支配権争いで父親を殺された青年が仇討ちを果たすまでを描く、製作、監督マーティン・スコセッシ、主演レオナルド・ディカプリオ、ダニエル・デイ=ルイス、キャメロン・ディアス、リーアム・ニーソン他共演によるドラマ。 |
・ドラマ
・レオナルド・ディカプリオ / Leonardo DiCaprio 作品一覧
・ダニエル・デイ=ルイス / Daniel Day-Lewis / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:マーティン・スコセッシ
製作総指揮
ハーヴェイ・ワインシュタイン
マイケル・ハウスマン
製作
マーティン・スコセッシ
アルベルト・グリマルディ
原作:ハーバート・アズベリー
原案:ジェイ・コックス
脚本
ジェイ・コックス
ケネス・ロナガン
スティーヴン・ザイリアン
撮影:ミヒャエル・バルハウス
編集:セルマ・スクーンメイカー
美術・装置
ダンテ・フェレッティ
フランチェスカ・ロ・スチアヴォ
衣装デザイン:サンディ・パウエル
音楽
ハワード・ショア
エルマー・バーンスタイン
主題歌 U2
”The Hands that Built America”
出演
アムステルダム・ヴァロン:レオナルド・ディカプリオ
ビル”ザ・ブッチャー”カッティング:ダニエル・デイ=ルイス
ジェニー・エヴァディーン:キャメロン・ディアス
ヴァロン神父:リーアム・ニーソン
ジョニー・シロッコ:ヘンリー・トーマス
ウォルター”モンク”マクギン:ブレンダン・グリーソン
ウィリアム・M・トゥイード:ジム・ブロードベント
”ハッピー・ジャック”マルレイニー:ジョン・C・ライリー
シャング:スティーヴン・グレアム
ジミー・スポイルス:ラリー・ギリアードJr.
キローラン:エディー・マーサン
マグロイン:ゲイリー・ルイス
ジョン・F・スキャマホーン:デヴィッド・ヘミングス
スキャマホーン夫人:バーバラ・ブーシェ
P・T・バーナム:ロジャー・アシュトン=グリフィス
富豪:マーティン・スコセッシ
アメリカ映画
配給
ミラマックス
Entertainment Film Distributors(イギリス)
2002年製作 166分
公開
北米:2002年12月20日
日本:2002年12月21日
製作費 $97,000,000
北米興行収入 $77,679,640
世界 $103,500,000
■ アカデミー賞 ■
第75回アカデミー賞
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ダニエル・デイ=ルイス)
脚本・撮影・編集・美術・録音
衣装デザイン・歌曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1846年、ニューヨーク、マンハッタン。
”ファイヴ・ポイント”地区の支配権をめぐる戦いで、アイルランド移民の集団”デッド・ラビッツ”のリーダー、ヴァロン神父(リーアム・ニーソン)と、アメリカ生まれの集団”ネイティヴズ”のビル”ザ・ブッチャー”カッティング(ダニエル・デイ=ルイス)が対決することになる。
倒した相手の人数を武器のこん棒に刻み込むウォルター”モンク”マクギン(ブレンダン・グリーソン)は、息子アムステルダムを連れたヴァロンに加勢する。
双方は死闘を繰り広げ、ヴァロンに襲い掛かり致命傷を負わせたビルは、アムステルダムの目の前でヴァロンの止めを刺す。
ヴァロンに敬意を払うビルは、彼の死体に手を出すなと皆に命ずる。 約束の金はもらうと言ってヴァロンに近づいたモンクは、ポケットの中の物を持ち去る。 ビルは、アムステルダムを役人に引き渡して教育を受けさせるよう指示する。 しかし、父のナイフを奪ったアムステルダムは、その場から逃げる。 16年後、南北戦争2年目。 その頃、大飢餓を逃れてアイルランド移民が押し寄せ、アムステルダムも移民扱いされた。 政治家ウィリアム・M・トゥイード(ジム・ブロードベント)と手を組んだ肉屋でもあるビルは、街の全てを支配することを考える。 かつての父の教会の地下に向かったアムステルダムは、16年前に奪って隠したナイフとメダルを手にする。 旧知の青年ジョニー・シロッコ(ヘンリー・トーマス)と再会したアムステルダムは、街の様子を見て回りながれ現状を知らされ、スリのジェニー・エヴァディーン(キャメロン・ディアス)にも出会う。 その様子を見ていたモンクは、アムステルダムが戻って来たことに気づく。 火事場でジョニーと共に物を奪ったアムステルダムは、それを仲間のシャング(スティーヴン・グレアム)の元に持っていき、ネイティヴズに上納した後に残りを分けると言われる。 それに反発するアムステルダムは、その場に現れた、かつて父と共に戦った警官の”ハッピー・ジャック”マルレイニー(ジョン・C・ライリー)の存在を知る。 