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恋の手ほどき Gigi (1958)

1944年に発表された、シドニー=ガブリエル・コレットの小説”Gigi”を基に製作された作品。
祖母と大叔母に社交界の花形になるよう育てられていた少女と大富豪の御曹司の恋を描く、製作アーサー・フリード、監督ヴィンセント・ミネリ、主演レスリー・キャロンモーリス・シュヴァリエルイ・ジュールダンハーミオン・ジンゴールドイザベル・ジーンズエヴァ・ガボール他共演、アカデミー作品賞以下9部門を受賞したMGMミュージカル。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル


スタッフ キャスト ■
監督:ヴィンセント・ミネリ

製作:アーサー・フリード
原作:シドニー=ガブリエル・コレットGigi
脚本:アラン・ジェイ・ラーナー

撮影:ジョセフ・ルッテンバーグ
編集:アドリアン・フェイザン
美術・装置
ウィリアム・A・ホーリング

E・プレストン・エイムズ
ヘンリー・グレイス
F・キーホー・グリーソン
衣装デザイン:セシル・ビートン
音楽
アンドレ・プレヴィン

作曲:フレデリック・ロウ
作詞:アラン・ジェイ・ラーナー

出演
ジルベール”ジジ”:レスリー・キャロン

オノレ・ラシュイユ:モーリス・シュヴァリエ
ガストン・ラシュイユ:ルイ・ジュールダン
マダム”マミタ”アルヴァレス:ハーミオン・ジンゴールド
アリシア:イザベル・ジーンズ
リアン:エヴァ・ガボール
サンドミール:ジャック・ベルジュラック
マヌエル:ジョン・アボット

アメリカ 映画
配給 MGM

1958年製作 115分
公開
北米:1958年5月15日
日本:1959年6月13日
製作費 $3,319,355
北米興行収入 $13,208,730


アカデミー賞 ■
第31回アカデミー賞
・受賞
作品・監督・脚色・撮影・ミュージカル映画音楽・歌曲・美術・衣装デザイン・編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
20世紀初頭、パリ
社交の場でもあるブローニュの森で老紳士オノレ・ラシュイユ(モーリス・シュヴァリエ)は、ご婦人方との交友で人生を楽しんでいることについてや、少女ジルベール”ジジ”(レスリー・キャロン)nokoおを語り始める。

祖母マダム”マミータ”アルヴァレス(ハーミオン・ジンゴールド)に育てられていたジジは学校から帰宅し、大叔母アリシア(イザベル・ジーンズ)の元で行儀作法を習う日だということに気づく。

マミータは、ジジを行く行くは社交界の花形にしようと考えていた。

砂糖会社を経営する富豪の御曹司で、オノレの甥ガストン(ルイ・ジュールダン)は、マダム・アルヴァレスの家が憩いの場と考えていた。
...全てを見る(結末あり)

