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動く標的 Harper (1966)

1949年に発表された、ハードボイルド作家ロス・マクドナルドによる小説”The Moving Target”の映画化。
富豪の失踪の捜査を依頼された私立探偵が悪人の陰謀や黒幕の罠に翻弄されながらも真相を追求する姿を描く、監督ジャック・スマイト、主演ポール・ニューマンローレン・バコールジュリー・ハリスアーサー・ヒルジャネット・リーロバート・ワグナー他共演のサスペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ローレン・バコール / Lauren Bacall / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジャック・スマイト

製作
ジェリー・ガーシュウィン
エリオット・カストナー

原作:ロス・マクドナルド
脚本:ウィリアム・ゴールドマン
撮影:コンラッド・L・ホール
編集:ステファン・アームステン
音楽:ジョニー・マンデル

出演
ポール・ニューマン:ルー・ハーパー
ローレン・バコール:エレイン・サンプソン
ジュリー・ハリス:ベティ・フレイルス
アーサー・ヒル:アルバート・グレイヴス
ジャネット・リー:スーザン・ハーパー
ロバート・ワグナー:アラン・タガート
ロバート・ウェバー:ドワイト・トロイ
シェリー・ウィンタース:フェイ・エスタブローク
パメラ・ティフィン:ミランダ・サンプソン
ハロルド・グールド:スペンサー保安官
ストローザー・マーティン:クロード
ロイ・ジェンソン:パドラー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1966年製作 120分
公開
北米:1966年2月23日
日本:1966年7月
製作費 $3,500,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
私立探偵ルー・ハーパー(ポール・ニューマン)は、友人の弁護士アルバート・グレイヴス(アーサー・ヒル)の紹介で、大富豪サンプソン邸を訪れる。

サンプソン夫人、エレイン(ローレン・バコール)は、蒸発した夫の捜索をハーパーに依頼する。

ハーパーは、離婚協議中の妻スーザン(ジャネット・リー)との話し合いにも顔を出さないまま、仕事に取り掛かる。

エレインの義理の娘ミランダ(パメラ・ティフィン)から、義母の嫌味を聞かされたハーパーは、サンプソンと行動を共にしていた専属パイロット、アラン・タガート(ロバート・ワグナー)から主人が消えた時の状況を聞く。

アランに、アルバートの事務所まで送られたハーパーは、若いミランダの婿候補が、はるか年上のアルバートだということを知らされる。

サンプソン家の顧問弁護士アルバートに、ハーパーは費用の割増を要求し、代わりに、ミランダに彼を売り込むことを約束する。
...全てを見る(結末あり)

ハーパーは、ミランダとアランと共に、ロサンゼルスにある、サンプソンの別宅であるホテルの部屋を訪れる。

そして、かつてのスター女優フェイ・エスタブローク(シェリー・ウィンタース)の写真をハーパーは見つける。

クラブでフェイを見つけたハーパーは、彼女に接触して、酔いの回った彼女を自宅に送る。

ハーパーは、部屋を調べているうちに多額の現金を目にして、自分の存在をフェイの夫に知らせるために、電話を受ける。

その間、サンプソンの身代金50万ドルが要求されたという知らせを、ハーパーはアランとミランダから受ける。

そこに、フェイの夫ドワイト・トロイ(ロバート・ウェバー)が現れ、保険屋だと偽るハーパーに銃を突き付けて追い払う。

フェイの家に電話をかけてきたクラブのピアニスト、ベティ・フレイルス(ジュリー・ハリス)から、サンプソンの情報を聞きだしたハーパーは、店の用心棒パドラー(ロイ・ジェンソン)に叩きのめされてしまう。

サンプソンの、馴染みの店をあたっていたアランに助けられたハーパーは、フェイの家に戻り1台の不審なトラックに遭遇する。

ハーパーは翌日、今回の事件は誘拐ではなく、夫が商売女と世界旅行にでも行く資金を用立てようとしているという、エレインの推測を聞かされる。

しかし、ハーパーは悪人が絡む事件だと睨み、ミランダに連れられ、以前サンプソンが多額の寄付をした宗教団体のリーダー、クロード(ストローザー・マーティン)がいる山頂の”霊の寺”に向かう。

クロードに会ったハーパーは、胡散臭い施設を見て回り、フェイの家で出くわしたトラックと同じタイヤ跡を見つける。

サンプソンの屋敷のポストで、脅迫状を見つけたハーパーは、アルバートに連絡して、内部の人間の犯行の可能性が出てきたことを伝える。

スペンサー保安官(ハロルド・グールド)に連絡を入れ、指示通りに現金を渡すことにしたハーパーは、指定された油田に向かう。

現場で状況を窺っていたハーパーの前に、2台の車が相次ぎ現れ、1台の車のドライバーは殺されて、現金は奪われてしまう。

ドライバーが持っていた、”コーナー”というバーのマッチを頼りに、店に向かったハーパーは、ドライバーの身元を調べる。

ハーパーは、殺された男が、3日前にサンプソンと同じラスベガスにいたことを突き止める。

そこに、パドラーが運転した例のトラックが現れ、ハーパーは、その後をつける。

トラックは”霊の寺”に向かい、ハーパーは、クロードとパドラーにシンプソンの居場所を追求するが、信者らしき者達に捕らえられてしまう。

さらにその場に、”霊の寺”の黒幕で、移民を密入国させていたトロイが現れ、ハーパーから50万ドルの話しを聞き、油田に現れた車の色から、現金を奪ったのがベティだということに気づく。

