1818年に発表された、メアリー・シェリーの小説”フランケンシュタイン”と、ペギー・ウェブリングの舞台劇”フランケンシュタイン”を基に製作された作品。 生命の再生を追及した科学者フランケンシュタインによる”モンスター”の創造と恐怖を描く、製作カール・レムリJr.、監督ジェイムズ・ホエール、主演コリン・クライヴ、メイ・クラーク、ジョン・ボリス、ボリス・カーロフ、エドワード・ヴァン・スローン、フレデリック・カー他共演によるゴシック・モンスター・ホラーの傑作。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェイムズ・ホエール
製作:カール・レムリJr.
原作
メアリー・シェリー”フランケンシュタイン”
ペギー・ウェブリング”フランケンシュタイン”(舞台劇)
原案
ジョン・L・バルダーストン
リチャード・シャイヤー
脚本
フランシス・エドワード・ファラゴー
ギャレット・フォート
ロバート・フローリー
ジョン・ラッセル
撮影:アーサー・エディソン
編集
クラレンス・コルスター
モーリス・ピーヴァー
音楽:ベルンハルト・カウン
出演
ヘンリー・フランケンシュタイン:コリン・クライヴ
エリザベス・レヴェンザ:メイ・クラーク
ヴィクター・モーリッツ:ジョン・ボリス
フランケンシュタインの”モンスター”:ボリス・カーロフ
ウォルドマン博士: エドワード・ヴァン・スローン
フランケンシュタイン男爵:フレデリック・カー
フリッツ:ドワイト・フライ
ヴォーゲル市長:ライオネル・ベルモア
マリア・ルートヴィヒ:マリリン・ハリス
ルートヴィヒ:マイケル・マーク
ハンス:フランシス・フォード
メイド:セシリア・パーカー
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1931年製作 71分
公開
北米:1931年11月21日
日本:1932年4月15日
製作費 $291,000
北米興行収入 $12,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
映画上映前にエドワード・ヴァン・スローンが登場して、カール・レムリからの忠告を伝える。
科学者のフランケンシュタインが、神の教えに背き人間の生命を創造しようとする、世にも怪奇で神秘的な人間の生と死を描いた物語である。
驚愕と興奮の中で恐怖に震えることになると思われるので、それに耐えられなければ・・・、警告しておきます。
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バーヴァリアン・アルプス。
村の墓地で葬儀が行われていた。
新たな生命の創造を考える科学者のヘンリー・フランケンシュタイン(コリン・クライヴ)は、背中が曲がった助手のフリッツと共に、埋葬が終わるのを見守る。
その後、フリッツと共に棺を掘り出したフランケンシュタインは、それを荷車に乗せて運ぶ。 途中、吊るされた男の遺体を下ろしたフランケンシュタインは、首が折れているために脳は使えないと考え、別のものを探さなければならないとフリッツに伝える。 ゴルドスタッド医科大学。 その場に侵入したフリッツは、正常な脳のサンプルを持ち去ろうとするものの、容器を落としてしまう。 フリッツは、その場にあった異常者である殺人鬼の脳を持ち去る。 エリザベス・レヴェンザ(メイ・クラーク)は、訪ねて来たヴィクター・モーリッツ(ジョン・ボリス)に、婚約者のヘンリーから4か月ぶりに手紙が届いたことを伝える。 ”エリザベスよりも大事な仕事がある、夜、山に風は吹き、ここにはだれもいない、秘密を守らなければならない・・・。 婚約した日に、信じられないほどの大発見をしたと言って、その時のヘンリーの目の輝きを語るエリザベスは、彼のことが心配だとヴィクターに話す。 ヘンリーとは3週間前に森の中で会ったと言うヴィクターは、実験を見たいと伝えても断られ、様子がおかしかったとエリザベスに話す。 悩むエリザベスに、ウォルドマン博士に相談することを提案したヴィクターは感謝され、君のためなら何でもすると伝える。 親切なヴィクターに好きになりそうだと伝えたエリザベスは、彼からそうだと嬉しいと言われるものの、ヘンリーのことを考える。 その場を去るヴィクターを呼び止めたエリザベスは、彼に同行する。 エリザベスとヴィクターに会ったウォルドマンは、教え子のヘンリーは優秀だが、常軌を逸したところがあると二人に伝える。 ヘンリーが大学を辞めた理由を訊かれたウォルドマンは、電気療法と電気生物学の研究は大学よりもはるかに進歩して危険な状態となり、彼は人が変わってしまったと話す。 生命の創造の研究を成功させることに執着するヘンリーは、講義で使う検体では実験に使えないため、良質なものを大学に要求し、それを断られて辞めた彼は独自で実験を続けたのだった。 それが動物だと思ったヴィクターだったが、ウォルドマンから、ヘンリーは人の命に興味を持ち、死者を再生しようとしたと言われる。 