幽霊が見えるようになった人間嫌いの歯科医が巻き起こす騒動を描く、監督、脚本デヴィッド・コープ、主演リッキー・ジャーヴェイス、ティア・レオーニ、グレッグ・キニア、ビリー・キャンベル、クリステン・ウィグ他共演のヒューマン・ファンタジー・コメディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・コープ
製作:ギャヴィン・ポローン
脚本
デヴィッド・コープ
ジョン・カンプス
撮影:フレッド・マーフィ
編集:サム・シーグ
音楽:ジェフ・ザネリ
出演
バートラム・ピンカス:リッキー・ジャーヴェイス
グウェン・ハーリヒー:ティア・レオーニ
フランク・ハーリヒー:グレッグ・キニア
リチャード:ビリー・キャンベル
外科医:クリステン・ウィグ
マージョリー・ピックソール:ダナ・アイヴィ
ジャハンギール・プラッシャール医師:アーシフ・マンドヴィ
アメリカ 映画
配給
ドリームワークス
スパイグラス・エンターテインメント
パラマウント・ピクチャーズ
2008年製作 102分
公開
北米:2008年9月19日
日本:未公開
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $13,214,030
世界 $27,074,490
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
街角を歩いていたフランク・ハーリヒー(グレッグ・キニア)は、頭上から落下してきたクーラーを避けるが、バスに轢かれ死亡する。
神経質で几帳面、さらに人間不信の歯科医バートラム・ピンカス(リッキー・ジャーヴェイス)は、子供が産まれた同僚医師のジャハンギール・プラッシャール(アーシフ・マンドヴィ)に、その祝いに誘われるが、 逃げるように帰宅してしまう。
大腸内視鏡検査を受けたバートラムは、病院から出た後に、”自分達が見えるのか?” と聞かれ、何人もの人々に後を追われる。
担当医(クリステン・ウィグ)に相談に行ったバートラムは、実は麻酔が効いている最中、7分間の臨死状態になったことを知らされる。 一旦、死の世界をさ迷ったバートラムは、その体験で、街中にさ迷う、現世に未練を残す幽霊が見えるようになってしまったのだ。 バートラムの存在を知ったフランクは、妻グウェン(ティア・レオーニ)の再婚を阻止する協力を彼に求める。 その後、バートラムの元には幽霊達が殺到し、彼はそれに悩み参ってしまう。 そこに再びフランクが現れ、幽霊達を追い払う代わりに自分の頼みを聞いて欲しいと、バートラムを説得する。 バートラムとフランクは、エジプト学者のグウェンの講演に行き、二人は彼女をバートラムになびかせることを考える。 同じアパートの住人だったバートラムとグウェンは、講演後に軽く会話を交わすが、彼女は嫌な印象しか抱かなかった。 フランクは、あれやこれやとバートラムに恋の指南をするのだが、彼はまともに聞き入れない。 そんな時、アパートのエレベーターでグウェンと出くわしたバートラムは、気まずく思う彼女に、歯科医としてミイラに対しての意見を述べる。 そしてバートラムは、それに興味を示したグウェンとミイラの検証をする約束をする。 二人は、お互いの専門分野の話となり会話が弾み、その後、世間話も始め、グウェンはバートラムに歯の治療を受けることになる。 そこに、グウェンの婚約者リチャード(ビリー・キャンベル)が現れ、バートラムは彼から食事に誘われる。 弁護士のリチャードがバートラムを食事に誘った理由は、彼を歯科医として途上国に派遣したいという目的があったからだった。 それを断ったバートラムは、リチャードが仕事に向った後、グウェンと散歩に出かける。 そして、バーに寄った二人は、グウェンがフランクの浮気を知っていたことをバートラムに話す。 バートラムは、恋人と疎遠になった経緯などをグウェンに話し、二人は次第に心通じ合うようになる。 部屋に戻ったバートラムは、人権派の弁護士リチャードが悪い人間には感じられず、グウェンの金が目当てだというフランクの意見に賛成できない。 フランクは、リチャードの意地汚い行動をバートラムに教えるが、彼がグウェンに本気で恋したことを察する。 クリニックに治療に来たリチャードに笑気麻酔をかけ、彼がグウェンに振られたことを知ったバートラムは、それをフランクに伝える。 