ショーガールを見下す大富豪が彼女らの虜になる姿を描く、監督マーヴィン・ルロイ、バスビー・バークレー、主演ウォーレン・ウィリアム、ジョーン・ブロンデル、アリーン・マクマホン、ルビー・キーラー、ディック・パウエル、ガイ・キビー、ジンジャー・ロジャース他共演のミュージカル・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督
マーヴィン・ルロイ
バスビー・バークレー(ミュージカル・シーン)
製作
ロバート・ロード
ジャック・L・ワーナー
原作:アベリー・ホップート”The Gold Diggers”
脚本
アーウィン・ゲルシー
ジェームズ・シーモア
ダイアローグ
ベン・マークソン
デヴィッド・ボーム
撮影:ソル・ポリト
編集:ジョージ・エイミー
音楽:レオ・F・フォーブステイン
出演
J・ローレンス・ブラッドフォード:ウォーレン・ウィリアム
キャロル・キング:ジョーン・ブロンデル
トリクシー・ロレーヌ:アリーン・マクマホン
ポリー・パーカー:ルビー・キーラー
ブラッド・ロバーツ/ロバート・トリート・ブラッドフォード:ディック・パウエル
ファニュエル・H・ピーボディ:ガイ・キビー
バーニー・ホプキンス:ネッド・スパークス
フェイ・フォーチュン:ジンジャー・ロジャース
歌手:エタ・モートン
赤ちゃん役の子役:ビリー・バーティ
メッセンジャー・ボーイ:スターリング・ホロウェイ
犬のセールスマン:ホバート・キャバノー
呼び出し係:バスビー・バークレー
ダンス・ディレクター:ロバート・アグニュー
ゴールド・ディガー:ジョーン・バークレイ
クラブの男性:フェルディナンド・ゴットシャルク
ゴールド・ディガー:アン・ホヴェイ
ジョーンズ刑事:フレッド・ケルシー
記者:チャールズ・レイン
舞台マネージャー:ウォーレス・マクドナルド
記者:ウィルバー・マック
劇場の観客:デニス・オキーフ
公園の男性:フレッド・トゥーンズ
ゴールド・ディガー:ドロシー・ウェルマン
ゴールド・ディガー:ジェーン・ワイマン
ゴールド・ディガー:リン・ブロウニング
エディ:タマニー・ヤング
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1933年製作 97分
公開
北米:1933年5月27日
日本:1933年12月22日
製作費 $433,000
■ アカデミー賞 ■
第6回アカデミー賞
・ノミネート
録音賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク、ブロードウェイ。
”ゴールド・ディガース”のレビューのリハーサルが行われていたが、返済が遅れていたプロデューサーのバーニー・ホプキンス(ネッド・スパークス)は、債権の差し押さえで押し入った捜査官に劇場を閉鎖されてしまう。
職を失った共同生活をするゴールド・ディガースのキャロル・キング(ジョーン・ブロンデル)、トリクシー・ロレーヌ(アリーン・マクマホン)、ポリー・パーカー(ルビー・キーラー)は、訪ねて来た同僚のフェイ・フォーチュン(ジンジャー・ロジャース)から、ホプキンスが新しいショーを計画中だと知らされる。
役を得ようとしたキャロルは、ホプキンスの元に向かう。
ポリーは、向かいのアパートの貧しい作曲家ブラッド・ロバーツ(ディック・パウエル)に惹かれていた。 キャロルからの電話で、ホプキンスを連れて来ると言われたポリーとトリクシーは、仲間たちに電話をする。 アパートを訪ねたホプキンスは、大恐慌をテーマにしたショーを考えていることをキャロルらに話す。 隣りのアパートから聴こえてくるブラッドの曲が気に入ったホプキンスは、彼を部屋に呼ぶ。 ホプキンスは、歌えるブラッドの曲が自分のショーに合うと判断し、彼を採用する。 構想は出来上がっているものの資金がないホプキンスは、ポリーを出演させる条件で1万5000ドル出資すると言うブラッドの話を信じることができない。 明日、現金で渡すとホプキンスに伝えたブラッドはその場を去り、ポリーは彼を追う。 ポリーから冗談はよくないと言われたブラッドは、彼女を信用させる。 