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グローリー Glory (1989)

リンカーン・カースティンピーター・バーチャードのそれぞれの著書を基に、ケヴィン・ジャールが脚色して製作された作品。
奴隷解放主義者の発案で結成された”マサチューセッツ第54連隊”の兵士達と南北戦争下で部隊を指揮した士官との親交と戦いを描く、監督エドワード・ズウィック、主演マシュー・ブロデリックデンゼル・ワシントンモーガン・フリーマンケイリー・エルウィス共演の歴史戦争ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(戦争)

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スタッフ キャスト ■
監督:エドワード・ズウィック

製作:フレディ・フィールズ
原作
リンカーン・カースティン”Lay This Laurel”
ピーター・バーチャード”One Gallant Rush”
脚本:ケヴィン・ジャール

撮影:フレディ・フランシス
美術
ノーマン・ガーウッド

ギャレット・ルイス
編集:スティーヴン・ローセンブラム
音楽:ジェームズ・ホーナー

出演
ロバート・グールド・ショーマシュー・ブロデリック

シーラス・トリップ:デンゼル・ワシントン
キャボット・フォーブス:ケイリー・エルウィス
ジョン・ローリンズ:モーガン・フリーマン
ジュピター・シャーツ:ジミー・ケネディ
トーマス・シアーレス:アンドレ・ブラウアー
マルケイ曹長:ジョン・フィン
チャールズ・フェッセンデン・モールスドノヴァン・リーチ
ヘンリー・スターギス・ラッセル:JD・カラム
ジョン・アンドリュー知事:アラン・ノース
サラ・ブレーク・スターギス・ショー:ジェーン・アレキサンダー
チャールズ・ハーカー将軍:ボブ・ガントン
ジェームズ・モントゴメリー大佐:クリフ・デ・ヤング
ピアース:クリスチャン・バスコウス
ジョージ・クロケット・ストロング将軍:ジェイ・O・サンダース

アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ

1989年製作 122分
公開
北米:1989年12月15日
日本:1990年4月14日
製作費 $18,000,000
北米興行収入 $26,830,000


アカデミー賞 ■
第62回アカデミー賞

・受賞
助演男優賞(デンゼル・ワシントン
撮影・録音賞
・ノミネート
編集・美術賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ボストンの富豪で奴隷解放主義者の息子ロバート・グールド・ショー(マシュー・ブロデリック)は、23歳で南北戦争に出征し北軍の指揮官となる。

1862年9月17日、アンティータムの戦い
大尉となり、100人の部下を率い戦いに参加したショーは負傷するものの、一命を取り留めボストンに戻る。

あるパーティーの席上、ショージョン・アンドリュー州知事(アラン・ノース)の推薦で、アフリカ系の者だけで組織される、”マサチューセッツ第54連隊”の指揮官として大佐に任命される。

それを受けたショーは、友人の士官キャボット・フォーブス(ケイリー・エルウィス)と幼馴染みのアフリカ系青年トーマス・シアーレス(アンドレ・ブラウアー)の志願を歓迎する。
...全てを見る(結末あり)

1862年11月27日、
マサチューセッツレッドヴィル・キャンプ。
多くの者がショーの部隊に志願するが、そのほとんどが南部から逃れてきた奴隷で、軍服と食料が目当てだった。

その後、マルケイ曹長(ジョン・フィン)による厳しい予備訓練が始まるが、兵士達は意外に覚えが早く、長い過酷な生活の末に養った生きていく術も彼らの強みだった。

しかし、リンカーン大統領の命令により、北軍の軍服を着たアフリカ系の者及び、それを指揮した士官も処刑されることになってしまう。

ショーは除隊希望者は名乗り出るよう通達するが、士官を含め誰一人として部隊を離れようとしなかった。

銃を手にした兵士達が、おどけている姿を見たショーは、実戦に備えた訓練をするようフォーブスに命ずる。

友人シアーレスにも厳しく接するショーとフォーブスは、意見が対立してしまう。

シアーレスを立派な兵士に育てようとするマルケイは、彼を特に厳しく鍛えようとする。

その後、兵卒のシーラス・トリップ(デンゼル・ワシントン)が、初めての脱走兵として捕らえられ、ショーはマルケイに鞭打ちの罰を命ずる。

ショーは、兵士達の中の長老格ジョン・ローリンズ(モーガン・フリーマン)に意見を求める。

そしてショーは、戦う意欲はあるトリップが、痛めていた足のために、ただ靴が欲しかっただけだということを知る。

補給課に向かったショーは強引に靴を奪い取り、トリップの傷の手当てをさせる。

兵士達は、入隊時に約束された月給を減額されてしまい、トリップがそれに不満を示し騒ぎになる。

ショーは兵士達の意見を尊重し、白人の自分達もそれに同調することを伝える。

そしてショーは、兵士達に真新しい軍服を支給し、連隊はボストンの街を行進する。

連隊は南部に向かい、その貢献度からローリンズが上級曹長に任命される。

1963年6月9日、サウス・キャロライナ州、ビューフォート
ショーは、チャールズ・ハーカー将軍(ボブ・ガントン)に歓迎され、アフリカ系部隊を発案したジェームズ・モントゴメリー大佐(クリフ・デ・ヤング)を紹介される。

