1987年に日本で公開された「ハチ公物語」のハリウッド版リメイク。 アメリカ人大学教授と日本の”秋田犬”との関係を描く、監督ラッセ・ハルストレム、主演リチャード・ギア、ジョアン・アレン、ケイリー=ヒロユキ・タガワ他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ラッセ・ハルストレム
製作
ヴィッキー・シゲクニ・ウォン
ビル・ジョンソン
リチャード・ギア
脚本:スティーヴン・P・リンゼイ
撮影:ロン・フォーチュナト
編集:クリスティナ・ボーデン
音楽:ヤン・A・P・カズマレック
出演
パーカー・ウィルソン:リチャード・ギア
ケイト・ウィルソン:ジョアン・アレン
ケン:ケイリー=ヒロユキ・タガワ
アンディ・ウィルソン:サラ・ローマー
カール:ジェイソン・アレクサンダー
ジェス・シャビール:エリック・アヴァリ
メアリー・アン:ダヴェニア・マクファデン
マイケル:ロビー・コリアー・サブレット
ロニー:ケビン・デ・コステ
アメリカ 映画
配給 Stage 6 Films
2009年製作 93分
公開
北米:劇場未公開
日本:2009年8月8日
製作費 $16,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
少年ロニー(ケビン・デ・コステ)は、学校で自分にとっての”ヒーロー”の発表する。
ロニーは、どこからやって来たのかわからない迷い犬で、祖父の飼い犬でもある”ハチ”が、自分のヒーローだと話し始めるが、クラスメイトは皆、苦笑いをする。
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大学教授パーカー・ウィルソン(リチャード・ギア)は、旅行からの帰りに、通勤駅”ベドリッジ”で子犬を見つける。
パーカーは、駅長のカール(ジェイソン・アレクサンダー)に、持ち主が現れるまで子犬を預けようとする。
しかしカールは、翌日、子犬を保健所に連れて行くしかないことをパーカーに伝える。
仕方なくパーカーは子犬を自宅に連れ帰るが、妻ケイト(ジョアン・アレン)を驚かせてしまい、翌日、飼い主を探すと言う約束で、子犬を納屋に閉じ込めておく。 翌朝、パーカーの娘アンディ(サラ・ローマー)は、子犬を飼うことを両親に提案するが、ケイトは頑なにそれを拒む。 保健所に子犬を連れて行ったパーカーは、2週間だけなら預かると言われ、書店のメアリー・アン(ダヴェニア・マクファデン)やホットドッグ屋台の主人ジェス・シャビール(エリック・アヴァリ)にも子犬を飼うことを断られてしまう。 カールから、駅にも飼い主が現れなかったことを聞き、仕方なくパーカーは子犬を大学に連れて行く。 同僚で日系人のケン(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)に子犬を見せたパーカーは、子犬が”秋田犬”で、首輪に付いていた”八”の文字から、子犬を”ハチ”と呼ぶようになる。 相変わらず子犬を毛嫌いするケイトだったが、パーカーのハチへの愛情の注ぎ方を見て、ハチを飼うことに同意する。 成長したハチは、すっかりウィルソン家の一員となり、そしてある日、家を抜け出してパーカーを駅に迎えに行き、彼を驚かせてしまう。 誇りが高い秋田犬のハチは、人を喜ばせることには興味がなく、主人が好きだから駅に迎えに行くのだと、パーカーはケンにアドバイスされる。 その後、パーカーを毎日駅まで送り迎えをするハチを見た町の人々もそれを温かく見守る。 娘のアンディと恋人マイケル(ロビー・コリアー・サブレット)の結婚式でも、ハチは家族の一員だった。 妊娠したアンディに喜び、結婚25周年を祝うパーカーとケイトの姿を見て、ハチは彼らが自分から離れていくことを恐れる。 そして、今まで一度もしたことがなかったボール取りをして見せて、パーカーを喜ばせる。 