マンハッタンで暮らす三人姉妹と家族や周囲の人々の生き方を軽妙に描く、ウディ・アレンの監督、脚本、出演によるコメディ・ドラマの秀作。 出演ミア・ファロー、ダイアン・ウィースト、バーバラ・ハーシー、マイケル・ケイン、ウディ・アレン、マックス・フォン・シドー、キャリー・フィッシャー、モーリン・オサリヴァン、サム・ウォーターストン、ジョン・タトゥーロ、リチャード・ジェンキンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ウディ・アレン
製作:ロバート・グリーンハット
脚本:ウディ・アレン
撮影:カルロ・ディ・パルマ
編集:スーザン・E・モース
美術・装置
スチュアート・ウルツェル
キャロル・ジョフェ
出演
ハンナ:ミア・ファロー
ホリー:ダイアン・ウィースト
リー:バーバラ・ハーシー
エリオット:マイケル・ケイン
ミッキー:ウディ・アレン
フレデリック:マックス・フォン・シドー
エイプリル:キャリー・フィッシャー
ノーマ:モーリン・オサリヴァン
エヴァン:ロイド・ノーラン
デヴィッド:サム・ウォーターストン
ノーマン:トニー・ロバーツ
ダスティ:ダニエル・スターン
ゲイル:ジュリー・カブナー
エド・スミス:J・T・ウォルシュ
脚本家:ジョン・タトゥーロ
ウィルクス医師:リチャード・ジェンキンス
本人:ボビー・ショート
アメリカ 映画
配給 オライオン・ピクチャーズ
1986年製作 106分
公開
北米:1986年2月7日
日本:1987年2月21日
製作費 $6,400,000
北米興行収入 $40,084,040
世界 $59,000,000
■ アカデミー賞 ■
第59回アカデミー賞
・受賞
助演男優(マイケル・ケイン)
助演女優(ダイアン・ウィースト)
脚本賞
・ノミネート
作品・監督・編集・美術賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク、マンハッタン。
恒例の感謝祭のパーティーが、ハンナ(ミア・ファロー)の家で行なわれていた。
芸能一家の長女であり女優のハンナは、夫のエリオット(マイケル・ケイン)と慌ただしく接客していたが、売れない女優の妹で次女のホリー(ダイアン・ウィースト)から、ケイタリング業を始めるために、2000ドルを貸してほしいと頼まれる。
三女のリー(バーバラ・ハーシー)は、年齢差のある画家のフレデリック(マックス・フォン・シドー)と同棲していたのだが、魅力的な彼女にエリオットは惹かれてしまう。
リーはそれを感じ取り、なぜか胸がときめいてしまう。
ハンナの元夫で、テレビ局のプロデューサーのミッキー(ウディ・アレン)は、彼女とは、気軽に家を訪ねる間柄だった。
ミッキーは、健康に対して異常に気を使い、難聴から発展した脳腫瘍ではないかと、同僚ゲイル(ジュリー・カブナー)に不安を訴える。
友人エイプリル(キャリー・フィッシャー)とケイタリング業を始めたホリーは、あるパーティーで、建築家のデヴィッド(サム・ウォーターストン)と知り合い、彼の手がけた建築物を見に街を回る。 ホリーはデヴィッドを気に入るのだが、彼の目当てはエイプリルのようだったために意気消沈する。 ある日エリオットは、リーと偶然出くわしたように見せかけて書店に向かう。 エリオットは、”E・E・カミングス”の詩集をリーにプレゼントして、あるページを読むように伝えて暗に愛を告げる。 聴覚検査を受けたミッキーは、更に精密検査を受ける必要性を指摘されて愕然とする。 不安で眠れないミッキーは、ハンナと結婚していた際に、子供ができなかったため、仕事のパートナー、ノーマン(トニー・ロバーツ)に精子を提供してもらい、人工授精で彼女が双子を産んだことを思い出す。 それが原因で、ミッキーとハンナは別れることになったのだった。 その頃、ホリーとデヴィッドは、親交を深める仲になっていた。 ある日エリオットは、豪邸を購入したために絵が欲しいというミュージシャンのダスティ(ダニエル・スターン)を伴い、リーとフレデリックの家を訪ねる。 フレデリックとダスティが商談中に、エリオットは詩集を読んだかをリーに尋ねる。 エリオットは、気持ちを抑えられなくなりリーにキスしてしまうが、ダスティの考えに憤慨したフレデリックが戻ったために焦ってしまう。 気分を害したダスティは引き上げてしまい、エリオットは、動揺して表に現れたリーに愛を告白し、ハンナとは破局寸前だと伝える。 リーは戸惑うのだが、エリオットはその態度を見て、彼女が自分に好意を寄せていることを確信する。 父エヴァン(ロイド・ノーラン)と、アルコール依存症の母ノーマ(モーリン・オサリヴァン)の家に顔を出したハンナは、役者だった二人が、絶え間なく争う人生を送ってきたことを考え心を痛める。 CTスキャンの結果、腫瘍が見つかり手術もムダだと判断されることを覚悟していたミッキーだったが、結局は異常はなかった。 しかしミッキーは、最終的には人は死ぬと考えると再び不安になり、仕事を辞めることをゲイルに告げる。 エリオットにホテルに誘われたリーは彼と愛し合い、帰宅した彼女は、フレデリックに生活を変えるために出て行くことを伝えるが、男性と密会したことを知られてしまう。 就寝前にエリオットは、ハンナの方が大切だと感じて、リーに電話をして謝罪しようとする。 それを思い止まり、翌日に電話しようとしたエリオットは、リーから電話で、熱いメッセージを受取り戸惑ってしまう。 