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ゲット・アウト Get Out (2017)

白人の恋人の実家に招待された黒人青年が体験する恐怖を描く、製作ジェイソン・ブラム、製作、監督、脚本ジョーダン・ピール、主演ダニエル・カルーヤアリソン・ウィリアムズキャサリン・キーナーブラッドリー・ウィットフォードケイレブ・ランドリー・ジョーンズリル・レル・ハウリー他共演のホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト
監督:ジョーダン・ピール

製作
ジェイソン・ブラム
ショーン・マッキトリック
エドワード・H・ハムJr.
ジョーダン・ピール
製作総指揮
レイモンド・マンスフィールド
クーパー・サミュエルソン
ショーン・レディック
ジャネット・ボルトゥルノ
脚本:ジョーダン・ピール
撮影:トビー・オリヴァー
編集:グレゴリー・プロトキン
音楽:マイケル・エイブルス

出演
クリス・ワシントン:ダニエル・カルーヤ
クリス・ワシントン(11歳):ザイランド・アダムス
ローズ・アーミテージ:アリソン・ウィリアムズ
ミッシー・アーミテージ:キャサリン・キーナー
ディーン・アーミテージ:ブラッドリー・ウィットフォード
ジェレミー・アーミテージ:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
ロッド・ウィリアムス:リル・レル・ハウリー
アンドレ・ヘイワース/ローガン・キング:キース・スタンフィールド
ジム・ハドソン:スティーヴン・ルート
ジョージナ/マリアンヌ・・アーミテージ:ベティ・ガブリエル
ウォルター/ローマン・アーミテージ:マーカス・ヘンダーソン
ラトーヤ刑事:エリカ・アレクサンダー
フィロメナ・キング:ジェラルディン・シンガー
ローマン・アーミテージ:リチャード・ハード

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2017年製作 103分
公開
北米:2017年2月24日
日本:2017年10月27日
製作費 $4,500,000
北米興行収入 $176,040,670
世界 $255,457,360


アカデミー賞
第90回アカデミー賞

・受賞
脚本賞
・ノミネート
作品・監督
主演男優賞(ダニエル・カルーヤ


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ある夜、高級住宅街で迷った黒人青年のアンドレ・ヘイワース(キース・スタンフィールド)は、近づいて来た車に乗っていた仮面を被った男(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)に襲われて連れ去られる。

ニューヨーク
黒人の写真家クリス・ワシントン(ダニエル・カルーヤ)は、恋人である白人のローズ・アーミテージ(アリソン・ウィリアムズ)の実家に招かれていた。

自分が黒人であることを気にするクリスに、問題ないことを伝えたローズは、彼と共に車で実家に向かう。

運転するローズは、クリスがタバコを吸おうとするために、それを取り上げて捨ててしまう。

TSA/運輸保安庁”の職員である親友のロッド・ウィリアムス(リル・レル・ハウリー)に電話をしたクリスは、愛犬シドの世話を頼む。
...全てを見る(結末あり)

ローズとも話してジョークで口説いたロッドは、白人女の実家には行くなとクリスに忠告する。

クリスが嫉妬していると思ったローズは、突然、何かが衝突したために車を止める。

鳴き声が聞こえたために道路脇を見に行ったクリスは、鹿が死んでいることを確認する。

警官を呼んだローズは、動物管理局に電話するべきだと言われ、クリスは身分証の提示を求められる。

何もしていないのに見せる必要がないと言うローズだったが、クリスは気にせず、身分証の提示を求める権利があると伝えた警官は、問題ないと判断してその場を去る。

ポンタコ湖地区。
実家の屋敷に着いたローズは精神外科医の父ディーン(ブラッドリー・ウィットフォード)と精神科医の母ミッシー(キャサリン・キーナー)に歓迎され、クリスを紹介する。

管理人である黒人のウォルター(マーカス・ヘンダーソン)は、その様子を見つめていた。

鹿の話を聞いたディーンは、嫌いだと言って殺してくれたことをローズとクリスに感謝する。

ローズとの交際期間を訊かれたクリスは4か月と答え、正確には5か月とローズが訂正する。

ディーンに屋敷内を案内されたクリスは、精神科医のミッシーの部屋や家族の写真を見せられ、ローズの弟で医学生のジェレミーにも会えると言われる。

陸上選手だった父が、ベルリン・オリンピックの最終選考でジェシー・オーエンスに敗れたことを話すディーンは、ヒトラーは白人の優越性を証明したかったが、それが間違いだと彼が証明したことをクリスに伝える。