その後アムステルダムは、中国人がネイティヴズを嫌っていることを知り接触する。 酒場で、ジョニーと共にビルから声をかけられたアムステルダムは、父と共に戦ったマグロイン(ゲイリー・ルイス)もビルの手下になったことを知る。 検疫で停泊中のポルトガル船を襲うようにとビルから指示されたジョニーは、アムステルダムも連れてくようにと言われる。 船に忍び込んだアムステルダムとジョニーだったが、船員の死体しかなかった。 仕方なく死体を売って現金を手にしたアムステルダムらは、ビルの元に向かう。 それにケチをつけたマグロインとアムステルダムは戦うことになり、その様子を見たビルはアムステルダムを気に入る。 ある日、通りでジェニーに出くわしたアムステルダムは、警戒したにも拘らず、彼女に父の形見でるメダルを奪われてしまう。 ジェニーを追ったアムステルダムは、メイドに扮して富豪(マーティン・スコセッシ)の屋敷に忍び込んだ彼女を監視する。 屋敷から出てきたジェニーからメダルを取り戻したアムステルダムは、彼女はからビルとは関わっていないと言われる。 実力者である富豪のジョン・F・スキャマホーン(デヴィッド・ヘミングス)と夫人(バーバラ・ブーシェ)らを連れて街を案内するハッピー・ジャックに声をかけたビルは、一行に挨拶する。 ビルは、ハッピー・ジャックは自分の言いなりだとアムステルダムに伝える。 モンクは今でもビルと対立していたが、彼に付き添うアムステルダムを牽制する。 アムステルダムは、モンクが父と共に戦った男だと気づく。 ビルに気に入られたアムステルダムが、何かを企んでいると考えたジョニーは、自分を巻き込むなと伝えるが、16年間も少年院にいた身で、今は何とか生きられればいいと言われる。 トゥイードに会ったビルは、犯罪の苦情が殺到しているため、見せしめに絞首刑を行うと言われ、それが実行される。 その夜、改革団体の慈善ダンスパーティーが開かれ、クイーンのジェニーは、アムステルダムを相手に選ぶ。 ジェニーに思いを寄せていたジョニーは、ショックを受ける。 パーティーを楽しんだアムステルダムとジェニーは、その後、愛し合おうとする。 しかし、ジェニーがビルと関係していることを知ったアムステルダムは、気分を害する。 市の条例で剣闘が禁止され、その賭けを仕切っていたビルは、アムステルダムのアイデアで海上で試合を行い、警察が手を出せないようにする。 その間、男達は戦場に向かい、そして、多くの戦死者が故郷に戻る。 ビルの右腕となったアムステルダムは、ある日、劇場で銃撃されたビルの命を助けて暗殺を阻止する。 舞台裏でアムステルダムに話しかけたモンクは、ヴァロンの息子であることを知っていたため、父は同胞を愛していたことを伝える。 仲間達や女と共に飲んでいたアムステルダムは、ビルの傷の治療をするジェニーを気にする。 部屋に向かったジェニーを追ったアムステルダムは、彼女と愛し合う。 目覚めたアムステルダムは、ベッドの脇に座っていたビルと話す。 ビルが去った後でアムステルダムは、ジェニーから、12歳で母が死に、路上でビルに拾われて育てられたものの、彼は指一本、自分に触れなかったと言われる。 アムステルダムに嫉妬したジョニーの話を聞いたビルは、常に自分の殺害を考えていると言われる。 憤慨したビルはジョニーを黙らせるが、アムステルダムの姓がヴァロンだと知る。 劇場でステージに上がったビルは、ジェニーを助手にしてナイフの腕を見せる。 ナイフが首をかすったジェニーはその場を去り、ビルは、16年前に戦った者達の話を始める。 ビルを殺すチャンスを窺うアムステルダムは、父ヴァロンを称える彼にナイフを投げようとする。 一瞬、早く放ったビルのナイフはアムステルダムの脇腹に突き刺さる。 その場の者達に、ヴァロンの名を汚す裏切り者の息子だと伝えたビルは、アムステルダムの脇腹からナイフを抜き取り拷問にかける。 医者を連れて監禁されたアムステルダムの元に向かい、治療して介抱したジェニーは、13歳の時から貯めた金でサンフランシスコ向かう夢を語り、一緒に行ってほしいと彼に伝える。 そこにモンクが現れ、ヴァロン神父が息を引き取った際に持ち去った、彼が使っていた剃刀をアムステルダムに渡す。 回復したアムステルダムに挑発されたビルは、手下を使わずに、ハッピー・ジャックにこの件を解決させようとする。 ハッピー・ジャックを待ち伏せして殺したアムステルダムは、死体を通りにさらす。 その後アムステルダムは、シャングと共に現れたジョニーらとジェニーらを前に、ネイティヴズなど比較にならない強大な組織を作る構想を語る。 自分のことをビルに売ったと言うジョニーを非難するアムステルダムは、二度と戻るなと言って彼を追放する。 マグロインに捕まりビルの元に連れていかれたジョニーは、裏切り者とみなされて痛めつけられる。 