1983年に発表された、霊長類学者のダイアン・フォッシーの著書”Gorillas in the Mist”を基に、”マウンテン・ゴリラ”の調査に人生を捧げた彼女の活動を描く、監督マイケル・アプテッド、主演シガニー・ウィーバー、ブライアン・ブラウン、ジュリー・ハリス、イアン・カスバートソン共演の実録ドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・アプテッド
製作
アーン・グリムシャー
テレンス・A・クレッグ
製作総指揮
ピーター・グーバー
ジョン・ピーターズ
原作:ダイアン・フォッシー”Gorillas in the Mist”
原案
アンナ・ハミルトン・フェラン
タブ・マーフィ
脚本:アンナ・ハミルトン・フェラン
撮影:ジョン・シール
編集:スチュアート・ベアード
音楽:モーリス・ジャール
出演
ダイアン・フォッシー:シガニー・ウィーバー
ボブ・キャンベル:ブライアン・ブラウン
ロズ・カー:ジュリー・ハリス
センバガーレ:ジョン・オミラ・ミルウィ
ルイス・リーキー博士:イアン・カスバートソン
クロード・ヴァン・ヴェクテン:コンスタンティン・アレクサンドロフ
ポール・ムカラ:ワイグァ・ワシラ
ブレンダン:イアン・グレン
ラリー:デヴィッド・ランズベリー
キム:マギー・オニール
ルシェンバ:コンガ・ムバンデュ
ハワード・ダウド:マイケル・J・レイノルズ
写真家:ゴードン・マステン
バトワ族の酋長:ピーター・ンドゥアティ
ヴァン・ヴェクテン夫人:ヘレン・フレイザー
マイム・アーティスト:ジョン・アレクサンダー
マイム・アーティスト:ピーター・エリオット
マイム・アーティスト:デニス・チェシャー
マイム・アーティスト:アントニオ・ホヨス
マイム・アーティスト:ジョディ・セント・マイケル
本人:デヴィッド・マドック
アメリカ 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ(世界)
ユニバーサル・ピクチャーズ(北米)
1988年製作 129分
公開
北米:1988年9月23日
日本:1989年4月15日
製作費 $22,000,000
北米興行収入 $24,720,480
世界 $61,149,480
■ アカデミー賞 ■
第61回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優賞(シガニー・ウィーバー)
脚色・編集・作曲・録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1966年、ケンタッキー州、ルイビル。
作業療法士のダイアン・フォッシー(シガニー・ウィーバー)は、尊敬する古人類学者のルイス・リーキー(イアン・カスバートソン)の講演会場に向かう。
霊長類の研究に人生を捧げることを決めたフォッシーは、アフリカで希少な”マウンテン・ゴリラ”研究の仕事を求め、リーキーに手紙を書き続けていた。
講演後にリーキーと話したフォッシーは、マウンテン・ゴリラの現状を調べる仕事への熱意を語り、自分をアピールする。
コンゴ。
リーキーに迎えられたフォッシーは、内乱が起きている関係で兵士が大勢いることを気にしながら、道案内人を雇うよう指示される。
英語が何とか話せるセンバガーレ(ジョン・オミラ・ミルウィ)を雇ったフォッシーは、食料を調達する。
車を用意したリーキーは、フォッシーに”ヴィルンガ山地”の目的地を教えて、1人で向かわせる。
リーキーが同行しないことを知ったフォッシーは驚き、週に一度の報告と”ナショナルジオグラフィック”への記事を書くことを指示される。
困ったときは現地に住むアメリカ人ロズ・カー(ジュリー・ハリス)の世話になるようにと言われたフォッシー、飛行機でタンザニアに発つリーキーを見送る。 車で村に向かったフォッシーは、センバガーレとポーターたちと共に山を登り始める。 日が暮れて小屋に到着し、最初の夜を過ごすことにしたフォッシーは、センバガーレに婚約者デヴィッドのことを話す。 センバガーレの家族が殺されたことを知ったフォッシーは、彼を気の毒に思う。 翌日、出発したフォッシーは、センバガーレがゴリラのことについて何も知らなかったために驚く。 