ディーンの母親が愛したキッチンにいた使用人の黒人女性ジョージナ(ベティ・ガブリエル)を紹介されたクリスは、管理人のウォルターも黒人だったために不思議に思い、そのことについての話を聞く。

ジョージナとウォルターは親の介護のために雇ったのだが、両親が亡くなっても解雇する気になれなかったと話すディーンは、白人が黒人を雇っていることで人の目が気になるのは事実だとクリスに伝える。

偏見はないと言うディーンの考えを、クリスは理解する。

その後、家族で話をしたディーンは、クリスに両親のことを尋ねる。

父とは疎遠で、母は11歳の時に轢き逃げされて亡くなったと話すクリスは、当時の記憶はあまりないと伝える。

クリスが喫煙することを知ったディーンは、良くない習慣だと言って、ミッシーの催眠療法で治してもらうことを提案する。

催眠術を嫌う者もいると言うローズだったが、15年の喫煙歴があったディーンは一回の療法で効いたと話し、遠慮するクリスに、睦会のことを伝える。

父が友人達を集めて毎年やっていた催しだと話すディーンだったが、ローズは気が進まない。

その話を聞きながら、お茶をグラスに注いでいたジョージナは動揺してしまい、ミッシーから休むようにと指示される。

そこに、ローズの弟ジェレミー(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)が現れる。

家族と食事をしたクリスは、風変わりなジェレミーに絡まれるが、ミッシーが制止する。

部屋に向かい、恋人に手を出そうとしたジェレミーやディーンの態度を気にするローズは、クリスから問題ないと言われる。

鹿のことなどを考え眠れないクリスは、タバコを吸うために外に出る。

タバコを手にしたクリスは、陸上選手のように全速力で走り迫るウォルターに気づいて驚き、窓辺に立ち外を見つめるジョージナを目撃して気味悪く思う。

屋敷に戻ったクリスは、起きていたミッシーに声をかけられ、喫煙の危険性を語る彼女から、催眠術を試したいか訊かれる。

戸惑うクリスは、ローズの前で吸うのか訊かれ、やめることをミッシーに約束する。

母親の話を聞きたいと伝えたミッシーは、考えたくないと言うクリスの前で、ティーカップのスプーンを音を立てて回す。

話し始めたクリスは、母親が死んだ日のことを語りながら涙し、動けないと言われたミッシーは、床に沈むと彼に伝える。

体が沈んでいくクリスは、ミッシーから、そこは”沈んだ地”だと言われ、次の瞬間ベッドの上で目覚める。

携帯電話にロッドから着信があったことに気づいたクリスは、充電ケーブルが外れていたためにつなげる。

庭に出て写真を撮っていたクリスは、部屋で鏡の前に立つジョージナにカメラを向ける。

カツラを整えようとしていたジョージナは、クリスに気づく。

ジョージナの姿が見えなくなったために、薪を割っていたウォルターに話しかけたクリスは、彼に挨拶する。

ウォルターからローズを意識するような話をされ、昨夜は怖がらせてしまったと言うわれて謝罪されたクリスは、ミッシーの部屋に長くいたことを訊かれて、ワインを飲み過ぎて覚えていないと答える。