ヘンリーに会いたいエリザベスは、ウォルドマンに同行を求め、歓迎はされないだろうと言われるものの塔に向かう。 嵐の中、フリッツと共に実験の準備をするフランケンシュタインは、脳の移植も終えた創造物を、雷の電力を使い蘇らせようとする。 誰かが来たことに気づいたフランケンシュタインは、誰も入れないようにとフリッツに指示して入り口に向かわせる。 フリッツに追い払われたウォルドマンらは、塔の上にいたフランケンシュタインに話しかける。 エリザベスが来ていることを知ったフランケンシュタインは、仕方なく彼女らを内部に入れる。 今日は帰ってほしいと伝えたフランケンシュタインは、邪魔されたくないだけだと伝える。 強引に帰そうとするフランケンシュタインは、ヴィクターから正気ではないと言われたため、正気であることを証明すると伝えて彼らを実験室に連れて行こうとする。 本気で見る覚悟はあるか確かめたフランケンシュタインは、エリザベスらを案内する。 エリザベスとヴィクター、そして創造物に関心を持つウォルドマンを座らせたフランケンシュタインは、実験の説明を始める。 スペクトルで最高の光が紫外線だと言っていたウォルドマンの考えを否定するフランケンシュタインは、それを超えた装置で生命を与える光を発見したことを話す。 動物から始まり人間の心臓は3週間、鼓動を撃ち続けたと言うフランケンシュタインは、今夜、実験台に横たわる肉体に命を与えるとウォルドマンに伝える。 死体を生き返らせるのか訊かれたフランケンシュタインは、生命を持たない自分の創造物だと答える。 墓から死体を盗んでつなぎ合わせたと言うフランケンシュタインは、それをウォルドマンに確認させる。 興奮するフランケンシュタインは、落雷が激しくなったために実験を始め、創造物を乗せた実験台を塔の屋上に上昇させる。 暫くしてそれを下ろしたフランケンシュタインは、肉体の手が動いていることを確認し、”生きている!!”と叫んで興奮し、ウォルドマンとヴィクターが彼を落ち着かせる。 その後、ヘンリーの父フランケンシュタイン男爵(フレデリック・カー)の元に向かったエリザベスとヴィクターは、心配いらないと伝えるものの、何か隠していると言われる。 納得できない男爵は、現れたヴォーゲル市長(ライオネル・ベルモア)から、村中の人々が待つ結婚式の日取りを訊かれ、待つ必要はないと言って彼を追い払う。 ヘンリーが浮気をしていると考えた男爵は、息子を連れ戻そうとする。 その頃、創造物は”モンスター”であり危険だと言うウォルドマンは、その限界に挑んでこそ発明になると話すフランケンシュタインに、自分に酔いしれているだけだと伝える。 ここにいるのはただの脳だと言えわれたフランケンシュタインは、大学にあったものなので完璧なはずだとウォルドマン伝えるものの、盗まれたのは異常者である殺人鬼の脳だということを知らされる。 一瞬、戸惑うものの、肉体の一部に過ぎないと伝えたフランケンシュタインは、破滅すると言われても気にしない。 父もエリザベスのことも心配ないと言うフランケンシュタインは、創造物は育てている段階だとウォルドマンに伝える。 そこに現れた創造物(ボリス・カーロフ)を座らせたフランケンシュタインは、彼が言葉を理解することを確認して陽の光を当ててみる。 光に反応して立ち上がった創造物を座らせたフランケンシュタインだったが、そこに現れたフリッツが創造物を興奮させる。 ウォルドマンが指摘したように、創造物は”モンスター”と化して暴れ始め、取り押さえたフランケンシュタインらは彼を拘束する。 監視していたフリッツに脅されたモンスターは彼を殺し、動揺するフランケンシュタインを落ち着かせたウォルドマンは、殺すしかないと言って毒薬の注射器を用意させる。 モンスターに抵抗されながらも注射を打ったフランケンシュタインは、現れたヴィクターから父が来ていると言われたためにモンスターを隠す。 エリザベスと共にヴィクターに内部に案内された男爵は、現れたウォルドマンに説明を求める。 ヘンリーを連れ帰るべきだと言われた男爵は、そのつもりだと伝えて、エリザベスと共に階段を上がる。 倒れ込んだヘンリーは皆に介抱されるが、実験の記録やモンスターのことを気にする。 ウォルドマンからモンスターは処分しておくと言われたヘンリーは、フリッツの死を自分の責任だと考える。 眠っているモンスターを詳しく調べたウォルドマンは、解剖の必要がありと判断する。 意識が戻ったモンスターはウォルドマンに襲い掛かり、首を絞めて殺す。 屋敷に戻ったヘンリーは、エリザベスに介抱されながら静養し、結婚式のことを考える。 ヘンリーとエリザベスの結婚式当日、男爵は二人の幸せを願い、村の人々や子供達が祝福する。 その頃、湖のほとりの家に着いたモンスターは、家主のルートヴィヒ(マイケル・マーク)が森の罠を見に行った間に、幼い娘マリア(マリリン・ハリス)に近づく。 モンスターに気付いたマリアは、怖がることもなく一緒に遊ぼうとする。 