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悪の花園 Garden of Evil (1954)

鉱山で事故に遭った夫の救出のために男達を雇った女性がアパッチの驚異がある危険地帯に向かう・・・。
欲望渦巻くアドベンチャー・タッチで描く、監督ヘンリー・ハサウェイ、主演ゲイリー・クーパースーザン・ヘイワードリチャード・ウィドマークヒュー・マーロウ他共演による異色の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト ■
監督:ヘンリー・ハサウェイ

製作:チャールズ・ブラケット
原案
フレッド・フリーバーガー

ウィリアム・タンバーグ
脚本:フランク・フェントン
撮影
ミルトン・R・クラスナー

ホルヘ・スタールJr.
編集:ジェームズ・B・クラーク
音楽:バーナード・ハーマン

出演
フッカー:ゲイリー・クーパー

リア・フラー:スーザン・ヘイワード
フィスク:リチャード・ウィドマーク
ジョン・フラー: ヒュー・マーロウ
ルーク・デイリー:キャメロン・ミッチェル
酒場の歌手:リタ・モレノ
ヴィセンテ・マダリアガ:ヴィクター・マニュエル・メンドーザ

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1954年製作 100分
公開
北米:1954年7月9日
日本:1954年10月19日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
金を目当てにカリフォルニアに向かう予定だった、フッカー(ゲイリー・クーパー)、フィスク(リチャード・ウィドマーク)、そしてルーク・デイリー(キャメロン・ミッチェル)の3人は、手違いでメキシコの町プエルト・ミゲルに着いてしまう。

3人は酒場に向かい、その場にいた女(リタ・モレノ)の歌を聴きながら、ギャンブラーのフィスクは、カードでルークの運勢を見ようとする。

そこに、金鉱山の落盤事故に夫が巻き込まれたと言う女性リア・フラー(スーザン・ヘイワード)が現われる。

リアは、負傷した夫を救うために、メキシコ人達に人手がいることを伝えるが、高額な報酬にも拘らず、男達はそれに応じない。
...全てを見る(結末あり)

