世界中の子供達や人々に愛されているサンタクロースにはひねくれ者で出来の悪い兄がいたという奇抜な設定で描く、製作、監督デヴィッド・ドブキン、主演ヴィンス・ヴォーン、ポール・ジアマッティ、ミランダ・リチャードソン、エリザベス・バンクス、レイチェル・ワイズ、キャシー・ベイツ、ケビン・スペイシー他共演の心温まるファンタジー・コメディ。 |
・コメディ
・ケヴィン・スペイシー / Kevin Spacey / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・ドブキン
製作総指揮:ポール・ヒッチコック
製作
ジョエル・シルバー
ジェシー・ネルソン
デヴィッド・ドブキン
脚本:ダン・フォーゲルマン
撮影:レイミ・アデファラシ
編集:マーク・リヴォルシ
音楽:クリストフ・ベック
出演
ヴィンス・ヴォーン:フレッド・クロース
ポール・ジアマッティ:ニコラス・クロース
ミランダ・リチャードソン:アネット・クロース
ジョン・マイケル・ヒキンズ:ウィリー
エリザベス・バンクス:シャリーン
レイチェル・ワイズ:ワンダ・ブリンカウスキー
キャシー・ベイツ:ママ・クロース
トレヴァー・ピーコック:パパ・クロース
ケビン・スペイシー:クライド・ノースカット
ボビー・J・トンプソン:サミュエル”スラム”ギボンズ
アラン・コードゥナー:ゴールドファーブ医師
クリス”リュダクリス”ブリッジス:DJドニー
フランク・スタローン:本人
ロジャー・クリントン:本人
スティーヴン・ボールドウィン:本人
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2007年製作 115分
公開
北米:2007年11月9日
日本:2007年12月1日
北米興行収入 $72,000,870
世界 $97,838,350
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
昔々・・・
クロース夫妻(トレヴァー・ピーコック/キャシー・ベイツ)に、2番めの子供ニコラスが生まれる。
その後、長男フレッドは優秀な弟ニコラスの引き立て役となってしまい、両親と弟のことを嫌いになる。
そしてフレッドは、反抗的で意地悪な性格になってしまう。
それに反し、ニコラスは益々寛大になり、母親の言う通り彼は”聖人”になる。
聖人になった聖ニコラスは年もとらずに、世界中の人々に愛される”サンタクロース”になった。
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シカゴ(現代)。 そんなフレッドは、街頭のサンタの募金活動を妨害して投獄されてしまう。 フレッドは、恋人ワンダ・ブリンカウスキー(レイチェル・ワイズ)に連絡がつかず、仕方なく弟ニコラス(ポール・ジアマッティ)に保釈金の支払いを頼む。 ニコラスは、妻アネット(ミランダ・リチャードソン)の反対を押し切り、フレッドが、北極でサンタクロースの手伝いをするという条件で保釈金を払うことにする。 そしてフレッドの元に、エルフ(小人)のリーダー、ウィリー(ジョン・マイケル・ヒキンズ)が現れ、そりに乗り、あっと言う間に北極に到着する。 サンタクロースの秘書のシャリーン(エリザベス・バンクス)に迎えられたフレッドは、ニコラスと妻アネットに久し振りに再会するが、アネットはフレッドを煙たがる。 長身のフレッドは、自分のサイズに合わないウィリーの部屋に滞在し、クリスマス・プレゼントの製造工場で働くことになる。 フレッドはそこで、良い子と悪い子を振り分ける、ニコラスの手伝いを始める。 そんな時、能率向上の指導員クライド・ノースカット(ケビン・スペイシー)が、ニコラスの工場の視察に現れる。 効率の悪さから北極工場を閉鎖して、南極に移転することを検討していることを、ノースカットは、ニコラスとアネットに伝える。 DJドニー(クリス”リュダクリス”ブリッジス)が、工場内に流すクリスマス・ソングに飽き飽きしたフレッドは、勝手に曲を変えて、工場内でエルフ達と一緒に踊りだしてしまう。 そこに運悪く、ノースカットを連れたニコラスとアネットが現れ、ニコラスは、必死に言い訳をする。 ニコラスはフレッドに優しく警告して、その夜、彼を夕食に誘うのだが、毎年クリスマスには訪れるという両親がいることにフレッドは気づく。 フレッドは両親も嫌っていたため、二人に会うことを拒絶するが、ニコラスの説得で仕方なく食事をすることになる。 しかし、母は相変わらずフレッドに皮肉を連発し、居た堪れなくなった彼は、席を立ち姿を消してしまう。 酒場でウィリーと会ったフレッドは、彼がシャリーンに恋していることを知り、ダンスを伝授したりする。 しかし、その隙にノースカットが、子供達のプレゼントのリストを破棄してしまう。 ノースカットは、フレッドの素行の悪さや警察沙汰を知り、彼がリストを破棄したことにして、ニコラスに警告する。 両親やニコラス夫妻、さらにシカゴから呼び出されたワンダの前に、無理矢理連れて来られたたフレッドは、女性陣から責められてしまう。 そんなフレッドは、シカゴで可愛がっていたものの、孤児院に入れられてしまった少年”スラム”ギボンズ(ボビー・J・トンプソン)が、悪い子のリストのトップになってしまったことを知る。 