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ハンニバル Hannibal (2001)

1999年に発表された、トマス・ハリス同名小説の映画化で、1991年公開の「羊たちの沈黙」の続編。
監督リドリー・スコット、主演アンソニー・ホプキンスジュリアン・ムーアゲイリー・オールドマンレイ・リオッタジャンカルロ・ジャンニーニ共演のサスペンス・ホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー

ジュリアン・ムーア / Julianne Moore / Pinterest
ゲイリー・オールドマン / Gary Oldman / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:リドリー・スコット

製作総指揮:ブランコ・ラスティグ
製作
ディノ・デ・ラウレンティス

マーサ・デ・ラウレンティス
原作:トマス・ハリス
脚本
デヴィッド・マメット

スティーヴン・ザイリアン
撮影:ジョン・マシソン
編集:ピエトロ・スカラ
音楽:ハンス・ジマー

出演
アンソニー・ホプキンス:ハンニバル・レクター
ジュリアン・ムーア:クラリス・スターリング捜査官
ゲイリー・オールドマン:メイスン・ヴァージャー
レイ・リオッタ:ポール・クレンドラー
ジャンカルロ・ジャンニーニ:リカルド・パッツィ
デヴィッド・アンドリュース:パーソール捜査官
フランチェスカ・ネリ:アレグラ・パッツィ
ジェリコ・イヴァネク:コーデル・ドゥームリング医師
フランキー・R・フェイソン:バーニー

アメリカ/イギリス 映画
配給
ユニバーサル・ピクチャーズ
MGM
2001年製作 131分
公開
北米:2001年2月9日
日本:2001年4月7日
製作費 $87,000,000
北米興行収入 $165,091,460
世界 $351,692,270


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
殺人鬼ハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホプキンス)の魔の手を逃れた、大富豪メイスン・ ヴァージャー(ゲイリー・オールドマン)は、 レクターが収監されている施設の看護師バーニー(フランキー・R・フェイソン)を屋敷に呼び寄せ情報を得る。

FBI特別捜査官クラリス・スターリング(ジュリアン・ムーア)は、DEA(麻薬取締局)やATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)と協力して、麻薬密売人の女を追い詰める。

激しい銃撃戦の末、指揮を執っていたスターリングは、子供を抱いていた女を射殺する。

多数の犠牲者を出したことで、スターリングは、遺族やFBI内部、そしてメディアから激しい非難を浴びる。
...全てを見る(結末あり)

10年前に、レクター博士の助けで上院議員の娘を救い出し、猟奇殺人事件を解決して話題になったスターリングだったが、今回の事件で告訴されてしまう。

レクターの4番目の犠牲者で、生き残った唯一人の男ヴァージャーは、スターリングの窮地を救うため、司法省に圧力をかけ、スポークスマンのポール・クレンドラー(レイ・リオッタ)を派遣する。

政界などに多大な影響力を持つ、ヴァージャーの大邸宅に呼び出されたスターリングは、彼の主治医コーデル・ドゥームリング(ジェリコ・イヴァネク)に迎えられる。

異常な趣味を持っていたヴァージャーは、レクターの患者でもあり、彼の指示に従い自ら顔面の皮膚を削ぎ落とし、今はおぞましい姿になっていた。

ヴァージャーは、手がかりとなるレクターの腕のレントゲン写真をスターリングに渡し、彼女がレクターを逮捕して汚名を返上するための手助けをしようとする。

それは、ヴァージャーのレクターに対する復讐でもあった。

看護師バーニーに接触したスターリングは、施設のチルトン医師が盗聴していた、レクターと自分との会話テープを入手する。

イタリアフィレンツェ
リカルド・パッツィ警部(ジャンカルロ・ジャンニーニ)は、司書長フェル博士と名を変えて潜んでいたレクターに、失踪した前任者について質問をするが、 手がかりはつかめなかった。

