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グリーンルーム Green Room (2015)

ネオナチ・グループに捕らえられたバンドメンバーが体験する恐怖を描く、監督、脚本ジェレミー・ソルニエ、主演アントン・イェルチンイモージェン・プーツパトリック・スチュワートアリア・ショウカットジョー・コールカラム・ターナーメイコン・ブレアマーク・ウェバー他共演のスリラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト
監督:ジェレミー・ソルニエ
製作
ニール・コップ
アニシュ・サヴィアーニ
ヴィクター・モイヤーズ
製作総指揮
ガブリエル・ハモンド
ダニエル・ハモンド
ヴィンセント・サヴィーノ
脚本:ジェレミー・ソルニエ
撮影:ショーン・ポーター
編集:ジュリア・ブロッシュ
音楽
ブルック・ブレア
ウィル・ブレア

出演
パット:アントン・イェルチン
アンバー:イモージェン・プーツ
ダーシー・バンカー:パトリック・スチュワート
サム:アリア・ショウカット
リース:ジョー・コール
タイガー:カラム・ターナー
ゲイブ:メイコン・ブレア
ダニエル:マーク・ウェバー
タッド:デヴィッド・W・トンプソン
ビッグ・ジャスティン:エリック・エデルスタイン
クラーク:カイ・レノックス

アメリカ 映画
配給 A24
2015年製作 95分
公開
北米:2016年4月15日
日本:2017年2月11日
製作費 $5,000,000
北米興行収入 $3,220,370
世界 $3,807,503


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
太平洋岸北西部
売れないパンクバンド”エイント・ライツ”のメンバーであるパット(アントン・イェルチン)はバンの中で目覚め、運転していたタイガー(カラム・ターナー)が居眠りして、トウモロコシ畑の中に突っ込んでいたことに気づく。

携帯電話で場所を調べたサム(アリア・ショウカット)は、タイガーとリース(ジョー・コール)を残し、パットと共に自転車でスケートリンクの駐車場に向かい、止めてある車からガソリンを盗む。

二人はバンに戻り、出発した4人は街に向かい、ラジオのホストでプロモーターのタッド(デヴィッド・W・トンプソン)に会い、彼の家である宿泊先を教えてもらう。

翌朝、現れたタッドと話した4人は、打ち合わせをする。

その後パットらは出演を終えるが、安いギャラで憤慨するリースはラッドに言い寄る。

タッドから、いとこに仕事を紹介させると言われたパットらは、ポートランド近郊のライブハウスに向かうことになる。

いとこのダニエル(マーク・ウェバー)と話をつけたタッドから、ギャラは350ドルで、スキンヘッドの客が多いと言われたパットらは出発する。
...全てを見る(結末あり)

