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OK牧場の決斗 Gunfight at the O.K. Corral (1957)

1881年10月26日にアリゾナ州トゥームストーンで実際に起きた”OK牧場の決闘”を題材にした、監督ジョン・スタージェスバート・ランカスターカーク・ダグラス共演の西部劇の名作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・スタージェス

製作:ハル・B・ウォリス
原作:ジョージ・スクーリン
脚本:レオン・ユリス
撮影:チャールズ・ラング
編集:ウォーレン・ロー
衣装デザイン:イデス・ヘッド
音楽:ディミトリ・ティオムキン
主題歌:フランキー・レイン

出演
バート・ランカスターワイアット・アープ

カーク・ダグラスジョン”ドク”ホリデイ
ロンダ・フレミング:ローラ・デンボー
ジョー・ヴァン・フリートケイト・フィッシャー

ジョン・アイアランドジョニー・リンゴ/リンゴ・キッド
アール・ホリマンチャーリー・バセット
デニス・ホッパービリー・クラントン
テッド・デ・コルシア:シャンハイ・ピアース
ジョン・ハドソン:ヴァージル・アープ

ディフォレスト・ケリーモーガン・アープ
マーティン・ミルナージェームズ・アープ
ライル・ベトガーアイク・クラントン
リー・ヴァン・クリーフ:エド・ベイリー
ジャック・イーラム:トム・マクラウリー
オリーヴ・ケリー:クラントン夫人
ブライアン・G・ハットン:リック

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1957年製作 122分
公開
北米:1957年5月30日
日本:1957年7月
北米興行収入 $11,750,000


アカデミー賞 ■
第30回アカデミー賞

・ノミネート
編集・録音賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
かつて歯医者であったギャンブラーのジョン”ドク”ホリデイ(カーク・ダグラス)は、情婦ケイト・フィッシャー(ジョー・ヴァン・フリート)から、殺し屋のエド・ベイリー(リー・ヴァン・クリーフ)が現れたことを知らされる。

ケイトドクと共に逃げようとするが、彼は聞く耳を持たず、ベイリーと対決しようとする。

町を訪れた、ダッジ・シティの保安官ワイアット・アープ(バート・ランカスター)は、ドクがベイリーをじらしているのを知り、彼の元に向かう。

ワイアットは、アイク・クラントン(ライル・ベトガー)やリンゴ・キッド(ジョン・アイアランド)が、町を通ったということを聞いていた。

ドクに探りを入れたワイアットだったが、彼は何も語らず、ベイリーが、小型拳銃をブーツに隠していることを知らせる。
...全てを見る(結末あり)