やがて、スターリングの元に、自分の事件に復帰したのかという内容の手紙がレクターから届く。

FBIの10大犯罪者リストに入れられた、 レクターからの挑戦状とも言える手紙を受け取ったスターリングは、その発送先を特定できない。

便箋についていたスキンクリームの匂いから、手がかりを得ようとしたスターリングは、ヨーロッパの特定した地域から香水店の防犯カメラ映像を入手しようとする。

パッツィは、署内でFBIから映像の提供を求められていることを知り、彼はその中にフェル博士を見つける。

フェルを監視したパッツィは、彼がカフェでグラスなどに指紋を残そうとしないことを不審に思う。

その後パッツィは、FBIの10大犯罪者リストの中にある”ハンニバル・レクター” がフェルで、300万ドルの報奨金を出す者(ヴァージャー)がいることも知る。

その頃スターリングは、映像テープの依頼が遅れているフィレンツェの警察に郵送を催促する。

報奨金を手に入れようとしたパッツィは、犯人の指紋の提出が必要だと知る。

パッツィは、スリにレクターの財布を奪うよう指示し、腕のブレスレットを掴ませ指紋を入手しようとする。

レクターはスリに気づき彼を刺し殺すが、パッツィは指紋を手に入れ、ヴァージャーは送られた指紋を確認する。

サルデーニャ
ヴァージャーは、地元の殺し屋に連絡を入れ、レクターを豚に食わせてしまう計画を練る。

報奨金の前金を手に入れたパッツィは、妻アレグラ(フランチェスカ・ネリ)とオペラ鑑賞にでかけ、会場でレクターに出くわす。

香水店のビデオ映像を確認したスターリングは、パッツィが自宅のパソコンからFBIのデータベースにアクセスしたことに気づく。

そしてスターリングは、パッツィに連絡を入れ危険を知らせ警告する。

パッツィは、レクターを殺し屋の手に渡すために罠にかけようとする。

しかし、パッツィは逆に拘束されてしまい、妻アレグラを食すると言ってレクターに脅迫される。

レクターは、自分をヴァージャーに売ったことをパッツィに白状させるが、そこに、彼の携帯電話にスターリングから連絡が入る。

スターリングとの束の間の会話を楽しんだレクターは、パッツィの内臓を切り裂きバルコニーから吊るす。

殺し屋一人の命も奪い、レクターは悠然とバルコニーから監視カメラに向かい手を振る。

その後、クレンドラーはヴァージャーと裏で手を組み、スターリングを休職に追い込む。

その頃、レクターはスターリングとヴァージャーに関係するクレンドラーに目をつける。

クレンドラーの家に侵入し、電話の通話記録を持ち去ったレクターは、調理器具と手術用具を手に入れる。

スターリングの家にも侵入したレクターは、眠っている彼女に危害は加えず、現れた形跡を残し立ち去る。

レクターはスターリングに電話をかけ、彼女をユニオン駅(ワシントンD.C.)に誘き出す。

しかしレクターは、スターリングを尾行していたヴァージャーの雇った殺し屋に捕らえられてしまう。

ヴァージャーの元に連れて行かれたレクターは、飢えた豚の餌食にされそうになる。

その場に現れたスターリングにレクターは救われるが、彼女は銃撃されてしまう。

レクターは、ヴァージャーを豚の餌食にするよう主治医コーデルに指示時を出す。

ヴァージャーは豚に食い殺され、レクターはスターリングを抱きかかえ,その場から逃亡する。

クレンドラーの家で,スターリングの傷を治療したレクターは、帰宅し彼に襲い掛かり眠らせる。

モルヒネで朦朧とするものの、傷も癒えたスターリングは、クレンドラーと食卓につく。

レクターは、既に切開してあったクレンドラーの頭蓋骨を取り除き、脳ミソを料理し彼に食べさせる。

その様子に動揺するスターリングは、レクターの隙を見て彼に襲い掛かり、二人は揉み合いになる。

スターリングはレクターに手錠をかけるが、彼は自分の手首を切って姿を消す。

レクターは逃亡する機内で、彼の横に座った子供が、自分の持参した食事に興味を持ったため、調理したクレンドラーの脳を食べさせる。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「羊たちの沈黙」(1991)
・「ハンニバル」(2001)
・「レッド・ドラゴン」(2002)
・「ハンニバル・ライジング」(2007)

*(簡略ストー リー)
殺人鬼ハンニバル・レクターに命を狙われたものの、それを逃れた大富豪ヴァージャーは、かつてレクターの助けで、猟奇殺人を解決したFBI捜査官のクラリス・スターリングに彼の情報を流す。
フィレンツェに潜伏していたレクターは、地元警察のパッツィに正体を知られてしまう。
スターリングは、パッツィがレクターを見つけたことを知り彼に警告する。
しかし、報奨金目当てのパッツィの企みを知ったレクターは、彼を公衆の面前で殺害する。
そしてレクターは、ヴァージャーらを抹殺して、スターリングと対面するためにアメリカに向かう・・・。
__________

前作で主演したジョディ・フォスターは、あまりにも過激な内容のために役を降り、代わってジュリアン・ムーアが主役を演じた。

原作と映画では結末が大きく異なるのだが、レクターとスターリングが、お互い助あったりもするところが興味深い。

ラストでレクターが逃亡する際、スターリングではなく、自分の手首を切断して逃亡するあたりは、亡くなった妹を彼女に投影し癒される、原作にあるレクターの思いやりを、過激な描写で表現している。

グロテスクな場面が非常に多い作品で、一般受けするかとの不安があったのだが、1作目を遥かに上回る興行成績を記録し、全世界で約3億5000万ドルを超す大ヒットとなった。
北米興行収入 $165,091,460

リドリー・スコットの、切れ味鋭く無駄のない演出も冴え渡り、用意周到な主人公レクターの行動など、実に小気味好く描かれている。

ハンス・ジマーの音楽も、レクターと作品自体の優雅さを際立たせる。

今回は拘束の身ではなく、街中を伸び伸びと闊歩するレクター博士を演ずるアンソニー・ホプキンスは、前作とは違う雰囲気を漂わせ、スターリングを守り、天敵を手際よく”料理”していく、正に職人芸とも言える演技を見せてくれる。

ジョディ・フォスターの代役であったジュリアン・ムーアも、さすがに実力派だけあり、理知的なFBI捜査官を熱演している。

レクターの犠牲者にして唯一の生存者、復讐に燃える大富豪ゲイリー・オールドマン、野心家がたたりレクターの餌食になるレイ・リオッタ、欲を見せてレクターの犠牲者となる、名門出身の警部役ジャンカルロ・ジャンニーニ、その妻のフランチェスカ・ネリ、スターリング(J・ムーア)の上司デヴィッド・アンドリュース、ヴァージャー(G・オールドマン)の主治医役ジェリコ・イヴァネク、施設の看護師、前作と次回作「レッド・ドラゴン」(2002)にも登場するフランキー・R・フェイソンなどが共演している。


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