森の中にあるライブハウスに着いたパットらは、ダニエルに迎えられる。

タッドの家に泊まったと言うタイガーはダニエルの恋人のことも話し、余計なことを話したために彼に脅される。

ライブハウスのマネージャーのゲイブ(メイコン・ブレア)と話したパットらは、”グリーンルーム/楽屋”に向かい準備をする。

その後、”ネオナチ”集団の異様な雰囲気の中で演奏を無事に終えたパットは、ギャラを受け取ったサムが忘れた携帯電話を取りにグリーンルームに戻る。

側頭部を刺された少女エミリーが横たわっている姿を見てしまったパットは驚き、その場にいた彼女の親友アンバー(イモージェン・プーツ)から、通報するようにと言われる。

動揺するパットは、用心棒のビッグ・ジャスティン(エリック・エデルスタイン)の制止を振り切り、部屋を出て通報しながら逃げようとする。

パットの携帯電話を奪ったゲイブは、ビッグ・ジャスティンから状況を知らされ、非常事態だと言って事務所に向かう。

銃を手にしたゲイブは、パットらをグリーンルームに戻す。

緊急通報センターのオペレーターと話すために、ゲイブは部屋の外に出る。

戻ったゲイブは、オーナーのダーシー・バンカー(パトリック・スチュワート)に相談することを考え、帰らせてほしいと言うリースに、もう少しいるようにと伝える。

戸惑うパットらを落ちすかせたゲイブは、警察が来ると言って部屋を出る。

取り乱したアンバーは、エミリーを殺したワームに襲い掛かる。

事務所に向かったゲイブは、人が死んだので金が要ると同僚のクラーク(カイ・レノックス)に伝えて、現金を受け取り外に出る。

何も見ていないと言って帰ろうとするタイガーだったが、ビッグ・ジャスティンに制止される。

双子の若者二人がナイフで争ったように見せかけたゲイブは、駆け付けた警官と話し、ダーシーも到着する。

ゲイブから外に出るようにと指示されたワームは、いい演奏だったとパットに伝え、2番目の曲の激しさをエミリーにぶつけたと言ってその場を去る。

アンバーと共に残ったビッグ・ジャスティンは、対抗できると言うリースに銃を向けて黙らせる。

警官が帰った後、ダーシーは、ゲイブからバンドのことで報告を受ける。

クラークはバンを調べ、車内のガソリンタンクを見つけたダーシーは、バンドを利用して事態を解決する方法を思いつく。

逃げようとするパットらに銃を向けたビッグ・ジャスティンは、ドアの外のゲイブから、弾を抜いてもいいので銃を渡せと言われる。

ダーシーもいることを確認したビッグ・ジャスティンは、その指示に従う。

アンバーから、友好的に話すダーシーは芝居をしていると言われたパットは、警察が来るまでドアは開ける気はないので、弾は渡すようにとダーシーに伝える。

部屋から出ようとするビッグ・ジャスティンをパットらは制止し、タイガーとリースが襲い掛かる。

弾を奪ったパットは、警察が来るまで待つと言ってダーシーを納得させる。

銃を受け取ったリースに銃を向けられたビッグ・ジャスティンは、別の出口のことを訊かれてないと答える。

対策を考えるダーシーは、ダニエルに仲間を集めさせる。

アンバーが携帯電話を奪われたため、エミリーの所持品を確認したパットは、”フライシュ・ウルフ”というメモを見つける。

サムから”フライシュ”はドイツ語で肉のことだと言われたパットは、ビッグ・ジャスティンの所持品も調べる。

照明が消えて部屋は真っ暗になり、アンバーがライターでタバコに火を点けてビッグ・ジャスティンに渡す。

自分はネオナチではないと言うアンバーは、育った環境でこうなったと伝える。

照明が点き、ステージに上がったダーシーは、主電源が落ちたために、予備の発電機はあるが店を閉めて点検することを客に伝える。

ダニエルは人を集め、ダーシーは警察対策のために偽装工作の準備を始める。

タイガーは、暗闇の中で床板の隙間から陽の光を見たと皆に伝える。

ダーシーと話をしたパットは、未登録の銃を隠したいと言われる。

皆と話し合ったパットは、携帯電話と交換したいとダーシーに伝えるものの拒まれる。

警察が戻り、未登録の銃を所持するバンドが人質を取って立てこもっていると知った場合、どういうことになるか考えるようにと言われたパットは、ダーシーが押し入る気もあるために戸惑う。

