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グレース・オブ・モナコ Grace of Monaco (2014)

ハリウッドのトップ女優からモナコ大公妃となったグレース・ケリーの苦悩と国家の危機に立ち向かう姿を描く、監督オリヴィエ・ダアン、主演ニコール・キッドマンティム・ロスフランク・ランジェラパーカー・ポージー他共演の実録ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

ニコール・キッドマン / Nicole Kidman 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:オリヴィエ・ダアン

製作
ピエランジュ・ル・ポギャム
ウダイ・チョプラ
アラッシュ・アメル
製作総指揮
クローディア・ブルーエンヒューバー
ユータ・フレデバイル
ビル・ジョンソン
ジョナサン・ライマン
ジム・サイベル
脚本:アラッシュ・アメル
撮影:エリック・ゴーティエ
編集:オリヴィエ・ガジャン
音楽:クリストファー・ガニング

出演
グレース・ケリーニコール・キッドマン
レーニエ3世ティム・ロス
フランシス・タッカー神父:フランク・ランジェラ
マッジ・ティヴィ=フォコン:パーカー・ポージー
ルパート・アレン:マイロ・ヴィンティミリア
フェルナンド・デリエール伯爵:デレク・ジャコビ
マリア・カラスパス・ベガ
アントワネット公女ジェラルディン・ソマーヴィル
アリストテレス・オナシスロバート・リンゼイ
ジャン=シャルル・レイ:ニコラス・ファレル
アルフレッド・ヒッチコックロジャー・アシュトン=グリフィス
バチオッキ伯爵夫人:ジャンヌ・バリバール
ドラヴェンヌ:イヴ・ジャック
エミール・ペレティエオリヴィエ・ラブルダン
シャルル・ド・ゴールアンドレ・ペンヴルン
ロバート・マクナマラ・アメリカ合衆国国防長官:フィリップ・ダレンシー

フランス/アメリカ/ベルギー/イタリア/スイス 映画
配給
ワインスタイン・カンパニー(北米)
Gaumont Film Company(フランス)
20014年製作 103分
公開
フランス:2014年5月14日
ベルギー:2014年5月21日
イタリア:2014年5月15日
北米:2015年5月25日
日本:2014年10月18日
製作費 $30,000,000
世界 $26,576,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1956年、ハリウッド
上流社会」の撮影を終えた女優グレース・ケリーニコール・キッドマン)は、モナコレーニエ3世大公(ティム・ロス)との結婚を控えていた。

グレースは、家族と共に豪華客船で出航する。

1961年12月、モナコ
現地を訪れた映画監督アルフレッド・ヒッチコックロジャー・アシュトン=グリフィス)は、宮殿でグレースの側近マッジ・ティヴィ=フォコン(パーカー・ポージー)に迎えられる。

ヒッチコックと再会したグレースは、企画中の映画「マーニー」の脚本を渡される。

ギリシャの海運王アリストテレス・オナシスロバート・リンゼイ)の船で行われたパーティーに出席していたレーニエは、オナシスの愛人であるソプラノ歌手マリア・カラスパス・ベガ)に案内されて現れたグレースを迎える。
...全てを見る(結末あり)

フランスの財務省の高官との政治論議に口出しするグレースを制止したレーニエは、パーティー終了後に彼女を批判する。

国務大臣のエミール・ペレティエオリヴィエ・ラブルダン)は、フランス大統領シャルル・ド・ゴールアンドレ・ペンヴルン)が、モナコの所得税徴収を望んでいることをレーニエに伝える。

大統領がフランスへの税の支払いも求めていると言われたレーニエは、自分を侮辱するペレティエを殴り追放する。

パリの大統領官邸に報告を入れたペレティエは、レーニエフランスを敵視していると大統領に伝えるよう指示する。

病院を修復する案を赤十字に受け入れらないグレースは、自由な発言も許されず孤独感を味わう。

相談相手である後見人のフランシス・タッカー神父(フランク・ランジェラ)を訪ねたグレースは、映画に復帰した場合の意見を訊く。

レーニエに相談していないことを確かめた神父は、許されないことだろうと答える。

フランスは、長引くアルジェリア戦争の戦費を調達するため、モナコに対し一方的な条件を突きつける。

6か月以内の税金の徴収を開始してフランス企業の誘致を中止しする通達に加え、このまま国費を浪費し続ければ、禁輸措置をとりフランス領にするという大統領命令が発表される。