スラムはサンタクロースを軽蔑し、同じ孤児院の子供達の夢を打ち砕いていたのだ。 それを見たフレッドが、悪い子を全て良い子にしてしまったため、ニコラスは憤慨して2人は大喧嘩を始めてしまう。 そしてニコラスは、あと一回の失敗でノースカットに工場を閉鎖されてしまうことをフレッドに話す。 フレッドはシカゴに帰り、ノースカットはフレッドが良い子のリストを偽装した証拠をニコラスに見せ、彼に”解雇通知”を渡す。 自宅に戻ったフレッドは、ニコラスからのプレゼントが、子供の時に壊された鳥の家だと知り、兄弟の軋轢に悩む者達のセミナーに参加してみる。 そこで、大成功を収めた兄を持つ、フランク・スタローン、ロジャー・クリントン、スティーヴン・ボールドウィンらと会いフレッドは心を改める。 そしてフレッドは、ニコラスから保釈金のために貰った金を使い、自力で北極に向かう。 工場に着いたフレッドは、エルフを集めフル稼働でおもちゃを作り始めるが、ニコラスは、彼との喧嘩で腰を痛めて動けなくなっていた。 クロース家の者しか、プレゼントを配ってはいけないというルールがあったために、仕方なくフレッドは、”大嫌い”なサンタクロースに扮して、プレゼントの配達に出発しようとする。 それを制止しようとするノースカットを無視して、フレッドはウィリーと共にトナカイのそりで飛び立つ。 悪戦苦闘のフレッドは世界中を飛び回り、スラムに希望通り子犬を渡し、サンタクロースを信じさせる。 シャリーンの計算で、プレゼントの配達が間に合うことがわかりエルフ達は喜ぶが、ノースカットがそれを妨害する。 しかしニコラスは、ノースカットが子供時代に悪い子のNo.1だったことで、彼が欲しがっていた”スーパーマン”のマントをあげなかったことを話し始める。 ニコラスは、それをあげれば今のような意地の悪い大人にならなかっただろうとノースカットに告げ、”スーパーマン”のマントを彼に渡し協力を要請する。 改心したノースカットは工場を稼動させ、フレッドとウィリーは、最後の追い込みをかける。 やがて朝が訪れ、北極に戻ったウィリーはシャリーンに愛を告げ、フレッドは、やり遂げたことをエルフ達に報告する。 フレッドやエルフ達は、世界中の出来事が見られる”スノー・ドーム”に向かい、サンタクロースのプレゼントに喜ぶ子供達の姿を見守る。 ニコラスはフレッドに感謝し、プレゼントを持ったフレッドはワンダの元に向かう。 そして、フレッドはワンダをそりに乗せて、パリに向かう。 次のクリスマス、ニコラスも、”素晴らしい兄”というプレゼントをもらい、フレッドは、ワンダと婚約して家族と共に幸せに過ごす。
成長したフレッド(ヴィンス・ヴォーン)は、ひねくれ者になり、相変わらず”サンタクロース”やクリスマスを毛嫌いしながら取り立て屋をやっていた。
...全てを見る(結末あり)
その後、ニコラスはノースカットを相談役にして、作業効率は上がり、良い子・悪い子審査は廃止される。
*(簡略ストー リー)
優秀な弟、ニコラス・クロースの引き立て役のように育った兄フレッドは、両親や弟を憎んでいた。
フレッドは、後にサンタクロースとなる弟が活躍するクリスマスも嫌いになってしまう。
その憎しみがきっかけで、投獄されてしまったフレッドは、ニコラスに保釈金を出してもらう代わりに、クリスマスの準備を手伝わされることになる。
仕方なくフレッドは、それに従おうとするのだが、再びトラブルを起こしてしまう・・・。
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本作では、サンタクロースが主役でないところがポイントで、良心の象徴のような存在のサンタの身内に、とんでもない”不良”がいたという、常識外れのストーリーがなかなか楽しい。
興行成績は、全世界で1億ドルに迫るまずまずのヒットとなった。
監督は、コメディ映画のヒットメイカーであるデヴィッド・ドブキンで、主演のヴィンス・ヴォーンとは、北米で大ヒットした「ウエディング・クラッシャーズ」(2005)でもコンビを組んでいる。
CGを駆使した、北極のサンタクロースの街や、空飛ぶトナカイのそり、「ロード・オブ・ザ・リング」(2001)の特撮を思い起こさせる小人の映像などの仕上がりも上出来で、多数の演技派スターが顔を揃えた豪華キャストも見所の一つだ。
悪ガキ風のヴィンス・ヴォーンは、正にはまり役で、長身(196cm)の彼と小人達のエルフとのマッチングも実に可笑しい。
家族、兄思いのサンタクロースを演ずるポール・ジアマッティの、温かみのある好演も見逃せない。
温厚な夫サンタクロース(P・ジアマッティ)の操縦役アネット役のミランダ・リチャードソン、エルフのリーダー、ジョン・マイケル・ヒキンズ、彼と結ばれるサンタクロースの秘書エリザベス・バンクス、主人公の勝気な恋人レイチェル・ワイズ、母キャシー・ベイツ、父トレヴァー・ピーコック、そして、改心する能率検査員のケビン・スペイシー、DJクリス”リュダクリス”ブリッジス、主人公が可愛がる少年ボビー・J・トンプソン、偉大な兄を持ち悩むセミナーの仲間で、シルヴェスター・スタローンの実弟フランク・スタローン、ビル・クリントン元大統領の実弟ロジャー・クリントン、アレック・ボールドウィンやウィリアム・ボールドウィンの実弟スティーヴン・ボールドウィンなどが、興味深い役で笑わせてくれる。