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パリの恋人 Funny Face (1957)

ファッション誌のモデルにスカウトされた平凡な女性がカメラマンとの親交で美しく洗練され変貌していく姿と2人の恋を描く。
監督スタンリー・ドーネンオードリー・ヘプバーンフレッド・アステア他共演のミュージカル。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル

オードリー・ヘプバーン / Audrey Hepburn 作品一覧
オードリー・ヘプバーン / Audrey Hepburn / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:スタンリー・ドーネン

製作:ロジャー・イーデンス
脚本:レナード・ガーシェ
撮影:レイ・ジューン
編集:フランク・ブラシュ
美術・装置
ハル・ペレイラ

ジョージ・W・デイヴィス
サミュエル・M・コマー

レイ・モイヤー
衣装デザイン
イデス・ヘッド

ユベール・ド・ジバンシィ
音楽
ジョージ・ガーシュウィン

アイラ・ガーシュウィン
アドルフ・ドイッチ

出演
ジョー・ストックトン:オードリー・ヘプバーン

ディック・エイヴリー:フレッド・アステア
マギー・プレスコット:ケイ・トンプソン
エミール・フロストル教授:ミシェル・オークレール
ポール・デュヴァル:ロバート・フレミング
ドヴィッチ:アレックス・ゲリー
レティ:ルータ・リー
アルマンド:イフィジェニー・カスティグリオニ
マリオン:ドビマ

バブス:バージニア・ギブソン
メリッサ:ナンシー・キルガス

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1957年製作 103分
公開
北米:1957年2月13日
日本:1957年9月28日
製作費 $3,000,000


アカデミー賞 ■
第30回アカデミー賞

・ノミネート
脚本・撮影・美術・衣裳デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨーク
創刊60年のファッション雑誌”クォリティ・マガジン”編集長マギー・プレスコット(ケイ・トンプソン)は、新企画が気に入らず、全てをピンクで統一するアイデアを出す。

マギーは、早速カメラマンのディック・エイヴリー(フレッド・アステア)に撮影を始めさせる。

ディックは、モデルのマリオン(ドビマ)に手を焼き、マギーと共に新しいモデル”ミス・クォリティ”を探し始める。

街に出たディックとマギーは、グリニッジ・ヴィレッジのある陰気な古本店に押し入る。

店員ジョー・ストックトン(オードリー・ヘプバーン)の意見も聞かずに、ディックらは撮影を始めようとする。

撮影を終えたディックは、店内を散らかしてしまったことをジョーに謝罪して片づけを手伝う。
...全てを見る(結末あり)