リースがビッグ・ジャスティンに関節技を決めて動けないようにしている間に、パットは仕方なく銃を渡そうとする。

ドアを開けたパットは、隙間から見ていたアンバーに殺す気だと言われ、閉めようとして抵抗される。

タイガーが金属のアングルで対抗するが、パットが腕を負傷してしまう。

ビッグ・ジャスティンは、襲い掛かってきたアンバーを突き倒す。

リースに抑え込まれたビッグ・ジャスティンは、拾ったカッターナイフをアンバーに奪われて意識を失う。

目を覚ましたビッグ・ジャスティンをリースは絞殺し、腹部をカッターで切り裂いたアンバーは、彼の死を確認する。

犬を用意するクラークに後は任せることをゲイブらに伝えたダーシーは、ダニエルから何があったのか訊かれる。

バンドのメンバーがエミリーを殺し、ビッグ・ジャスティンも殺されただろうと答えたダーシーは、苛立つダニエルから、部屋に押し入るべきだと言われる。

それを許さないダーシーは、クラークが犬を連れて来たことに気づく。

床を気にするタイガーは、光が漏れていることを確認する。

昼間ではないので陽の光ではないと思われ、リースがそこを壊す。

地下に隠し部屋があり、その場ではヘロイン製造と貯蔵がされていた。

出口がないことを確認したリースらは戻り、タイガーは、パットの切り裂かれた腕の傷をにガムテープを巻く。

リースは逃げることを提案し、パットは、ダーシーらが自分たちに罪を着せようとしていると考える。

覚悟を決めてドアを開けたリースらは、誰もいないことを確認して、二手に分かれて出口を探す。

クラークの放った犬がタイガーに襲い掛かり、窓から外に出たリースは男に叩きのめされる。

タイガーは首を食いちぎられ、ゲイブは彼の所持品を奪い、アンバーはクラークの放った犬に襲われる。

マイクをスピーカーに近づけハウリングさせたパットは、それを嫌い犬が逃げた後で、床に落ちていたセットリストを見つける。

アンバーとその場から逃げたパットは、消火器で抵抗していたサムと共にグリーンルームに戻る。

セットリストとエミリーが持っていたメモをサムに見せたパットは、”フライシュ・ウルフ”というのが曲目だったことを確認し、アンバーから”挽き肉機”のことだと言われる。

犬をトラックに戻したクラークは、ハウリングを止めるようにとダーシーに伝える。

自分が始末すると言うダニエルは、クラークからナイフを受け取り、ジョナサンと共に中に向かう。

瀕死のリースを放置するようにとダーシーから指示されたゲイブは、バンのキーはなかったと伝える。

ハウリングを止めたダニエルとジョナサンは、グリーンルームに押し入る。

恋人のエミリーが死んでいることを知ったダニエルは、アンバーからワームが殺したと言われる。

エミリーが去ると気づいたワームが彼女を殺し、自分のことはバレていないとアンバーから言われたダニエルは、曲の”フライシュ・ウルフ”が合図だったことを知り、ジョナサンに部屋から出るよう指示する。