部屋に戻り、ミッシーに催眠術をかけられてタバコが嫌いになったとローズに話したクリスは、穴のような暗闇で身動きできなくなったと伝える。

ウォルターは自分に敵意を感じていると言うクリスは、ローズのことも訊かれたので妬んでいるのではないかと話す。

ローズは、ウォルターが自分に気があると思っているのか言って、それをクリスに確認し、父に話しておくと伝える。

問題を起こしたくないクリスは、それはやめてほしいと伝え、ローズから、招待客が来たことを知らされる。

白人の富豪達が集まる親睦会は始り、ローズは来客にクリスを紹介する。

クリスは、自分を黒人と意識せず、体格などに興味を持つ客達に違和感を感じる。

そんな中にいた唯一の黒人客ローガン・キング(キース・スタンフィールド)に声をかけたクリスは、見覚えがあるような気がする。

ローガンとは倍ほどの年齢差がある妻フィロメナ(ジェラルディン・シンガー)に挨拶したクリスは、ローズの恋人であることを伝える。

益々、この集まりが奇妙に思えるクリスは、盲目の画商ジム・ハドソン(スティーヴン・ルート)と話す。

ジムのギャラリーのことを知っていたクリスは、自分の写真を審査していた彼に評価される。

混乱気味のクリスは二階の部屋に向かうが、その瞬間、来客は彼に注目して会話をやめる。

携帯電話の充電ケーブルが外れていたためにローズを呼んだクリスは、ジョージナが嫌がらせでやったと言うものの理解してもらえない。

ロッドに電話したクリスは、おかしな連中ばかりだと言って、自分以外の黒人も変だと伝える。

ローズの母親から催眠療法を受けて、禁煙に成功したと伝えたクリスは、ロッドから、洗脳されて白人の性の奴隷にされると言われる。

人々はノーマルだと言うクリスは、ロッドから、連続殺人犯”ジェフリー・ダーマー”のことを例にして話をされたために電話を切る。

そこに現れたジョージナはクリスに謝罪し、掃除の際に携帯電話に触ったことを伝える。

クリスが口にした”チクらない”という現代的な言葉を”告げ口”と判断したジョージナは、自分は誰の下でもないと伝える。

白人の中で神経質になることが時々あるのかと訊かれたジョージナは動揺し、涙を流しながら、自分にはそんな経験はなく、一家は家族のようによくしてくれると伝えてその場を去る。