翌日、キャロルらとオフィスでブラッドを待っていたホプキンスは、現れた彼から、約束の1万5000ドルを受け取る。 リハーサルは始まり、ブラッドが用意した現金の出処を疑うトリクシーは、銀行員の2万ドル横領事件のことをポリーに話す。 ショーの初日、腰を痛めた役者のゴードンが出演出来なくなり、ホプキンスはブラッドに代役を任せる。 ポリーに励まされたブラッドはステージに上がり、見事な歌声を披露し、華やかなショーは成功する。 記者(チャールズ・レイン)らはブラッドのことを調べ、彼の正体が分かる。 翌日、新聞には、ブロードウェイに出演した大富豪の息子ブラッドの記事が掲載され、本名がロバート・トリート・ブラッドフォードだと分かり、それを知ったキャロルらは驚く。 会員制クラブに呼び出されたブラッドは、ボストンから到着した兄J・ローレンス・ブラッドフォード(ウォーレン・ウィリアム)と顧問弁護士のファニュエル・H・ピーボディ(ガイ・キビー)と話をする。 家名を汚すショーの出演を禁じられたブラッドは、ショーガールとの交際もよく思わないローレンスに、ポリーと結婚するつもりだと言って憤慨し、その場を去る。 ポリーと直接会い話をしようとしたローレンスは、対応したキャロルをポリーだと思い込み、ブラッドとの交際に反対して、ショーガールを侮辱する。 ローレンスが金で解決しようとしたために気分を害したキャロルは、彼らを追い払おうとする。 話を聞いていたトリクシーは、ローレンスらを引き止めて、色仕掛けでピーボディに迫る。 ローレンスをからかおうとしたキャロルとトリクシーは、ボーイ(スターリング・ホロウェイ)らが届けた高級な帽子の代金を、彼らに払わせてしまう。 キャロルとトリクシーと共に出かけたローレンスとピーボディは、2人の作戦にハマってしまう。 ピーボディはご機嫌になり、現れたフェイも気に入る。 ローレンスもキャロルのことが気になり、滞在を伸ばして彼女について調べ、ブラッドから奪うように見せかける考えをピーボディに伝える。 キャロルとトリクシーは、ローレンスとピーボディの件をブラッドとポリーに話す。 ポリーは、ローレンスが自分とキャロルを間違えていることを正直に話すべきだと考えるが、ブラッドは、このままで様子を見ようとする。 キャロルとトリクシーも、ローレンスとピーボディと結婚する方法を考えて計画を練る。 ブラッドとポリーがその計画に絡んでいることも知らずに、ローレンスとピーボディは、キャロルとトリクシーと楽しい時間を過ごす。 キャロルは、ローレンスがポリーと話していることに嫉妬しているように見せかけて、彼の心を捉える。 キャロルと共にアパートに戻ったローレンスは、彼女に愛を告げるものの、酔って眠ってしまう。 部屋に戻ったトリクシーは、キャロルと共に眠っているローレンスをベッドに寝かせて、ふしだらなことをした男と思わせようとする。 ポリーと戻りそれを知ったブラッドは、これから起きることを楽しみにする。 翌朝、キャロルのベッドで目覚めたローレンスは焦り、トリクシーから、昨夜のキャロルとのことを責められる。 何も覚えていないローレンスは、1万ドルの小切手を切って解決しようとする。 それを知ったキャロルは、ローレンスを騙したことを後悔し、彼を愛しているとトリクシーに伝える。 ホテルに戻ったローレンスは、ピーボディがトリクシーを愛してしまったことを知り驚く。 ブラッドとポリーが結婚するという新聞記事を見たローレンスとピーボディは、自分たちが騙されていたことに気づく。 キャロルの元に向かったローレンスは、彼女から、ブラッドと結婚するとも、自分がポリーだとも言っていないと弁解される。 小切手を取り戻そうとしたローレンスは、それが額に入れられ壁に飾られていることを知る。 2人は口論になるものの、愛を確かめ合いキスする。 キャロルは、ブラッドとポリーの結婚は認めないと言うローレンスを残して、ショーが始まる劇場に向かう。 ショーは始まり、ブラッドとポリーが登場する。 ショーを終えたブラッドとポリーは、トリクシーがピーボディと結婚したことを知り、互いに祝福し合う。 