッチコックは、”サイコ”の映画化を決める。
ところが、パラマウント社長バーニー・バラバンはそれに難色を示し、ヒッチコックは自己資金で製作することになる。
そしてヒッチコックは、主演にアンソニー・ホプキンス、ジャネット・リーとヴェラ・マイルズなどを加え、内容が外部に漏れないよう、スタジオを封鎖して撮影を始めるのだが・・・。
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1990年に発表された、スティーヴン・レベロのノンフィクション”Alfred Hitchcock and the Making of Psycho”を基に製作された作品。
イギリスを代表する名優アンソニー・ホプキンスがアルフレッド・ヒッチコックを演じ、その妻役アルマ・レヴィルを、同じく実力派のヘレン・ミレンが演じ、脇を固める豪華キャストの顔ぶれだけで興味津々と言える作品。
”サイコ”撮影秘話、その衝撃の真実など、宣伝は大袈裟ではあるが、実はこれに関してはかなり知られている話であり、新鮮味もなく、裏切られたとまでは言わないものの、期待ほどの満足感は得られなかった。
デビュー作となるサーシャ・ガヴァシの演出も単調で、似ている似てないは問題でない、流石の演技を見せるアンソニー・ホプキンスとヘレン・ミレンの出演がなければ、作品のセリフではないが”駄作”に終わった可能性がある。
第85回アカデミー賞では、メイクアップ賞にノミネートされた。
スカーレット・ヨハンソンやジェシカ・ビールも、見栄えが良過ぎるという感じで実際のジャネット・リーやヴェラ・マイルズのイメージでないのも気になるが、よく見ると元々アンソニー・パーキンスに似ているジェームズ・ダーシーが、彼の仕草など雰囲気を出してはいた。
北米では拡大公開もされず、これだけのキャストを配しながら興行収入は約2400万ドルに終わった。
同郷の巨匠に対し敬意を表している感じが窺える、ユーモアをまじえた演技でアルフレッド・ヒッチコックを演ずるアンソニー・ホプキンス、彼を上回る熱演を見せる妻役のアルマ・レヴィル役のヘレン・ミレン、ヒッチコックのエージェント、ルー・ワッサーマン役のマイケル・スタールバーグ、脚本家ジョセフ・ステファノのラルフ・マッチオ、ヒッチコックの秘書トニ・コレット、殺人者エド・ゲイン役のマイケル・ウィンコット、作家ホイットフィールド・クック役のダニー・ヒューストン、パラマウント・ピクチャーズ社長バーニー・バラバンのリチャード・ポートナウ、映倫のカートウッド・スミス、グラフィック・デザイナー、ソール・バス役のウォレス・ランガムなどが共演している。