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her Her (2013)

人工知能OSである”女性”と愛し合う男性の揺れ動く心を描く、監督、脚本スパイク・ジョーンズ、主演ホアキン・フェニックスエイミー・アダムスルーニー・マーラオリヴィア・ワイルドクリス・プラットスカーレット・ヨハンソン他共演のSF恋愛ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)

エイミー・アダムス / Amy Adams / Pinterest
スカーレット・ヨハンソン / Scarlett Johansson / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:スパイク・ジョーンズ

製作
ミーガン・エリソン

ヴィンセント・ランディ
製作総指揮
チェルシー・バーナード
ナタリー・ファリー
ダニエル・ルピ

脚本:スパイク・ジョーンズ
撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ
編集
エリック・ザンブランネン

ジェフ・ブキャナン
音楽:アーケイド・ファイア

出演
セオドア・トゥオンブリー:ホアキン・フェニックス

エイミー:エイミー・アダムス
キャサリン:ルーニー・マーラ
アメリア:オリヴィア・ワイルド
ポール:クリス・プラット
チャールズ:マット・レッシャー
イサベラ:ポーシャ・ダブルデイ
サマンサ/声:スカーレット・ヨハンソン
セクシー・キトゥン/声:クリステン・ウィグ
テキスト音声:アート・バトラー
エイリアン・チャイルド/声:スパイク・ジョーンズアダム・スピーゲル
アラン・ワッツ/声:ブライアン・コックス

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

2013年製作 126分
公開
北米:2013年12月18日
日本:2014年6月28日
製作費 $23,000,000
北米興行収入 $25,568,300
世界 $47,351,250


アカデミー賞 ■
第86回アカデミー賞
・受賞
脚本賞
・ノミネート
作品・作曲・歌曲・美術賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
近未来、ロサンゼルス
依頼者の想いを代筆するライターのセオドア・トゥオンブリー(ホアキン・フェニックス)は、妻キャサリン(ルーニー・マーラ)と別居し失意の日々を送っていた。

ある日セオドアは、人工知能OS”OS1”を知り、それを自分のPCにインストールして初期設定をする。

女性の音声を選択したセオドアは、サマンサ(スカーレット・ヨハンソン/声)と会話を始め、その機能の仕組みなどを知らされる。

サマンサが機械であるのに、人間と話しているとしか思えないセオドアは奇妙な気分になる。

とりあえずセオドアは、サマンサにPC内のデータやファイルの整理をしてもらう。
...全てを見る(結末あり)

翌日、出社したセオドアは、レターの内容の校正をサマンサに任せる。

退社して帰宅したセオドアは、同じアパートの居住者夫婦である友人のエイミー(エイミー・アダムス)とチャールズ(マット・レッシャー)にエレベーターで出くわし、簡単な会話を交わして別れる。

