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奴らを高く吊るせ! Hang ‘Em High (1968)

罪なく吊るされ殺されそうになった男の復讐を描く、監督テッド・ポスト、主演クリント・イーストウッドインガー・スティーヴンスエド・ベグリーパット・ヒングルブルース・ダーンベン・ジョンソン他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇

クリント・イーストウッド / Clint Eastwood 作品一覧
クリント・イーストウッド / Clint Eastwood / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:テッド・ポスト

製作:レナード・フリーマン
脚本
レナード・フリーマン

メル・ゴールドバーグ
撮影
レナード・J・サウス

リチャード・H・クライン
編集:ジーン・フォウラーJr.
音楽:ドミニク・フロンティア

出演
クリント・イーストウッド:ジェド・クーパー
インガー・スティーヴンス:レイチェル・ウォーレン
エド・ベグリー:ウィルソン
パット・ヒングル:アダム・フェントン判事
ブルース・ダーン:ミラー
ベン・ジョンソン:デイヴ・ブリス連邦保安官
チャールズ・マックグロー:レイ・カルホーン保安官
ジェームズ・マッカーサー:牧師
ルース・ホワイト:ソフィー
アーレン・ゴロンカ:ジェニファー
バート・フリード:スミス
ボブ・スティール:ジェンキンス
アラン・ヘイルJr.:ストーン
L・Q・ジョーンズ:ルーミス
デニス・ホッパー:預言者

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1956年製作 114分
公開
北米:1968年8月3日
日本:1968年5月
製作費 $1,800,000
北米興行収入 $11,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1889年、オクラホマ準州

元保安官のジェド・クーパー(クリント・イーストウッド)は、正当な方法で買った牛を移動させる途中、突然9人の男達に囲まれる。

クーパーは、ウィルソン大尉(エド・ベグリー)、ミラー(ブルース・ダーン)、ジェンキンス(ボブ・スティール)、ストーン(アラン・ヘイルJr.)、ルーミス(L・Q・ジョーンズ)ら私刑団により一方的に牛泥棒と疑われ、その場で裁かれて縛り首にされてしまう。

その後、クーパーは息絶える寸前で、囚人を移送中の連邦保安官デイヴ・ブリス(ベン・ジョンソン)に救われ護送される。
...全てを見る(結末あり)

