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ハーレム・ナイト Harlem Nights (1989)

養父とクラブを経営する青年が脅しをかけてきたギャングを罠にかけて大金を騙し取る計画を描く、製作総指揮、監督、脚本、主演エディ・マーフィリチャード・プライヤーレッド・フォックスダニー・アイエロマイケル・ラーナー他共演のコメディ・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト
監督:エディ・マーフィ

製作
マーク・リプスキー
ロバート・D・ワックス
製作総指揮:エディ・マーフィ
脚本:エディ・マーフィ
撮影:ウッディ・オーメンズ
編集
ジョージ・バワーズ
アラン・バルサム
衣装デザイン:ジョー・I・トンプキンス
音楽:ハービー・ハンコック

出演
ヴァーネスト”クイック”ブラウン:エディ・マーフィ
シュガー・レイ:リチャード・プライヤー
ベニー・ウィルソン:レッド・フォックス
フィル・カントン:ダニー・アイエロ
バグジー・カルホーン:マイケル・ラーナー
ヴェラ:デラ・リース
アニー:バーリンダ・トルバート
ジャック・ジェンキンス:スタン・ショウ
ドミニク・ラ・ルー:ジャスミン・ガイ
リッチー・ヴェントー:ヴィック・ポリゾス
サンシャイン:レラ・ローション
レジー:アーセニオ・ホール
ロミオ:ロビン・ハリス
トミー・スモールズ:トーマス・マイカル・フォード

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1989年製作 115分
公開
北米:1989年11月17日
日本:1989年12月23日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $60,864,900
世界 $95,900,000


アカデミー賞
第62回アカデミー賞

・ノミネート
衣裳デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1918年、ニューヨークハーレム
クラブ“シュガー・レイ”のオーナー、シュガー・レイ(リチャード・プライヤー)は、7歳の少年ヴァーネスト・ブラウンにタバコを買いに行かせる。

ダイス・ゲームで負けた男は、戻って来たヴァーネスのせいにしてレイに因縁をつける。

男がナイフを出したために、テーブルに隠してあった銃を手にしたヴァーネストは男を射殺してしまう。

レイは、後始末を仲間のベニー・ウィルソン(レッド・フォックス)らに任せる。

ヴァーネストが孤児だと知ったレイは彼が気に入り、家に連れて行く。
...全てを見る(結末あり)

20年後。
レイの養子となり繁盛するクラブを共同で経営するヴァーネスト”クイック”(エディ・マーフィ)は、ライバルのトミー・スモールズ(トーマス・マイカル・フォード)に同伴するドミニク・ラ・ルー(ジャスミン・ガイ)に惹かれてしまう。

ドミニクはギャングのボス、バグジー・カルホーン(マイケル・ラーナー)の情婦だった。

トミーに声をかけたクイックは、ドミニクに挨拶する。

クラップスのテーブルで視力が低下したベニーがトラブルを起こし、メガネをかけるようレイが彼に指示する。

トミーが組織の金をくすねていることを知ったバグジーは、更にビジネスを広げるために、繁盛するレイの店に息のかかった刑事フィル・カントン(ダニー・アイエロ)を向かわせようとする。

バグジーの手下であるトミーと情婦のドミニクが店に来たことを気にするレイは、警戒するようクイックらに指示する。

売春を任せているヴェラ(デラ・リース)の売り上げが少ないことを知ったクイックは、彼女を疑う。

侮辱されたヴェラは憤慨し、路地でクイックと殴り合いになる。

ヴェラがカミソリを手にしたため、クイックは彼女の足を撃ってしまう。

帰宅したレイは、家に侵入していたカントンに銃を向ける。

カントンは、羽振りがいいレイを牽制しただけで、その日は引き揚げる。

翌日、バグジーが店を狙っていると考えたレイは、ニューヨークを離れることも考える。

その意見に反対するクイックは、バグジーに対抗する方法を考えようとするが、レイは組織力の違いを指摘する。

楽観的なクイックの考えを気にするレイは、恋人のアニー(バーリンダ・トルバート)からも、心配し過ぎだと言われる。

ドミニクからの手紙が届いたために、店に来たのは自分が目的だったと思い込むクイックは、心配するレイとベニーの話も聞かずに、彼女がまだバグジーの情婦かを確かめようとする。