そこに現れたローレンスは、ブラッドとポリーの結婚を認めようとしない。 ローレンスは、キャロルから、自分に求婚したと言われて戸惑う。 キャロルが、ポリーの邪魔をするなら結婚しない考えであるため、ローレンスは、ブラッドの利益を守ると伝えて、ジョーンズ刑事(フレッド・ケルシー)に、偽証罪で2人を逮捕させようとする。 次のショーが始まるためにホプキンスは焦り、ジョーンズは長年、警官役を演じた役者だとローレンスに伝える。 ローレンスは、キャロルの小切手をブラッドとポリーに渡し、結婚祝いだと言って2人を祝福する。 ローレンスとキスしたキャロルは、ステージに上がり熱唱する。
...全てを見る(結末あり)
■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストーリー)
ニューヨーク、ブロードウェイ。
失業中のショーガールのキャロルらは、プロデューサーのホプキンスの新しいショーの企画を知る。
キャロルらと話したホプキンスは、隣人の貧しい作曲家ブラッドの曲と歌が気に入り、彼をショーで使うことを考える。
ショーの資金がないことを知ったブラッドは、キャロルの同僚で、惹かれているポリーを出演させることを条件に、1万5000ドルを出資するのだが・・・。
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1919年から上演されたアベリー・ホップートの舞台劇”The Gold Diggers”を基に製作された作品。
1923年と1929年に続く3度目の映画化であり、ドラマ部分はマーヴィン・ルロイが、ミュージカル・シーンはバスビー・バークレーが監督した。
その後、”ゴールド・ディガース”のタイトル作品として、1935年、1937年、1938年にも公開された。
大恐慌時代に製作された作品であり、債権の取り立てや失業などは登場するものの、底抜けに明るい内容に加えて、バスビー・バークレーによる絢爛豪華なミュージカル・シーンは今観ても圧巻だ。
混乱する時代に疲弊した人々の心が、本作によりどれだけ癒されたかが窺える作品でもある。
第6回アカデミー賞では、録音賞にノミネートされた。
2003年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。
男を手玉に取り大金を手に入れる女性を意味する”ゴールド・ディガース”と呼ばれる美しいショーガールたちが、様々な手を使い、大富豪を騙すというより”からかう”様子が、実に愉快に描かれている。
家名を汚す弟をショービジネスから引き離そうとするものの、結局は自分もショーガールに魅了されてしまう、大富豪の御曹司ウォーレン・ウィリアム、彼に惹かれるショーガールを熱演しラストも飾るジョーン・ブロンデル、その同僚であるコメディアンヌのアリーン・マクマホン、同じく富豪だった作曲家に惹かれる、当時のアル・ジョルスン夫人ルビー・キーラー、彼女に惹かれる大富豪の息子である作曲家で、共演のジョーン・ブロンデルとは3年後に結婚するディック・パウエル、ショーガールと結婚することになる大富豪の顧問弁護士を愉快に演ずるガイ・キビー、ショーのプロデューサー、ネッド・スパークス、冒頭で登場し、ヒロインらの友人であるショーガールの1人を印象的に演ずるジンジャー・ロジャース、ショーで歌う歌手のエタ・モートン、赤ちゃん役の子役ビリー・バーティ、ヒロインらに帽子を届けるボーイのスターリング・ホロウェイ、犬のセールスマン、ホバート・キャバノー、劇場の呼び出し係バスビー・バークレー、ダンス・ディレクターのロバート・アグニュー、ゴールド・ディガーのジョーン・バークレイ、アン・ホヴェイ、ドロシー・ウェルマン、リン・ブロウニング、同じく端役出演のジェーン・ワイマン、会員制クラブの男性フェルディナンド・ゴットシャルク、刑事役の役者フレッド・ケルシー、記者のチャールズ・レインとウィルバー・マック、舞台マネージャーのウォーレス・マクドナルド、劇場の観客デニス・オキーフ、公園の男性フレッド・トゥーンズ他、タマニー・ヤングなどが共演している。