ショーの連隊は、物資調達のためにジョージアに向かうモントゴメリーに同行することになる。

1863年6月11日、ジョージア州、ダリエン
分離派を排除しようとするモントゴメリーは、町を焼き払うことをショーに命じ、彼は仕方なく連隊にそれを実行させる。

その後、ショーの部隊は肉体労働ばかりを強いられ、兵士の士気は低下する。

ハーカー将軍の元に出向いたショーとフォーブスは、彼の部隊が略奪品を私物化していることを指摘する。

それを報告することを将軍に伝えたショーは、自分の部隊の出撃許可を得る。

1863年7月16日、サウス・キャロライナ州、ジェームズ島
連隊は初めて南軍と交戦し、多くの犠牲者を出しながら敵を撃退する。

負傷したシアーレスは故郷に帰ることを拒み部隊に残ることを希望し、ショーは彼を残すことを約束する。

ショーは、北軍が”ゲティスバーグの戦い”に勝利して、
ビックスバーグも攻略した報告を受ける。

そして、ジョージ・クロケット・ストロング将軍(ジェイ・O・サンダース)から、”ワグナー砦”攻略を説明されたショーは、先行部隊としてそれに志願する。

戦いの前夜、兵士達は思い思いの気持ちを霊歌として口にし、トリップは人間として死にたいことを涙ながらに語る。

1863年7月18日。
白人兵の激励を受けながら、”第54連隊”は”ワグナー砦”に向けて突撃する。

激しい攻撃を受けた部隊は、日が暮れるまで浜で待機し、その後、再度の突撃を仕掛け、先頭に立ったショーが銃弾を受けてしまう。

それを見たトリップは、連隊旗を手に敵陣に突進し、兵士が後に続く。

そして、激しい戦闘の末、浜辺にはショーやトリップの遺体が横たわっていた。
__________

この戦いで、”第54連隊”は半数以上の兵を失い、後に続いた白人部隊も大きな損害を受け撤退し、砦を落とすことは出来なかった。

しかし、連隊の勇気が議会を動かし、アフリカ系の部隊は承認され、18万人以上の志願兵が集まった。

その後リンカーン大統領は、彼らが戦争の流れを変え勝利にに貢献したと称えた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
南北戦争下、若き北軍指揮官ロバート・グールド・ショーは、アフリカ系の者だけで編成された”マサチューセッツ第54連隊”の指揮官に任命される。
ほとんどが奴隷だった者達が、優秀な兵士、部隊に成ることを確信したショーは、厳しい訓練を実施して、彼らを偏見のない精鋭部隊に鍛えあげる。
その後、南部に派遣された連隊は、ようやく前線で戦うチャンスを掴む。
ショーは、敵の重要拠点である”ワグナー砦”の先行部隊としてそれに志願し、連隊の先頭を切って突撃を仕掛ける・・・。
__________

第62回アカデミー賞では、デンゼル・ワシントンが助演男優賞を、撮影、録音賞も受賞した。
・ノミネート
編集、美術賞

連隊の兵士のほとんどが南部から逃れて来た奴隷として描かれているが、実際には北部に住んでいた者が大多数であり、ドラマの中で、決戦を前にトリップ(D・ワシントン)が語るように、”人間としてして死にたい”という、過酷な生活を強いられていた、奴隷達の思いを強調させるための脚色、演出だったことは明らかだ。

アメリカの社会問題でもある、人種的偏見を打ち破る第一歩となった、歴史的な出来事をドラマチックに描いた、30代半ばのエドワード・ズウィックの繊細な人物描写は光る。

歴史的事件、戦いをリアルに描写した迫力ある映像も見もので、それを効果的に盛り上げるジェームズ・ホーナーの音楽も心に残る。

やや荷が重過ぎる役のようにも感じる、主人公のロバート・グールド・ショー大佐を演ずるマシュー・ブロデリックだが、25歳で戦死する富豪の御曹司という雰囲気はよく出ている。

既にキャリア十分のデンゼル・ワシントンが、ハリウッドを代表する実力派へと飛躍するきっかけとなった作品で、虐げられてきた奴隷達の象徴的存在として、派手さを抑えながらも、メリハリのある見事な演技を見せてくれる。

同年の「ドライビング Miss デイジー」(1989)と合わせて、彼もトップスターとしての地位を確立するモーガン・フリーマンは、脇役に徹しながらも抜群の存在感を発揮している。

指揮官ショーとの対立も経験しながら、兵士を鍛え上げる連隊副官ケイリー・エルウィス、主人公の幼馴染みで、連隊に志願するアンドレ・ブラウアー、兵卒ジミー・ケネディ、略奪品を私物化するハーカー将軍ボブ・ガントン、部下モントゴメリー大佐のクリフ・デ・ヤング、”ワグナー砦の戦い”の指揮官ジョージ・クロケット・ストロング将軍ジェイ・O・サンダース、主人公の母ジェーン・アレキサンダーなどが共演している。


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