リーキーに手紙を書いたフォッシーは、探索を続けているものの、成果が上がらないことを伝えて、諦めずにゴリラを発見し絶滅から救うようにという返事を受け取る。 6週間探し続けるもののゴリラに遭遇しないフォッシーは、糞を見つける。 センバガーレと共にマウンテン・ゴリラの親子を目撃したフォッシーは感激し、リーキーに手紙を書く。 その後、ゴリラの群れに近づいたフォッシーは、気づかれて襲われそうになり、土手から転げ落ちる。 戻ったフォッシーは、小屋が兵士に荒らされていることに気づき、その場から追い出されることになり、センバガーレは逃げる。 コンゴから追放されたフォッシーは、歩き続けてロズ・カーの家にたどり着き、その場にセンバガーレがいたために驚く。 ロズに歓迎されて体を休めたフォッシーが、リーキーに辞表を提出することを知ったセンバガーレは、彼女に失望する。 リフレッシュしてロズと話をするうちに、ゴリラに対する気持ちが戻ったフォッシーは、リーキーに送った手紙を取り戻しに行こうとする。 ロズに引き留められたフォッシーは、彼女が手紙を持っていることを知る。 調査を再開したフォッシーは、内乱のないルワンダ側から山に入り、銃を手に入れて、センバガーレが集めたポーターと共に、警戒しながら登り始める。 各山が見渡せる場所を”調査センター”にすることを決めたフォッシーは、ゴリラの観察を始める。 群れの”グループ4”のメスと子供には近づけるものの、雄の”シルバー・バック”は用心深かった。 その後、フォッシーを怖がらない子供は抱きつくまでになり、シルバー・バックまで接近する。 それを知ったリーキーは満足し、新予算を承認してフォッシーの労働許可書の期限を延長する。 家屋も建設されたある日、フォッシーとセンバガーレは、バトワ族の墓を見つける。 石を動かしてしまい、墓を汚したと思われたフォッシーは、バトワ族を怒らせてしまう。 現れた酋長(ピーター・ンドゥアティ)は、フォッシーの髪の毛をいじり、それが火の色だったために、魔女だと言ってその場を去る。 その後、ふもとの町に向かったフォッシーは、切り取られたゴリラの手を売ろうとしている者を見つけて、どこで手に入れたかを追及する。 逃げられてしまったフォッシーは山に戻り、バトワ族が仕掛けた罠をあちこちで見つける。 フォッシーは、罠に落ちて背骨を折った小鹿を見て気の毒に思いながら、楽にさせるために射殺し、バトワ族を恨み対抗しようとする。 ゴリラの群れの中で調査を続けるフォッシーは、薬指と小指がくっついているゴリラを”ディジット”と名付ける。 ある夜、ナショナルジオグラフィックの写真家ボブ・キャンベル(ブライアン・ブラウン)が現れ、フォッシーに自己紹介して気軽に話をするものの、テントに向かうよう指示される。 翌日フォッシーは、キャンベルを迷惑に思いながら、センバガーレを伴い山に向かい、再び罠を見つけて苛立つ。 ゴリラの手の灰皿や首を壁に飾るためにマイアミの医者が欲しがり、バトワ族がその供給に答えているだけだと言うキャンベルは、クリニックの待合室には、ナショナルジオグラフィックが置いてあるとフォッシーに伝える。 その夜、フォッシーはキャンベルと話し、禁止していた撮影を条件付きで許可する。 それをきっかけにして、フォッシーとキャンベルは惹かれ合うようになり、センバガーレはそれに気づく。 翌日から、カメラや撮影機材を持参したキャンベルは、フォッシーとゴリラの撮影を始める。 その夜フォッシーは、キャンベルが既婚者であることを気にせずに愛し合う。 キャンベルもゴリラに近づけるようになり、フォッシーがその姿を撮影する。 その後、ナイロビに向かうことになたキャンベルは、妻に会うことをフォッシーに伝える。 町から山に戻ったフォッシーらは、バトワ族がゴリラの群れを襲っていることに気づき、何頭も殺されていたためにショックを受ける。 ゴリラの子供パッカーを連れ去ったバトワ族を追ったフォッシーは、部族の子供を捕まえるものの、何も話そうとしない。 赤いお面をつけて魔女に扮したフォッシーは子供を脅し、ゴリラを買う男がホテルにいることを聞き出す。 町に向かったフォッシーは、密猟者の車を見つけてドアをこじ開け、パッカーを救い出す。 パッカーを抱いたままホテルに向かったフォッシーは、密猟者のクロード・ヴァン・ヴェクテン(コンスタンティン・アレクサンドロフ)をロビーで見つけて、ゴリラをさらったことを批判して脅す。 