善行とは縁のないコソ泥が偶然遭遇した航空機事故で救助をしたために乗客救出のヒーロー捜しの騒動に巻き込まれる・・・。 監督スティーヴン・フリアーズ、主演ダスティン・ホフマン、ジーナ・デイヴィス、アンディ・ガルシア、ジョーン・キューザック、チェビー・チェイス他共演のヒューマン・コメディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・フリアーズ
製作:ローラ・ジスキン
脚本
デヴィッド・ウェッブ・ピープルズ
ローラ・ジスキン
アルヴィン・サージャント
撮影:オリバー・ステイプルトン
編集:ミック・オーズリー
音楽:ジョージ・フェントン
出演
ダスティン・ホフマン:バーナード”バーニー”ラプラント
ジーナ・デイヴィス:ゲイル・ゲイリー
アンディ・ガルシア:ジョン・ババー
ジョーン・キューザック:エヴェリン・ラプラント
チェビー・チェイス:ディーク
スティーヴン・トボロウスキー:ジェームズ・ウォレス
ジェームズ・マディオ:ジョーイ・ラプラント
スージー・キューザック:ドナ・オディ弁護士
トム・アーノルド:チック
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1992年製作 117分
公開
北米:1992年10月2日
日本:1993年4月
製作費 $42,000,000
北米興行収入 $19,487,170
世界 $66,500,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
6日間の保釈延長を言い渡された、コソ泥のバーニー・ラプラント(ダスティン・ホフマン)は、裁判の最中にドナ・オディ弁護士(スージー・キューザック)の財布から現金を盗んでしまう。
バーニーは、別れた妻エヴェリン(ジョーン・キューザック)との息子ジョーイ(ジェームズ・マディオ)と時を過ごすが、食事代は払わず、落ちていた財布の現金を届けようともしない、親の見本とは程遠い男だった。
ジョーイと映画を見に行く約束をしたバーニーは、雨の中、車がエンストして立ち往生している最中、付近に旅客機が墜落する。
機内からの救援を求める声に、いやいやながら救助を始めたバーニーは、シートに足を挟まれていたテレビ・レポーター、 ゲイル・ゲイリー(ジーナ・デイヴィス)を救い出す。 ゲイルは怪我をしながらも、姿を消したバーニーを捜して特ダネにしようと、駆けつけたカメラマンに指示を出す。 3時間も遅れて着いたバーニーは、元妻エヴェリンに、頭ごなしに罵倒され、事情も話さずに立ち去る。 善行とは縁のなかったバーニーは、救い出せなかった犠牲者達のことを思い、英雄的行為と愚かさは紙一重だと実感る。 バーニーは、事故現場で100ドルもする靴を片方なくしたため、ホームレスのジョン・ババー(アンディ・ガルシア)に、もう片方をあげてしまう。 ゲイルは傷も癒えぬまま乗客への取材を始め、自分を助けたヒーローを捜し始める。 そして、現場に落ちていた乗客以外の靴が見つかり、それをゲイルがテレビで紹介して、ジョーイの目に留まる。 母エヴェリンに父バーニーが靴を片方なくしたことを伝えるジョーイだったが、人助けはバーニーの信条に反することだとエヴェリンは言い張る。 ゲイルのテレビ局チャンネル4の局長ジェームズ・ウォレス(スティーヴン・トボロウスキー)は、”謎のヒーロー”に100万ドルの謝礼金を払うと発表する。 それを聞いたバーニーは名乗り出ようとするが、盗んだクレジットカードを売りさばこうとしたところを、囮捜査で捕まってしまう。 チャンネル4には靴を持った人々が押し寄せ、バーニーから靴をもらったジョンが名乗り出て、ゲイルのインタビューを受けて100万ドルを手にする。 チャンネル4のチーフ・ディレクター、ディーク(チェビー・チェイス)は、ホームレスのジョンをペントハウスに滞在させ、その生活の変化を追い、ニュース・ネタにすることをウォレス局長に報告する。 ジョンは一躍有名人となり、後ろめたさを感じながらも優雅な生活が始まり、一方、バーニーは、悲惨な刑務所生活に絶望してしまう。 恵まれない人々の心を知る、ジョンの発言や行動は共感を呼び、次第にゲイルも彼に惹かれていく。 弁護士ドナのおかげで保釈されたバーニーは、病院に慰問に現れたジョンを侮辱し、それが彼の耳に入る。 チャンネル4で、ジョンの救助劇がドラマになることになるが、 ゲイルは、自ら主人公を演ずる彼の救助方法が、当時の様子と違うことに気づく。 