店に現れたカントンと話したレイとクイックは、友人のバグジーが売上の2/3を要求していると言われる。

検討すると答えたレイは、自宅に仲間達を集めて対策を考え、うまくいけば一人5万ドル稼げる計画を話す。

今週行われるボクシングの試合に75万ドルが掛け金として集まると言うレイは、胴元を抑えているバグジーからそれを奪う考えを話す。

勝ち目のない白人ボクサーのカークパトリックに大金を賭けて、バグジーに八百長試合だと思わせ、挑戦者に賭けた彼の大金を奪うという計画は実行される。

レイは、トミーの元に向かいカントンの情報を聞き出すようクイックに指示する。

その頃カントンは、トミーを叩きのめして射殺し、バグジーに報告する。

レイ側がカークパトリックに20万ドル賭けたことをカントンから知らされたバグジーは、八百長だと考えて、自分も挑戦者に50万ドルを賭ける。

トミーのアパートの部屋に向かったクイックは、彼が殺されていることを知る。

車に乗るクイックを目撃したトミーの弟レジー(アーセニオ・ホール)は、トミーの部屋に向かう。

バグジーのクラブに向かったクイックは、その場にいたドミニクからバグジーを紹介される。

カントンが話した取引の件をバグジーから訊かれたクイックは、ドミニクと一緒に自分のクラブで働いてもらいたいと言われるものの、それを断る。

ドミニクからも誘われたクイックは、バグジーから検討しておくようにと言われて席を立つ。

クイックがトミーを殺したと考えたレジーは、彼の車を追う。

追跡に気づき車を捨てたクイックは、レジーからトミーを殺したと言われるものの、それを否定し、銃撃されたために相手を射殺する。

オフィスに戻ったクイックは、何も情報は得られなかったことをレイに伝え、ドミニクからの電話を受けて彼女の元に向かう。

ドミニクにバグジーとの関係を尋ねたクイックは、仕事をしているだけだと言われる。

自分に興味があると言われたクイックは、ドミニクから寝室に誘われて愛し合う。

枕の下に隠したあった銃をクイックに向けたドミニクだったが、弾は抜かれていた。

クイックは、隠し持っていた銃でドミニクを射殺する。

コールガールのサンシャイン(レラ・ローション)は、バグジーの手下である現金の運び屋リッチー・ヴェントー(ヴィック・ポリゾス)に近づく。

レイの家に向かったクイックは、ドミニクを殺してしまったことを伝えて、トミー殺しも疑われて襲われたことも話す。

バグジーを叩きのめすと言って興奮するクイックを落ち着かせたレイは、自分達はギャングではないが相手は残虐なので、隠れ家を探す必要があると伝える。

翌日、カントンはレイのクラブに手入れに入り、全員逮捕すると伝える。

チャンピオンのジャック・ジェンキンス(スタン・ショウ)がレイのテーブルにいることに気づいたカントンは、ファンだと言ってサインをもらい引き揚げる。

ジェンキンスをタクシーに乗せて見送ったレイは、その場で待っていたバグジーの車に乗り、女を含めた4人を殺したクイックのことを訊かれる。

クイックと共に街を出るようにとバグジーから言われたレイは、車から降りる。

警察に向かったレイは、125人分の保釈金7500ドルを払い、クラブで逮捕された仲間達を釈放させる。

足を撃ったことをヴェラに謝罪したクイックは、気にしていないと言われる。

サンシャインに恋してしまったリッチーは、翌日のボクシングの試合後に会う約束をして、妻と別れる決心をする。

翌日、試合は始り、チャンピオンのジェンキンスはカークパトリックを徹底的に攻める。

集金を済ませたリッチーは、サンシャインとの待ち合わせ場所に向かい、彼女が持っていた荷物をトランクに入れる。

交差点の信号が操作され、リッチーは、ベニーとヴェラが乗った車に衝突される。

警官に扮したレイとクイックが現れ、サンシャインがヘロインの運び屋であると言ってそれを押収しようとする。