約束を達成したことをバートラムに知らされたフランクだったが、目的を果たしたのに、自分が昇天しないことを疑問に思う。 その後、バートラムはグウェンにキーチェーンをプレゼントするが、彼女はバートラムが夫フランクのことに詳しいことを不思議に思う。 バートラムは、グウェンに自分が幽霊が見えることになった経緯を正直に話し、フランクが横に立っていることを伝える。 バートラムは、フランクしか知らないことをグウェンに尋ねられる。 フランクに嘘を教えられたバートラム、それをグウェンに伝え、彼女はその答えに気分を害してしまう。 グウェンは、バートラムが自分に近づくためにフランクを利用していると言って、キーチェーンを返し立ち去ってしまう。 バートラムは、身勝手だと言ってフランクにも見限られてしまい、落ち込んだ彼は、再び現れた幽霊のマージョリー・ピックソール(ダナ・アイヴィ)らの頼みにも素っ気無い返事を返す。 同僚の医師ジャハンギールに、グウェンのことを相談したバートラムは、”他人に尽くさねば、人生に価値はない”という、アインシュタインの言葉の書かれたポスターを見せられ、人生を悟らされる。 そしてバートラムは、待合室で彼を待っている幽霊達の望みを叶え、彼らを昇天させる。 その後バートラムは、パーティーに出席していたグウェンの元に向かい、生きている者に心残りがあるから幽霊が昇天できないことを伝える。 バートラムは、フランクを楽にさせてあげるべきだと、必死にグウェンを説得する。 フランクが、どうして自分を愛さず浮気をしていたかを気にするグウェンだったが、フランクは、バートラムを介して彼女に謝罪する。 しかし、グウェンに真意は伝わらず、バートラムは、彼女と知り合ってからの自分の気持ちを伝える。 その時、バートラムはバスに轢かれてしまい、そこにリチャードが現れ、バートラムに蘇生を施す。 フランクは、グウェンの涙がバートラムのためのものだと彼に伝え、ようやく昇天することが出来る。 一命を取り留めたバートラムは、その後クリニックに復帰し、エジプト行きを中止したグウェンが彼を訪ねて軽い会話を交わす。 グウェンは、ジャハンギール医師に歯の治療の予約を入れていたのだが、バートラムのフランクの夢の話を聞き、彼の元に戻る。 グウェンは、歯の治療のことをバートラムに伝え、彼は治してあげると優しく微笑む。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
歯科医バートラム・ピンカスは、神経質で人間不信だった。
ある日バートラムは、麻酔で臨床体験をしてしまったのをきっかけに、幽霊が見えるようになってしまう。
それを知った幽霊フランクは、バートラムの協力で、妻グウェンの再婚を阻止しようとする。
フランクは、まとわりつく幽霊から解放してあげる代わりに、グエンの再婚を阻止する協力をバートラムに求める。
そして、グウェンをバートラムになびかせようと考えるフランクだった。
やがて、人間嫌いだったバートラムは、次第にグウェンに心惹かれるようになってしまう・・・。
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商業的に成功した作品ではないが、魅力的なキャストにも拘らず、日本では劇場未公開に終わった。
三流映画を連想させる邦題で、見る機会を失っている方も多いはずなのが残念だ。
イギリスの人気コメディアン、リッキー・ジャーヴェイス主演の快心作と言っていい作品で、スターらしからぬ、どこにでもいそうな、素朴な外見から漂う彼の雰囲気に、なんともしれない人を引き付ける魅力を感じる、玄人好みのする素晴らしい俳優だ。
”普通”(人間不信ではあるが)なのに実に新鮮、その不思議な人物像が、ファンタジックな内容とジャストフィットしていて、今後も彼の出演作であれば、是非観たいという、そんな気にさせてくれる。
監督は、脚本家として多くの話題作を手がけるデヴィッド・コープで、人間性や人の優しさなどもきっちり描き、ツボを押さえた演出も実にいい。
脇役に徹するグレッグ・キニアの、メリハリの効いた演技も見もので、ティア・レオーニの役柄も、彼女のキャラクターに見事にマッチしている。
彼女のフィアンセで人権派の弁護士役ビリー・キャンベル、外科医クリステン・ウィグ、娘と不仲の内に亡くなりそれを悔やむ幽霊ダナ・アイヴィ、主人公の同僚医師アーシフ・マンドヴィなどが共演している。