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グッド・ウィル・ハンティング Good Will Hunting (1997)

心を閉ざす天才青年が妻に先立たれた同じような境遇の心理学者との交流を通して成長していく姿を描く、監督ガス・ヴァン・サント、出演のマット・デイモンベン・アフレックが脚本を担当しオスカーを受賞、共演ロビン・ウィリアムス(同助演賞受賞)によるヒューマンドラマ秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)

マット・デイモン / Matt Damon 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:ガス・ヴァン・サント

製作総指揮:
ボブ・ワインスタイン

ハーヴェイ・ワインスタイン
ジョナサン・ゴードン
スー・アームストロング
製作:ローレンス・ベンダー
脚本:
マット・デイモン

ベン・アフレック
撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ
編集:ピエトロ・スカリア
音楽:ダニー・エルフマン
主題歌:エリオット・スミスMISS MISERY

出演
ウィル・ハンティング:マット・デイモン
ショーン・マグワイア:ロビン・ウィリアムス
チャッキー・サリヴァン:ベン・アフレック
スカイラー:ミニー・ドライヴァー
ジェラルド・ランボー:ステラン・スカルスガルド
モーガン・オマリー:ケイシー・アフレック
ビリー・マクブライド:コール・ハウザー

アメリカ 映画
配給 ミラマックス

1997年製作 126分
公開
北米:1997年12月5日
日本:1998年3月7日
制作費 $10,000,000
北米興行収入 $138,433,440
世界 $225,933,440


アカデミー賞 ■
第70回アカデミー賞

・受賞
助演男優(ロビン・ウィリアムス
脚本賞
・ノミネート
作品・監督
主演男優(マット・デイモン
助演女優(ミニー・ドライヴァー
主題歌・音楽・編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
MITマサチューセッツ工科大学)。
著名な数学教授ジェラルド・ランボー(ステラン・スカルスガルド)は、ある講義で学生達に難問を課す。

MITの清掃員ウィル・ハンティング(マット・デイモン)は、誰にも知られずに、廊下の黒板のその難問を簡単に解いてしまう。

学生の知らせで、黒板に向かったランボーは驚いてしまい、 教授仲間でも、解くのに2年かかった、さらなる難問を掲示する。

ウィルは、生立ちに恵まれず、生き甲斐もない毎日を送り、チャッキー・サリヴァン(ベン・アフレック)、モーガン・オマリー(ケイシー・アフレック)、そして、ビリー・マクブライド(コール・ハウザー)らと遊び回り、トラブルも起こしていたが、数学や科学、法律の知識などに長けた天才青年だった。
...全てを見る(結末あり)

ウィルは再び黒板の問題を解くが、ランボーに見つかり、その場から逃げ去ってしまう。

ある夜ウィルは、ハーバード大の学生がたむろするバーで、知識をひけらかす学生を圧倒してしまう。

ウィルはその場で、医学生スカイラー(ミニー・ドライヴァー)と知り合い、彼女はウィルに惹かれて電話番号を教える。

翌日、ランボーは、自分の難問を解いたウィルの身元を知り、傷害罪で拘束され、保護観察下の彼の身柄を引き取ろうとする。

但し、毎週自分と数学の研究をして、セラピーを受けることを条件にする。

フィールズ賞受賞者のランボーも舌を巻く、ウィルの才能は信じ難いものだった。

しかし、数学の研究には熱心に通うものの、紹介されたセラピストを、ウィルは見下して全く相手にしない。

ランボーは、誰にも心を開かないウィルを、天才数学者ラマヌジャンの再来だと言って、大学の同期生で大学講師のショーン・マクガイア(ロビン・ウィリアムス)に預けようとする。