オノレは、若い娘と付き合うべきだと言ってガストンに助言するが、彼聞く耳を持たない。

ガストンは、女性以外の何事にも興味を示さず、オノレと別れてマダム・アルヴァレスの家に向かう。

マダムが、ジジや姉アリシアの話をするのをガストンは楽しそうに聞き入る。

アリシアと食事をしたジジは、宝石の知識や葉巻の選び方を教え込まれるものの、恋を強要されることに納得いかない。

自宅に向かう途中ジジはガストンと出くわし、彼に恋をしているかを問う。

ガストンは恋をしている者を軽蔑し、ジジをアイス・パレスに誘う。

その場にいた女友達リアン(エヴァ・ガボール)についてガストンに尋ねられたジジは、特別に興味がないために下品だと言ってその場を去り自宅に向かう。

リアンは、スケートの相手をしていたサンドミール(ジャック・ベルジュラック)が嫌な男であることをガストンに伝え、彼とその場を離れる。

マキシム
オノレが催していたパーティーに出席したガストンは、同伴したリアンの機嫌がいいため、何か下心があるのではないかと考える。

ガストンは、リアンの目当てが自分でないことに気づく。

翌日、リアンの、パーティーの態度やサンドミールとホテルに行ったことなどをオノレに話したガストンは、彼女とは二度と会いたくないことを伝える。

男としてのプライドを示すべきだと、オノレと執事のマヌエル(ジョン・アボット)に助言されたガストンはリアンの元に向かう。

オンフルール
オノレと共に車で到着したガストンは、リアンがサンドミールとキスしているのを目撃する。

リアンが席を立ったためサンドミールの席に向かったガストンは、1000フラン払い手を引くことを強要して彼をその場から連れ出す。

ガストンはリアンに手を切ることを伝え、彼女はショックを受ける。

リアンが自殺を図ったことを知ったアリシアは、彼女とガストンが別れたことを妹マダム・アルヴァレスと共に喜ぶ。

オノレとガストンそしてマニュエルも勝利の祝杯を挙げる。

ガストンが新たな相手を探していると、派手な祝宴を開き世間に知らせることを提案したオノレは張り切る。

それは連日開かれ、ガストンは疲れ果ててしまい、憩いの場所マダム・アルヴァレスの家を訪ねる。

マダムから食事に誘われたガストンは、その夜のパーティーをキャンセルして楽しい時を過ごそうとする。

食後のカードでガストンに勝ったジジは、彼と海に行く約束をする。

数日後、ジジとガストンは海水浴などを楽しみ、女性を物色しに来たオノレだったが、マダム・アルヴァレスがいたためそれを実行に移せない。

オノレはマダムに声をかけ、かつて愛し合っていた二人は昔を懐かしむ。

パリに戻ったマダムはアリシアに呼ばれ、ガストンとジジが親密になれる可能性を知らされる。

驚くマダムは、ガストンがモナコに向かっている間にジジを仕込み、このチャンスを逃してはならないとアリシアに言われる。

その後アリシアの特訓は始まるが、彼女は要領を呑み込めないジジの扱いに梃子摺る。

モナコから戻ったガストンはマダム・アルヴァレスの家を訪ねるが、ジジがドレスを着て現れたために驚く。

子供っぽい普段着のジジが気に入っていたガストンはドレスを批判し、それに彼女が反論したため気分を害して帰ってしまう。

時事が自分やアリシアの気持ちを理解しないためマダムは困惑するが、ジジは気にせずに車に向かったガストンを見つめる。

考え直したガストンは部屋に戻り、それに気づいていたジジは彼のお茶の誘いを受ける。

マダムは安心するもののジジを部屋に向かわせ、ガストンに孫娘を預かる身の責任について語る。

世間の目が黙ってはいないため、誘う気があるなら将来を保証する考えを持つようマダムに言われたガストンは、憤慨して部屋を出る。

歩きながら考えを巡らせるガストンはジジを子供と決めつけていたが、彼女の変化に気づき愛しくなる。

戻ったガストンから、ジジの将来についての約束事を伝えられたマダムは、それをアリシアに伝える。

ガストンに気持ちを聞かれたジジは戸惑い、幸せな人生を送ることはできないと不安を口にする。

ジジは、今までと同じ友人関係を望むが、ガストンは愛があることを伝える。

ガストンの愛を理解できないジジは、スキャンダルに巻き込まれ苦しむ自分を見たいのかを彼に問い涙するだけだった。

ジジに純粋な愛についてを教えなかったと言って、ガストンはマダムを非難しその場を去る。

オノレの元に向かったガストンは、この上ない”善行”をしようとした自分の行為を断られたと言って苛立つ。