そこに駆けつけた別の警官は、ヘロインの件を知らされ、リッチーからはバグジーの仕事をしていると言われる。

納得した警官はサンシャインだけを逮捕して、荷物を持ってその場を去る。

リッチーを尾行していたカントンは、その様子を目撃する。

試合は一方的な展開となり、ジェンキンスはカークパトリックにノックアウト勝ちする。

閉鎖された銀行に向かったロイとクイックは、尾行してきたカントンを拘束して金庫に閉じ込める。

賭けに負けて憤慨するバグジーは、リッチーが運んできたのがヘロインだったために驚き、カントンの部下の警官が別の荷物を押収したことを知る。

警官に100万ドルを渡してしまったリッチーを責めるバグジーは激怒し、ヘロインが砂糖であることに気づく。

そこにヴェラが現れ、バグジーは、トラブルに巻き込まれたくないと言う彼女から、レイとクイックの居場所を聞き出す。

レイの家に向かったバグジーは、カントンのバッジと帽子があったために不審に思い、罠だと分かった瞬間にその場は爆発する。

グルだった警官に感謝したレイは、ハーレムを離れることを寂しく思いながら、クイックとベニー、そしてヴェラとアニーと共に旅立つ。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1938年、ニューヨークハーレム
クラブ“シュガー・レイ”のオーナー、シュガー・レイは、孤児だったヴァーネスト”クイック”を引き取り、成長した彼に経営を手伝わせていた。
繁盛するレイのクラブに目を付けたギャングのボス、バグジーは、売り上げの2/3を要求して、息のかかった刑事カントンを使い脅しをかけてくる。
相手が大物のため移転することを考えるレイっだったが、クイックはそれに反対し、バグジーの組織を潰すことを考える。
まともに戦ってもかなわないために、レイはクイックや仲間達と共に、ボクシングのタイトルマッチを利用して、バグジーを叩きのめす大勝負にでるのだが・・・。
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1980年代に最も成功したスターの1人、弱冠28歳のエディ・マーフィが、製作総指揮、監督、脚本、主演を兼ねた意欲作。

エディ・マーフィは役に専念していないため、やや控えめな役柄であり、脇を固める個性派達がいい味で演じている。

また1930年代を再現した衣装なども注目で、第62回アカデミー賞では衣裳デザイン賞にノミネートされた。

公開当時の宣伝では、エディ・マーフィ版「スティング」(1973)などと大袈裟に言われたが、ギャングにしかける罠は単純で、それに期待し過ぎない方がいいかも・・・?

演出と脚本も兼ねるエディ・マーフィの奮闘は認めるのだが、彼の作品にしてはパンチが足りない内容で、ラジー賞で脚本賞を受賞してしまい、監督賞にもノミネートされてしまった。

興行収入も北米で約6100万ドル、全世界でも1億ドルに届かず、エディ・マーフィ作品にしてはやや物足りない結果となった。

製作総指揮、監督、脚本、主演を兼ねているのでやや大人しい、クラブ経営者の養子として育てられたエディ・マーフィ、彼を引き取り商売を教えたクラブ経営者を雰囲気ある演技で演ずるリチャード・プライヤー、その仲間であるレッド・フォックス、主人公らを脅す悪徳刑事ダニー・アイエロ、彼を操るギャングのボス、マイケル・ラーナー、主人公の仲間で売春を仕切るデラ・リース、レイ(リチャード・プライヤー)の恋人バーリンダ・トルバート、ボクシング・ヘビー級チャンピオンのスタン・ショウ、ギャングのボスの情婦ジャスミン・ガイ、ギャングの現金の運び屋ヴィック・ポリゾス、彼を罠にはめる売春婦レラ・ローション、ギャングの手下であるクラブ経営者トーマス・マイカル・フォード、その弟アーセニオ・ホール、主人公の仲間のロビン・ハリスなどが共演している。


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