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ハンニバル・ライジング Hannibal Rising (2007)

2006年に発表された、トマス・ハリス同名小説を基に製作された作品。
ハンニバル・レクター”シリーズの4作目で、少年ハンニバルがいかにして殺人鬼に変貌したかを描く、監督ピーター・ウェーバーギャスパール・ウリエルコン・リーケヴィン・マクキッドドミニク・ウエストリス・エヴァンズ共演によるホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト ■
監督:ピーター・ウェーバー

製作
ディノ・デ・ラウレンティス

マーサ・デ・ラウレンティス
タラク・ベン・アマール
原作:トマス・ハリス
脚本:トマス・ハリス
撮影:ベン・デイヴィス
編集
ピエトロ・スカリア

ヴァレリオ・ボネッリ
音楽
アイラン・エシュケリ

梅林茂

出演
ハンニバル・レクター:ギャスパール・ウリエル

レディ・ムラサキ・シキブ:コン・リー
ペトラス・コルナス:ケヴィン・マクキッド
パスカル・ポピール警視:ドミニク・ウエスト
ヴラディス・グルータス:リス・エヴァンズ
ジグマス・ミルコ:スティーブン・マーティン・ウォルターズ
エンリカス・ドートリッヒ:リチャード・ブレイク
ポール・マモン:チャールズ・マックイグノン
ハンニバル・レクター:アーロン・トーマス(少年期)
ミーシャ・レクター:ヘレナ=リア・タコヴシュカ

ブロニス・グレンツ:イヴァン・マレヴィッチ
レクター夫人:インゲボルガ・ダクネイト

アメリカ/イギリス/フランス 映画
配給
ワインスタイン・カンパニー

MGM(北米)
2007年製作 117分
公開
北米:2007年2月9日
イギリス:2007年2月9日
フランス2007年2月7日
日本:2007年3月31日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $27,667,950
世界 $82,169,880


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1944年、第二次大戦下のリトアニア、レクター城。
戦火を逃れるために、8歳の少年ハンニバル・レクター(アーロン・トーマス)は、家族と共に城を離れ、数日の間、山小屋に潜むことになる。

城はドイツ武装親衛隊に占拠され、山小屋にはソ連軍の戦車が現れる。

その時、飛来したドイツ軍の戦闘機の攻撃を受けて、ハンニバルは両親を失い、妹ミーシャ(ヘレナ=リア・タコヴシュカ)の面倒を見ることになる。

リトアニア兵士ヴラディス・グルータス(リス・エヴァンズ)、エンリカス・ドートリッヒ(リチャード・ブレイク)、ブロニス・グレンツ(イヴァン・マレヴィッチ)、ペトラス・コルナス(ケヴィン・マクキッド)、ジグマス・ミルコ(スティーブン・マーティン・ウォルターズ)は、ソ連軍の襲撃を逃れる。
...全てを見る(結末あり)