3人に気づいたリアは、報酬を倍額に上げて協力を要請するが、フィスクが、彼女の様子などで、それが危険な仕事だと察する。

メキシコ人のヴィセンテ・マダリアガ(ヴィクター・マニュエル・メンドーザ)が名乗りを上げ、一人2000ドルの報酬で3人も同行することになる。

険しい山道やアパッチの驚異を感じながら、危険地帯である”悪の花園”に足を踏み入れようとする5人は、ひたすら目的地を目指す。

美しい外見に似合わず、逞しさを兼ね備えたリアは男達を先導し、ヴィセンテは、通る道に目印を残していく。

フッカーは、ヴィセンテの目印を消すリアを見て、鉱山に向かう理由が、夫だけが目的でないことを見抜き彼女を牽制する。

翌日、廃墟となった村に着いた5人は、アパッチが”白人狩り”の儀式をした痕跡を見つける。

その場で野営した5人だったが、夜中に再び目印を消しに行ったリアをルークが追い、彼女に言い寄り襲い掛かる。

リアはそれを逃れ、仲間達の元に戻り虚勢を張るルークは、フッカーに叩きのめされる。

この騒ぎの原因はリアにあることを、彼女に伝えたフッカーは、観念したルークを労わり、助け合うことを約束させる。

フィスクはフッカーの行為に感心し、リアは彼に惹かれていく。

2日後、目的地の鉱山に着いた5人は、瓦礫の下敷きになりながら生き延びていた、リアの夫ジョン(ヒュー・マーロウ)を救い出す。

フッカーは、骨折したジョンの足を治療し、回復には長引くことが予想され、その場に暫く滞在することを考える。

アパッチののろしを確認したフッカーは、意識の戻ったジョンに、自分ではなく金のために戻ったと言われ傷ついたリアの気持ちを察し、彼女を案ずる。

ジョンは、リアに近寄りすぎると、自分の二の舞になると言ってフッカーに警告し、アパッチに全員が殺されると言い放つ。

フッカーはリアに声をかけるものの、彼女はジョンの言ったことは気にしていないことを伝える。

ルークとヴィセンテは坑道に入り、金を見つけて酒を飲んで浮かれるが、冷静なフッカーは、アパッチの襲撃に備えるのが先決だと、リアにそれを知らせる。

フッカーは仲間にもアパッチのことを伝え、リアは自分がおとりになり、夫と4人を逃がすことを伝える。

実はリアに惹かれていたフィスクが、リアに自分も残ると言い出し、それを聞いていたジョンは、男を魅了する彼女の正体が分からないことを伝える。

夜になり、ジョンが馬に乗れるのを確認した一行は出発しようとする。

フッカーは、残ろうとするリアを殴って気絶させて、その場を離れるために出発する。

翌日、休息をしていた一行だったが、ルークが足手まといのジョンを馬に乗せて逃がしてしまう。

それに気づいたフッカーだったが、ルークがアパッチの矢で殺され、ジョンも捕らえられて殺されてしまう。

ジョンを埋葬した一行は、夜を洞窟で過ごし、フッカーは、夫がリアを助けるために犠牲になったと言って、嫌われていたと思い込む彼女を慰める。

翌日、出発した一行だったが、ヴィセンテが殺され、3人は襲い掛かるアパッチの追跡を逃れ山岳地帯に入る。

フッカーは、その場に残り敵を食い止めようとするが、男のプライドがあるフィスクは、カードの賭けで残る者を決めることを提案する。

賭けに勝ったフィスクは、フッカーとリアに先を急ぐよう言い渡し、2人を逃がして敵を迎え撃つ。

安全な場所に着いたフッカーは、フィスクがイカサマをしたことをリアに伝え、彼の元に戻ることを告げる。

それを理解したリアはフッカーを見送り、彼は、矢を受けたフィスクが息を引き取るのを見届ける。

フッカーは、沈む夕陽を見つめながら、”悪の花園”の魔力を考えながらその場を離れ、リアの元に向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
カリフォルニアに向かう途中、メキシコの町に着いてしまった3人の男達、フッカー、フィスク、ルークは、美しい人妻リアから、鉱山で落盤事故に遭った夫の救出を依頼される。
2000ドルという高額報酬に、メキシコ人のヴィセンテを加えた三人は話に乗り、彼らは早速、危険地帯である”悪の花園”に向かう。
アパッチの驚異を感じ、険しい山岳地帯を通り抜けながら、鉱山に着いた4人は、息のあったリアの夫ジョンを助け出す。
意識の回復したジョンは、金の魅力、そして、美しいリアの魅力に心奪われかけている男達に警告する。
そしてフッカーは、気丈ではあるが、金が目当てだと夫に言われて傷つくリアの心を察しながら、アパッチの襲撃に備え、その場を脱出する準備を始めるのだが・・・。
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善対悪の戦いを単純に描く、正統派西部劇とは一線を画する、男心をくすぐるような冒険活劇風の展開に、序盤から引き込まれる。

舞台となる危険地帯の中で、特撮を駆使した険しい山道のシーンなどを、スリル満点に描く、ヘンリー・ハサウェイの見応えある演出は見ものだ。

画面にマッチする、バーナード・ハーマンのダイナミックな音楽も印象に残る。

善人でも悪党でもない、洞察力のある主人公のゲイリー・クーパーは、貫禄十分に一行のリーダー格を演じている。

男臭い作品の中で、異彩を放つスーザン・ヘイワードの存在は、その美しさだけでなく、実に魅力的な人物に描かれている。

アクの強い彼にしては、中盤までやや存在感に欠けるリチャード・ウィドマークだが、終盤で男気を感じさせるいい役柄を演じている。

ヒロインの夫ヒュー・マーロウ、未熟な若造という雰囲気のキャメロン・ミッチェル、同行するメキシコヴィクター・マニュエル・メンドーザなどが共演している。


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