1967年に公開された人種問題を描いた名作「招かれざる客」のリメイク。 最愛の娘の恋人が白人青年であることを知った父親が戸惑いながら巻き起こす騒動を描く、監督ケヴィン・ロドニー・サリヴァン、主演バーニー・マック、アシュトン・カッチャー、ゾーイ・サルダナ、ジュディス・スコット他共演のロマンチック・コメディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ケヴィン・ロドニー・サリヴァン
製作
アーウィン・ストフ
ジェイソン・ゴールドバーグ
デイヴィッド・ロン
製作総指揮
スティーブン・グリーナー
ジョセフ・M・カラチオロ
ジェンノ・トッピング
原作:ウィリアム・ローズ”招かれざる客”
原案
デヴィッド・ロン
ジェイ・シェリック
脚本
ジェイ・シェリック
ピーター・トーラン
撮影:カール・ウォルター・リンデンローブ
編集:ポール・セイダー
音楽:ジョン・マーフィー
出演
パーシー・ジョーンズ:バーニー・マック
サイモン・グリーン:アシュトン・カッチャー
テレサ・ジョーンズ:ゾーイ・サルダナ
マリリン・ジョーンズ:ジュディス・スコット
ハワード・ジョーンズ:ハル・ウィリアムズ
ケイシャ・ジョーンズ:ケリー・スチュワート
ダンテ:ロバート・カーティス・ブラウン
フレッド:フィル・リーヴス
シドニー:シェリー・シェパード
リズ・クライン:ニコール・サリヴァン
ウィニー:ジョネル・ケネディ
マーカス:リチャード・ローソン
ネイサン・ロジャース:J・ケネス・キャンベル
レジー:ロンリーコ・リー
ジェリー・マクナマラ:デヴィッド・クラムホルツ
リサ:デニース・ダウス
アメリカ 映画
配給
20世紀FOX(世界)
コロンビア・ピクチャーズ(北米)
2005年製作 105分
公開
北米:2005年3月25日
日本:2005年9月24日
製作費 $35,000,000
北米興行収入 $68,915,890
世界 $101,866,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
銀行の融資担当責任者パーシー・ジョーンズ(バーニー・マック)は、銀婚式が迫る中、妻マリリン(ジュディス・スコット)に捧げる言葉が思いつかずに悩んでいた。
最愛の娘のテレサ(ゾーイ・サルダナ)が、恋人で証券会社の株式仲買人サイモン・グリーン(アシュトン・カッチャー)を銀婚式に連れて来ると言われていたパーシーは、調査の結果は申し分のない青年らしいということだったが、彼が白人とは知らなかった。
ニューヨーク。 会社を離れたサイモンは、友人のリズ・クライン(ニコール・サリヴァン)に電話をして、就職先を紹介してもらえることになる。 帰宅したサイモンは、実家に向かう準備をするテレサから、自分の勤務先を父に知らせたら喜んでいたと言われ、会社を辞めたことは話せなかった。 ニュージャージー州。 パーシーが相手の調査をしたことに気づいたマリリンは、今後の展開がやや不安になる。 実家に向かう途中、テレサから、父は巨漢で鋭い視線なので目を合わせてはいけないと言われたため、サイモンは緊張する。 ジョークだと言うテレサに、自分が白人であることを話したかを尋ねたサイモンだったが、彼女は心配していなかった。 それでも気にするサイモンはジョーンズ邸に着き、黒人のタクシードライバーをテレサの恋人だと思うパーシーから、荷物を玄関に運ぶようにと言われる。 マリリンは既にサイモンが恋人だと気づきていたが、彼がドライバーだと思うパーシーはタクシー代を払おうとする。 サイモンが恋人だと知ったパーシーは驚き、近所の目を気にしながら家の中に入る。 冷静に対処するマリリンとは違い戸惑うパーシーは、サイモンに仕事のことを尋ね、テレサから、新株公開の担当者に任命されたことを知らされる。 スポーツのことを訊かれたサイモンは”NASCAR”ドライバーを目指すものの挫折し、”ジェフ・ゴードン”のテスト・ドライバーだったとパーシーに伝える。 部屋でテレサと話したサイモンは、刺すような目で見られたのでウソをついてしまい、機嫌取りだったと言って理解を求める。 父がカー・レースの大ファンなので心配になったテレサだったが、すぐ忘れるだろうと考え、気に入られているとサイモンに伝える。 サイモンが気に入らないパーシーは、彼がふざけてテレサのランジェリーを着てじゃれ合っている姿を見てしまう。 パーシーは、サイモンだけをホテルに泊まらせようとするものの、テレサが一緒に行くと言いだす。 式の支度の手伝いをするべきだと言うサイモンはテレサを説得し、ホテルに向かおうとする。 そこにテレサの妹ケイシャ(ケリー・スチュワート)が現れ、紹介されたサイモンは、気まずい雰囲気のまま、パーシーと共に車でホテルに向かう。 