マリアから花を渡されたモンスターは、それを水面に投げれば浮かぶことを教えてもらい、楽しそうに彼女と遊ぶ。 花がなくなったモンスターは、マリアを抱きかかえて湖に投げ込み、動揺してその場を去る。 ウエディング・ドレスを着たエリザベスから話があると言われたヘンリーは、ウォルドマンが来ないことを気にして怖がり、嫌な予感がすると言う彼女を落ち着かせる。 モンスターの恐怖におびえるエリザベスは、ウォルドマンのことを話そうとするヴィクターと共に部屋から出ようとするヘンリーから、この場にいるようにと言われる。 部屋に鍵をかけたヘンリーは、ヴィクターから、塔でウォルドマンの死体が発見され、モンスターが山で目撃されたことを知らされる。 屋敷内にモンスターがいると考えたヘンリーは、ヴィクターと共に捜す。 窓から侵入したモンスターに気付いたエリザベスは、叫び声をあげる。 部屋に戻ったヘンリーは、ベッドに横たわり取り乱すエリザベスを落ち着かせる。 マリアの遺体を抱いたルートヴィヒはヴォーゲル市長の元に向かい、娘がおぼれ死んだことを伝える。 殺人だと確認したヴォーゲルは、犯人を捕らえることをルートヴィヒに約束する。 怯えるエリザベスの様態が変わらないため、ヘンリーは、自分が創造したモンスターを殺さなければならないとヴィクターに伝える。 エリザベスをヴィクターに任せたヘンリーは、ヴォーゲルの指示で、男たちと共にモンスターを捜すために山に向かう。 その様子を見守る女たちは怯える。 湖、森、山に別れて捜索は行われ、岩山に向かったヘンリーはモンスターに襲われる。 モンスターは、意識を失ったヘンリーを風車に連れて行く。 意識が戻ったヘンリーは逃げようとするものの、モンスターに襲われて放り投げられる。 落下したヘンリーは羽根車に引っ掛かり地上に落下するものの、一命を取り留めて屋敷に運ばれる。 村人は風車に火を放ち、もだえ苦しむモンスターは、梁の下敷きになり焼け死ぬ。 翌朝、無事だったヘンリーを気遣うメイドたちがワインを運んできたため、息子は飲まないと伝えた男爵は、回復した息子の結婚と孫のために乾杯する。
...全てを見る(結末あり)
ウォルドマン博士(エドワード・ヴァン・スローン)は、学生たちに犯罪者の異常な脳と正常なものについての説明して、講義を終える。
ゴルドスタッド近くの見張り塔にいる、助手と二人だけだ。”という意味不明な手紙の内容を、エリザベスはヴィクターに伝える。
*(簡略ストー リー)
バーヴァリアン・アルプス。
新たな生命の創造を考える若い科学者のヘンリー・フランケンシュタインは、助手のフリッツと共に墓場の死体と大学から脳を盗み出す。
嵐の夜、創造物に生命を与える準備ができたフランケンシュタインは、自分を心配して現れた婚約者のエリザベスと友人のヴィクター、そして恩師ウォルドマン博士の前で実験を始める。
雷を利用した実験は成功し、フランケンシュタインは創造物が生きていることを確認する。
しかし、犯罪者の脳を移植された創造物は”モンスター”と化し、フランケンシュタインらに襲い掛かる・・・。
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メアリー・シェリーの原作を基にした古典的怪奇映画の傑作であり、その後シリーズ化された。
前年の「魔人ドラキュラ」(1931)の大ヒットに続き、”ユニバーサル”が”フランケンシュタインとその創造物のモンスター”を題材にした作品であり、戦前のホラー映画ブームのきっかけとなった。
”ドラキュラ”のベラ・ルゴシと共に、”フランケンシュタインのモンスター”役として、ボリス・カーロフは世界的にその名が知られるようになる。
実はユニバーサル側はベラ・ルゴシの”モンスター”役を検討したが、本人にそれを拒まれたため、ボリス・カーロフがキャスティングされたという経緯がある。
オープニングのクレジットは”The Monster……?”となっているが、エンドロールではボリス・カーロフと明記されている。
トーキー映画黎明期であるにもかかわらず、細やかな役者のセリフ使い、ゴシック・ホラー独特の見事なセットと映像の見事さ、そして、恐ろしい物語の中で挿入されるユーモアのセンスなども秀逸だ。
1991年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。
新たな生命を誕生させる若き科学者フランケンシュタインを熱演するコリン・クライヴ、その婚約者である美しさ際立つエリザベス役のメイ・クラーク、彼女の協力者である主人公の友人ジョン・ボリス、恐ろしい”モンスター”を演ずるボリス・カーロフ、主人公の恩師であるウォルドマン博士の エドワード・ヴァン・スローン、主人公の父親である男爵のフレデリック・カー、主人公の助手ドワイト・フライ、市長のライオネル・ベルモア、モンスターと遊ぶものの湖に投げ込まれて溺れ死ぬ少女マリリン・ハリス、その父親マイケル・マーク、村人のフランシス・フォード、フランケンシュタイン家のメイド、セシリア・パーカーなどが共演している。