警察内部の腐敗に身を置きながら現実と向き合う警官の苦悩と闘いを描く、主演カーティス“50 Cent”ジャクソン、フォレスト・ウィッテカー、ロバート・デ・ニーロ他共演、監督ジェシー・テレロによるドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェシー・テレロ
製作
ランドール・エメット
カーティス“50 Cent”ジャクソン他
脚本:L・フィリップ・カシアス
撮影:イゴール・マルティノヴィッチ
編集:カーク・モッリ
音楽:レグB
出演
ジョナス”マロ”マルドナド:カーティス“50 Cent”ジャクソン
デニス・ラルー:フォレスト・ウィッテカー
ジョー・サルコーネ:ロバート・デ・ニーロ
A.D.ヴァルバム:マルコム・グッドウィン
ルーカス:ライアン・オナン
シン:アナベル・アコスタ
ジョーイ:ボー・ギャレット
ロバート・ジュード:マイケル・マグレイディ
ビリー・モリソン:マット・ジェラルド
テレンス・バーク:ロバート・ウィスダム
ガブリエル・バエズ:ペドロ・アルメンダリスJr.
サリー:ヴィニー・ジョーンズ
リディア・ベッキオ:ダナ・デラニー
アンジー:ジェフ・チェイス
アメリカ 映画
配給 ライオンズゲート
2012年製作 96分
公開
北米:2012年8月10日
日本:2013年1月12日
製作費 $20,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
元ストリートギャングのジョナス”マロ”マルドナド(カーティス“50 Cent”ジャクソン)は、更生して市警の警官となる。
亡くなった父親の相棒で警部のジョー・サルコーネ(ロバート・デ・ニーロ)に声をかけられたジョナスは、あるバーに呼び出される。
サルコーネは、裏金を分配する警察内部の腐敗した実情を率直に語り、ジョナスをその仲間に誘う。
右腕のデニス・ラルー(フォレスト・ウィッテカー)を教育係にすると言うサルコーネと、ジョナスは酒を酌み交わす。
ジョナスは、好きな女を選べとサルコーネに言われて、バーテンダーのジョーイ(ボー・ギャレット)を口説く。
翌日からラルーと組んだジョナスは、ドラッグや銃の取引に同行する。 同僚の警官ルーカス(ライアン・オナン)は、差別主義者のビリー・モリソン(マット・ジェラルド)と組み、彼の言動にうんざりする。 子供にドラッグを売っていた男を捕えようとしたジョナスは、それをラルーに止められる。 納得がいかないまま一日を終えたジョナスは落ち込み、恋人のシン(アナベル・アコスタ)とのことを考える余裕がなかった。 翌日、応援要請を受けたラルーは、黒人警官のテレンス・バーク(ロバート・ウィスダム)やルーカスとモリソンが、銃を持った男達を説得している現場に駆けつける。 ラルーは男達に銃を捨てさせ、黒人の一人を逮捕してバークに引き渡すようモリソンに命ずる。 モリソンは男に暴力を振るうが銃を奪われ、ジョナスが彼を説得して拘束する。 納得できないモリソンは、ラルーに因縁を付けながらその場を去る。 ラルーは、逮捕したもう一人の男からドラッグを押収して解放する。 A.D.ヴァルバム(マルコム・グッドウィン)は、教育係のバークに逮捕した男を解放するよう指示される。 その後、ある女達が侵入しようとしていた建物に大金があることを知ったラルーは、騒ぐ一人を射殺する。 ジョナスは、逃げたもう一人を追うが、女はバスに轢かれてしまう。 サルコーネに現金を渡し、分け前を受取ったジョナスは、ラルーと共に楽しむ。 その後、顔を合わせたジョナス、ルーカス、ADは、互いの教育係についてなどを話す。 数日前に逃がした売人を見つけたジョナスは、彼を追うものの逃げられてしまう。 しかし、近くにいたモリソンが売人を叩きのめし、ジョナスは男を逮捕する。 サルコーネは、ジョナスの様子をラルーに聞き、彼を試すことを考える。 ルーカス、ADと共に集金に行ったジョナスは、サルコーネが怖くないというサリー(ヴィニー・ジョーンズ)から、黒幕であるガブリエル・バエズ(ペドロ・アルメンダリスJr.)の存在を知らされる。 20年間ヤクを街に流しているバエズの金を、サルコーネがくすねていることと、自分達が利用されているのをジョナスらは知らされる。 サルコーネに金を渡したジョナスは、検事補が送り込んだ、内部にいるスパイを必ず探しだして始末すると言われる。 その後、あるクラブで因縁を付けられたルーカスは、相手を射殺してしまい、ジョナスとADと共にその場から逃れる。 その件がサルコーネに知れて、ジョナスは痛烈に非難される。 亡くなった検事補の妻リディア・ベッキオ(ダナ・デラニー)に探りを入れたジョナスは、警察内部の腐敗を調査した夫の不自然な自殺について聞かされる。 