内務省発行の売却証明書を見せるヴァン・ヴェクテンから、逮捕させると言われたフォッシーは、彼を罵倒してその場を去る。 役人のポール・ムカラ(ワイグァ・ワシラ)と話したフォッシーは、ヴァン・ヴェクテンに許可を与えた彼から、動物園への売却は金になると言われたために、絶滅寸前のゴリラの現状を伝える。 ゴリラの減少よりも人口を増やすことが重要だと言われたフォッシーは、動物を売った金で食糧、衣類、医薬品などを買うことを優先するムカラの考えを知る。 現地は保護地域だと言うフォッシーは、法を作り増税することを提案し、自分のゴリラを守ってほしいとムカラに伝える。 ゴリラは所有物ではなく、労働許可書で雇われているだけの外国人だと言われたフォッシーは、弱っているパッカーを元気にしてヴァン・ヴェクテンに渡す代わりに、5人の男を山で訓練して対密猟レンジャーを編成することを提案する。 4人で給料は半分持つ条件を提示されたフォッシーは、3人で給料は役所が負担することでムカラを納得させる。 その後パッカーは元気になり、キャンベルが戻り、フォッシーはレンジャー部隊を雇ったことを彼に伝える。 キャンベルにパッカーがさらわれた件を話そうとしたフォッシーは、すでにそれがロンドンやニューヨークに伝わり、自分が伝説になりつつあることを知らされる。 妻と離婚について話し合ったことを伝えたキャンベルは、フォッシーとの愛を確かめて将来について語る。 翌日キャンベルは、部屋に呪いの人形が置かれていることに気づき、バトワ族を警戒するよう忠告するものの、フォッシーは気にしていなかった。 パッカーをヴァン・ヴェクテンに引き渡すことになり、フォッシーは悲しむ。 その後フォッシーは、新しい生活を始めるために、若者に調査を任せることをキャンベルに提案されるものの、ゴリラたちと別れる気になれなかった。 キャンベルは仕事でボルネオに向かうことになり、それに誘われたフォッシーは、この地を離れる気になれず、彼に別れを告げる。 5年後。 ムカラに呼ばれたフォッシーは、ヴァン・ヴェクテンが動物園用にゴリラを欲しがっていると言われ、パッカーが1年で死んだことを知らされる。 フォッシーは、リーキーが亡くなり帰国も考えたことを研修生に話しながら山に向かい、初めて見るゴリラに遭遇する。 研修生を落ち着かせたフォッシーは、ただの脅しだと言って彼らを安心させる。 その頃ヴァン・ヴェクテンは、バトワ族にゴリラを捕獲するよう指示し、2倍の料金を払うことを伝える。 ブレンダンは、自分の望む調査をすることを許可せず、ゴリラの安全ばかりを優先するフォッシーに不満を抱く。 キムと共に、父親になるディジットと妊娠しているシンバを観察し終えたフォッシーは、戻ろうとする。 バトワ族はヴァン・ヴェクテンと共にゴリラの群れに近づき、ディジットらはそれに気づく。 騒ぎに気づいたフォッシーは、キムと共にその場に思う。 バトワ族は群れに襲いかかり、ディジットは抵抗するものの、捕らえられる。 頭部と両手首を切断されたディジットの死体を見て、フォッシーは愕然とする。 フォッシーは、捕らえたバトワ族の2人を処刑しようとする。 男を殺さずに脅したフォッシーは、警察に連行させる。 キムはショックを受け、ブレンダンに批判されたフォッシーは、ディジットの遺体の前で、懲らしめなければいつまでも続くと言って彼を黙らせる。 涙するキムを睨むフォッシーは、あなたちに無駄な時間を割いたと伝える。 苛立ちながらバトワ族の村落に向かったフォッシーは、誰もいなかったために、止するセンバガーレを無視して家を焼き払う。 戻ったフォッシーは、ブレンダンとキムが愛し合っている姿を見て激怒し、彼らを解雇して追い出す。 興奮するフォッシーに罵倒されたセンバガーレは、彼女を落ち着かせて、いつも味方だと思っているが、今日の行いは恥だと言いながら、泣き崩れる彼女を気遣う。 その後、落ち着いたフォッシーは、ディジットを埋葬する。 センバガーレと共にゴリラの群れの場所に向かったフォッシーは、シンバがいないことに気づく。 シンバが無事に出産したことを知ったフォッシーは、子供の薬指と小指が、父親ディジットと同じようにくっついていることをに気づく。 町に向かったフォッシーは、旅立つヴァン・ヴェクテンに話しかけ、指輪を見て、動物の儲けで手に入れたのかと彼に皮肉を言う。 