不気味な女であるジョージナは、頭がおかしいのではないかと思ったクリスは庭に向かう。

ディーンから友人を紹介されたクリスは、日本人客から、アフリカ系アメリカ人は、現代社会では有利か不利かを訊かれる。

そこにいたローガンにアフリカ系の経験を語らせたクリスは、黒人とは思えない服装と話し方の彼を携帯電話で撮影する。

その瞬間、鼻血を出したローガンは別人のようになり、クリスに”出ていけ”と言いながら襲い掛かる。

興奮するローガンをジェレミーが制止する。

ディーンは、携帯電話のフラッシュの刺激により、発作を起こしたローガンが攻撃的になったと皆に話す。

ミッシーの治療で落ち着いたローガンは皆に謝罪し、クリスにも怖がらせてしまったと伝えてその場を去る。

花火とビンゴをすると言うディーンは、パーティーを再開する。

ローズと共に湖まで散歩に行ったクリスは、ローガンは発作ではないと考える。

精神外科医の父ディーンの意見を信じるローズに、クリスは、ローガンに襲われた際に知っているような気がしたと話す。

クリスは、それはローガンではなく、自分を襲った男だとローズに伝える。

ミッシーに自分の中に入り込まれたと言うクリスは、考えたくないことまで思い出したとローズに伝えて、ニューヨークに帰ることを考える。

ディーンは、クリスを誰が落札するかを決める”ビンゴ(オークション)”を始め、ジムが落札する。

母が死んだ夜、通報も捜しもしなかったと話すクリスは、母は即死でなかったことを後から知ったとローズに伝える。

何もせずに座ってテレビを見ていないで、寒さの中で孤独に死んだ母を捜せば助かったと言うクリスは後悔する。

君が全てだとローズに伝えたクリスは、置き去りにはしないと言って愛を確かめ、彼女はニューヨークに帰ることを決める。

夜になり、クリスとローズは屋敷に戻り、来客は去って行く。

ロッドにローガンの写真を送ったクリスは、即、返事をよこした彼から”アンドレ・ヘイワース”だと言われる。

アンドレを思い出したクリスは、30歳も年上の白人女といた彼は全くの別人だったとロッドに話す。

思った通り性の奴隷だと言うロッドは、早くその場から逃げろとクリスに警告するが、携帯電話の電池が切れてしまう。

帰る支度をするクリスは、部屋の物置にあった箱の中の、恋人と思われる複数の黒人男性と写るローズの写真を見つける。

その中には、ウォルターやジョージナまでいたためにクリスは驚く。

支度ができたローズと共に去ろうとしたクリスは、鍵が見つからないと言う彼女と共に車に向かおうとする。

ジェレミーが入り口を塞ぎ、ミッシーからお茶を勧められたクリスは、帰ると伝える。

愛犬が病気で、朝一で病院に連れて行くと言うローズは、鍵が見つからない。

ディーンから人生の目的を訊かれたクリスは、今は鍵を見つけることだと言って、ローズを急かせて興奮して怒鳴る。

ジェレミーに威嚇されたクリスは、鍵を手にしたローズから渡せないと言われる。

抵抗しようとしたクリスは、ミッシーがティーカップをスプーンで叩いた音で気絶する。

意識の中で床の底に落ちていくクリスは、ジェレミーらに運ばれる。

クリスが電話に出ないために彼のアパートに向かったロッドは、連絡を待つしかなかった。

ネットでアンドレのことを調べたロッドは、彼が行方不明になっていることを知る。

椅子に拘束された状態で目覚めたクリスは、目の前に映し出されたテレビ映像を見る。

ローズの祖父ローマン(リチャード・ハード)は、選ばれたのは優れた肉体のせいだと話し、秘密結社の一員である自分と家族は、喜んで協力すると伝えて、妻マリアンヌ、ディーンとミッシー、そして孫のローズとジェレミーと共に”凝固法”を称える。