リディアは、DEA(麻薬取締局)の捜査官ロバート・ジュード(マイケル・マグレイディ)から渡された資料のサルコーネの汚職の証拠の中に、ジョナスの父の名もあったことを話す。 そしてジョナスは、父親がサルコーネの悪事を供述するように説得されたために殺され、自分が、その罪滅ぼしのために警察学校に入れられたことを知る。 サルコーネを裏切るわけにはいかないジョナスだったが、リディアから資料を渡されてそれを調べ、彼女の語ったことを確認する。 DEAのジュードを訪ねたジョナスは、サルコーネを破滅させるための協力を申し出る。 シンの元に向かったジョナスだったが、愛を告げられず、憤慨する彼女に追い出される。 競馬場でバエズの金が動くと知ったジョナスは、ラルーと共に現場に向かう。 ジョナスはルーカスとADと合流して、その場にいたシンの兄アンジー(ジェフ・チェイス)を脅す。 アンジーがバエズの名を口にしたため、ラルーは焦ってその場を去ろうとする。 抵抗したアンジーは射殺され、ラルーを殴り倒したジョナスらは、その場の現金を奪う。 ADは、自分達の行為に嫌気が差して立ち去り、ルーカスもジョナスの言いなりになることを嫌い怒りを露わにする。 バエズから事件を知らされたサルコーネは、早急に始末をつけることを迫られ、ラルーとも連絡が取れずに焦る。 ラルーを疑いながらジョナスに連絡を入れたサルコーネは、バエズをなだめ会いに行くようにとジョナスに指示する。 ジョナスはDEAの資料をバエズに渡し、サルコーネが裏切っていることを伝えて罠にかけようとする。 サルコーネに連絡を入れたジョナスは、ラルーは見つからないものの、バエズに金を返す方法はあることを伝える。 その頃、車のトランクに閉じ込められていたラルーは抵抗するものの始末される。 バエズに会ったジョナスは現金を戻すのだが、ルーカスとシンが捕えられていることを知る。 バエズは、テストだと言ってどちらか一人を殺すようジョナスに強要する。 指示に従わない場合は二人を殺すと言われたジョナスは、仕方なく一人を射殺する。 サルコーネを連れて車に乗ったジョナスは、その様子をジュードに盗聴させる。 父親が検事補と組み裏切ったために殺されたことをジョナスに伝えたサルコーネは、車を降りた瞬間に逮捕されるはずだった。 しかし、サルコーネは何者かに狙撃されて死亡する。 その後ジョナスは、自分を見捨てなかったシンに感謝する。 ジョナスは現れたジュードから、”フリーランサー”(自由契約)として自分達と組むようにと誘われバッジを渡される。 それを受取ったジョナスは、新しいボスのジュードをシンに紹介する。 ジョナスは、今度こそ自分を信じて欲しいとシンに言い残してその場を去ろうとする。 シンに呼び止められたジョナスは、愛していると伝えて立ち去る。 通りに車を止めていたバエズは、ジョナスを見つめただけで無言で走り去る。
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*(簡略ストー リー)
ニューヨーク。
元ストリートギャングのジョナス”マロ”マルドナドは、市警の警官となる。
警部サルコーネに呼ばれたジョナスは、腐敗した警察内部の実情を知らされ、それを仕切る自分の仲間になるよう強要される。
ジョナスは教育係のラルーと組まされて、犯罪者のような彼と行動を共にする。
やがて、その世界に引きずり込まれたジョナスだったが、警官であった亡くなった父親も汚職に関与していたことと、死の秘密を知る。
サルコーネがそれに関わり、彼を操る大物バエズの存在を知ったジョナスは、DEA(麻薬取締局)と組んで腐敗の一掃を考えるのだが・・・。
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あらゆる局面で題材となるほど、大きな社会問題化している警察の腐敗を鋭く追及する内容、豪華スターの競演は注目だ。
きれい事だけを映し出さない内容はまずまずだが、見慣れた展開は緊迫感もないまま進行し、超一級のスターが出演する必要もなかったのではとも思う。
劇場公開はされたと言えないような状況の作品で、殆どの国がDVDプレミアとなった。
熱演ではある主人公カーティス“50 Cent”ジャクソンと、凄みのある貫禄で流石に存在感を発揮する悪徳警官フォレスト・ウィッテカーとロバート・デ・ニーロの出演だけで、ファンは満足といったところだろうか。
個人的には、公開前年に他界した、ジョン・フォード作品などでも活躍したペドロ・アルメンダリスの息子ペドロ・アルメンダリスJr.が、裏社会のボスを演じていたことが興味深い。
主人公の同僚警官マルコム・グッドウィンとライアン・オナン、主人公の恋人アナベル・アコスタ、主人公と愛し合うボー・ギャレット、DEA捜査官のマイケル・マグレイディ、警官のマット・ジェラルド、ロバート・ウィスダム、悪党役のヴィニー・ジョーンズとジェフ・チェイス、検事補の妻ダナ・デラニーなどが共演している。