パリに行くと言うディックに、哲学者エミール・フロストル教授(ミシェル・オークレール)の教官主義を信奉するジョーは、自分もパリに興味があることを伝える。

ディックは帰り際に、何となくジョーにキスしてしまい、彼女に別れを告げて立ち去る。

その後ディックは、マリオンと一緒に映っていたジョーの魅力に目をつけ、彼女をモデルにすることをマギーに伝える。

マギーは、本を配達させるという名目でジョーを呼び出し、有無を言わせずモデルにしようとする。

しかし、抵抗したジョーはその場から逃げ出し、ディックのいた暗室に逃げ込む。

ディックが、自分をモデルに推薦したことを知ったジョーだったが、容姿に自信のない彼女は引け目を感じる。

個性的な顔をしていると言って、ジョーを励ますディックは、パリに行って、フロストル教授の講義も聞けることを彼女に伝える。

納得したジョーは、ディックやマギーらと共にパリに向かうことになる。

パリに着いたジョーらは、別行動で市内観光を楽しみ、偶然にエッフェル塔で出くわし、展望台などで楽しい時間を過ごす。

ファッション・ショーの舞台となる、ポール・デュヴァル(ロバート・フレミング)の店では、ジョーが現われないために騒ぎとなり、当てのあるディックが彼女を捜しに行く。

あるカフェでジョーを見つけたディックは、彼女を怒らせてしまうが、優しく接して彼女の心を和ませる。

翌日、ピンクを基調にしたドレスを身にまとったジョーは、ディックやマギーの前に現われ、その美しさは彼らを感激させる。

市内での撮影が始まり、それが進むにつれ、ジョーはディックに心を寄せるようになる。

そして、ウエディング・ドレス姿での教会の撮影で、ジョーはディックに愛を伝えてしまう。

デュヴァルの店では、ショーの準備が着々と整い、マギーが、美しさを表現する心得をジョーに伝授する。

ショーの夜、ジョーは、フロストル教授がカフェで講義をしていると聞き、その場に向かう。

思っていたよりも若い教授に驚くジョーは、自己紹介をして彼と話し込む。

そこにディックが現われ、ジョーを強引にカフェから連れ出しデュヴァルの店に向かう。

ディックが、教授は女を誘おうとしているだけの男だと指摘したため、ジョーは気分を害してしまう。

二人は舞台裏で言い争いステージを壊してしまい、会場は混乱し、マギーらはマスコミに叩かれ笑い者になってしまう。

ホテルに閉じ篭ってしまったジョーが、フロストルの集会に誘われたことを知ったディックとマギーは、夫婦に扮してその場に侵入する。

現われた、ディックとマギーの話を聞こうとしないジョーは二人を追い払う。

その後ジョーは、フロストルに誘惑されて迫られてしまい、彼を置物で殴り倒してデュヴァルの店に向かう。

ディックは帰国するため空港に向かおうとしていたため、ジョーは彼を追おうとする。

しかし、ショーを開かなければならないマギーは、ジョーを説得し、自分がディックを呼び戻そうとする。

マギーはディックを捉まえられず、ジョーの心は沈み、ショーの最後を飾るウエディング・ドレス姿で、彼女は涙する。

その頃、ディックは、空港で飛行機に乗るフロストルに出くわす。

フロストルがジョーに殴られたことを知ったディックは、ジョーの気持を知りデュヴァルの店に戻る。

ジョーが、ウエディング・ドレスのまま教会に向かったことを察したディックは、思い出の場所で彼女を見つける。

美しいジョーを見つめるディック、それに気づいた彼女は満面の笑みを浮かべ、そして、二人は愛を確かめ合う。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ファッション誌”クォリティ・マガジン”編集長のマギー・プレスコットは、新企画を発表し、カメラマンのディック・エイヴリーに撮影を始めさせる。
しかしディックは、トップ・モデルに不満を感じ、新しいモデル”ミス・クォリティ”を探そうとマギーと街に出る。
陰気な古本店に目をつけた二人は、その場に押し入り、店員ジョー・ストックトンを無視して撮影を始める。
社に戻ったディックは、地味ではあるが個性的なジョーに魅力を感じ、彼女をモデルとしてマギーに推薦する。
強引にモデルにさせられそうになったジョーはそれを拒むが、ディックにパリに行けることを知らされる。
哲学者フロストル教授の共感主義を信奉するジョーは、仕方なくモデルになることを承諾し、ディックやマギーらと共にパリに向かい、慌しい日々が始まるのだが・・・。
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MGMの黄金期を支えたスタッフ、そしてフレッド・アステアなどが、シンデレラ・ガール、オードリー・ヘプバーンの魅力を最大限に生かすために、パラマウントで作った”MGM”作品のようなミュージカル。

上記のように、MGMミュージカルを支えたロジャー・イーデンス製作、監督スタンリー・ドーネンによる作品で、パラマウントのオープニング・ロゴがなければ、正にMGM映画と言えるような作品でもある。

パラマウントと専属契約を結んでいた”世紀の逸材”オードリー・ヘプバーンを起用するために、MGMが総出で製作したような作品でもある。

そのオードリー・ヘプバーンの魅力を生かすために、ジョージ・ガーシュウィンアイラ・ガーシュウィンの曲はやや控えめに挿入されている感じを受けるが、パリの名所の数々を映し出す美しい映像など、楽しさ満載の作品となっている。

全体的に見ると、正に妖精のような輝きを放っているオードリー・ヘプバーンなのだが、よく言われる、顔の各パーツはそれほどの美形ではなく、それをあえてセリフとして挿入して、初登場はごく質素であり、艶やかに変身した際の美しさを際立たせている。

モデルとなる場面からは、お馴染みユベール・ド・ジバンシィの衣装を身にまとうのだが、古本店の地味な服装は、紛れもなくイデス・ヘッド風であるところなども興味深い。

第30回アカデミー賞では、脚本、撮影、美術、衣裳デザイン賞にノミネートされた。

60歳に近づくフレッド・アステアのステップ他の素晴らしさは言うまでもなく、慌しいしい編集長を演ずるケイ・トンプソンに注目してもらいたい。

吹き替えではなく肉声の歌声も嬉しい、バレエの心得のあるオードリー・ヘプバーンが、なかなかのダンスを披露してくれるのに感心するのだが、付け入る隙を与えない編集長ケイ・トンプソンは、彼女に美しさの表現方法を伝授しようとする。
その場面の2人のステップを見比べていると、足元、指先まで伝わる、トンプソンのその表現力の素晴らしさパフォーマンスに圧倒されてしまう。

ヒロインに言い寄る、哲学者の教授ミシェル・オークレールパリでのショーを主催するロバート・フレミング、当時の人気モデル、ドビマなどが共演している。


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