その映像を見て何も理解できないクリスは、ティーカップをスプーンでかき混ぜる映像で意識を失ってしまう。

警察に向かったロッドは、ラトーヤ刑事(エリカ・アレクサンダー)にクリスとローズのことを話し、送られてきた、半年前に高級住宅街で失踪したアンドレの写真を見せる。

アンドレが失踪者には見えないラトーヤは、クリスの話ではまるで別人だと言っていたことを知れされる。

ロッドから、妻ははるか年上の白人女性で、黒人を誘拐して洗脳し性の奴隷にしていると言われたラトーヤは、同僚の刑事二人にも話を聞かせる。

結局ロッドは、話しを信じてもらえず相手にされなかった。

今回の件を自分なりに考えるロッドは、クリスに電話をして、それに出たローズから、クリスは2日前に帰ったと言われる。

全てを疑い始めておかしくなったクリスは、電話も持たずにタクシーで姿を消したと話すローズは、彼が戻っていないと言うロッドから、警察に話したことを知らされる。

ローズを疑ったロッドは会話を録音するが、彼女に口説かれたために電話を切る。

目覚めたクリスは、再び写ったテレビ映像のスキンヘッドのジムから、催眠術などの段階を経て、脳の移植されて自分は体の提供者となることを知らされる。

ジョージナやローガンもその処置をされたことに気づいたクリスは、結社のメンバーは黒人に憧れているが、自分が欲しいのは”目”だと言われる。

異常だと言うクリスは映像が消えた後で、かきむしったことではみ出した、椅子のクッションに使われている綿に気づく。

クリスは、ティーカップの映像で意識を失う。

ディーンは、手術台の上に麻酔で眠る、ジムの脳の摘出手術を始める。

車いすを押して現れたジェレミーを殴り倒したクリスは、耳栓にしていた綿を外す。

ジムの頭蓋骨を外したディーンは、ジェレミーが遅いために廊下に向かうが、現れたクリスは、鹿の剥製の角を突き刺さしてディーンを殺す。

キッチンに向かったクリスは、その場にいたジョージナが驚いて逃げたために、テーブルの上にあった携帯電話を手にする。

ミッシーに気づいたクリスは、ティーカップを払いのけて、襲い掛かってきた彼女を刺殺する。

生きていたジェレミーに襲われたクリスは、彼も殺して車の鍵を奪う。

イヤホンで音楽を聴いていたために騒ぎに気づかないローズは、次のターゲットを選ぶために、”NCAA”のトップ選手を調べる。

車に乗ったクリスは助手席の仮面を確認し、警察に通報するもののジョージナを轢いてしまう。

母のことを思い出したクリスは、ジョージナを助手席に乗せて屋敷から去ろうとする。

それに気づき銃を手にしたローズは、”祖母”が連れ去られたことを知りクリスを追う。

意識が戻ったジョージナに襲われたクリスは、木に衝突してしまう。

そのショックでジョージナは息を引き取り、車を降りたクリスは、ローズの銃撃をかわしながら逃げる。

ローズは、”祖父”のウォルターにクリスを追うよう指示する。

襲われたクリスは、携帯電話のフラシュの光をウォルターに浴びせる。

自分がやると言ってローズから銃を受け取ったウォルターは、彼女を銃撃して自殺する。

銃を奪ったクリスは、瀕死のローズから謝罪されるものの、彼女の首を絞める。

ローズを殺せないクリスは、パトカーが現れたたために両手を上げる。

助けを求めるローズだったが、現れたのは、TSAのパトカーに乗ったロッドだった。

呆然とするクリスは車に乗り込み、驚くロッドは、行くなと言ったはずだと伝える。

この場がよく分かったなと言うクリスに、自分はTSAの職員だと伝えたロッドは、この状況なら任務完了だと伝えてその場を去る。

遠ざかる車を見つめながらローズは息を引き取り、クリスは考えを巡らせる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク
黒人の写真家クリス・ワシントンは、白人の恋人ローズの実家に招かれる。
自分が黒人であるために不安を感じるクリスは、それを全く気にしないローズと共に実家に向かい、彼女の両親ディーンとミッシーに歓迎される。
娘の恋人が黒人であることを意識しない精神外科医のディーンは、喫煙すると言うクリスに、精神科医であるミッシーの催眠療法を受けることを勧める。
それを断ったクリスは、一家の使用人が黒人であることを気にしながら、家族の言動に違和感を感じ始める。
その夜、成り行きでミッシーの催眠療法を受けたクリスは、禁煙に成功して驚く。
翌日、年に一度の親睦会のために裕福な白人達が集まり、皆に紹介されたクリスは、奇妙な雰囲気の中でパーティーに参加するのだが・・・。
__________

「パラノーマル・アクティビティ」シリーズや「インシディアス」シリーズなどの話題作の製作で知られるジェイソン・ブラムと、コメでイアンでもあるジョーダン・ピールが製作、監督、脚本を担当した、異色コンビによる注目作。

アメリカ社会が抱える人種問題を背景に、秘密結社による脳移植計画のターゲットにされた黒人青年の恐怖を描くホラーは、ジョーダン・ピールのブラック・ジョーク的な抜群のユーモア・センスも冴える演出により、実に興味深い内容の作品となっている。

白人家族が行っている恐ろしい計画の内容のヒントが随所に挿入されているため、それが明らかになっていく展開を含めて、非常に解り易いストーリーに仕上がっている。

俳優としても活躍するジョーダン・ピールにとっては、長編初監督作品であり、各方面で絶賛された本作は、450万ドルの低予算ながら、北米興行収入が約1億7600万ドル、全世界では約2億5600万ドルの大ヒットとなった。

第90回アカデミー賞では作品賞以下4部門にノミネートされ、ジョーダン・ピールが見事に脚本賞を受賞した。

アカデミー主演賞にノミネートされた主演のダニエル・カルーヤは、轢き逃げされた母親を助けられなかったトラウマを抱えながら、白人である恋人とその家族の恐ろしい計画のターゲットとなる黒人青年を熱演している。

秘密結社のハンターとして黒人をターゲットにする、主人公の恋人を印象深く演ずるアリソン・ウィリアムズ、その母親で精神科医のキャサリン・キーナー、その夫である精神外科医のブラッドリー・ウィットフォード、その息子である医学生でハンターのケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、主人公の友人である”TSA/運輸保安庁”の職員を愉快に演ずるリル・レル・ハウリー、冒頭で誘拐される黒人青年と白人の富豪夫人(ジェラルディン・シンガー)の夫を演ずるキース・スタンフィールド、盲目の画商で、主人公を落札して脳の移植手術を受けることになるスティーヴン・ルート、脳は一家の祖母である使用人のベティ・ガブリエル、脳は一家の祖父である使用人のマーカス・ヘンダーソン、ロッド(リル・レル・ハウリー)の話を信じない刑事エリカ・アレクサンダー、一家の祖父リチャード・ハード、主人公の少年期ザイランド・アダムスなどが共演している。


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