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ハードエイト Hard Eight (1996)

初老のギャンブラーと自堕落な青年の関係と秘められた事実を描く、ポール・トーマス・アンダーソン長編デビュー作(監督、脚本)、主演フィリップ・ベイカー・ホールジョン・C・ライリーグウィネス・パルトローサミュエル・L・ジャクソンフィリップ・シーモア・ホフマン他共演ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:ポール・トーマス・アンダーソン

製作
ロバート・ジョーンズ

ジョン・ライオンズ
製作総指揮
フランソワ・デュプラ

キース・サンプルズ
脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
撮影:ロバート・エルスウィット
編集:バーバラ・テュライヴァー
音楽
ジョン・ブライオン

マイケル・ペン

出演
シドニー・ブラウン:フィリップ・ベイカー・ホール

ジョン・フィネガン:ジョン・C・ライリー
クレメンタイン:グウィネス・パルトロー
ジミー:サミュエル・L・ジャクソン
ギャンブラー:フィリップ・シーモア・ホフマン
ジミーの恋人:メローラ・ウォルターズ
人質:F・ウィリアム・パーカー
客室係:ナサナエル・クーパー
ウエイトレス:ウィン・ホワイト

アメリカ 映画
配給 MGM

1996年製作 102分
公開
北米:1997年2月28日
日本:未公開
北米興行収入 $222,560


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
青年ジョン・フィネガン(ジョン・C・ライリー)は、レストランの前で気落ちしてしゃがみこんでいた。

そんなジョンの前に、60代の男性シドニー・ブラウン(フィリップ・ベイカー・ホール)が現れる。

ギャンブラーのシドニーは、ジョンにタバコを与えてコーヒーを奢り、彼の悩み事を聞き始める。

ジョンがギャンブルで負けたことを察したシドニーは、亡くなった母親の葬儀代6000ドルを稼ぐためにラスベガスに向かったものの、所持金を失ったことを知る。

呆れた話だと語るシドニーは、50ドルを貸してラスベガスでギャンブルを教えるとジョンに提案する。
...全てを見る(結末あり)

半信半疑のジョンだったが、仕方なくシドニーの車に乗り現地に向かう。

シドニーは、ジョンの身なりを整えさせて、支配人から記録カードを貰うよう指示し、150ドルを渡してチップに換金させる。

ジョンにスロットマシンをやらせた後、100ドルのチップを換金させたシドニーは、その現金を再びチップに換え記録カードの額を確認させる。

カードは250ドル、使った額は20ドルということを確かめさせたシドニーは、その行為を繰り返し、最後の50ドルは時間をかけて使うように指示する。

それは支配人への見せ金で、1時間賭けて1時間休むよう伝えたシドニーは、ジョンを残してその場を去る。

指示通りのことをしたジョンは記録が2000ドルとなり、支配人から無料宿泊の部屋を提供され200ドを稼ぐ。

ジョンは、現れたシドニーに150ドルを返して感謝するものの、その後の計画を聞かれて困惑する。

同じ手は使えないため6000ドルを稼ぐことは不可能と伝えたシドニーは、ロサンゼルスの友人が力を貸してくれるとことと、友情を示してカジノに向かう。

2年後、ネバダ州、リノ
ギャンブラーになっていたジョンは、ラスベガスの”デューン”で案内係と警備員をしている友人のジミー(サミュエル・L・ジャクソン)をシドニーに紹介する。

