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ハロー・ドーリー! Hello, Dolly! (1969)

1938年にブロードウェイで初演された、ソーントン・ワイルダーの笑劇”The Merchant of Yonkers”を基に1964年上演された同名ミュージカルの映画化。
監督ジーン・ケリー、主演バーブラ・ストライサンドウォルター・マッソーマイケル・クロフォードトミー・チューンルイ・アームストロング共演。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル

ジーン・ケリー / Gene Kelly / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジーン・ケリー

製作
アーネスト・レーマン

ロジャー・イーデンス
原作:ソーントン・ワイルダー
脚本:アーネスト・レーマン
撮影:ハリー・ストラドリング
編集:ウィリアム・H・レイノルズ
美術・装置
ジョン・デクイエ

ジャック・マーティン・スミス
ハーマン・A・ブルーメンソール
ウォルター・M・スコット
ジョージ・ジャームズ・ホプキンス
ラファエル・ブレトン
振付:マイケル・キッド
音楽
ジェリー・ハーマン

ライオネル・ニューマン
レニー・ヘイトン

出演
ドーリー・リーヴァイ:バーブラ・ストライサンド

ホーレス・ヴァンダーゲルダー:ウォルター・マッソー
コーネリアス・ハックル:マイケル・クロフォード
バーナビー・タッカー:ダニー・ロッキン
ミニー・フェイ:E・J・ピーカー
アイリーン・モロイ:マリアンヌ・マックアンドリュー
アーメンガード・ヴァンダーゲルダー:ジョイス・エームス
アンブロース・ケンパー:トミー・チューン
ルドルフ・ライゼンベーバー:デヴィッド・ハースト
本人:ルイ・アームストロング

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1969年製作 144分
公開
北米:1969年12月16日
日本:1969年12月27日
製作費 $25,000,000


アカデミー賞 ■
第42回アカデミー賞

・受賞
美術・録音・ミュージカル音楽賞
・ノミネート
作品・撮影・編集・衣装デザイン


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1890年、ニューヨーク
結婚相手の紹介業者である未亡人のドーリー・リーヴァイ(バーブラ・ストライサンド)は、ヨンカーズの飼料製造販売業者ホーレス・ヴァンダーゲルダー(ウォルター・マッソー)の再婚の世話をするため彼の元に向う。

気難しいホーレスは、姪アーメンガード(ジョイス・エームス)と恋人で売れない画家アンブロース・ケンパー(トミー・チューン)との結婚を許さなかった。

そして、自分は従業員のコーネリアス・ハックル(マイケル・クロフォード)とバーナビー・タッカー(ダニー・ロッキン)に仕事を任せ、結婚を決めた相手に会いにニューヨークへ向おうとしていた。

そこにドーリーが現れ、ホーレスは結婚を決めたアイリーン・モロイ(マリアンヌ・マックアンドリュー)に会いに行くことを告げる。
...全てを見る(結末あり)

ドーリーは、自分がホーレスにアイリーンを紹介したのだが、彼に惹かれてしまったためにそれを阻止しようとする。

ホーレスに女相続人を紹介するという計画を立てたドーリーは、それに興味を持ちながらもアイリーンの元にむかう彼を見送る。

姪のアーメンガードをアンブロースから引き離すため、彼女をニューヨークに連れて行くことをホーレスに頼まれていたドーリーだったが、 彼女は二人を結び付けようとしてしまう。

ドーリーは、アンブロースとアーメンガードをダンスコンテストで優勝させて、ホーレスに二人を見直させようとする。

さらにドーリーは、女性に縁のないハックルとタッカーにも良い出会いをさせるために、アイリーンの店に向わせる。

ニューヨークで帽子店を経営するアイリーンは、アシスタントのミニー・ フェイ(E・J・ピーカー)と店の前に現れたハックルとタッカーに気づき、 彼らをからかおうとする。

店に入りアイリーンと歓談するハックルとタッカーだったが、彼女がホーレスの知り合いだと知り驚いてしまう。

更に、ホーレスとドーリーが、連れ立って店にやって来るのを知らされたハックルとタッカーは慌てて隠れてしまう。

ホーレスは、アイリーンがヨンカーズの町について詳しいことからそれを疑問に思い、 彼女はそのことをハックルから聞いたと話してしまう。

ハックルが自分の部下だということと、彼にはニューヨークに来る暇などないことを、ホーレスはアイリーンに伝える。

ドーリーは、ハックルがニューヨークでは有名人で、更にアイリーンと親しいとホーレスに告げる。

店内に、男性が隠れているらしきことを知ったホーレスは気分を害し、アイリーンに二度と会わないことを告げてその場を立ち去る。

その後ドーリーは、ハックルとタッカーそしてアイリーンとミニーを伴い、ダンス・コンテストが開催されることになっている、高級レストラン”ハーモニア・ガーデン”に向う。

