サイトアイコン That's Movie Talk!

摩天楼を夢みて Glengarry Glen Ross (1992)

1984年にピューリッツァー賞を受賞したデヴィッド・マメットの戯曲”Glengarry Glen Ross”を基に製作された作品。
営業目標を達成するためにプレッシャーの中で生きる不動産会社のセールスマン達を描く、主演アル・パチーノジャック・レモンアレック・ボールドウィンエド・ハリスアラン・アーキンケヴィン・スペイシージョナサン・プライス他共演、ジェームズ・フォーリーによるドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

アル・パチーノ / Al Pacino / Pinterest
ケヴィン・スペイシー / Kevin Spacey / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・フォーリー

製作総指揮:ジョゼフ・カラチオーラJr.
製作
ジェリー・トコフスキー

スタンリー・R・ズプニック
原作:デヴィッド・マメットGlengarry Glen Ross
脚本:デヴィッド・マメット

撮影:フアン・ルイス・アンチア
編集:ハワード・E・スミス
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演
リッキー・ローマ:アル・パチーノ

シェルドン”シェリー”レヴィーン:ジャック・レモン
ブレイク:アレック・ボールドウィン
デイヴ・モス:エド・ハリス
ジョージ・アーロナウ:アラン・アーキン
ジョン・ウィリアムソン:ケヴィン・スペイシー
ジェームズ・リンク:ジョナサン・プライス
ラリー・スパネル:ブルース・アルトマン
刑事:ジュード・チコレッラ

アメリカ 映画
配給 ニュー・ライン・シネマ

1992年製作 100分
公開
北米:1992年10月2日
日本:1993年9月4日
製作費 $12,500,000
北米興行収入 $10,725,230


アカデミー賞 ■
第65回アカデミー賞

・ノミネート
助演男優賞(アル・パチーノ


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨーク
不動産会社”ミッチ&マレー”のベテラン社員シェルドン”シェリー”レヴィーン(ジャック・レモン)とデイヴ・モス(エド・ハリス)は、支社長のジョン・ウィリアムソン(ケヴィン・スペイシー)から、ろくな情報ももらえずに営業に四苦八苦していた。

ミーティングのためウィリアムソンに招集されたレヴィーン、モス、ジョージ・アーロナウ(アラン・アーキン)は、本社の幹部ブレイク(アレック・ボールドウィン)の話を聞くことになる。

いきなり吠え始めたブレイクは、三人を無能だと言って罵倒し、とにかく契約を取るようにと、それを強要する。

キャデラックが贈られる最優秀セールスと2位以外は、会社に必要ないと言い切るブレイクは、フロリダの高級リゾート”グレンギャリー・ハイツ”の顧客情報は、最も優秀な者にしか渡さないと伝え、それをウィリアムソンに預ける。
...全てを見る(結末あり)

入院している娘のことが心配なレヴィーンは、失業寸前状態となり、様子を見に行けないことを付き添いに伝える。

情報は、トップ・セールスマンのリッキー・ローマ(アル・パチーノ)に渡すというウィリアムソンに、食って掛かるモスだったが、クビか契約を取るかを迫られ、彼は仕方なく営業を始めようとする。

やや消極的なアーロナウは、モスと共に雨の中、車で出かける。

かつて成績優秀なセールスマンだったレーヴィンは、何んとか情報を手に入れようと、それを拒むウィリアムソンに手数料の10%を渡す考えを伝える。

レヴィーンは、20%と1件につき50ドルとウィリアムソンに言われてそれを渋り、無理な話だと諦める。

渡された顧客情報で、ある家を訪ねたモスとアーロナウだったが、結局、契約は取れず、2人はカフェで愚痴をこぼす。

電話で離せなかった、女性の家を訪ねたレヴィーンだったが、その夫ラリー・スパネル(ブルース・アルトマン)に、不動産購入に興味はないと断られる。

開き直ったモスは、虫けら扱いされた会社に復讐することを考え、オフィスにある”グレンギャリー”の顧客情報を盗み、ライバル社”ジェリー・グラフ”にそれを売り込み、仕事ももらおうとする。

二人がいたバーで、ローマは、客の男性ジェームズ・リンク(ジョナサン・プライス)を相手に人生論を語っていた。

モスは、自分が情報を盗めばまず疑われると考え、それをアーロナウに実行させようとして半ば脅迫する。

リンクと打ち解けたローマは、それとなく”グレンギャリー”のチラシを見せて説明を始める。

翌朝、出社したローマは、オフィスに強盗が入り、顧客名簿や、リンクと交わした契約書以外が盗まれたことを知り驚く。

苛立つローマは、ウィリアムソンから、どうにもならないような情報しか受け取れずに彼に暴言を吐く。

そこに、物件を8区画も売ったレヴィーンが現れ、刑事(ジュード・チコレッラ)に尋問されたモスは、犯人扱いされて憤慨し、家に帰ろうとする。

ローマにバカにされたモスは逆上し、二人は言い合いになり、故郷に帰ると言ってモスはその場を去る。

その後、レヴィーンは、興奮しながら契約を取った様子をローマに語る。

ウィリアムソンに、そんな契約はキャンセルされると言われたレヴィーンは、彼を無能な事務屋だと罵って黙らせ、優良情報を要求し、それを聞いていたローマは、レヴィーンの言い分に納得する。

