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グッドモーニング, ベトナム Good Morning, Vietnam (1987)

実在のDJエイドリアン・クロナウアーサイゴンでの活躍を描く、監督バリー・レビンソン、主演ロビン・ウィリアムズの熱演が光る、フォレスト・ウィテカーブルーノ・カービーJ・T・ウォルシュノーブル・ウイリンハム共演のヒューマン・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督:バリー・レビンソン

製作
マーク・ジョンソン

ラリー・ブレズナー
脚本:ミッチ・マーコウィッツ
撮影:ピーター・ソーヴァ
編集:ステュー・リンダー
音楽:アレックス・ノース

出演
エイドリアン・クロナウアー上等兵:ロビン・ウィリアムズ

エドワード・ガーリック上等兵:フォレスト・ウィテカー
トゥアン/ファン・ドク・トー:ドゥング・タン・トラン
トリン:チンタラー・スカパット
スティーヴン・ホーク少尉:ブルーノ・カービー
ディッカーソン上級曹長:J・T・ウォルシュ
テイラー准将:ノーブル・ウイリンハム
リー・ドライウィッツ:ロバート・ウール
エイバーソルド:リチャード・エドソン
エディ・カーク:フロイド・ヴィヴィーノ
ジミー・ワー:クー・バ・ヌグエン

アメリカ映画
配給 タッチストーン・ピクチャーズ

1987年製作 118分
公開
北米:1987年12月23日
日本:1988年10月15日
製作費 $13,000,000
北米興行収入 $123,922,400


アカデミー賞 ■
第60回アカデミー賞

・ノミネート
主演男優賞(ロビン・ウィリアムズ


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1965年、サイゴン
アメリカ陸軍のエドワード・ガーリック上等兵(フォレスト・ウィテカー)は、テイラー准将(ノーブル・ウイリンハム)がラジオ局のAFRSに呼び寄せた、空軍の人気ディスクジョッキー、 エイドリアン・クロナウアー(ロビン・ウィリアムズ)をに迎えに行く。

クロナウアを、基地の飛行場で迎えたガーリックは、その瞬間から彼を気に入ってしまう。

早速、局に向かったクロナウアーは、テイラー将軍の歓迎を受け、直属の上官スティーヴン・ ホーク少尉(ブルーノ・カービー)と責任者ディッカーソン曹長(J・T・ウォルシュ)に挨拶する。

元々、人気DJが必要か否かで、テイラー将軍に意見していたディッカーソンは、クロナウアーの服装や態度をいきなり非難し、それを正すよう強い口調で警告する。
...全てを見る(結末あり)

翌早朝、ガーリックに無理矢理に起こされたクロナウアーは、DJのリー・ドライウィッツ(ロバート・ウール)と入れ替わりで、サイゴンでの第一声を発する。

”グ~~~~モーニング, ベトナム!!”

クロナウアーは、ムード音楽で兵士を癒そうとする従来の放送を全く無視し、きわどい言葉をまくし立て、ロックを多用した放送を始めてしまう。

ガーリックやドライウィッツら、放送担当者は驚いてしまい、クロナウアーの放送は兵士達にも大受けする。

しかし、ディッカーソンと同じ意見のホークは、当然のごとくクロナウアーの放送にけちをつける。

クロナウアーはそれを気にもせず、普段から上官ホークに敬意を払わないガーリックらは、彼の話を笑い飛ばす。

ある日、クロナウアーは、現地の女性トリン(チンタラー・スカパット)を街角で見かけ一目惚れしてしまう。

クロナウアーは、トリンが通う英語学校の教師に成りすまし、彼女に接近しようとする。

その後クロナウアーは、居合わせたトリンの兄トゥアン(ドゥング・タン・トラン)と親しくなる。

トゥアンは、妹が目的のクロナウアーを警戒するものの、ジミー・ワー(クー・バ・ヌグエン)のバーで、アメリカ兵に侮辱された自分を、体を張って助けようとした彼を信用する。

クロナウアーは、バーで暴れたことを、ディッカーソンに脅されるように責められるが、彼は一向に怯まない。

その後、クロナウアーは、ようやくトリンと会うことができて喜ぶものの、彼女の親戚10人を引き連れてのデートだった。

ベトナムを訪れた、ニクソン元副大統領までも茶化してしまったクロナウアーに、怒り心頭のホークとディッカーソンは、テイラー将軍にそれを訴えるが、将軍は大目に見て二人を追い払う。