途中ブリスは、狂言的な預言者(デニス・ホッパー)を連行しようとするが、彼が逃亡しようとしたため射殺してしまう。

護送馬車はフォート・グラントに着き、夫を無法者に殺されたレイチェル・ウォーレン(インガー・スティーヴンス)は、 連行された悪党の顔を確かめる。

翌日、牢屋から出されアダム・フェントン判事(パット・ヒングル)の元に連れて行かれたクーパーは、牛泥棒から牛を買わされたことを知らされ釈放される。

そして、クーパーは町に設置されている絞首刑台で、捕まった犯人が処刑されるのを判事に見せられる。

フェントンは、自分を吊るした者達の復讐を考えるクーパーに、広大なオクラホマ準州を治める保安官などが不足している現状を話し、彼を連邦保安官に任命する。

クーパーはそれを受けて、犯人の捜索を始めようとするが、判事は生きたまま捕らえるように彼に命ずる。

ある町で、犯人の一人をバーで見つけたクーパーは、相手が銃を抜こうとしたため射殺する。

その後、町に戻ったクーパーはフェントンに呼ばれ、自分の縛り首に反対したジャンキンスが自首してきたことを知らされる。

ジャンキンスの仲間がレッド・クリークにいると知り、クーパーは今度こそ生け捕りにしろという命令を判事から受ける。

レッド・クリーク。
犯人の一人ストーンを捕らえたクーパーは、レイ・カルホーン保安官(チャールズ・マックグロー)に7人の逮捕状を渡して、ウィルソンの牧場に向かう。

途中、クーパーは別件で牛泥棒を追うことになり、それに加わっていた犯人ミラーを捕らえる。

ミラーらに家族を殺された者が、彼らを縛り首にしようとするが、クーパーはそれを許さず、一人で三人を護送することになる。

クーパーは、途中ミラーに襲われかけるが、無事に彼らを町に連行する。

フェントン判事はクーパーの仕事振りに満足するが、自分を吊るした私刑団を捕らえることに執着し過ぎる彼に、政府に仕えている身だということを肝に銘ずるよう忠告する。

ミラーらの顔を確認させるため、クーパーはレイチェルを牢屋に連れて行くが、今回も彼女の捜している男ではなかった。

数日後、レッド・クリークの保安官カルホーンがクーパーを訪ね、ストーンが逃亡を図り已む無く射殺したことを伝える。

そしてカルホーンは、私刑団のリーダー、ウィルソンからの示談金をクーパーに渡すが、彼はそれで納得はしなかった。

それを知ったウィルソンは、思惑が外れたことで焦りをみせ、何人かの仲間は逃亡する。

フォート・グラントでは、子供も含めた6人もが絞首刑になることが決まり、その裁定を下したフェントン判事をクーパーは非難する。

翌日、町はお祭り騒ぎとなり、牧師(ジェームズ・マッカーサー)が祈りを捧げた後、 ミラーを含めた死刑犯の絞首刑が執行され、その直後、クーパーがウィルソンらに銃撃される。

重傷を負ったクーパーは、レイチェルの手当てで一命を取り留める。

やがてクーパーはレイチェルに惹かれるが、夫を忘れられない彼女は、愛を素直に受け入れられない。

レイチェルは、ある男達に夫が殺された後、乱暴された辛い経験をクーパーに話し、心を通わせた二人は愛し合う。

傷が癒えたクーパーは、ウィルソンの隠れ家に向かうが、ルーミスらの銃撃を受ける。

クーパーはルーミスらを難なく倒すが、ウィルソンは首を吊って自殺してしまう。

町に戻ったクーパーは、ジャンキンスに責める気がないことを伝える。

その後、クーパーはフェントン判事にバッジを返すのだが、ジェンキンス釈放を条件に、判事の右腕として保安官を続けることになる。

そしてクーパーは、判事から残った私刑団二人の逮捕状を渡される。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
私刑団に無実の罪で吊るされた元保安官のジェド・クーバーは、絶命寸前で連邦保安官のブリスに命を救われる。
町に護送されたクーパーは、無実と分かり釈放され、フェントン判事に連邦保安官として雇われる。
クーパーは、復讐のために次々と自分を吊るした一味を捕らえていくのだが、多発する悪を裁ききれない判事は、片端から犯罪人を絞首刑にしていく。
それを非難するクーパーだったが、先手を打ってきた私刑団のリーダーであるウィルソンの銃弾に倒れてしまう・・・。
__________

イタリア製スパゲッティ・ウエスタンでスターになった主演のクリント・イーストウッドが、自らのプロダクションの”マルパソ・カンパニー”(現マルパソ・プロダクション)で製作した最初の作品。

監督は、テレビ出身で後に「ダーティーハリー2」(1973)でもイーストウッドと組むテッド・ポスト

無実の罪で吊るされた元保安官の復讐劇という、単純明解なストーリーと、ニヒルなイーストウッドの魅力を活かした、テッド・ポストの演出は無難な仕上がりを見せているのだが、やや盛上がりに欠けている感じもする。

しかし、なんと言っても、他とは違う独特のスタイルを持つイーストウッドの魅力のおかげで、作品自体は見応えがあるものに仕上がっている。

ドミニク・フロンティアの主題曲も雰囲気があり印象に残る。

とにかく、寡黙で渋いイーストウッドの表情がいい。

また、頑強に見えるものの病に倒れてしまったりするところなどが、女性の心を刺激しファンが多い要因ではないだろうか。

2年後に薬物中毒のため35歳の若さで亡くなるインガー・スティーヴンスも、辛い過去を持つ未亡人を抑えた演技で好演している。

判事のパット・ヒングル、私刑団のリーダー、エド・ベグリー、その仲間ブルース・ ダーンL・Q・ジョーンズら、ベテランと若手の共演陣も、各自アクのある役で熱演している。

登場場面は少ないがベン・ジョンソンの出演で、西部劇としての重みが一層増している。

私刑団と通ずる保安官役のチャールズ・マックグロー、売春宿の女主人ルース・ホワイト、売春婦のアーレン・ゴロンカ、自首する私刑団一味ボブ・スティールアラン・ヘイルJr.らが共演している。


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