太平洋戦争下でのアメリカ”第2海兵奇襲大隊”による”マキン奇襲”を描く、 製作ウォルター・ウェンジャー、監督レイ・エンライト、主演ランドルフ・スコット、アラン・カーティス、ノア・ビアリーJr.、J・キャロル・ナッシュ、サム・レヴェン他共演の戦争ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:レイ・エンライト
製作:ウォルター・ウェンジャー
脚本:W・S・ルフランソワ中尉”We Mopped Up Makin Island”
脚本
ルシアン・ハバード
ジョセフ・ホフマン
撮影:ミルトン・R・クラスナー
編集:ミルトン・カルース
音楽:フランク・スキナー
出演
ソーワルド大佐:ランドルフ・スコット
ジョン・ハービソン二等兵:アラン・カーティス
カート・リヒター伍長:ノア・ビアリーJr.
C・J・クリストフォロス中尉:J・キャロル・ナッシュ
レオ”トランスポート”アンデロフ二等軍曹:サム・レヴェン
ラリー・オライアン:デヴィッド・ブルース
ダンフィー艦長:リチャード・レイン
ガナー・マクブライド:ウォルター・サンデ
ローランド・ブラウニング中尉:ルイス・ジーン・ヘイト
”ピッグ=アイアン”マシューズ二等兵:ロバート・ミッチャム
ルーブ・テドロウ二等兵:ロッド・キャメロン
キャスリーン・コリガン:グレース・マクドナルド
ブレイク中佐:ミルバーン・ストーン
コザロウスキー二等兵:ピーター・コー
フランキー・モンタナ二等兵:ハロルド・ランドン
ナレーター:チェット・ハントリー
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1943年製作 88分
公開
北米:1943年12月20日
日本:未公開
製作費 $866,900
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1942年1月15日、サンディエゴ。
アメリカ海兵隊のC・J・クリストフォロス中尉(J・キャロル・ナッシュ)は、特殊部隊の志願者を前に、戦闘に備えた訓練を始めようとする。
志願兵のルーブ・テドロウ二等兵(ロッド・キャメロン)は、ローランド・ブラウニング中尉(ルイス・ジーン・ヘイト)の質問を受けて、日本兵を殺害することに問題ないと伝える。
ガナー・マクブライド(ウォルター・サンデ)から志願した理由を訊かれたジョン・ハービソン二等兵(アラン・カーティス)は、聖職者の自分は、最も危険な場所で自分を試したかったと答える。
必要なのは殺し屋だと言われたジョンは、任務は果たすとガナーに伝える。
クリストフォロスは、フランキー・モンタナ二等兵(ハロルド・ランドン)が自分と同じような境遇だったことを知り、彼にチャンスを与える。
レオ”トランスポート”アンデロフ二等軍曹(サム・レヴェン)は、旧友である司令官ソーワルド大佐(ランドルフ・スコット)を訪ね、中国駐留時の話に花を咲かせて補佐を任される。
”ピッグ=アイアン”マシューズ二等兵(ロバート・ミッチャム)の入隊も許可したガナーは、カート・リヒター伍長(ノア・ビアリーJr.)とラリー・オライアン(デヴィッド・ブルース)が義兄弟であり、キャスリーン・コリガン(グレース・マクドナルド)という女性を奪い合っていることを知る。 世話になった軍曹の娘キャサリンを知っていたガナーは、争ってばかりいる2人を部隊に入れる。 ボクサーであるピッグ=アイアンと話したソーワルドは、彼を歓迎する。 隊員を集めて話を始めたソーワルドは、戦いに備える心構えを語る。 ソーワルドは、中国のことわざ”ガン・ホー/工合”(任務と調和)を掛け声として訓練を始める。 隊員たちは、あらゆる状況下で戦うための厳しい訓練に耐える。 キャスリーンが基地に現れたことに気づいたラリーは、仮病を使い訓練をサボり、彼女と楽しい時間を過ごす。 その後カートが訓練から戻り、キャスリーンは彼の相手もする。 隊員を集めたソーワルドは、訓練を終了し戦闘に向かうことを伝える。 出航を前にキャスリーンと会いカフェに向かったカートは、彼女への思いを伝えようとするものの、そこにラリーが現れる。 キャスリーンは、カートとラリーの無事を祈って見送る。 600名の隊員は、目的地を知らされないまま船で出航し、パール・ハーバーに到着し、3か月の集中訓練後に準備が整う。 同じ頃アメリカは、”ミッドウェー海戦”などで勝利を収める。 210名の隊員が、護衛船も護衛機もなく2隻の潜水艦(ノーチラス/アルゴノート)で出発する。 ソーワルドに励まされた隊員は士気を高めるものの、密室に閉じ込められたルーブは動揺して取り乱しそうになり、ジョンが彼を落ち着かせる。 南西に航行する潜水艦内では、ガナーが、用意されたケーキで誕生日を祝ってもらう。 隊員に地図が配られ、ソーワルドはマキン島が目的地だと知らせる。 オーストラリアとの交信の拠点である島に夜明けに着くというソーワルドは、日本兵を殺し軍事施設を破壊するよう命ずる。 敵兵力は2倍で防御力は3倍だと言われた隊員は、クリストフォロスから、既に島の環境に近い状況で訓練してあることを知らされ、戦いに備える。 翌日、デッキで体操をしていた隊員は、敵の無線を傍受したために艦内に戻るよう指示される。 眠っていたルーブが取り残されてしまい、潜行を始めたダンフィー艦長(リチャード・レイン)は浮上する。 助けられたルーブは艦内に戻り、接近する日本の戦闘機は、潜行する潜水艦に向けて爆雷を投下する。 