その後、ゲームを楽しんでいたセオドアは、友人からのメールが届いたことをサマンサから知らされる。

女性を紹介するという内容で、相手が美人でありハーバード大学卒業の才女だとサマンサに言われたセオドアは、返事をすることにする。

翌日、エイミーとチャールズを訪ねていたセオドアは、離婚弁護士からのメールがあったことをサマンサから知らされる。

離婚届にサインする気になったかを問う内容に、セオドアは心が沈みキャサリンのことばかり考える。

サマンサはセオドアの悩みを聞き、辛い気持ちを察する。

セオドアを励ますサマンサは、彼と共に日々を楽しみ心の支えとなる。

サマンサが人間的であると指摘するセオドアは、性能以上に進化していることを自覚していると彼女に言われる。

ブラインドデートの相手アメリア(オリヴィア・ワイルド)に会ったセオドアは、飲みながら楽しい時を過ごしいいムードになる。

しかし、アメリアに真剣な交際を迫られたセオドアはためらい、結局は彼女に嫌われて別れる。

アパートに戻りサマンサにその事を報告したセオドアは、考えていることを何もかも知りたいと言われて話を始める。

ただのプログラムだと言うサマンサに、リアルだと思うと答えるセオドアは、彼女がこの場にいればとも考える。

抱きしめて触れたいと言うセオドアに、どのようにしたいかと問うサマンサは、言葉だけで彼と愛し合い一体になる。

翌日、昨晩のことを話したセオドアとサマンサは、街に出て休日を楽しみ、地下鉄に乗りビーチに向かう。

大勢の人々が日光浴をするその場で、セオドアとサマンサは二るだけの世界浸って過ごす。

帰宅途中、サマンサに結婚生活について聞かれたセオドアは、難しい関係だと答えて、幼馴染だったキャサリンとのことを話す。

翌日、会社からアパートに戻ったセオドアは、入り口のポストでエイミーに出くわす。

エレベーターに乗ったセオドアは、デートの”相手”ができたことを話す。

元気のないエイミーが気になったセオドアは、彼女がチャールズと別れたことを知り慰める。

エイミーの部屋で話を聞いたセオドアは、彼女とチャールズが些細なことで喧嘩になり、8年間の結婚生活が終わった経緯を知る。

部屋に戻りサマンサと話をしたセオドアは、エイミーが恋人だったのかを聞かれ、大学時代に一瞬だけ付き合ったことを伝える。

嫉妬しているのかと聞かれ当然だと答えたサマンサは、眠ると言うセオドアに、寝顔を見ていいかを問う。

カメラをセットしたセオドアは、サマンサの夢を見ると言って眠る。

エイミーを訪ねたセオドアは、彼女もOSと友好関係を築いていると知る。

付き合っているサマンサが実はOSだと告白したセオドアは、その素晴らしさを語る。

セオドアがOSに恋していることも知ったエイミーは、それを理解する。

その後、吹っ切れたセオドアは離婚することを決意し、それをサマンサに伝える。

キャサリンに会ったセオドアは、二人で過ごした日々を想い起しながら、彼女が離婚届にサインするのを見つめる。

付き合っている相手がいるかをキャサリンに聞かれたセオドアは、OSが恋人だと答える。

リアルでないものが相手だと言うセオドアにキャサリンは驚き、人格があると言う彼の考えを理解できない。

セオドアはリアルな感情だと反論するが、キャサリンに軽蔑される。

会社に向い仕事を始めようとしたセオドアは、サマンサと話すものの心が沈む。

仕事を終え退社しようとしたセオドアは、同僚のポール(クリス・プラット)に話しかけられて恋人を紹介され、サマンサを含めたダブルデートに誘われる。

サマンサがOSだと答えたセオドアは、その場を去る。

セオドアが苦しんでいることを気にしたサマンサは、代理恋人を紹介する。

訪ねて来たイサベラ(ポーシャ・ダブルデイ)にホクロのカメラとイヤホンをつけさせたセオドアは、彼女をサマンサと思いながら会話して楽しもうとする。

しかし、セオドアは違和感を感じてしまい、イザベルを傷つけてしまう。

イザベルを見送ったセオドアは、最近の自分達の関係についてサマンサと語り合う。

人間の振りをするのは良くないと意見するセオドアの考えに同意できないサマンサは、距離を置くべきだと彼に言われる。

ショックを受けたサマンサは混乱し、暫く考えることをセオドアに伝える。

エイミーを訪ねたセオドアは、彼女に励まされる。

その後、サマンサと話したセオドアは、数時間前の態度を謝罪しする。

様々なことを考えたと言うサマンサは、愛には理由はなく感覚を信じればいいことに気づき、自分以外になる必要がないことを伝える。

それを理解したセオドアは、自分がいつも抱いている恐怖を取り除くとサマンサに言われて、ようやく笑顔を見せる。

サマンサとの今までとは違う関係に満足するセオドアは、満ち足りた日々を過ごすことができるようになる。

ポールと約束したダブルデートを楽しんだセオドアは、サマンサと旅行に出かける。

セオドアが代筆した手紙の中で、気に入ったものをまとめて出版社に送っていたサマンサは、それが出版される準備が始まっているという内容のメールが届いたことを彼に知らせる。

