銀行強盗が逃走中に妊婦と出会い、出産して死亡した彼女の頼みを聞き子供を守ろうとする姿を描く、製作カール・レムリJr.、監督ウィリアム・ワイラー、主演チャールズ・ビックフォード、レイモンド・ハットン、フレッド・コーラー他共演の西部劇。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:ウィリアム・ワイラー
製作:カール・レムリJr.
原作:ピーター・B・カイン”The Three Godfathers”
脚本:トム・リード
撮影:ジョージ・ロビンソン
編集:ハリー・マーカー
音楽
サム・ペリー
ハインツ・ロームヘルト
出演
ボブ・サングスター:チャールズ・ビックフォード
”バーブワイヤー”トム・ギボンズ:レイモンド・ハットン
”ワイルド・ビル”カーニー:フレッド・コーラー
エドワーズ夫人:フリッツィ・リッジウェイ
ホセ:ジョー・デ・ラ・クルス
保安官:ウォルター・ジェームズ
カルメリタ:マリア・アルバ
パーソン・ジョーンズ:バック・コナーズ
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1929年製作 68分
公開
北米:1929年12月12日
日本:1930年4月
■ ストーリー ■
ニューエルサレム。
ボブ・サングスター(チャールズ・ビックフォード)は、仲間の”バーブワイヤー”トム・ギボンズ(レイモンド・ハットン)、”ワイルド・ビル”カーニー(フレッド・コーラー)、ホセ(ジョー・デ・ラ・クルス)と共に銀行を襲撃し、抵抗した出納係エドワーズは殺される。
ボブらは逃亡し、ホセが射殺され、バーブワイヤーは肩を撃たれる。
保安官(ウォルター・ジェームズ)らはボブらを追うが、3人に逃げられる。
その後、砂漠で砂嵐が収まるのを待ったボブらだったが、馬に逃げられてしまう。
歩いて水場に向かったボブらは、人のうめき声を聴いて幌馬車を見つける。
ボブは、幌馬車に妊婦のエドワーズ夫人(フリッツィ・リッジウェイ)がいることに気づく。
ボブを幌馬車に残し、バーブワイヤーとワイルド・ビルは水場を見に行くが、そこが干上がっていたために落胆する。
そのことをエドワーズ夫人から聞いたボブは、バーブワイヤーとワイルド・ビルの元に向かい、彼女が出産することを2人に伝え、彼女のために出来る限りのことをしようとする。
ワイルド・ビルが出産に立ち会い、エドワーズ夫人は無事に男の子を出産する。
3人を呼んだエドワーズ夫人は、子供を救い、ニューエルサレムの銀行の出納係である夫の元に連れて行くことを3人に約束してもらい、名付親になってほしいと伝える。
出納係を殺したボブらは動揺し、エドワーズ夫人は息を引き取る。
ボブらは、残り少ない水を子供のために使い、何とかしてニューエルサレムに向かおうとするのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
1913年に発表された、ピーター・B・カインの小説”The Three Godfathers”を基に製作された作品。
製作カール・レムリJr.、ジョン・フォードの「恵みの光」(1919)をウィリアム・ワイラーがリメイクした、彼にとっては初のサウンド作品。
主演はチャールズ・ビックフォード、レイモンド・ハットン、フレッド・コーラーなどが共演した作品。
*参考
ジョン・フォードは、旧作で主演し1947年に亡くなったハリー・ケリーに敬意を表し、彼に捧げる作品「三人の名付親」(1948)をリメイクした。
ニューエルサレムの教会に集う町民役で、まだ20代前半のジョン・ヒューストンが端役出演している。
銀行強盗が逃走中に妊婦と出会い、出産して死亡した彼女の頼みを聞き子供を守ろうとする姿を描く西部劇。
舞台となる町の名が”ニューエルサレム”、教会ではクリスマスのミサが開かれ、神に導かれるように、悪党が自分の命を犠牲にして子供を助けるという、”信仰”がテーマとも言える興味深い物語であり、後の「三人の名付親」(1948)は、さらにその色が濃い内容の作品。
銀行襲撃犯でありながら、命懸けで子供を守る男チャールズ・ビックフォード、その仲間レイモンド・ハットンとフレッド・コーラー、3人に子供を任せて亡くなる女性フリッツィ・リッジウェイ、3人の仲間ジョー・デ・ラ・クルス、保安官のウォルター・ジェームズ、酒場の女マリア・アルバ、他バック・コナーズなどが共演している。