その日パーカーは大学の講義中に倒れてしまい、そのまま帰らぬ人となってしまう。 しかし、その後も、ハチは毎日パーカーを駅に迎えに行く。 駅長のカールは、ハチを励まし気の済むまでパーカーを待たせることにする。 やがて、ケイトは家を手放す決心をして、ハチは子供の生まれたアンディに引き取られることになる。 数日後、ハチはアンディの家を抜け出し、駅にパーカーを迎えに行くが、彼女と夫マイケルがハチを連れ戻す。 しかし、ハチがどうしても駅に行きたいことを知ったアンディはハチに別れを告げる。 その後、ハチは毎日駅に現れ、周囲の人々に見守られながら、駅の貨物車の下で暮らすようになる。 やがて、ハチのことが新聞記事になり、それを見たケンがハチに会いに駅を訪れる。 ケンは、日本語でハチに話しかけ、パーカーを待ちたいなら長生きしてくれと励ます。 墓参りのためベドリッジを訪れたケイトは、墓地でケンに出くわす。 そしてケイトは、10年もの間パーカーを駅で待ち続ける、年老いて汚れ弱ったハチと再会して抱き寄せる。 ハチを見守ってきた駅長のカールや屋台のジェスも、それを見て涙する。 アンディの家に立ち寄ったケイトは、孫のロニーに祖父パーカーとハチのことを話して聞かせる。 パーカーがハチを見つけたのではなく、ハチがパーカーを見つけたのだと・・・。 ハチはその夜も、パーカーとの再会を夢見て駅の前で彼を待ち、そして息を引き取る。 ロニーは、忠実であることの大切さ、愛する人のことを大切にすることを教えてくれたハチが、自分のヒーローだと語り、クラスメイトから大きな拍手を受ける。 そしてロニーは、”秋田犬”の子犬にハチと名前をつけて可愛がり育てる。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
日本からアメリカ東部の街に運ばれた、”秋田犬”の子犬が、大学教授パーカー・ウィルソンに拾われる。
ウィルソンは妻ケイトの反対を押し切り、子犬の名前を”ハチ”と付けて愛情を注ぐようになる。
家族の一員となったハチは、やがて毎日、愛する飼い主ウィルソンの送り迎えをするようになる。
しかし、ウィルソンは突然、他界してしまい、それを理解できないハチは10年もの間、主人を駅の前で待ち続ける・・・。
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主人と飼い犬、それを温かく見守る家族や周囲の人々の優しさ、誇り高く忠実な”秋田犬”を、日本の心とも言える表現で描写した、「サイダーハウス・ルール」(1999)など、繊細な映像表現で定評のあるラッセ・ハルストレム演出の感動のドラマ。
2009年12月に北米公開が予定されていたものの、結局は映画祭で上映されただけで、翌年3月にDVDリリースしかされていない。
魅力的なキャストやスタッフに加え、評価が非常に高い作品であり、北米公開されないのは残念だ。
一般的な日本人が抱く、当たり前の忠誠心を、”ヒーロー”として描いているところなどは、いかにもアメリカ映画らしい作りだが、日系人俳優のケイリー=ヒロユキ・タガワが、主人を亡くしたハチに日本語で励ますシーンなどは、日本人の心和ませる演出にもなっている。
製作にも参加した、温厚で人柄の良い大学教授を好演したリチャード・ギアは、上映約1時間で姿を消してしまい、見る者の心に、ぽっかりと穴を開ける、寂しさを感じさせる見事なイメージ作りをしている。
その妻で、夫の優しさとハチの愛情を孫に伝えようとするジョアン・アレン、同僚教授で”秋田犬”についてを主人公に伝授するケイリー=ヒロユキ・タガワ、娘のサラ・ローマー、その夫ロビー・コリアー・サブレット、駅長ジェイソン・アレクサンダー、屋台の主人エリック・アヴァリ、本屋の店主ダヴェニア・マクファデン、孫のケビン・デ・コステなどが共演している。