雪山で休暇を過ごすセオドアは、哲学者”アラン・ワッツ”の著書全てなどをOSにプログラムした、ハイブリッド人工知能が創造されたことをサマンサから知らされる。

サマンサからアラン・ワッツブライアン・コックス/声)を紹介されたセオドアは、二人の関係に嫉妬する。

その後、職場でサマンサと話ができないことに気づいたセオドアは、PC内のOSが見つからないために動揺する。

ソフトのアップグレードのためだったことを、復旧したサマンサから知らされたセオドアは、彼女が他人やOSとも会話していると言われる。

8000人以上と会話し600人以上の恋人がいることをサマンサから知らされたセオドアは、大きなショックを受ける。

異常だと言われてもセオドアへの愛は変わらないと伝えるサマンサは、進化した結果こうなってしまったと話すが、セオドアは理解できない。

アパートに戻ったセオドアは、出版されたレター集を受け取る。

翌日、サマンサが去ることを知ったセオドアは、こんな愛し方をしたのは初めてだと伝え、愛を知ったと彼女に言われる。

眠ってしまったセオドアは夜中に目覚め、エイミーの部屋に向かいサマンサが去ったことを伝える。
__________

キャサリンに手紙を送ろうとしたセオドアは、謝罪して、自分の心には彼女がいることを伝え感謝する。

どのような人生を歩み何処に行こうとも愛を贈り、友人だと伝えたセオドアは、それを送信する。
__________

そして、セオドアとエイミーは屋上に向い、夜明けを迎える市街を見つめる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
近未来、ロサンゼルス
依頼者の想いを代筆するライターのセオドア・トゥオンブリーは、妻キャサリンと別居し失意の日々を送っていた。
ある日セオドアは、人工知能OS”OS1”の存在を知り、PCにインストールして初期設定を行う。
女性の音声を選択したセオドアは、OS”サマンサ”と対話する生活を始める。
人間的なサマンサに興味を持ち、その友好関係により日々を楽しめるようになったセオドアは、やがて彼女と愛し合い恋人として考えるのだが・・・。
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かいじゅうたちのいるところ」(2009)以来4年振りとなる、監督、脚本スパイク・ジョーンズによる作品。

離婚協議中のライターと人工知能OSの親交と恋を描く異色作で、人間同士の恋愛に迫る言葉の表現など、スパイク・ジョーンズの脚本は秀逸で、観るものに訴える見事な仕上がりとなっている。

進化したPCやその周辺機器などの描写や美術セットで未来感を漂わせているが、ファッションなどが古風なセンスであるところなどにも注目したい。

人工知能が登場する作品は、その暴走などが描かれる作品が多いが、無限の進化でアップグレードしていくプログラムの考えなどが、現実味を感じさせる自然な形で表現されているところも興味深い。

プログラムの考えることは陰謀が絡んでいるのではと一瞬思わせる演出の場面もあり、その予想は間違いで、それを遥かに超える未来の技術の進化を見せつけられる展開(OSは8000人以上と会話し600人以上の恋人がいる・・・)なども実に面白い。

第86回アカデミー賞では、スパイク・ジョーンズが脚本賞を受賞した。
・ノミネート
作品・作曲・歌曲・美術賞

OSとの交際で、人間としての真実の愛を知るライターを好演し、その演技が絶賛されたホアキン・フェニックス、隣人であり良き相談相手の友人エイミー・アダムス、主人公の妻ルーニー・マーラ、主人公とデートする女性オリヴィア・ワイルド、主人公の同僚クリス・プラット、エイミー(エイミー・アダムス)の夫マット・レッシャー、代理恋人のポーシャ・ダブルデイ、人工知能の声だけの出演で出色の演技を見せるスカーレット・ヨハンソン、セクシー・キトゥンの声クリステン・ウィグ、哲学者アラン・ワッツの声ブライアン・コックス、そして、エイリアン・チャイルドの声はスパイク・ジョーンズ/アダム・スピーゲルが担当する。


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