最初からテレサの相手はホテルに泊めるつもりで予約していたものの、遅れたためにキャンセル扱いにされてしまったパーシーは、仕方なくサイモンを自宅の地下室に泊めることにする。 家族との食事のためにサイモンを連れてレストランに向かったパーシーは、電話がかかってきた彼に、その場で話すよう指示する。 リズからの電話で、証券取引委員会に自分が捜査されていることを知ったサイモンは、上司のネイサンが他社に行かせたくないために手を回したと言われる。 業界から追放されたとも言われたサイモンは電話を切り、皆に真実を話せるわけもなかった。 家に戻ったサイモンは地下のパーシーの部屋で寝ることになり、カラが”ジェフ・ゴードン”と写っている写真などに気づく。 パーシーが誓いの言葉で苦労していることに気づいたサイモンは、現れた彼に文句を考えることを提案したりもする。 ベッドに入ったサイモンは、パーシーもここで眠ると言われたために驚く。 翌朝、マリリンと話したサイモンは、パーシーが自分の父親と会った時も気まずかったと言われる。 起きて来たパーシーは、サイモンに嫌味を言って銀行に向かう。 オフィスで、部下のレジー(ロンリーコ・リー)にテレサの恋人の話をしたパーシーは、スポーツマンで優秀な黒人だと伝える。 そこに現れたサイモンは、同僚のジェリー・マクナマラ(デヴィッド・クラムホルツ)からの電話に出て、ナノテク企業の株1万株を買うよう指示し、再就職まで食いつなぐためだと伝える。 信用買いは無理だと言われたサイモンは、5万ドルの現金は月曜日に持っていくとジェリーに伝えてる。 パーシーをランチに誘ったサイモンは、5万ドルが必要な話をする。 レース関係の話がウソだとバレたサイモンは、パーシーにカート場に連れて行かれ、ウソを謝罪するものの、コース1週の勝負をすることになる。 勝てば金を貸すと言われたサイモンは、その挑戦を受けたために借金があると言われる。 スタートした二人は競り合い、コースから外れて道路に出てしまい、車と衝突しそうになる。 その夜、パーシーの父ハワード(ハル・ウィリアムズ)を招いた夕食となり、サイモンが黒人をネタにしたジョークで皆を笑わせる。 それが受けたためにはしゃぎ過ぎたサイモンだったが、パーシーが気分を害してしまう。 サイモンから、ご機嫌取りのネタも尽きたと言われたテレサは父と話し、恋人が白人であること以外に何が気に入らないのか尋ねる。 問題は肌の色ではなく、サイモンが何かを隠していると言うパーシーは、恋人が白人だと言わなかったテレサを責める。 交際を認めてほしいだけだと言うテレサは、怖くて不安だと伝えるものの、自分が認めても世間はそう見ないと言われる。 時代は変わるので自分を応援してほしいと言われたパーシーは、そのつもりであり、娘を守るのが親の役目で、サイモンは信用できないと伝える。 その夜、窓の外に現れたテレサに気づいたサイモンは、眠っているパーシーに気づかれないようにして部屋を出る。 テレサとの愛を確かめたサイモンは、地下室に戻りベッドに入る。 翌日、手が離せないパーシーに代わり電話に出たサイモンは、相手のレジーから、自分がテレサの恋人であるとことを知っていると言われる。 パーシーが、娘の恋人を自慢の黒人だと話していたことを知ったサイモンは、苛立ちながら電話を彼に渡す。 レジーから、サイモンが証券会社を辞めたことを知らされたパーシーは彼と話す。 恋人のことをレジーに話したことを追及されたパーシーは、無職だったことを黙っていたサイモンを非難する。 それをパーシーから知らされたテレサは驚き、黙っていた理由をサイモンに尋ねる。 パーシーとサイモンは、互いを非難して言い合いになる。 テレサからウソをついたと言われたサイモンは、銀婚式後に話すつもりだったと伝える。 何でも話すと約束したと言われたサイモンは、恋人が白人だと知らせなかったテレサに反論する。 差別主義者扱いされていると言うサイモンだったが、納得しないテレサはその場を去る。 マリリンに騒ぎの内容を説明したパーシーは、パーティーは中止だと言われ、誓いの言葉を本から引用したことをサイモンが話してしまう。 ヒントにしただけだと言うパーシーだったが、苛立つマリリンはテレサと共に出て行ってしまう。 サイモンは、テレサに何度電話をかけても出てもらえない。 マリリンの姉ダーリーンに電話をしたパーシーは、出かけたマリリンがいないか尋ねる。 その場にマリリンはいたものの、しらを切ったダーリーンは、明日のパーティーを楽しみにしているとパーシーに伝える。 自分はサイモンと和解するので、家に戻り父と仲直りしてほしいとマリリンに伝えたテレサだったが、ダーリーンらから放っておくようにと言われる。 15回も着信を無視したテレサはサイモンに電話をしようとするものの、それを制止される。 パーティーを決行する気のパーシーは、サイモンと酒を飲み、マリリンと踊る予定だったタンゴの練習を彼とする。 