ようやく酒場に現れたドクは、ベイリーを難なくナイフで倒し、その後、ホテルの部屋に監禁される。

厄介者扱いされているドクが、リンチにかけられそうになったため、ワイアットは彼とケイトを町から逃亡させる。

その後、ダッジ・シティに戻ったワイアットは、ドクが現れたことを知り、彼に騒ぎを起こさないようにと警告する。

保安官補チャーリー・バセット(アール・ホリマン)から、町に女賭博師ローラ・デンボー(ロンダ・フレミング)が現われたことをワイアットは知らされる。

酒場に向かったワイアットは、騒ぎが起きる前に、ローラを拘留してしまう。

しかし、ドクに説得されたワイアットは、ローラを釈放し、やがてワイアットは、彼女に惹かれていく。

3人の銀行強盗がやって来ることを知ったワイアットは、加勢したドクと共に郊外で強盗を撃退する。

ある日、遠乗りをしていたローラと出くわしたワイアットは、彼女に自分の気持ちを伝える。

その頃、ケイトは、自分に素っ気無い態度を取るドクを見限り、リンゴと親密になってしまう。

ドクケイトを取り戻しに行き、リンゴに挑発されるが、その場は仕方なく引き下がる。

ワイアットはローラを遠出に誘い、彼女との愛を確かめ合う。

町では、リンゴと、評判の悪党シャンハイ・ピアース(テッド・デ・コルシア)が暴れだし、保安官補チャーリーリンゴに撃たれてしまう。

それを知ったワイアットは酒場に駆けつけるが、一人では勝ち目がなかった。

そこにドクが現れ、一味を追い出すことに成功し、二人の奇妙な友情は深まっていく。

ワイアットは、保安官を辞職してローラとカリフォルニアへ行き、結婚することをドクに伝える。

そしてドクは、自分の元に戻りたいというケイトを突き放してしまう。

ワイアットは、幸い軽傷で済んだチャーリーに後を任せる準備を始めていたが、兄ヴァージル(ジョン・ ハドソン)から援軍を求める電報が届く。

反対するローラを押し切り、ワイアットトゥムストーンへと向かい、ドクも彼の後を追う。

トゥムストーンに着いたワイアットは、保安官のヴァージル、弟モーガン(ディフォレスト・ケリー)やジェームズ(マーティン・ミルナー)らと久しぶりの再会を喜ぶ。

町では、アイク・クラントン一味が我が物顔でのさばり、保安官ヴァージルらはそれを警戒していた。

ワイアットは、アイク側から買収されそうになるが、逆に、彼は銃の所持禁止令を突きつけ、騒ぎを抑えようとする。

それを知ったアイクは、仲間になったリンゴや弟のビリー(デニス・ホッパー)を引き連れて町に姿を現す。

銃を所持していたアイクに警告を発したワイアットは、兄弟らと共に一味を追い返す。

そんな時、再びリンゴに接近したケイトが、トゥムストーンに姿を現す。

ドクは、リンゴに寄り添うケイトを見て挑発に乗るものの、ヴァージルに説得されて町を出ることを決意し、それをワイアットに伝える。

翌日、酔いつぶれて町にいたビリーを連れて、ワイアットはクラント牧場に向かう。

牧場に着いたワイアットは、ビリーを母親(オリーヴ・ケリー)に引き渡し、根は悪党でない彼を立ち直らせようとする。

町に戻ろうとしたワイアットは、戻ってきたアイクと出くわし、彼に銃を向けられる。

管轄外を主張するアイクに対して、ワイアットは、自分が連邦保安官になったことを告げて彼を威圧する。

仕方なくアイクは、ワイアットの兄弟との私的な戦いと見せかけるために、彼の弟ジェームズを暗殺してしまう。

弟の死を知り激怒したワイアットは、クラントンと決着をつけようとする。

ドクは、それがクラントンの罠だとワイアットに忠告するが、冷静さを失った彼をドクは制止することができない。

ドクケイトの元に向かい、ジェームズを殺したのがアイクらだということを白状させる。

ケイトを許せずに痛めつけようとしたドクだったが、彼は、持病の肺病の発作が起きて咳き込んでしまい、意識を失いかける。

その後ワイアットは、翌朝、兄弟達が待ち受けていることを、ビリーから知らされる。

ドクに助けを求めようとしたワイアットは、ベッドに横たわる彼を見て愕然とする。

1881年10月26日。
意識を取り戻したドクはベッドから起き上がり、ただ一人の友人の元に向かう。

その頃、アイクリンゴ一味は”OK牧場”に到着し、敵を迎え撃つ準備を始めていた。

ドクワイアットの部屋に現れ、ヴァージルモーガンの待つ大通りへと向かう。

4人は、アイクリンゴ、トム・マクラウリー(ジャック・イーラム)兄弟ら6人が待つ”OK牧場”に到着する。

そして銃撃戦は始まり、モーガンが撃たれ、アイクらも3人を失う。

ヴァージルが足を撃たれ、ドクも右腕に銃弾を受ける。

ワイアットアイクを倒し、ドクリンゴを追い射殺する。

生き残ったビリーは町に逃げるが、ワイアットは彼を見つけて、何とか命は助けようとする。

しかし、現れたドクビリーを射殺し、無駄な死を目の当たりにしたワイアットは、拳銃とバッジを捨てる。

その後、ワイアットドクに感謝し、入院して節制するように忠告する。

そしてワイアットは、ローラとカリフォルニアへ旅立つためドクに別れを告げる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ダッジ・シティの保安官ワイアット・アープは、悪党一味アイク・クラントンリンゴ・キッドの不穏な動きを警戒するが、女賭博師ローラとの出会いで引退を決意する。
しかしワイアットは、兄弟からの援軍要請を受けて、ローラを町に残しトゥムストーンに向かう。
ワイアットはそこで、連邦保安官に任命されるが、私的な恨みでアイクに弟を殺され、ついに彼らの挑戦受ける決意をする。
そしてワイアットは、友情が芽生えていたドク・ホリデイや兄弟達と共に、決闘の場”OK牧場”へと向かう・・・。
__________

ジョン・フォードの「荒野の決闘」(1946)と同じ題材を扱ってはいるものの、フォードの”決闘”をテーマにしていない、あくまで、詩情豊かで穏やかな仕上がり対し、本作は、かなり動的なアクション西部劇なのが特徴であり、いかにもジョン・スタージェスらしい作品。

しかし、ジョン・スタージェスは、この作風が気に入らなかったようで、10年後に、事件の後日談「墓石と決闘」(1967)で再び同じテーマを扱っている。

第30回アカデミー賞では、編集、録音賞にノミネートされた。

ディミトリ・ティオムキン作曲の主題歌が、実に効果的に使われ、フランキー・レインの歌声が、ドラマの緊迫感を盛上げる。

随所に登場するこの主題曲で、物語の展開を説明していくところなども、なかなか凝っている。

バート・ランカスターをはじめ、見事というより、簡素な中に美しささえ感じる、イデス・ヘッドの衣装も注目だ。

統率力のある保安官を演ずる主演のバート・ランカスターは、強引に女性を口説くところなどもある、男らしく逞しい役柄を見事に演じている。
ややうつむき加減で、ひらりと身をかわしながらその場を立ち去る、彼の後姿には惚れ惚れする。

カーク・ダグラスの、精悍で整った険しい面構えも、他を圧倒する迫力だ。

ワイアットと微妙に距離を置いた友情や、その一瞬に命を懸ける男を見事に演じ、ロマンを感じさせてくれるいい役柄だ。

ワイアットが戦いに向ってしまってからは、出番がないのが残念な、美しいロンダ・フレミング、真の愛情を得られないドク・ホリデイの情婦ケイト・フィッシャー役のジョー・ヴァン・フリート、「荒野の決闘」(1946)でもワイアットの仇役を演じたジョン・アイアランド、実在の保安官補のチャーリー・バセットを演ずるアール・ホリマン、改心しかける一味の末の弟ビリー・クラントンデニス・ホッパーワイアットの弟モーガンディフォレスト・ケリージェームズマーティン・ミルナー、兄ヴァージルのジョン・ハドソン、仇役のアイク・クラントンライル・ベトガー、シャンハイ・ピアースのテッド・デ・コルシア、そして、ドク(K・ダグラス)にいきなり刺し殺されてしまうリー・ヴァン・クリーフ、決闘の敵一味ジャック・イーラム、クラントン夫人のオリーヴ・ケリー、また、後に監督となるブライアン・G・ハットンなどが共演している。


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