それに逆らえる状況でなかったレーニエは、軍を持たない状況で戦いも辞さないことをグレースに伝える。

映画出演のことをレーニエに話したグレースは、自分の責任で決めるようにと言われる。

ハリウッドから訪ねて来たPR担当のルパート・アレン(マイロ・ヴィンティミリア)を迎え、映画出演することを各寮に伝えたグレースは、当然、反対される。

こちらからは発表せずに準備を始めていたグレースだったが、ユニバーサルがそれを発表したことを記者から知らされる。

ヒッチコックに連絡したグレースは、宮殿からの発表があり、それに続いただけだと言われ、騒ぎを鎮めるために時間が欲しいことを伝える。

世間では今回のことが騒動となり、発表文は宮殿内に保管されていたため、誰かがそれを漏らしたと考えるグレースは、混乱しながらタッカー神父に相談する。

この件が政治利用されている可能性を指摘する神父は、ド・ゴールと電話会談をするレーニエを救うために、信頼できる秘書に調べさせるようグレースに指示する。

7月。
ド・ゴールから条件を受け入れるよう強要されたレーニエは、グレースを利用するようオナシスに助言される。

家族や知人との食事中に、ヒッチコックに電話をして映画出演を断るようレーニエに指示されたグレースは反発し、ド・ゴールの言いなりになるだけだと意見する。

憤慨したレーニエは、席を立ってその場を去る。

離婚も考えるグレースは、それが、二度とモナコに戻れず子供達と引き離されることを意味するとタッカー神父に言われる。

映画出演を断りたくないと言うグレースに、様子を見ることを提案する神父は、レーニエや子供達のために生きる、モナコに来た理由を考えるべきだと言われる。

母親に電話をしても解決に至らず、普通の会話も成り立たなかったグレースは悲しむ。

タッカー神父と共にフェルナンド・デリエール伯爵(デレク・ジャコビ)を訪ねたグレースは、モナコの習慣や歴史、そして外交儀礼などを知りたいことを伝える。

それを大公妃が知らないことに驚く伯爵に、誰も教えてくれなかったと言うグレースは、子供達のためにも汚名返上したいと伝える。

その後、国境は封鎖され、必要物資が底をつくのは時間の問題だとレーニエは知らされる。

悩むレーニエは、グレースに話しかけるべきだとタッカー神父から助言されるが、映画出演の件で気まずい関係になっていることを気にする。

デリエール伯爵から様々なことを教わったグレースは、マッジを含む側近達が、自分を良く見せて人を欺くプロだと知り、誰を信じていいのかは分からないと言われる。

それと戦うのも大公妃の務めだと言われたグレースは、役を演じればいいと助言される。

8月。
グレースは、フランス語と作法の先生をつけられて特訓を始める。

一方レーニエは、オナシスの提案で、ヨーロッパ各国の外交使節を招き、支援を呼びかけようとする。

成果を示すために町に出て市民に接したグレースは、信頼を回復しつつあった。

国境を封鎖するフランスの警官に差し入れを渡すグレースの姿がテレビに映し出され、それがド・ゴールを刺激すると考えられた。

グレースは、フランスの探偵に情報を流していたのがマッジだという報告を受けて、タッカー神父の元に向かう。

母親から手紙を受け取りグレースの元から去るよう指示を受けていた神父は、マッジが裏切ったことは分かったが、黒幕を突き止められないと言われる。

大公家を存続させるために力を尽くすよう伝えた神父は、グレースの元を去る。

9月22日、ヨーロッパ・サミット。
グレースと和解したレーニエは、彼女を伴い会議に出席する。

各国に支援を訴えたレーニエだったが、反発する国もあり話し合いは難航する。

そこにド・ゴール暗殺未遂事件の報せが入り、モナコを支える国はないと考えられる中で、乗り切れると言って、グレースは窮地に陥ったレーニエを励ます。

義兄ジャン=シャルル・レイ(ニコラス・ファレル)からフランスの要求を受け入れるしかないと言われたグレースは、彼の妻であるレーニエの姉アントワネットジェラルディン・ソマーヴィル)が、会議の様子に満足する表情を見てショックを受ける。

寝室で動揺するグレースは、マッジから、アントワネットド・ゴール陣営と接触していたことを知らされ、それをレーニエに伝える。

探偵を雇っていたマッジは、アントワネットが母国をフランスに売り、王位を奪う気だったことをレーニエに伝える。

グレースと二人きりで話したレーニエは、実の姉アントワネットを追及することに難色を示す。

レーニエが失脚させられるのを見ていられないと言うグレースは、子供を守り愛する夫を支えるために国に残ったことを伝える。

暗殺未遂事件により各国代表者は宮殿を去ったため、望みを失ったレーニエだったが、グレースは彼を励まし、二人は愛を確かめ合う。

翌早朝、ヒッチコックに電話をしたグレースは役を断り、映画の成功を祈ることを伝える。

タッカー神父の置手紙を確認したグレースは、危機を乗り切るための秘策を試してみたいことをレーニエに伝えて許しを得る。

赤十字の会議に出席したグレースは、舞踏会を開くことを提案する。

バチオッキ伯爵夫人(ジャンヌ・バリバール)と共にパリに向かったグレースは、記者達に囲まれて映画出演のことを訊かれ、それを断り大公妃としての役目を果たすことを伝える。