その日の午後、クロナウアーがジミー・ワーのバーにいると、トゥアンが現れて彼を外に連れ出す。

次の瞬間、アメリカ兵を狙ったと思われるテロで、バーが爆破されてしまう。

怒りを露にしたクロナウアーは、ディッカーソンが制止したにも拘らず、そのテロについて放送でしゃべってしまう。

ホークとディッカーソンは、テイラー将軍にクロナウアーの暴挙を再び訴え、将軍は彼を停職にする。

クロナウアーの後任を努める、ホークの原稿の悪さを指摘するガーリックやドライウィッツは、何とか放送を止めさせようとする。

しかし、それを無視して始めたホークの放送は最悪にも拘らず、彼は、自分には笑いの才能があると思い込む。

気落ちするクロナウアーを励まそうと、トゥアンは彼を自分の村に連れて行く。

その後、局にはクロナウアーの復帰を望む声が殺到し、テイラー将軍は彼を復帰させようとする。

しかし、村でトリンに交際を断られたクロナウアーは、抜け殻のようになってしまう。

ガーリックは、クロナウアーを励まして復帰を促すが、彼はそれを聞き入れようとしない。

そんなクロナウアーは、前線に向かう兵士達に通りで遭遇して、彼らの要求でパフォーマンスを披露する。

死に直面する前の兵士らの笑顔で、ガーリックが言う通り、彼らが自分を求めていることを知ったクロナウアーは、それをきっかけに息を吹き返す。

その後ディッカーソンは、クロナウアーとガーリックを危険地帯と知りながら、取材に向かわせる。

地雷の爆発で車を失った二人は、その場に現れたベトコンの捜索を逃れ、森林地帯を徒歩で進む。

その頃、二人が危険地帯に向かったことを知ったトゥアンが、車で現場に向かう。

トゥアンは二人を見つけるが、車が故障してしまい、徒歩でサイゴンに戻ろうとした三人は、運良くヘリコプターに救出される。

局に戻ったクロナウアーは、ディッカーソンから除隊を言い渡される。

クロナウアーの、息の根を止めようとするディッカーソンは、トゥアン、別名ファン・ドク・トーがベトコンで、テロに絡んでいることを彼に知らせる。

今回は、テイラー将軍もクロナウアーをかばいきれなかったものの、将軍は、ディッカーソンの性格の悪さを非難し、グアムへの左遷を言い渡す。

トゥアンの危険を知ったクロナウアーは、トリンから彼の居場所を知らされる。

しかし、トゥアンから、アメリカ人に殺された家族や隣人のことを聞いたクロナウアーは、やり切れない思いでその場を去る。

クロナウアーは帰国することになり、ガーリックやMPと共に飛行場に向かう途中、偽教師を続けていた英語学校に通う人々と、ソフトボールをして楽しい時間を過ごす。

その場に姿を見せたトリンに、別れを告げたクロナウアーは、飛行場に向かい、ガーリックにメッセージを録音したテープを渡してサイゴンを飛び立つ。

そして、局に戻ったガーリックは、クロナウアーの別れの言葉を放送で流す。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
サイゴンの軍ラジオ局AFRSに呼び寄せられた人気DJエイドリアン・クロナウアーは、奇抜な語り口とロックを多用した放送で、兵士達の心を掴み人気者になる。
しかし、上官ホークや局の責任者ディッカーソンは、兵士としての品位を欠くクロナウアーの言動が気に入らない。
司令官テイラー准将は、クロナウアーの、兵士達の心を癒す放送を擁護し、局担当兵士ガーリックやドライウィッツも彼を支持する。
そんな時、クロナウアーは街で見かけた現地人の女性トリンに一目惚れし、その兄トゥアンと親しくなっていく。
しかし、クロナウアーを追い払おうとする、ディッカーソンやホークの圧力は次第に激しくなる・・・。
__________

バー爆発テロの場面などはあるものの、ベトナム戦争を舞台にした作品にしては、戦争の生々しい戦いを描写したシーンはほとんど見られない作品。

戦争の無意味さ、人種差別、アメリカの一方的介入を、バリー・レビンソンは、現地の人々と親交を深める主人公の目を通して、それらを真正面から描こうとしている。

型破りなだけでない人間味のある主人公や、抑圧されながらも、健気に生きる現地の人々の生活や心情を細かな描写で表現する、数々のシーンは感動を呼ぶ。

興行成績は、北米で約1億2400万ドルのヒットとなった。

第60回アカデミー賞では、主演男優賞(ロビン・ウィリアムズ)にノミネートされた。

ロビン・ウィリアムズは、誰にも真似できないであろう才能を存分に発揮している。

そのマシンガントークは、セリフかアドリブなのか全く区別がつかないほどであり、驚異的なパフォーマンスを見せる。

主人公に惚れ込む、やや間の抜けた一等兵役のフォレスト・ウィテカーも、演技派として成長する、その実力の片鱗を見せてくれる。

クロナウアーを厄介払いしようとする、三枚目風のブルーノ・カービーと、憎らしいことこの上ないJ・T・ウォルシュの、両上官の熱演も”敵役”として印象深い演技を見せいる。

現地の若者兄妹役、ドゥング・タン・トランチンタラー・スカパットや英語学校の人々の、飾り気のない演技も実に爽やかだ。

また、クロナウアーを擁護し続ける司令官ノーブル・ウイリンハムの、痛快な演技も光る。

DJのロバート・ウールフロイド・ヴィヴィーノ、局員兵リチャード・エドソン、バーのオーナーのクー・バ・ヌグエンなどが共演している。


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