そこにリンクが現れ、悪い予感がしたローマは、レヴィーンに顧客を装ってもらい、話をする時間がないことをリンクに伝える。

リンクは契約破棄を希望し、それを聞いたローマは、何んとか話を次回に引き延ばそうとする。

しかしリンクは、妻が司法省に連絡を入れて、3日以内なら契約をキャンセルできることを知ったとローマに伝える。

ローマは意味不明な言い訳を始めて、何とかリンクを説得しようとするが、アーロナウが、不当な尋問だと言って興奮しながらオフィスから出て来る。

レヴィーンが尋問のために呼ばれ、騒動は収まるが、リンクはローマに小切手を返すよう迫る。

ローマは、刑事に呼ばれるがそれを拒み、契約をする権限が自分にないと言いながら動揺するリンクなだめる。

その場を離れようとするローマだったが、ウィリアムソンが、リンクの契約書は盗まれずに、小切手も銀行に回ったことを伝える。

リンクはショックを受けて、契約を破棄する考えを伝えてその場を去る。

ローマは、話をぶち壊しにしたウィリアムソンを罵倒して、刑事の尋問を受けるためにオフィスに入る。

レヴィーンにも、痛烈に非難されたウィリアムソンだったが、実は作り話だった、リンクの小切手が銀行に回った話しを彼が知っていたために、それを疑問に思う。

ウィリアムソンは、レヴィーンが犯人だと確信して、それを追求する。

犯行を認めたレヴィーンは、情報をライバル社”ジェリー・グラフ”に売り、モスが考えた計画だったことを告白する。

何とかウィリアムソンを説得しようとしたレヴィーンは、それを受け入れない彼に、自分の取り分の2500ドルと、今後の儲けの50%を渡すことを伝える。

今回の契約についても語るレヴィーンだったが、相手が、セールスマンと話すことが趣味のブラックリストに載っている人物だとウィリアムソンは伝える。

愕然とするレヴィーンは、娘のことを口にするが、自分を嫌っているというウィリアムソンに完全に見捨てられる。

尋問を終えたローマは、レヴィーンを先輩として尊敬していることを伝えながら営業の電話を始め、次の契約のアポをとる。

レヴィーンは、再び刑事に呼ばれてオフィスに入り、戻って来たアーロナウは、犯人が分かったのかをローマに尋ねる。

ローマは、知らないと言ってランチに向かい、アーロナウは、営業の電話をかける。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク
不動産会社”ミッチ&マレー”のセールスマン、レヴィーン、モス、アーロナウは、ろくな情報ももらえずに営業に四苦八苦する。
本社の幹部ブレイクを迎えたミーティングで、3人はいきなり無能者呼ばわりされる。
最優秀セールスと2位には会社から功労賞が贈られるが、それ以外はクビだと罵倒された三人は窮地に立たされる。
ブレイクは、”グレンギャリー・ハイツ”の優良顧客情報は、最優秀セールスのローマに渡すと言って、それを支社長のウィリアムソンに預ける。
娘が入院しているレヴィーンは、失業の危機となり焦り、ウィリアムソンを買収することを考えるが断られる。
一方ローマは、バーの客リンクに、人生論を語りながら、難なく契約を取る。
モスとアーロナウは、契約を取れる当てもなく、自分達を虫けらのように扱う会社に復讐するため、オフィスの情報を奪おうと考えるのだが・・・。
__________

ハリウッドを代表する名優と、その後、活躍する実力派が顔を揃えた、とてつもないパワフルなジェームズ・フォーリーの演出も注目の作品。

この内容であるにも拘わらず、三流ラブ・コメディのような邦題のおかげで、見逃してしまった方も多いはずだ。

舞台劇の映画化だけあり、様々な組み合わせによる、一対一の”対決”場面の凄まじい演技のぶつかり合いが見どころの作品。

第65回アカデミー賞では助演男優賞(アル・パチーノ)にノミネートされた。

60代後半のジャック・レモンは、彼の芸歴で演じたコメディ・センスを活かしながらも、保身のために姑息な手段でその場を凌ぎつつ、悲哀も感じさせる見事な演技を見せてくれる。
ヴェネチア国際映画祭、男優賞受賞

ダメ社員とのセールスの才能の違いを、穏やかに表現しながら、終盤は、力感溢れる演技で画面を圧倒するアル・パチーノの熱演も見ものだ。

営業不振の社員に喝を入れる会社幹部として、序盤だけ登場するアレック・ボールドウィン、全てに不満を抱く犯行の主犯、さすがの熱演が光るエド・ハリス、温厚で押しの弱いセールスだが、いい味を出しているアラン・アーキン、本作あたりから、演技派としての実力を発揮し始める、支社長役のケヴィン・スペイシー、営業の”餌食”になるジョナサン・プライス、逆にそれをきっぱりと断るブルース・アルトマン、刑事ジュード・チコレッラなどが共演している。


モバイルバージョンを終了