兵士らは山小屋を発見し、ハンニバルとミーシャは彼らに拘束されてしまう。

8年後。
レクター城はソ連の養育施設となり、レクター(ギャスパール・ウリエル)も孤児として収容されていた。

兵士達に妹ミーシャを奪われた悪夢に毎晩うなされるレクターは、地下牢に監禁されるものの、秘密の通路から抜け出し、手紙を持参して城を脱出する。

レクターは手紙を頼りに、フランスにいる伯爵である叔父を訪ねる。

叔父は他界した後で、日本人の妻レディ・ムラサキ・シキブ(コン・リー)がレクターを出迎える。

悪夢にうなされる日々は続くが、レクターは、奥床しい女性ムラサキとの親交を深め、彼女の影響で日本の文化に親しんでいく。

そしてレクターは、市場でムラサキを侮辱した肉屋のポール・マモン(チャールズ・マックイグノン)を待ち伏せし、日本刀で殺し首を刎ねてしまう。

マモンの遺体を確認したパスカル・ポピール警視(ドミニク・ウエスト)は、グローブオイルの匂いに気づく。

ムラサキは、レクターの態度が気になっていたが、夜中に屋敷内でマモンの生首を見つけてしまう。

レクターは、日本刀を使用したことをムラサキに伝え、グローブオイルで刀の手入れをする。

その後、ポピールが屋敷に現れ、レクターは市場でマモンと喧嘩をしたことで、警察の事情聴取を受けるため連行される。

嘘発見器に全く反応しないレクターに、状況証拠を付きつけるポピールだったが、警察署の外でマモンの生首が見つかる。

やがて、レクターは医学校に入学することになり、相続税支払いの関係でムラサキは屋敷を手放し、彼女はパリに住居を構えることになる。

実務医学生として、解剖学の授業用の死体に接する機会を得たレクターは、それに異常な興味を持ち学業に没頭する。

しかし、妹ミーシャを奪った兵士達のことが、レクターの頭から離れることはなかった。

レクターは、兵士達の名前は思い出せないでいたが、人相だけは鮮明に覚えていたため、それをスケッチし彼らに復讐する日を待ち続ける。

ソ連国境、メディニンカイ
国境を越えたレクターは故郷に戻り、山小屋に残されていた認識票から、兵士達の名前を知る。

カウナスにいた兵士の一人ドートリッヒは、レクターが現れたことを知り山小屋で彼に襲い掛かるが、逆に捕らえられてしまう。

ミーシャの遺骨を見つけ埋葬したレクターは、ドートリッヒを拷問し、生存している仲間グレンツ、そしてリーダーのグルータスの居所を知っているコルナスの情報を掴む。

そして、ドートリッヒの首にロープを巻きつけ絞め殺したレクターは、彼の頬肉を串焼きにして食し姿を消す。

再会したムラサキに、ミーシャを殺した男達の名前が分かったことを知らせたレクターは、彼女とフォンテーヌブローのレストランを経営するコルナスの店に向かう。

現れたコルナスの娘を席に呼び寄せたレクターは、彼女がはめていたミーシャのブレスレットを確認し、コルナスの認識票を娘のポケットに入れる。

それに気づいたコルナスは動揺し、グルータスとミルコにレクターの存在を知らせる。

グルータスは、レクター殺害をミルコに命じパリに向かわせる。

研究室でレクターを襲おうとしたミルコだったが、不意をつかれ、彼に薬を打たれ拘束される。

その頃、ムラサキに、ドートリッヒの切り落とされた首の写真を見せたポピールは、彼女に警告しレクターの部屋を調べる。

男達の似顔絵を見たポピールは、レクターのいる研究所に向かう。

レクターはミルコを拷問し、彼らが生きるためにミーシャを食べたことを白状させる。

グルータスの居場所を知ったレクターは、ミルコを生きたまま遺体保管タンクに閉じ込め水死させる。

現れたポピールは、ドートリッヒを殺し、グルータスを追っていると思われるレクターを連行し供述をとる。

レクターは、ミーシャが殺されるまでの状況を話して聞かせ、ポピールは、彼が妹と共に心が死んだモンスターであることを知る。

グルータスらの裁きを警察に任せるよう、レlクターを説得したムラサキだったが、彼はミーシャとの約束を果たすためにそれを拒む。

その後、グルータスの所在を知ったレクターは、屋敷に侵入し彼に銃口を向ける。

しかし、レクターはグルータスの手下に捕らえられ、殺されそうになる。

その時、仕掛けてあった爆破が起き、その隙にレクターは脱出する。

ムラサキが、グルータスに捕らえられたことを電話で知らされたレクターは、コルナスの店のズアオホオジロの鳴き声が、受話器から聞こえたことに気づく。

レクターは、グルータスの指示に従わずにコルナスの店に向かい、彼の前に現れ、娘のブレスレットと生肉を見せる。

娘が無事だということを、コルナスに伝えたレクターは、彼女とムラサキを交換する条件で、グルータスの居場所を教えるよう脅しをかける。

グルータスの居場所を白状したコルナスは、自宅への電話で娘の無事を確認するが、レクターは容赦なく彼を刺し殺す。

ムラサキが監禁されている、ボートハウスに侵入したレクターは、グルータスに脊椎を撃たれてしまう。

しかし、弾丸は背中に隠し持っていた短刀に当たり、隙を見てレクターはグルータスのアキレス腱を切り裂く。

レクターは、残る一人グレンツが、カナダのある村にいることをグルータスから聞き出す。

グルータスを殺そうとしたレクターを、ムラサキが制止するが、彼は、自分もミーシャの肉を食べさせられたことをグルータスに聞かされ激高する。

レクターは、グルータスの胸に短刀でミーシャの”M”の文字を刻み、現れた船員をムラサキが刺し殺す。

そしてレクターは、グルータスを赦すべきだというムラサキの言葉に従わず、彼の頬を噛み切り殺害する。

現場に到着したポピールとムラサキの目の前で、ボートハウスは爆発してレクターは逃亡する。

その後レクターは、カナダの山間の村に住むグレンツの前に現れる。

レクターは、グレンツに似顔絵と認識票を差し出し、”首をもらいに来た”と話しかける。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「羊たちの沈黙」(1991)
・「ハンニバル」(2001)
・「レッド・ドラゴン」(2002)
・「ハンニバル・ライジング」(2007)

*(簡略ストー リー)
リトアニアの名家に生まれたハンニバル・レクターは、戦闘で両親を失い、妹ミーシャと山小屋に潜んでいた。
現れたリトアニアの兵士にミーシャを奪われたレクターは、その後、孤児として施設に入れられていたが、その場を逃れて叔父を頼りフランスに向かう。
未亡人の叔母で、日本人のムラサキに迎えられたレクターは、彼女と親交を深め日本の文化に親しんでいく。
やがて、ムラサキを侮辱した男を殺害したレクターは、ミーシャの仇を討つため、兵士達への復讐を誓い、彼らの居場所を突き止め、殺害計画を実行していく・・・。
__________

原作者トマス・ハリスが自ら脚本を担当して、殺人鬼”ハンニバル・レクター”のルーツを描くサイコ・スリラーの話題作。

第二次大戦下、そして戦後のヨーロッパを舞台にした、前3作とは異質な雰囲気の作品。

日本文化をマッチングさせたアイデアは面白いが、せめて日本人俳優を起用する配慮がほしかった気がする。
とは言っても演じられる女優がいない・・・。

その配役なども含め重厚な内容のシリーズにしてはやや演出も貧弱であり、一歩間違えるとB級作品と見られてしまいかねない作品でもある。

”ハンニバル・レクター”の青年期とはいえ、アンソニー・ホプキンスのイメージとは余りにも違うギャスパール・ウリエルは、熱演も空振りに終わっている感じだ。

興行収入も、前3作に比べると極端に落ち込んでしまった。

北米興行収入 $27,667,950
世界 $82,169,880

”ムラサキ・シキブ”という意味不明な名前の日本人女性コン・リー、レクターの犯行を確信する警視ドミニク・ウエスト、命を狙われる元兵士ケヴィン・マクキッドリス・エヴァンズリチャード・ブレイクスティーブン・マーティン・ウォルターズ、イヴァン・マレヴィッチなどが共演している。


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