デニス・レヘインの小説、”探偵パトリック&アンジー”の4作目(1998)の映画化。 少女誘拐事件捜査の依頼を受けた恋人同士の探偵が隠された秘密を知るまでを描く、監督ベン・アフレック、ケイシー・アフレック、ミシェル・モナハン、モーガン・フリーマン、エド・ハリス他豪華スター競演のミステリー・サスペンス。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ベン・アフレック
製作総指揮:デヴィッド・クロケット
製作
アラン・ラッドJr.
ショーン・ベイリー
ダン・リスナー
原作:デニス・レヘイン
脚本
ベン・アフレック
アーロン・ストッカード
撮影:ジョン・トール
編集:ウィリアム・ゴールデンバーグ
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演
ケイシー・アフレック:パトリック・ケンジー
ミシェル・モナハン:アンジー・ジェナーロ
モーガン・フリーマン:ジャック・ドイル警部
エド・ハリス:レミー・ブレサント刑事
ジョン・アシュトン:ニック・プール刑事
エイミー・ライアン:ヘリーン・マックリーディ
エイミー・マディガン:ベアトリス“ビー”マックリーディ
タイタス・ウェリヴァー:ライオネル・マックリーディ
マデリーン・オブライエン:アマンダ・マックリーディ
スレイン:ジェローム”ブッバ”ミラー
エディ・ガテギ:チーズ
マイケル・ケネス・ウィリアムズ:デヴィン
マーク・マーゴリス:レオン・トレット
マシュー・マハー:コーウィン・アール
アメリカ 映画
配給 ミラマックス
2007年製作 113分
公開
北米:2007年10月19日
日本:未公開
製作費 $19,000,000
北米興行収入 $20,300,200
世界 $34,619,700
■ アカデミー賞 ■
第80回アカデミー賞
・ノミネート
助演女優賞(エイミー・ライアン)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ボストンでアマンダ(マデリーン・オブライエン)という4歳の少女が誘拐される。
パトリック・ケンジー(ケイシー・アフレック)とアンジー・ジェナーロ(ミシェル・モナハン)は、恋人同士で私立探偵をしていたが、その事件の報道を、居たたまれない気持ちで見ていた。
ある朝、アマンダの叔母ビー・マックリーディ(エイミー・マディガン)と夫のライオネル(タイタス・ウェリヴァー)が、パトリックとアンジーのアパートを訪れる。
裏社会の人間に詳しいパトリックに、ビーはアマンダ捜索の協力を依頼する。 既に大掛かりな警察の捜査が始まっていることで、2人はそれを断ろうとするのだが、アマンダの母親ヘリーン(エイミー・ライアン)に会うことを承諾する。 惨い事件の結末に立ち会いたくないアンジーは、仕事を受けるのを嫌がるが、とりあえず事情を聞くことにする。 パトリックとアンジーは、ヘリーンがアルコール依存症だということや、自堕落な生活を送っていることを知る。 そこに現れた事件担当のジャック・ドイル警部(モーガン・フリーマン)は、2人が雇われたことに不快感を示す。 ドイルの忠告に対し、アマンダを助けたい気持ちが勝ったパトリックとアンジーは、捜査を始めることにする。 ヘリーンが、アマンダまで連れて入り浸っていたバーで、パトリックとアンジーは、彼女が麻薬常習者だったことを知る。 ドイルは、一応担当刑事レミー・ブレサント(エド・ハリス)とニック・プール(ジョン・アシュトン)らを、パトリック達に協力させることを約束する。 2人の刑事に接触したパトリックとアンジーは、少ないながら情報を入手して聞き込みを続ける。 麻薬絡みのチーズ(エディ・ガテギ)という男の名が浮上し、ヘリーンが彼の金13万ドルを盗んだため、アマンダが誘拐された可能性が出てくる。 現金の隠し場所で、ヘリーンと一緒に逃げた男が殺されているのが見つかるが、ブレサントとプールが見つかった現金を押収する。 チーズに金を返しアマンダを連れ戻そうとするブレサントとプールだったが、パトリックとアンジーが交渉に向かう。 しかし、チーズはアマンダのことを知らず、事態は進展しないまま、裏取引がドイル警部にバレてしまう。 パトリックのアパートに、アマンダの毛布と現金引渡しの指示書が届く。 ドイルに言い寄られたパトリックらは、娘を殺された過去がある、彼の指示に従った取り引きをすることになる。 取り引き現場の、採石場跡の人工湖に向かったパトリックらだったが、突然銃撃がありチーズは殺され、闇の中で湖面に何かが落ちる。 アンジーが咄嗟に飛び込むが、アマンダは見つからず、彼女は足を負傷して病院に運ばれる。 