ハーパーはパドラーに痛めつけられるが、隙を見て彼を倒し、妻スーザンの元に向かう。

スーザンに助けを求めたハーパーは、彼女と一夜を共にして翌朝、再び別れを告げ、やりかけた仕事に戻る。

ベティが、油田で殺された男の姉だと分かり、彼女と関わりのあるアランもグルだと睨んだハーパーは、それを否定する彼を巧みに誘導して犯行を認めさせる。

アランはハーパーに銃を向けるが、ハーパーはそれをかわしてアランに襲いかかろうとするう。

しかし、現れたアルバートがアランを射殺し、ハーパーは彼とベティが犯人だと伝える。

それをミランダに知らせたハーパーは、ベティの家に向かい、彼女がトロイとフェイ、そしてクロードに拷問されているのに気づく。

ハーパーは家に押し入りトロイを射殺し、クロードを殴り倒してフェイをクローゼットに閉じ込める。

ベティを連れ出したハーパーは、彼女からサンプソンの居場所を聞き出して現場に向かう。

現場の船に到着したハーパーは、サンプソンを捜すうちに、何者かに殴り倒される。

そこにアルバートが現れるが、意識を取り戻したハーパーは、無惨に殺されたサンプソンの遺体を発見する。

ベティは姿を消し、現金の隠し場所に向かったハーパーとアルバートは、途中で彼女を見つけて追い詰める。

しかし、ベティはハンドルを誤り、事故を起こし死亡する。

ハーパーはエレインに夫の死を報告し、現金を取り戻し、アルバートとサンプソン邸に戻ろうとする。

しかし、ハーパーは今回の犯行の黒幕がアルバートであることを見破っていた。

ミランダと結婚させるつもりもなく、自分を弄んだサンプソンを恨み誘拐し、殺害までしてしまったことをアルバートは認める。

サンプソン邸に到着すると、ハーパーは、アルバートに撃つなら撃てと言い残し、車を降りて現金を届けようとする。

ハーパーに拳銃を向けるアルバートだったが、彼は旧友を撃つことが出来ない。

そしてハーパーは、そんなアルバートを見て、情けない奴だと嘆く。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
私立探偵ルー・ハーパーは、友人の弁護士アルバートの紹介で大富豪サンプソン邸を訪れ、夫人エレインから、蒸発した夫の捜索を依頼される。
早速、仕事にとりかかったハーパーだったが、サンプソンの専属パイロットであるアランから、アルバートが、依頼人エレイン義娘ミランダの婿候補だと知らされる。
その後ハーパーは、サンプソンが、かつての人気女優フェイの知人だと知る。
その後ハーパーは、フェイの夫トロイが悪事に手を染めていることに気づく。
その頃、エレインの元に、身代金50万ドルを要求する脅迫状が届く。
そしてハーパーは、サンプソンが蒸発ではなく、事件に巻き込まれていることを確信するのだが・・・。
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1949年に発表された、ハードボイルド作家ロス・マクドナルドによる小説”The Moving Target”の映画化で、彼の作品の20作品ほどに登場する主人公”ルー・アーチャー”が、本作では”ルー・ハーパー”となり、作品の原題が”Harper”となっている。

1975年に、同じロス・マクドナルド原作による続編「新・動く標的」も公開された。

テレビ・ドラマで活躍していたジャック・スマイトは、本作で注目されるようになり、特に1970年代は「エアポート’75」(1974)、「ミッドウェイ」(1976)などの超大作の監督を務めた。

敏腕とは言えない冴えない私立探偵が、妻との不仲に悩みながらも事件を探ろうとする、直球に変化球、変幻自在の自己流の捜査方法や、どこか裏のありそうな多彩な登場人物などとの駆け引きで見せる、ウィリアム・ゴールドマンの巧みで思わせ振りな脚本も、面白味があり十分に楽しめる。

やや三枚目風のポール・ニューマンの、人間味ある男臭さが、作品にパンチを与え、後にレーサーとなる、彼のスピード狂の片鱗も垣間見ることが出来る。

結局は、夫の死など全く気にしない依頼人で、40代前半にして貫禄で演ずるローレン・バコール、清純派の雰囲気を払拭して、悪に手を染めるジュリー・ハリス、事件の黒幕ではあるが、気弱で憎めない弁護士アーサー・ヒル、主人公の妻役で要所を引き締める美しいジャネット・リー、いかにもプレイボーイ風で、犯行に加担するロバート・ワグナー、密入国者のブローカー、ロバート・ウェバー、その妻で、アル中の元女優役シェリー・ウィンタース、小悪魔的な魅力が印象的な依頼人の義娘パメラ・ティフィン、保安官ハロルド・グールド、新興宗教の教祖ということになっているストローザー・マーティン、その仲間ロイ・ジェンソンなど、魅力的な共演陣も注目だ。


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