相手が謝りに来るのを待ち、男として対処するべきだという意見でオノレと意見が一致したガストンは、別の女性を同伴してマキシムで楽しむことを約束して席を立つ。

オノレは、恋の悩みがない若くもない自分がいかに幸せかを実感する。

ジジが今回の件を断ると知らされたアリシアは妹の元に向かい、物欲が満たされるこの上ない生活を放棄しようとしている馬鹿げた行為だと呆れる。

その幸せが終わる時のことをジジが恐れている言われたアリシアは苛立つ。

そこに、ジジから会いたいという手紙をもらったガストンが現れ、アリシアに挨拶する。

ジジは、愛を受け入れ一緒にいたいとだけガストンに伝えて部屋に戻り、彼は何も言わずにその場を去る。

イブニングドレスを身にまとったジジは、祖母とアリシアに見送られながら、迎えに来たガストンと共にパーティーに向かう。

マキシム
ガストンとジジは、客達の注目を集めながら食事を楽しむ。

ジジは淑女としての役目を果たし、予定通り華やかな夜を楽しんでいたオノレは、ガストンの相手がジジだと知り驚く。

ガストンはジジに宝石を贈るものの周囲の視線が気になり、彼女が席を外したためオノレがテーブルに現れる。

純粋で若いジジが、相手として楽しめる女性だとオノレに言われたガストンは、それを良いようには捉えずに彼女を連れて店を出る。

自分に落ち度があったのか問いながら、何も言わないガストンに家に送られたジジは、祖母に迎えられて涙する。

ジジを社交の場で見世物のようにしてしまったガストンは、罪悪感を感じて悩む。

ガストンはジジの元に戻り、スキャンダルを嫌うマダムに、ジジとの結婚の許可を求める。

微笑むジジがガストンに寄り添う姿を見たマダムは、神に感謝する。

その後、幸せを掴んだジジとガストンをオノレは優しく見守る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
20世紀初頭、パリ
祖母マダム・アルヴァレスに育てられている少女ジジは、社交界の花形になるために、大叔母アリシアから礼儀作法を習っていた。
独身主義で女性との交友で人生を楽しむ老紳士オノレ・ラシュイユは、大富豪の御曹子である甥のガストンに、若い女性と付き合うよう助言する。
何に対しても興味を示さないガストンは、マダム・アルヴァレスの家が唯一の憩いの場所だった。
そんなガストンは、無邪気な少女ジジと過ごすことが楽しみだったのだが・・・。
__________

MGMの黄金期を支えたアーサー・フリードヴィンセント・ミネリが、フランスイギリス両国の若手、ベテランを起用して製作したミュージカル大作。

第31回アカデミー賞では、アーサー・フリードヴィンセント・ミネリがそれぞれ作品、監督賞を受賞し、ノミネート9部門全てを受賞する快挙を成し遂げた。
・受賞
作品・監督・脚色・撮影・ミュージカル映画音楽・歌曲・美術・衣装デザイン・編集賞

1991年、アメリカ議会図書館国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

ミュージカル全盛の時代も終わりに近づくことを考えると、その集大成的な作品でもあるのだが、派手なパフォーマンスもなく、ミュージカル・ファンにはやや物足りない内容で、穏やかで情緒的な作風が特徴だ。

20世紀初頭のパリの雰囲気は、その見事な衣装やセットで再現され、美しい現地ロケも効果的に使われている。

音楽は「マイ・フェア・レディ」(1964)他でも組む、アンドレ・プレヴィン、作曲フレデリック・ロウ、作詞アラン・ジェイ・ラーナー

アーサー・フリードヴィンセント・ミネリのミュージカルの金字塔「巴里のアメリカ人」(1951)でもヒロインを演じたレスリー・キャロンは当時20代半ばで、少女から大人になる過程の女性を好演し、ダンスなどがほとんど見られないのは残念だが、愛らしい笑顔が印象的だ。

世界を魅了できるエンタティナーとして観る者を引き付ける、本作を支える役柄を演じるモーリス・シュヴァリエの名演は光る。

ヒロインの魅力に気づく大富豪の御曹司を嫌みなく演ずるルイ・ジュールダン、ヒロインの祖母ハーミオン・ジンゴールド、その姉役で彼女より6歳年上とは思えない美しさのイザベル・ジーンズ、富豪御曹司の女友達エヴァ・ガボール、彼女と親密になるジャック・ベルジュラック、執事のジョン・アボットなどが共演している。


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