結局アマンダは不明のまま、ドイルが一人で責任を取り辞任し、パトリックらが責められることはなかった。 やがて、アマンダの捜査は打ち切られ、彼女の死亡証明書が発行され、葬儀が執り行われる。 アンジーは一人で苦しむことが度々あり、パトリックは、遺体の見つからない事件が気になる毎日を送る。 そんな時、2ヶ月も経たないうちに、新たな事件が起きる。 パトリックは、情報屋のブッバ・ミラー(スレイン)に連れられ、ブレサントらが追っていた変質者レオン・トレット(マーク・マーゴリス)らのアジトで、幼児性愛者のコーウィン・アール(マシュー・マハー)をみつける。 ブレサントとプールがそこに押し入ろうとするが、プールは撃たれ、トレットは射殺、パトリックが誘拐された少年の遺体を発見してコーウィンを射殺する。 アマンダが誘拐されるきっかけになった、タレコミ屋のことを15年も前から知っていたブレサントが、コーウィンを射殺したことでパトリックは悩む。 ブレサントは、悪を野放しにしないためには、手段を選んではいられないことをパトリックに話し聞かせる。 やがてプールは死亡し、パトリックはブレサントの嘘が気になり、彼の同僚に接触する。 パトリックは、ブレサントがチーズより先に、現金が盗まれたのを承知していたことを知る。 ブレサントとアマンダの伯父ライオネルが、知り合いだったことに気づいたパトリックは、彼を酒場に呼び出して追求し、ブレサントと共謀した。現金強奪とアマンダ誘拐を告白させる。 その場に押し入ってきた暴漢に、パトリックとライオネルは銃を向けられるが、暴漢は、店のバーテンダーに撃たれ、そのまま逃亡する。 ブレサントだった暴漢を追い詰めたパトリックだったが、彼の前でブレサントは息絶える。 パトリックはドイルの元に向かい、彼が不遇なアマンダを救い、娘を亡くした自分のために、全てを仕組んでいたことを知らされる。 数十年すれば、それが理解できるとドイルに言われたパトリックだが、彼の意見には同調できない。 アマンダが幸せそうだと言う、アンジーの言葉も理解できないパトリックは警察に通報し、ドイルは逮捕されて、アマンダは保護される。 その後、アマンダはヘリーンの元に戻り、パトリックは、それを複雑な思いで見つめる。 やがてアンジーはパトリックの元を去り、彼は暇を見てはアマンダの様子を見に行く。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ボストン。
アマンダという4歳の少女が誘拐され、恋人同士である私立探偵パトリック・ケンジーとアンジーが、少女の叔母夫婦に調査を依頼される。
既に大掛かりな警察の捜査が始まっていたため、パトリックとアンジーはそれを断ろうとするが、2人はアマンダの母親ヘリーンに会うことを承諾する。
2人は、ヘリーンがアルコール依存症で自堕落な生活を送っていることを知り、アマンダを気の毒に思い、調査を受けることにする。
やがて、2人が事件に関わっていることを知った、担当のドイル警部は不快に思う。
その後、ヘリーンが麻薬常習者だと分かり、パトリックとアンジーは、今回の件が、それに絡む誘拐事件だと考えるのだが・・・。
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ベン・アフレックが監督、脚本を担当し、弟のケイシー・アフレックを主人公役に起用した作品で、興行的には成功はしなかったものの、各映画賞などで高い評価を受けた作品。
第80回アカデミー賞では、エイミー・ライアンが助演女優賞にノミネートされた。
単純に見える幼女誘拐の裏にある、麻薬や殺人などの大きな社会問題も一つのテーマとして捉え、幼女の将来のためを思い苦悩する人々の人間模様や、若者と初老の警官、母子を見つめる女性の視点等を繊細に描いた、ベン・アフレックの演出が光るサスペンスの秀作と言っていい作品。
冒頭から近親者の犯行の雰囲気を漂わせ、刑事も絡む犯行となり、さらにはその上をいく真実も解明されるという、予測が当たっていく痛快さとは裏腹に、歪んだ社会の現実が重くのしかかり、考えさせられてしまう作品でもある。
いかにも人生経験が浅いように見える主人公のケイシー・アフレックだが、裏社会の人間に怯まず、恋人を捨ててまでも貫き通す、固い信念を持つ青年を好演している。
彼を支えきれない辛い立場の恋人ミシェル・モナハン、作品に重みを加え、驚きの”黒幕”として存在感を示すモーガン・フリーマンと共謀者のエド・ハリス、殉職する同僚ジョン・アシュトン、出番は少ないが、ふしだらな母親役を熱演するエイミー・ライアン、その義姉でエド・ハリス夫人のエイミー・マディガン、その夫で誘拐の共謀者タイタス・ウェリヴァー、主人公の情報源スレイン、ヤクの密売人役エディ・ガテギ、変質者マーク・マーゴリスな
どが共演している。