伯爵夫人は、10月に国際赤十字の舞踏会をモナコ王室主催で行うことを発表する。

招待状はド・ゴールにも届けられが、ペレティエは、レーニエは孤立無援でグレースしか味方はいないと大統領に伝える。

宮殿に戻ったグレースアントワネットとジャン=シャルルを呼び出し、ド・ゴールが約束したことを問い詰め、レーニエの目の前で二人を追放する。

子息の将来の心配はいらないという条件を出したグレースは、ド・ゴールを舞踏会に出席させる説得をするようジャン=シャルルに指示する。

ジャン=シャルルからの連絡を受けたド・ゴールは、レーニエが言いなりになることを約束され、側近の反対を聞かずに、舞踏会に出席する連絡をするようペレティエに命ずる。

1962年10月9日、赤十字舞踏会。
到着したド・ゴールはブーイングを受けながら会場に向い、アメリカのロバート・マクナマラ国防長官(フィリップ・ダレンシー)も出席する。

直後に大歓声が起き、レーニエと到着したグレースは、人々に近づき声援に応える。

グレースを誇らしく思うレーニエは、彼女をエスコートしながら、堂々たる風格で会場に向かう。

その場にはアントワネットとジャン=シャルルも招待され、グレースは、何もなかったかのように二人に挨拶する。

席に着く出席者はマリア・カラスの独唱で迎えられ、グレースが紹介されてステージに立ちスピーチを始める。

自分はモナコ自身であり、国がまた自分自身でもあると語るグレースは、侵攻されてもこの場を離れないことを約束して涙する。

幸せや美を破壊する権利は誰にもないと話すグレースは、愛の力で全てを乗り越えられると伝える。

愛により正しい道に導かれると信じるグレースは、その努力をしてほしいと出席者に語りかける。

レーニエは拍手をしながら立ち上がり、出席者とド・ゴールもそれに続く。

着席したド・ゴールは、隣のテーブルのマクナマラに牽制される。

レーニエは、席に戻ったグレースに愛を伝える。

1963年5月、フランスは、モナコに対する徴税を求める封鎖を解除した。

その後グレース・ケリーは、女優復帰はしなかった。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1956年、ハリウッドのトップ女優グレース・ケリーは、モナコレーニエ3世大公と結婚する。
1961年、宮殿を訪れた映画監督アルフレッド・ヒッチコックは、企画中の映画「マーニー」の脚本をグレースに渡す。
世界が注目した誰もが羨む結婚生活だったが、その後のグレースは、自由な発言も許されず孤立していたため、ハリウッドへの復帰を考える。
1962年、フランスは、長引くアルジェリア戦争の戦費を調達するため、モナコに対し徴税と税金の支払い義務を一方的に突きつける。
レーニエはそれに反発し、ヨーロッパ各国に支援を求めようとする。
その間、グレースの女優復帰が騒動となってしまい、彼女はモナコを離れることも考えるのだが、それは家族を捨てることを意味した。
苦悩するグレースは、大公妃として国や家族を支えるか、女優の道を選ぶか選択を迫られる・・・。
__________

人気絶頂でハリウッドを去りモナコの大公妃となったグレース・ケリーの女優復帰問題と、フランスによる圧力に抵抗するモナコの当時の実情を描いたドラマ。

グレース・ケリーの女優復帰が主なテーマで進む序盤から、国家の存亡の問題にそれを絡めていく展開となり、国を捨てる覚悟もあった主人公が思い止まり、国家や大公、そして家族を守り支えるために闘う姿を淡々と描いた作品。

トップ・スターのニコール・キッドマンが、ハリウッド史上に残る女優グレース・ケリーを、どのように演ずるかが注目された作品。

映画ファンならどなたもご存じであるグレース・ケリーを演じれるのは、ニコール・キッドマンくらいしかいないと言えばそれまでなのだが、残念ながら、ニコール・キッドマンが”彼女自身”を演じているようにしか見えない。

美貌もそれなりの雰囲気もグレース・ケリー風ではあるのだが、ファッション関係のコマーシャルに出演しているニコール・キッドマンを見ているだけのような、オリヴィエ・ダアンの深みのない平面的な演出やニコール・キッドマンの演技も、今一、精彩を欠く。

豪華スター競演の話題作なのだが、北米ではテレビ放映しかされなかったという冷遇振りで、興行収入は世界でも約2700万ドルに終わり、製作費の3000万ドルを回収できなかった。

美しさの極みということだけは認めたいグレース・ケリーを演ずるニコール・キッドマン、本人を真似する必要もないが、その雰囲気ではないのが残念なレーニエ3世ティム・ロス、主人公の後見人である神父のフランク・ランジェラ、スパイを疑われる主人公の側近パーカー・ポージーハリウッドPR担当者マイロ・ヴィンティミリア、主人公の教育係となる伯爵デレク・ジャコビマリア・カラスパス・ベガ、国を裏切る大公の姉アントワネット公女ジェラルディン・ソマーヴィル、その夫ニコラス・ファレル、大公の友人でもあるギリシャの海運王アリストテレス・オナシスロバート・リンゼイアルフレッド・ヒッチコックロジャー・アシュトン=グリフィス、主人公に協力する伯爵夫人のジャンヌ・バリバール、内務大臣のイヴ・ジャック、国務大臣エミール・ペレティエオリヴィエ・ラブルダンフランス大統領シャルル・ド・ゴールアンドレ・ペンヴルンロバート・マクナマラ・アメリカ国防長官のフィリップ・ダレンシーなどが共演している。


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