それを知ったアムステルダムは、苦しむジョニーを楽にさせるために、仕方なく殺す。 団結したアムステルダムらは、ビルらネイティヴズに対抗して、教会を占拠する。 補佐のキローラン(エディー・マーサン)を連れてアムステルダムの元に向かったトゥイードは、手を組むことを提案する。 モンクを保安官に推薦したアムステルダムは、それを条件に協力することをトゥイードに伝える。 立候補を承知し演説をして投票日を迎えたモンクだったが、ビルに殺されてしまう。 ビルに対決を申し入れたアムステルダムは、それを受けると言われ、戦いの日時や場所、そして拳銃以外の武器のことなどが話し合われる。 同じ頃、史上初の徴兵制が実施され、民衆がそれを妨害する。 対決を前にして、ジェニーはカリフォルニアに向かおうとするが、翌日まで待てば一緒に行くとアムステルダムから言われる。 街は灰になり死んでいると言って、アムステルダムの話を聞こうとしないジェニーは、その場を去る。 翌日、300ドルで徴兵を逃れられる金持ちや、黒人に襲い掛かる民衆は暴動を起こし、スキャマホーンの屋敷は襲撃される。 ”ファイヴ・ポイント”では、”デッド・ラビッツ”と”ネイティヴズ”が広場で相対する。 出動した軍は民衆に発砲し、軍艦からの砲撃と共に街の制圧が始まる。 アムステルダムは、傷を負ったビルをナイフで突き刺す。 瀕死のビルは、アムステルダムの手を握りしめながら息絶える。 港で暴漢に襲われたジェニーは、広場のアムステルダムの元に戻る。 その後、アムステルダムとジェニーは、殺されたジャング、ジミー、マグロインの死体を確認し、その上にはロウソクが灯されていた。 ブルックリン。
...全てを見る(結末あり)
少年院を出たアムステルダム(レオナルド・ディカプリオ)は、”ファイヴ・ポイント”に戻る。
(ニューヨーク徴兵暴動)
暴動は4日後に鎮圧され、アムステルダムは、ビルを父の傍らに埋葬する。
*(簡略ストー リー)
1846年、ニューヨーク、マンハッタン。
”ファイヴ・ポイント”地区の支配権をめぐる戦いで、アイルランド移民集団”デッド・ラビッツ”のヴァロン神父は、アメリカ生まれの集団”ネイティヴズ”の、ビル”ザ・ブッチャー”カッティングとの戦いで殺される。
16年後、少年院から戻ったヴァロン神父の息子アムステルダムは、正体を隠しビルの懐に入り込み父の復讐を誓い、その時を待つ。
ビルに気に入られて右腕にまでなったアムステルダムは、スリのジェニーと親密な仲になる。
その後アムステルダムは、ジェニーに心を寄せる旧友ジョニーの裏切りで正体がばれてしまい、痛めつけられて拷問にかけられるものの生かされる。
ジェニーの介抱で回復したアムステルダムは、アイルランド系の人々を統率し、ビルへの復讐の機会を窺うのだが・・・。
__________
製作と監督を兼ねるマーティン・スコセッシ自身が、生まれ育ったニューヨークで展開される初期のギャング同士の壮絶な戦いと、その人間模様をストレートに描く、力感溢れる作品。
暴挙にも思える、多くの犠牲を払いながら生き抜いていく人々の姿を描くことで、アメリカ人の逞しさと、躍動する街であるニューヨークのルーツとも言える社会の様子や構造などを認識できる、見応えある作品。
第75回アカデミー賞では、10部門にノミネートされるものの受賞は逃した。
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ダニエル・デイ=ルイス)
脚本・撮影・編集・美術・録音
衣装デザイン・歌曲賞
製作費に約1億ドルくをかけ、マンハッタンの”ファイヴ・ポイント”の街並みのセット、衣装などは見事な出来栄えではあるが、興行収入は期待を裏切り、北米で約7800万ドル、全世界でようやく1億ドルを超す結果に終わった作品でもある。
主人公は、父親の復讐を誓うレオナルド・ディカプリオが無難に演じている。
対する仇役ダニエル・デイ=ルイスの圧倒的な存在感は見もので、当時、5年間のブランクがあったとは思えない充実振りであり、その怪演は、主役のディカプリオ以上に話題になった。
主人公の二人と関係を持つスリのキャメロン・ディアス、冒頭で命を落とす”デッド・ラビッツ”のリーダーである神父のリーアム・ニーソン、彼の遺志を継ぎビル(ダニエル・デイ=ルイス)に対抗するブレンダン・グリーソン、地区を治める政治家のウィリアム・M・トゥイードのジム・ブロードベント、主人公の旧友ヘンリー・トーマス、ラリー・ギリアードJr.、ゲイリー・ルイス、ビルに買収されている警察官のジョン・C・ライリー、トゥイードの補佐エディー・マーサン、アムステルダム(レオナルド・ディカプリオ)と共に戦うスティーヴン・グレアム、富豪のデヴィッド・ヘミングス、その妻バーバラ・ブーシェ、興行主P・T・バーナム(ロジャー・アシュトン=グリフィス)、そして富豪役でマーティン・スコセッシが端役出演している。