人生が無意味なものだと悟ったミッキーは、ハンナと離婚した後、ホリーとデートした時のことを思い出す。 ミッキーは、音楽の趣味も合わない、コカイン中毒のホリーに呆れてしまう。 リーとは密会を続け、満ち足りた時を過ごすエリオットだったが、ハンナの前では苛立ち、全てを告白してしまおうとも思うものの彼女に謝罪してしまう。 エイプリルと共にオーディションを受けたホリーは、彼女がデヴィッドからオペラに誘われたことを知らされてショックを受ける。 生きている意味を見出そうとするミッキーは、ユダヤ教徒からカトリックに改宗しようと考えるが、それを知った彼の両親は嘆く。 三姉妹は久しぶりに会い食事をするが、オーディションに落ちたホリーは、女優を諦めて戯曲を書くため、ハンナに借金をしようとする。 ハンナは、建設的な意見として、事務員などをすることをホリーに提案するが、彼女は悲観的になり苛立ち、二人の話を聞いていたリーは感情的になりる。 その後、リーはコロンビア大学に通い始め、エリオットの関係もしっくりいかなくなる。 ミッキーは、カトリックを諦めてクリシュナ教徒になることも考えるが、それも自分に向かないという結論に達する。 大学の教授に誘われたリーはデートをして、今回は慎重に対応することを考え、暫く様子を見ることにする。 戯曲を書き始めたホリーは、それをリーに見せて、ハンナにも意見を聞こうとする。 感謝祭。 リーから聞いた話を、参考にしているとホリーに言われたハンナだったが、彼女がなぜ、自分達夫婦しか知らないことを書けたのか疑問に思う。 エリオットから愛を告げられるものの、リーは他の男性と付き合っていることを伝え、未だにハンナと別れないことなどを指摘して彼を責める。 ハンナは、自分達のことを、ホリーかリーに話したかをエリオットに問うが、彼は苛立つ。 完璧過ぎるハンナではなく、他人に相談したかっただけだと言ってエリオットは話を遮ってしまう。 しかし、その夜、二人はお互いを理解して愛を確かめ合う。 街角でホリーを見かけたミッキーは彼女に声をかけ、最悪の夜のことを懐かしく思い、二人は話が弾む。 ホリーは、二作目の戯曲をミッキーに読んで聞かせることを約束し、彼はその内容を絶賛し、その後二人は意気投合する。 ミッキーは自殺寸前までいって、汗で指が滑りライフルが暴発して焦ってしまい、街に出て歩き続けたことを話し始める。 映画館で”マルクス兄弟”の”Duck Soup”を見たミッキーは、人生を楽しめばいいことに気づいたのだった。 ”セントラル・パーク”を散歩しながら、二人は再び過去のことを謝罪し合い、デートすることを約束する。 1年後、感謝祭。 遅れて現れたホリーは、結婚したミッキーに迎えられ、愛を語られながら彼に妊娠したことを伝え、二人は幸せを噛みしめる。
...全てを見る(結末あり)
ホリーは、リーが男性と付き合い始めたことをハンナに話すが、戯曲を読んだハンナは、自分とエリオットがモデルとなっていることに不満を漏らす。
再び家族や友人は集まり、エリオットは、恋人と笑顔で話すリーを見つめながら、自分が愚かだったこととハンナを愛していることを確認する。
*(簡略ストー リー)
ニューヨーク、マンハッタン。
芸能一家の三姉妹、ハンナ、ホリー、リーは、感謝祭のパーティーで顔を合わせる。
ところが、ハンナの夫エリオットは、リーの魅力に惹かれ、彼女もそれを感じ取る。
売れない女優のホリーは、ケイタリング業を始めて、建築家のデヴィッドと知り合う。
ハンナの元夫で、テレビ局のプロデューサーのミッキーは、異常なほど健康に気を使い、難聴が発展して脳腫瘍ではないかと悩み始める。
エリオットは気持ちを抑えきれず、リーに愛を告白し、二人はほどなく結ばれてしまう。
かくして、三姉妹と家族や周辺の人々の恋や人生の行方はいかに・・・。
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数あるウディ・アレン作品の中でもベストに近い、非常に評価の高い作品である。
多くの登場人物各々の人物描写、ニューヨークのハイセンスな雰囲気を演出する音楽やセット、そしてユーモアセンスも抜群の洒落たセリフなど、コメディ・タッチの中で、社会問題などをシニカルに、また人の生き方を奥深く表現する、ウディ・アレンの世界を堪能できる、極上の作品に仕上がっている。
第59回アカデミー賞では、助演男優(マイケル・ケイン)、助演女優(ダイアン・ウィースト)、脚本賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督・編集・美術賞
一家姉妹をまとめる雰囲気のある三姉妹の長女で、当時のウディ・アレンのパートナーであるミア・ファロー、優柔不断だが、愛すべきキャラクターの次女ダイアン・ウィースト、義兄との関係に悩む魅力的な三女バーバラ・ハーシー、彼女と密会を重ねる長女の夫マイケル・ケイン、長女の元夫で病気ノイローゼのウディ・アレン、画家である三女の同棲相手マックス・フォン・シドー、次女の友人で女優志願のキャリー・フィッシャー、姉妹の母で、M・ファローの実母モーリン・オサリヴァン、その夫ロイド・ノーラン、次女と付き合う建築家役のサム・ウォーターストン、ミッキー(W・アレン)の仕事のパートナー、トニー・ロバーツ、ミュージシャンのダニエル・スターン、ミッキーの同僚役のジュリー・カブナー、テレビ局員J・T・ウォルシュ、脚本家のジョン・タトゥーロ、ミッキーの主治医役のリチャード・ジェンキンス、本人役でボビー・ショートなどが共演している。