ウィルはショーンと対面し、いきなり、彼の亡くなった妻を侮辱してしまう。

ショーンは激怒するが、彼はセラピーを引き受けることをランボーに伝える。

その間ウィルは、スカイラーと何度かデートを重ねるが、 それ以上の関係にはならなかった。

翌週ショーンは、知識だけで、真実を知らないウィルを非難し、自分を語れば、その時には耳を傾けると言ってその場を立ち去る。

その後のウィルは、セラピーで沈黙してしまい、ようやく口を開くと、スカイラーについての他愛ないことを話し出すだけだった。

ショーンはウィルに、何事も経験だと彼女との真剣な交際を勧める。

ウィルは、スカイラーが勉強に追われていたため、待ちきれずにその手助けをして、彼女を誘う。

スカイラーとのひと時を楽んだウィルだったが、家族のことや生立ちを話す気にはなれなかった。

セラピーはその後も続くが、ウィルはショーンの妻との思い出話などをすることに終始する。

スカイラーとの愛が深まったウィルは、友達や兄弟に会いたがる彼女にチャッキー達を紹介するが、家族に会わせることは拒んでしまう。

ランボーは、ウィルの才能を欲しがる企業や政府機関からの申し出に、セラピーの進行を焦らせて、ショーンと衝突してしまう。

ウィルは、ランボーに紹介された企業の面接にチャッキーを行かせてしまい、彼は、面接担当者に金をせびって帰ってきてしまう。

西海岸行きを決めたスカイラーは、ウィルも誘うが、彼はボストンを離れることを拒む。

ウィルはスカイラーを失う恐れで混乱し、孤児で、虐待を受けた自分の生い立ちを明かし立ち去ってしまう。

ランボーとの研究にも飽きたウィルは、自分の才能が彼よりはるかに上回ることを見せつけてしまい、ランボーもそれを認めて愕然とする。

そんなウィルは、ショーンの「何がしたい?」という単純な問いかけに答えることができない。

ウィルは動揺するが、それを受け入れられないショーンは、彼を見限ってしまう。

そして、ウィルはスカイラーに別れを告げ、彼女はボストンを去って行く。

相変わらず自分の道を決めず、無駄な人生を送ろうとするウィルに、チャッキーは、”こんな生活は自分達だけでいい、 お前は才能を生かせ”と忠告して彼を突き放す。

ウィルの保釈も取り消されそうな状況で焦るランボーに対し、ショーンは、彼の敗者を見下す尊大な態度を非難し、ウィルを潰させないと激しく言い寄る。

そこにウィルが現れ、自分とランボーの確執を説明したショーンは、セラピーを始める。

ショーンは、裁判所に提出するウィルの鑑定書を見ながら、自分にも虐待された経験があることを語る。

するとウィルも自分の経験を話し始め、ショーンは、”不幸な生い立ちは、君のせいじゃない”と語りかける。

そして、ウィルはショーンの腕の中で泣き崩れ、ついに彼に心を開く。

ウィルは、ショーンのセラピーも終え、旅に出ると言う彼と、今後も会うことを約束する。

就職も決まったウィルは、仲間達から21歳の誕生祝に車を贈られる。

ショーンはランボーと和解し、その後、旅の準備を始める。

ウィルはショーンのアパートを訪れ、ポストにメモを残す。

いつものようにウィルを迎えに行ったチャッキーは、彼が居ないことに気づき笑みを漏らす。

”就職の件で教授が連絡してきたら、すまないと伝えてくれ、俺は彼女に会いに行く”という、ウィルのメモを見たショーンは満足気な表情を浮かべる。

そして、ウィルはボストンを旅立つ。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
MITマサチューセッツ工科大学))の数学教授ランボーは、自分が学生に課した難問を、いとも簡単に解いた清掃員の青年ウィル・ハンティングに目を付け、保護観察中の彼を引き取る。
ランボーは、自分との研究とセラピーを受ける条件をウィルに承諾させるが、不幸な生い立ちの彼は、誰にも心を開こうとしない。
そこでランボーは、同期生の心理学者ショーンにウィルを任せ、何とか”世紀の逸材”を正しい道に導こうとするのだが・・・。
__________

マット・デイモンハーバード大学在学中に執筆した戯曲を、親友のベン・アフレックと共に脚本にして評価されるものの、結局、映画化には約5年の歳月を要した作品。
結果、作品はもとよりその脚本は絶賛されて各映画賞を総なめにした。

同じ年、「タイタニック」(1997)旋風が吹き荒れる中、第70回アカデミー賞では、作品賞をはじめ9部門でノミネートされ、ロビン・ウィリアムスの助演男優賞と脚本賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
主演男優(マット・デイモン
助演女優(ミニー・ドライヴァー
主題歌・音楽・編集賞
*脚本賞を受賞した当時27歳と25歳のマット・デイモンベン・アフレックの才能には驚くばかりだ。

当時、メディアやマスコミは、この二人の才能をもてはやし、大変な騒動だったことを思い出す。

北米で約1億3800万ドルの興行収入を上げ、全世界では約2億2600万ドルのヒットとなった。

世の中の全ての事を理解し、制覇できそうな頭脳を持ちながら、ガラス細工のようなもろさを見せる青年の傷ついた心を、ガス・ヴァン・サントは、彼らしい繊細なタッチで、見事に描き切っている。

アカデミー賞候補にもなった、落ち着いたムードのダニー・エルフマンの音楽、エリオット・スミスの主題曲”Miss Misery”も印象深い曲に仕上がっている。

天才的頭脳の持ち主ではあるが、体全体が影に覆われているような雰囲気を持つ青年を見事に演じたマット・デイモンは、既に10年近く続いていた下積み生活を脱して一気にその才能を開花させ、ハリウッドの頂点を目指すきっかけになった作品でもある。

アカデミー助演賞を受賞したセラピスト役ロビン・ウィリアムスは、いつもの彼からは想像出来ないほどの、落ち着いた表情や物腰のシリアスな演技に徹し、その存在感を強烈にアピールしている。

また、何度か気の効いたジョークを言う場面があるが、そんなシーンでは天才コメディアンの片鱗が見え隠れして面白い。

長くて難解な台詞も時折あるが、落ちこぼれ青年ベン・アフレックが、寂しい気持ちを押さえながら”自分の才能を活かして旅立て”と、主人公を突き放すシーンは、説得力があり泣かせてくれる。

ハスキー・ボイスも魅力的な、インテリだが嫌味のない医学生を演ずるミニー・ドライヴァーの好演も光る。

近寄り難い雰囲気を持つ数学者を演ずるテラン・スカルスガルドが、ウィルの才能の前に次第に凡人に見えてくる演技と演出 も注目だ。

ウィルの仲間達で、ベン・アフレックの実弟ケイシー・アフレックコール・ハウザーなどが共演している。


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