最初に野生の動物を見たのは動物園だったはずだと言われたフォッシーは、ヴァン・ヴェクテンの腕をつかみ、指輪をしている指をなくしたいのかと伝える。 フォッシーは、自分のゴリラたちに近づいたら、手を灰皿にすると言ってヴァン・ヴェクテンを脅す。 後悔すると言って走り去るヴァン・ヴェクテンを殺し屋呼ばわりしたフォッシーは、彼を罵倒する。 その後フォッシーは、センバガーレから、観光も邪魔していると思っているムカラにも恨まれていると言われ、労働許可も停止されると忠告される。 それを気にしないフォッシーは、3年間の労働許可書をもらったことをセンバガーレに伝える。 1985年12月27日。 フォッシーは、センバガーレらによってディジットの隣りに埋葬される。 葬儀に参列したロズは、フォッシーとディジットの写真を墓に飾る。 センバガーレは、フォッシーとディジットの墓を石で結び、2人の魂が共に安らかに眠ることを願いその場を去る。 ダイアン・フォッシーが命を捧げた仕事は実を結び、密猟は激減し、絶滅に瀕していたマウンテン・ゴリラは、種を存続させることが可能になった。 彼女の情熱と魂は生き続け、ゴリラも増え続けている。 彼女の死は謎に包まれている。
...全てを見る(結末あり)
フォッシーは、ブレンダン(イアン・グレン)、ラリー(デヴィッド・ランズベリー)、キム(マギー・オニール)ら3人の研修生を迎える。
ゴリラたちの写真を見ながら酒を飲み眠ってしまったフォッシーは、侵入した何者かに斬り殺される。
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*(簡略ストー リー)
1967年、コンゴ。
霊長類の研究に人生を捧げることを決めたダイアン・フォッシーは、尊敬する古人類学者のルイス・リーキーの協力を得て、絶滅寸前のマウンテン・ゴリラの現状調査のために目的地に向かう。
案内人のセンバガーレを雇い山に着いたフォッシーは、苦労しながらもゴリラの群れを見つけ、調査を開始する。
その後フォッシーは、”ナショナルジオグラフィック”から派遣された写真家ボブ・キャンベルと親交を深め、やがて愛し合うようになる。
密猟者が、現地のバトワ族を雇い動物の捕獲を始めたことを知ったフォッシーは、命を懸けてゴリラを守ろうとするのだが・・・。
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霊長類学者のダイアン・フォッシーが、”マウンテン・ゴリラ”の調査に人生を捧げる姿描く実録ドラマ。
大自然の美しい映像と共に、主人公ダイアン・フォッシーの人間性などを見事に描く、マイケル・アプテッドの演出手腕が見どころの作品。
ゴリラに危害を加える者たちに対する過激な行動の反面、作業療法士としての経験などを活かし、子供たちとは良好な関係を保ち親切に接したダイアン・フォッシーの人柄の描写など、細やかな演出も見逃せない。
主演のシガニー・ウィーバーは、マウンテン・ゴリラの調査に人生を捧げながら謎の死を遂げる主人公ダイアン・フォッシーを見事に演じ、第61回アカデミー賞では主演女優賞に、そして、直後に公開される「ワーキング・ガール」(1988)では助演賞にと、ダブルノミネートされるという当たり年となった。
*アカデミー賞
・他のノミネート
脚色・編集・作曲・録音賞
シガニー・ウィーバーは、実際にマウンテン・ゴリラの群れの中に入り撮影を行い、多くの場面でリック・ベイカーによる特殊メイクの着ぐるみも使われている。
スターであるシガニー・ウィーバーが襲われる危険性がある中で撮影された、緊迫感があるゴリラとの交流シーンは、当時話題になった。
主人公と愛し合うようになる”ナショナルジオグラフィック”の写真家ボブ・キャンベル役ブライアン・ブラウン、主人公の世話をする現地に住むアメリカ人ロズ・カーのジュリー・ハリス、主人公を支える案内人ジョン・オミラ・ミルウィ、主人公に調査を任せる古人類学者ルイス・リーキー博士役イアン・カスバートソン、主人公と対立する密猟者コンスタンティン・アレクサンドロフ、現地の役人ワイグァ・ワシラ、主人公が世話をする研修生役で若き日のイアン・グレン、デヴィッド・ランズベリー、マギー・オニール、他、マイケル・J・レイノルズ、ヘレン・フレイザー、デヴィッド・マドックなどが共演している。