シドニーはジミーの下品な言動を批判し、気を使ったジョンはジミーを連れて席を外す。

ジョンの恋人でカジノのウエイトレス、クレメンタイン(グウィネス・パルトロー)が売春をしていることを知ったシドニーは、彼女と話をする。

クレメンタインは、生活のために仕方なくしていることだと伝え、シドニーにジョンとの出会いや家族のことなどを尋ねる。

クレメンタインを部屋に連れて行ったシドニーは、下心がないことと、快適なベッドなどを提供したかったとだけを伝え、そこがジョンの部屋だと知らせる。

翌朝、戻ってきたジョンと過ごすようクレメンタインに伝えたシドニーは、彼女とは何もなかったことをジョンに告げる。

朝食をとりカジノに向かったシドニーは、自分をからかう無作法な若者(フィリップ・シーモア・ホフマン)を賭けで負かす。

ジョンに呼び出されたシドニーは、クレメンタインが、始めて会った男(F・ウィリアム・パーカー)と金支払いでもめて殴られたことを知る。

駆けつけたジョンが男を叩きのめしてしまい、人質に取ったということだった。

男の妻に夫を殺すと伝え、金を届けるように指示したことを知ったシドニーは、警察に通報された可能性を指摘する。

状況が悪いと判断したシドニーは、ジョンが持っていた銃を受け取り、ジミーがこの件を知っていることを確認する。

クレメンタインから状況を説明されたシドニーは、軽率な行動を責めるが、ジョンが口を挟み妻を侮辱するなと興奮する。

驚いたシドニーは、その日に二人が結婚したことを知り、呆れた彼はその場を去ろうとする。

ジョンは、呼び止めたシドニーに遠くに逃げるよう指示されてそれに従おうかとするが、クレメンタインは、男は金を払うべきだと言って納得しない。

ジョンはクレメンタインを説得できずに殴ってしまい、シドニーが逮捕される状況を伝えて彼女を納得させる。

シドニーは倒れている男の手錠を外すが、そこに電話が入る。

心当たりがないことを確認して男を殴ったシドニーは、二人とその場を離れる。

その日の行動を後悔して涙するクレメンタインを、シドニーは慰める。

二人にナイアガラの滝に向かうことを提案したシドニーは、彼らに別れを告げて見送る。

部屋に戻ったシドニーは、クレメンタインから渡された結婚式のビデオを見ながら、二人のことを想う。

その後、シドニーはジミーに呼び出され、人質の一件は問題ないが、ジョンとクレメンタインのナイアガラ行きを知っていることを伝える。

そしてジミーは、シドニーがアトランティックシティでジョンの父親を殺した事件について語り、動揺したシドニーはその場を去る。

ジミーは、車に乗ったシドニーに銃を向けて、口止め料の1万ドルを要求する。

シドニーは銀行口座にある6000ドルが全財産だと伝えて、部屋に向かい朝になるのを待つ。

ジミーは、元マフィアのシドニーがジョンの父親を殺した話をして、自分が軽蔑されていることに対して不満をぶつけて彼を脅す。

シドニーは、6000ドルがこの場にあることを伝えて、それで全てを終わらせることをジミーに提案する。

現金を受け取ったジミーは納得してその場を去り、シドニーはジョンからの電話を受ける。

ジョンは感謝していることを伝え、シドニーは我が子同然だと言って愛を告げる。

シドニーは荷物をまとめてジミーの家に向かい、その場にあった銃を手にして彼を待つ。

カジノで儲けたジミーは、恋人(メローラ・ウォルターズ)と共に家に帰るが、シドニーに射殺される。

ジョンとクレメンタインは、何も知らずに旅を続ける。

いつものように朝食をとるシドニーは、血の付いたワイシャツの袖を隠す。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
60代のギャンブラー、シドニー・ブラウンは、亡くなった母親の葬儀費用をギャンブルで稼ごうとして所持金を失った青年ジョンに声をかける。
ジョンの話を聞いたシドニーは、ラスベガスで彼にギャンブルを教えて小銭を稼がせる。
2年後、リノ
ギャンブラーになっていたジョンは、シドニーにカジノで働くジミーを紹介する。
ジョンの恋人クレメンタインが、売春をしていることを知ったシドニーは、彼女の話を聞き優しく接する。
その後、クレメンタインは再び客を取ってしまい、トラブルとなりシドニーが呼ばれる。
その場にいたジョンが男を人質にしていたため、シドニーは状況を確認して、警察沙汰になることを避けようとするのだが・・・。
__________

この後、問題作を次々と発表する、撮影当時、若干25歳のポール・トーマス・アンダーソンの、その才能を遺憾なく発揮した長編デビュー作。

初老のギャンブラーが示すある若者への友情、終盤で明らかになるその行為の秘密・・・そのドラマチックな展開は観る者を引き付ける。

ポール・トーマス・アンダーソンが、この後の数作の自作でコンビを組む、ベテラン、フィリップ・ベイカー・ホールを主役に起用しているところを注目したい。

企業のエグゼクティブや政府、警察の高官役など、名バイ・プレイヤーとして重要な存在である名優フィリップ・ベイカー・ホールのファンは多いはずだ。
個人的には、彼の出演作は必ずチェックするよう心掛けているほど、お気に入りのスターだ。

他、その後、ハリウッドを代表するスターとなる、脇を固める豪華キャストの競演も嬉しい。

自分に関わる主人公の秘密を知ることなく、彼に感謝する安堵の表情が実に印象的なジョン・C・ライリー、その恋人役グウィネス・パルトロー、主人公の秘密を知る男サミュエル・L・ジャクソン、その恋人メローラ・ウォルターズ、ギャンブラーのフィリップ・シーモア・ホフマン、人質F・ウィリアム・パーカーなどが共演している。


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