翌朝、マリリンとテレサがダーリーンの家にいることは分かっていたパーシーは、サイモンの提案で二人を迎えに行くことにする。 サイモンと共に現れたパーシーから謝罪されたマリリンは、彼との愛を確かめる。 恥をかきそうなサイモンの謝罪を見ていられないテレサは、二人だけで話すと言ってその場を離れる。 二度とウソはつかないと言うサイモンは、納得しないテレサに、白人だと隠していたことを問い詰め、新株を買って食いつなごうとしたためにパーシーに借金しようとしたと話す。 守られるよりも一緒に人生を楽しみたいと言うテレサは、サイモンの話を聞き入れずに婚約を解消すると伝える。 サイモンはその場を去り、実家に戻ったテレサは、両親の銀婚式の準備をする。 パーシーから、サイモンに電話をするようにと言われたテレサは、週末に婚約発表をするつもりだったと伝える。 サイモンが仕事を辞めた理由が分からないパーシーは、テレサから、何度かあった上司の眼差しが冷たかったと言われる。 その話でサイモンが辞職した理由が分かったパーシーは、駅に向かう。 ホームにいたサイモンに話しかけたパーシーは、上司から黒人とは結婚するなと言われたことを確認し、気持ちは認めるが愚かだと伝える。 差別を気にする度に辞職していたら、生活のための金が稼げないと言われたサイモンは、25年間の結婚生活のことをパーシーに尋ねる。 黒人女性と結婚すると苦労がついて回り、妻を立てるしかないと言うパーシーは、辛く当たったことをサイモンに謝罪し、テレサは幸せ者だと伝える。 諦めないと言うサイモンに、気持ちをぶつけて運命を受け入れるようにと伝えたパーシーは、彼を励ます パーティーは始り、誓いの言葉をマリリンに伝えたパーシーは、サイモンにチャンスを与えるようにとテレサに伝える。 そこに現れたサイモンは、テレサと愛を確かめ合う。 義理の息子になるサイモンを出席者に紹介したパーシーは、彼を家族に向かえる。 その後、パーシーはマリリンとタンゴを踊り、サイモンもテレサとダンスして、パーティーは大いに盛り上がる。
上司のネイサン・ロジャース(J・ケネス・キャンベル)と話したサイモンは、黒人女性との交際が仕事に影響すると言われて辞職してしまう。
...全てを見る(結末あり)
プランナーのダンテ(ロバート・カーティス・ブラウン)と式の打ち合わせをしたパーシーは、帰宅したマリリンから、テレサの恋人には愛想よくしてほしいと言われる。
*(簡略ストー リー)
ニュージャージー州。
銀行の融資担当責任者パーシー・ジョーンズは、妻マリリンとの銀婚式を控え、最愛の娘テレサが連れてくる恋人のサイモンのことが気になり調査する。
パーシーは、ニューヨークの大手証券会社で働くサイモンが優秀な青年であることが分かり安心するが、白人だとは知らなかった。
上司のネイサンに呼ばれたサイモンは、黒人女性との交際は仕事に影響すると言われたために辞職してしまう。
それをテレサに話さず、人種のことも気にしながら彼女の実家に向かったサイモンは、パーシーと対面する。
娘の恋人が白人だったために驚くパーシーは、サイモンを信用することができずに戸惑い、彼を監視し始めるのだが・・・。
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1967年に公開された、製作、監督スタンリー・クレイマー、主演スペンサー・トレイシー、キャサリン・ヘプバーン、シドニー・ポワチエによる名作「招かれざる客」のリメイク。
とは言うものの、娘から人種の違う恋人を紹介された父親が戸惑う姿をヒントにしている程度であり、全く違う物語として描かれている。
本作は純粋なコメディであり、社会派のスタンリー・クレイマーが、現在より偏見の目が厳しかった時代背景の中で、人種問題を切実に描いた「招かれざる客」とは比較できない内容となっている。
人種の問題よりも、人間性などを重視する関係が描かれ、現代ではよくあるストーリーとも言える。
各キャラクターの個性を生かした、軽快なケヴィン・ロドニー・サリヴァンの演出が見所の作品であり、北米興行収入は約6900万ドル、全世界では1億ドルを超すヒットとなった。
最愛の娘の恋人が白人だったために戸惑う父親を熱演するバーニー・マック、彼に気を使い過ぎて騒ぎを大きくしてしまうアシュトン・カッチャー、人種のことなど気にしないその恋人ゾーイ・サルダナ、その母親ジュディス・スコット、その娘ケリー・スチュワート、その祖父ハル・ウィリアムズ、イベント・プランナーのロバート・カーティス・ブラウン、サイモン(アシュトン・カッチャー)の上司J・ケネス・キャンベル、同じくフィル・リーヴス、マリリン(ジュディス・スコット)の姉の友人シェリー・シェパード、ジョネル・ケネディ、デニース・ダウス、主人公の友人リチャード・ローソン、サイモンの友人ニコール・サリヴァン、主人公の部下ロンリーコ・リー、サイモンの同僚デヴィッド・クラムホルツなどが共演している。