ダニエルに見張りをさせなかった理由をゲイブに尋ねたダーシーは、彼がエミリーと関係していたのではないかと言われる。

それを確かめるためにダニエルの車を調べたダーシーは、彼とエミリーが恋人同士だということを知る。

戻ってきたジョナサンから、ワームがエミリーを殺したとアンバーが言っていたことを知らされたダーシーは、それを気にしない。

ワームが自分たちを救ってくれたと、ダーシーはゲイブに伝える。

逃げることに協力すると言うダニエルは、ダーシーらに自分とエミリーの関係はバレているだろうとパットらに伝える。

ダーシーは、一発だけ撃てと言って男たちに銃を渡す。

グリーンルームから出たダニエルは、バーテンダーにショットガンで射殺され、パットがナイフで襲い掛かり彼を殺す。

ショットガンを奪ったアンバーは、パットから弾を受け取り外に出るものの銃撃される。

アンバーは脚に銃弾を受け、ショットガンを拾ったサムは犬に襲われて食い殺される。

パットは、アンバーを連れてグリーンルームに戻る。

サムの死体からバンのキーを見つけたゲイブは、それをダーシーに渡す。

ジョナサンらに後始末をするよう指示したダーシーは、役目を果たしたクラークに感謝する。

新しい専属バンドを探して店を再開するようゲイブに指示したダーシーは、何も起きなかったことにしてケリをつけようとする。

銃弾を受けた犬に応急処置をしたクラークは、1時間は生きられることをジョナサンらに伝えて預ける。

残った者は始末しろとジョナサンに伝えたダーシーは、その場を去る。

中に入ったジョナサンだったが、ハウリングを嫌った犬は逃げてしまう。

グリーンルームに押し入ったジョナサンとカイルは、スキンヘッドにしたパットが地下に逃げたために、その場にあったショットガンを奪う。

ジョナサンは地下に向かい、ソファに隠れていたアンバーはカイルに襲い掛かり、カッターナイフで首を切り裂く。

ショットガンの弾は3発だとパットに伝えたアンバーは、拳銃を発砲する。

発砲したジョナサンは奥に向かい、襲い掛かってきたパットを銃撃するものの外れる。

アンバーにも発砲したジョナサンは弾がなくなり、落下したカイルの銃を拾うが、アンバーがマガジンを持っていた。

ショットガンを奪ったパットは弾を込めるが、ジョナサンが襲い掛かる。

地下に下りたアンバーは、拾った拳銃にマガジンをセットしてジョナサンを射殺する。

店内を掃除していたゲイブが現れれ、犬がいないことを確認したパットとアンバーは、彼を連れてその場を去る。

森の中で銃声が聴こえたパットとアンバーは、ゲイブから、何をしているか知らない方がいいと言われる。

アンバーは果樹園で警察に通報することを考え、パットはゲイブにそれを指示し、彼を信じて逃がす。

パットとアンバーは、自分たちのバンの横で死体を犬に食わせているクラークに気づく。

バンに近づきアランに銃を向けたパットは、銃を捨てさせる。

パットは、クラークに銃を向けるアンバーと共に、リースとサムの死体が放置されている場所に向かう。

自分たちが車からガソリンを盗むために、不法侵入したように見せかけてあることを知ったパットは、ダーシーがいることに気づく。

アンバーはクラークを射殺し、パットと共にダーシーとアランに銃を向ける。

パットとアンバーは、逃げようとするダーシーとアランを射殺する。

果樹園に着いたゲイブは、農夫に警察に通報したいと伝る。

ワームは、ダーシーから渡されたドラッグで死亡する。

その後、店から逃げて来た犬が戻り、クラークの死体に寄り添う。

その場に座り込むパットとアンバーは、警察の到着を待つ。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
太平洋岸北西部
ポートランド近郊のライブハウスでの演奏を依頼された、パットら売れないバンド”エイント・ライツ”のメンバーは、”ネオナチ”集団の異様な雰囲気の中でステージを終える。
帰ろうとしたパットだったが、グリーンルーム/楽屋で少女エミリーが刺殺されている姿を目撃してしまう。
マネージャーのゲイブは、パットが警察に通報してしまったため、対処しようとしてオーナーのダーシーを待つ。
その間、動揺するエミリーの親友アンバーと共にグリーンルームに閉じ込められたパットらは、店の用心棒ビッグ・ジャスティンに見張られながら、警察が来るのを待つのだが・・・。
__________

「ブルー・リベンジ」(2013)で注目されたジェレミー・ソルニエが、脚本を兼ねて監督した作品。

ネオナチ・グループに捕らえられたバンドメンバーが体験する恐怖を描くスリラー。

ネオナチ”の巣靴であるライブハウスのグリーンルーム/楽屋での殺人を目撃してしまったバンドのメンバーが閉じ込められる序盤は、無抵抗な彼らの姿が強調されるのだが、中盤からクライマックスに向けて、反撃に転じる凄まじい展開になる。

戦いの素人が、勇気をもって悪に立ち向かう描写がリアルであり、スーパーヒーローのように変貌しない、ぎこちない戦いぶりの演出がいい。

ネオナチ”がそれほど過激なグループとして描かれていないことがやや不自然なのだが、それ故に、ひ弱な主人公らが対抗できるという演出だったのか・・・。

北米拡大公開されなかったため、興行的には成功しなかったものの、各方面から高い評価を得た作品。

バンドのリーダー格であり、弱弱しく見えるものの、終盤では戦士のように戦うアントン・イェルチン、殺された少女の親友であり、主人公と共に勇敢に戦うイモージェン・プーツネオナチ・グループのリーダーでありライブハウスのオーナーのパトリック・スチュワート、殺されるバンドメンバーのアリア・ショウカットジョー・コールカラム・ターナー、ライブハウスのマネージャーを印象的に演ずるメイコン・ブレア、恋人を殺されたために主人公らに協力するマーク・ウェバー、そのいとこで、彼にバンドを紹介するデヴィッド・W・トンプソン、ライブハウスの用心棒エリック・エデルスタイン、ライブハウスの従業員で犬の調教もするカイ・レノックスなどが共演している。


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