クリストフォロスは、パニックを起こしたフランキーを落ち着かせる。 敵機は飛び去り、攻撃に耐えた艦は目的地に接近する。 出撃を前に、隊員に戦闘と帰還について話したソーワルドは準備を整える。 ゴムボートに乗った隊員は島に向かい、日本兵は海岸で迎え撃つ。 部隊は上陸し、ソーワルドはクリストフォロスを村に向かわせ、その予備部隊となる左側の援護をブラウニングに任せる。 ヤシの木に隠れていた日本兵が隊員を狙撃し、戦闘が始まる。 敵のトーチカに向かったピッグ=アイアンは、近づくものの銃弾を浴びて倒れる。 キャスリーンに会うためにウソをついたことをカートに謝罪したラリーは、彼女は自分を好きでなかったと言いながら飛び出し、銃撃される。 カートはラリーを連れ戻し、走力に自信があるフランキーが、装備を外して手榴弾を手にしてトーチカに向かう。 フランキーは、銃撃されながらトーチカを爆破する。 突撃した部隊は激しい戦いを繰り広げ、クリストフォロスはフランキーの無事を確認する。 敵の拠点を占拠した部隊は、負傷兵の手当てを始める。 救出されたピッグ=アイアンは、首を負傷したために声が出なかった。 軍医に襲いかかろうとする日本兵に気づいたピッグ=アイアンは、声が出ないために知らせることができず、ナイフを投げて敵兵を殺す。 クリストフォロスは、敵戦闘機を確認しながらソーワルドに連絡し、救護施設を奪う。 通信基地に近づいたガナーの部隊は、戦闘を続けながらソーワルドと連絡を取ものの、それが途絶える。 救護施設の屋根には、ソーワルドの指示で星条旗が描かれる。 ガナーと連絡が取れなくなったソーワルドは、近くまで行き報告するようトランスポートに指示する。 コザロウスキー(ピーター・コー)らは、重機を運転して通信施設に突っ込みアンテナを破壊し、部隊はその場を制圧する。 敵戦闘機が近づくことを知ったソーワルドは、全部隊を撤退させる。 日本兵は敵が撤退した救護施設に向かい、通信できない戦闘機の編隊指揮官は、屋根の上の星条旗を確認して敵が占拠していると考える。 日本軍の戦闘機は、味方がいると知らずに救護施設を攻撃する。 降伏する日本兵3人に近づいたジョンは、隠し持っていた機関銃で銃撃され、3人を倒したルーブに見守らながら、神に祈りを捧げて息を引き取る。 日本軍の部隊が船で接近していることを知ったソーワルドは、島の施設をすべて破壊するようクリストフォロスに指示し、他の部隊員を潜水艦に向かわせる準備を始める。 ソーワルドは、トランスポートが戦死したことを知る。 ダフィー艦長からの連絡を受けたソーワルドは、敵が近づいていることを知り、その場から避難し潜水艦に向かう。 ラリーを含めた30人の兵士が命を落とし、カートは仲間が埋葬された場所で佇む。 すべてを終えたクリストフォロスは、施設は破壊されることをソーワルドに伝える。 英雄であるフランキーに声をかけたクリストフォロスは、いつ東京に行けるか訊かれ、軍の秘密だと答える。 最後に残った部隊が施設を爆破して退避し、隊員を乗せたダフィー艦長は出航する。 任務を終えた隊員を前にソーワルドは、犠牲者なしに勝利は成し遂げられない、犠牲者の記憶が新しいうちに今後の課題に取り組み、永遠の平和が訪れることを祈ると部下たちに語る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1942年、サンディエゴ。
アメリカ海兵隊は、ソーワルド大佐の下で特殊部隊を組織し、厳しい訓練後にある任務のために船で出航する。
ハワイのパール・ハーバーに到着して集中訓練を行った部隊は、日本軍の通信施設などがある”マキン島”に、2隻の潜水艦(ノーチラス/アルゴノート)で向かう。
上陸した部隊は、激しい戦闘を繰り広げながら、施設を破壊しようとするのだが・・・。
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アメリカ海兵隊のエヴァンズ・カールソン中佐率いる、第2海兵奇襲大隊による”マキン奇襲”をベースにした戦争ドラマ。
”サタデー・イブニング・ポスト”に掲載された太平洋戦争下の”マキン奇襲”に関するW・S・ルフランソワ中尉の記事”We Mopped Up Makin Island”を基に製作された作品。
”真珠湾攻撃”直後に計画された反撃作戦を描いた作品であり、撮影は実際の”マキン奇襲”の1年後に行われ、アメリカが優位に立っている状況下で、ドキュメンタリー・タッチで描かれた戦意高揚プロパガンダ的な内容となっている。
潜水艦を使った緊迫感溢れる奇襲作戦がリアルに描かれ、マキン島上陸後の戦闘場面の迫力も見応えある。
人気スターのランドルフ・スコットが作戦の指揮官として登場し、上記のように、戦争の必要性や理解を求めるセリフが随所に挿入されている、戦意高揚的なシーンが印象に残る。
聖職者として、危険な場所で自分を試そうとする隊員アラン・カーティス、同じく隊員のノア・ビアリーJr.、彼の義兄弟であり何事も争うデヴィッド・ブルース、2人が奪い合う女性グレース・マクドナルド、部下に信頼される小隊長のJ・キャロル・ナッシュ、主人公である大佐の補佐サム・レヴェン、潜水艦艦長のリチャード・レイン、隊員のウォルター・サンデ、中尉のルイス・ジーン・ヘイト、タフガイ的な役柄で印象に残る元ボクサーの隊員ロバート・ミッチャム、同じくロッド・キャメロン、重機を使って通信基地を破壊するピーター・コー、トーチカを破壊するハロルド・ランドン、他ミルバーン・ストーン、ナレーターはチェット・ハントリーが担当している。