そして、ドーリーは亡き夫に許しを請い、自らも幸せを掴もうと決意する。

パレードに参加しているホーレスの元に向ったドーリーは、今回の紹介を最後に廃業することを伝え、彼と女相続人を引き合わせる段取りをする。

その夜、ハックルとタッカーは、アイリーンとミニーと待ち合わせをして”ハーモニア・ガーデン”に向う。

レストランに着いたハックルらは、ウエイター長のルドルフ・ライゼンベーバー(デヴィッド・ハースト)に、著名人だと言って歓迎され個室に案内される。

既にアンブロースとアーメンガードも席に着き、ホーレスも現れる。

かつて、ダンスコンテストで優勝したこともあるドーリーが来店すると聞いたルドルフは、ウエイターに気合を入れる。

ハックルは、シャンペンを飲んだ勢いで、自分達が有名人ではなく、ホーレスの下で働く一文無しの田舎者で、食事代も払えないことをアイリーンとミニーに告白してしまう。

しかし、アイリーンとミニーはそれを承知で彼らに付き合ったことを伝え、大金を用意してきたことを伝える。

感激したハックルはアイリーンにキスするが、ミニーが財布を置いてきてしまったことに気づく。

開き直ったハックルは、勘定を請求するウエイターに、追加のシャンペンを注文してしまう。

一方、ドーリーに紹介された、女相続人と食事したホーレスは、彼女に気に入られることなく席を立たれてしまう。

しかし、それはドーリーが仕組んでいた計画で、彼女は女相続人の合図でホーレスの元に向う。

そして、艶やかに店に登場したドーリーはウエイター達に歓迎され、オーケストラ・リーダー(ルイ・アームストロング)と共に歌う。

その後、ホーレスと席に着いたドーリーは、彼を自分のペースに巻き込み、彼にプロポーズさせようとする。

そこで、店内ではダンス・コンテストが始まり、優勝者には賞金50ドルが渡されると聞いたハックルらは早速それに参加する。

アンブロースとアーメンガードも踊り始めるが、彼女が顔を隠していたためホーレスは姪に気づかず、アンブロースが浮気者だと思う。

アイリーンも男と踊っているのを見て、益々不機嫌になったホーレスは、アーメンガードにも気づき憤慨し、コンテストに乱入してトラブルを起こす。

ハックルとタッカーとも出くわしたホーレスは驚き、彼らをクビにしてしまい、結局は客に殴り倒されてしまう。

事態を丸く収めるために、アイリーンはホーレスとの結婚も考えるが、ハックルがそれを制止し彼女に愛を語る。

そして、店を出たドーリーは、あっさりとホーレスに別れを告げ馬車で立ち去ってしまい、彼は呆気にとられてしまう。

翌朝、周囲に誰もいないことに気づいた孤独なホーレスは惨めな思いをするが、ドーリーとは絶対に結婚しないつもりでもいた。

そこに、ハックルらとアーメンガード、アンブロースが現れ、ホーレスに預けてある金を受け取りにくる。

ハックルとタッカーは、ドーリーの協力でホーレスの店の向かいで飼料店を始めると言い出す。

ドーリーも現れ、彼女は天国の亡き夫に再婚を決めたことを告げ、ホーレスを幸せにすることを誓う。

そして、ホーレスは悪態をつきながらも、ついにドーリーにプロポーズする。

その後、ハックルの出店を止めさせ、彼を共同経営者にして、ドーリーはアーメンガードの結婚式を盛大に開く提案をする。

ホーレスは、稼いだ金は若者を育てるために有効に使うことドーリーにを伝える。

それこそ、ドーリーの夫が理想としていた考えだった。

ドーリーは、それが、天国の夫からの再婚の承諾の合図だと確信する。

そして、ドーリーとホーレスの結婚式が盛大に行われ、二人の周囲は幸せで満ち溢れる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
結婚相手の紹介業をする未亡人のドーリー・リーヴァイは、顧客のホーレスに惹かれてしまい、彼の心を射止める計画を実行する。
ドーリーは、ホーレスの下で働くハックルとタッカーに協力させ、彼が結婚しようとしている相手のアイリーンを引き離そうとする。
天国の亡き夫に、再婚の許しを得るために、夫が常に考えていた、理想的な金の使い道をホーレスに教え込もうとするドーリーは、思い通りに事を運び、彼を自分のペースに巻き込んでいく・・・。
__________

1964年の初演以来、現在に至るまで度々リバイバル上演されている傑作ミュージカルの映画化を、黄金期を映画界で支えたジーン・ケリーが演出に専念し、豪華さや圧倒的なスケールで描き話題を呼んだ作品。

ミュージカル映画以外の作品と比べても当時としては巨額の2500万ドルが投じられ、19世紀末のニューヨークの街並みなどのセットの素晴らしさや、その見事な遠景ショットは迫力さえ感じる。

また、豪華な衣装を身にまとった、出演者達のダイナミックなダンスなどもいかにもジーン・ケリーの演出らしい。

振付はマイケル・キッドに任せている。

第42回アカデミー賞では作品賞以下7部門にノミネートされ、美術、録音、ミュージカル音楽賞を受賞した。
・ノミネート
作品・撮影・編集・衣装デザイン

舞台のジェリー・ハーマンのダンス・ナンバー他、ライオネル・ニューマンレニー・ヘイトンの音楽も素晴らしい。

主人公を演ずるバーブラ・ストライサンドは、前年のデビュー作「ファニー・ガール」(1968)でいきなりアカデミー主演賞を受賞し、この大役でもその若さを心配されたものの、独特の歌声、声量と共に、20代とは思えない既に大スターの雰囲気さえ感じる。

相手役のウォルター・マッソーは、気難し屋の商人を、大袈裟な笑いを誘う過剰な演技も押さえ気味に、彼らししい演技を見せてくれる。

本作も含め、その後も大活躍をするマイケル・クロフォードの熱演も注目で、同じくステージの大スターになる長身のトミー・チューン(199cm)と共に、溌剌とした演技と見事なダンスなどを見せてくれる。

もう一人の従業員ダニー・ロッキン、帽子屋店主マリアンヌ・マックアンドリュー、その助手のE・J・ピーカー、ホーレス(W・マッソー)の姪役ジョイス・エームス、レストランのウエイター長デヴィッド・ハースト、そして、B・ストライサンドとのデュエットのワンシーンで、ルイ・アームストロングが登場するのも嬉しい。
ルイ・アームストロングは、出演者としてはこれが最後の作品となる。(1971年没)


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