さらに、事故でなくしたはずのクレジットカードを、バーニーが持っていたという連絡を警察から受けたゲイルは、彼に興味を持つ。 バーニーの取材に向かったゲイルは、彼とジョンの関係を知り、それを追求する。 しかし、そこにジョンが自殺しようとしているという連絡が入る。 良心の呵責に苦しんだジョンは、何度か真実を話そうとしたがチャンスを逃し、手紙を残してビルから飛び降りようとしたのだった。 現場に連れて来られたバーニーは、ジョンを説得しようとする。 テレビに映ったバーニーの姿に驚いたジョーイは、エヴェリンと共に現場に向かう。 汚れてしまったバーニーの顔を見たゲイルは、バーニーが自分を助けた人物ではないかと思う。 バーニーは、真相をバラさない代わりに、息子ジョーイの学費と弁護士費用を負担するようジョンを説得し、交渉は成立する。 そしてバーニーは身を投げようとするが、ジョンがそれを救い、彼は会見でバーニーに感謝の言葉を述べる。 ゲイルは、バーニーに会い真相を聞きだそうとするが、彼は自分をヒーローだとは認めない。 ゲイルは真実を聞けないまま彼に感謝を述べ、バーニーもそれに答える。 その後、ジョンは、ゲイルに自分をヒーローだと思うかと聞かれ、全ての人々がヒーローだと答える。 平穏な暮らしに戻ったバーニーは、事故の日に映画に遅れた理由を動物園でジョーイに話す。 自分の信条とは違う行動を、その時はとってしまったというバーニーは、魔が差したと、おかしな釈明をしてジョーイに話す。 その時、ライオンのオリに子供が落ち、いつものように他人任せにしようとしたバーニーは、仕方なく靴を脱ぎ救助に向かう。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
コソ泥のバーニー・ラプラントは、別れた妻エヴェリンとの息子ジョーイと映画を見に行く約束をする。
ジョーイを迎えに行く途中でバーニーは、途中、旅客機墜落事故に遭遇してしまう。
善行とは全く縁のない男バーニーは、救援を求める声に、いやいやながら救助を始め、テレビ・レポーターのゲイルを救い出す。
怪我をしたゲイルは、姿を消したバーニーを捜して特ダネにしようとする。
ジョーイとの約束に遅れたバーニーは、妻エヴェリンに罵倒され、事情も話さずに立ち去る。
その後バーニーは、事故現場で靴を片方なくしたため、もう片方をホームレスのジョンにあげてしまう。
傷も癒えぬままに、ゲイルは自分を助けたヒーローを捜し始め、そして、現場に落ちていた乗客以外の靴が、その人物のものだと確信する。
ジョーイはそれに気づき、父バーニーが靴を片方なくしたことを母エヴェリンに伝えるが、彼女はそれを信じない。
テレビ局の局長ウォレスは、”謎のヒーロー”に100万ドルの謝礼金を払うと発表する。
バーニーは名乗り出ようとするが、別件で捕まってしまう。
そして、テレビ局に靴を持った人々が押し寄せる中、ホームレスのジョンが名乗り出るのだが・・・。
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世知辛い世の中で、真のヒーローは誰なのか・・・。
それとは全く無縁の男がヒーローになる資格を得ながらどん底に落ち、無欲だった男はヒーローになり後悔する。
そして、メディアのヒーロー劇に翻弄される民衆、結局は全ての人々にヒーローになるチャンスと資格があるという、イギリス人監督スティーヴン・フリアーズの、アメリカ社会の一面を描いた作品。
「レインマン」(1988)以降、やや”休息” 気味だった、主人公のコソ泥を演ずるダスティン・ホフマンは、単なるコミカルな演技に終わらせず、善人ぶらない、人情味のある人物を好演し、さすがに芸達者なところを見せてくれる。
ジーナ・デイヴィスの、情け無用の熱血リポーター役も、いかにも彼女らしい快活なイメージに合ったキャスティングだ。
善人面したペテン師かと思いきや、貧しい者の心を知る思慮深いホームレスを、アンディ・ガルシアも好演している。
ヒステリックな主人公の妻ジョーン・キューザック、いつものごとくとぼけた感じが印象的なチェビー・チェイス、その上司ティーヴン・トボロウスキー、主人公の優しさを唯一人理解する息子ジェームズ・マディオ、依頼人に手玉に取られる未熟な弁護士で、J・キューザックの実妹スージー・キューザック、主人公を慰めるバーテンダートム・アーノルドなどが共演している。