サイトアイコン That's Movie Talk!

ワイルドガン Forsaken (2015)

銃を捨てて故郷に戻ったガンマンが町を牛耳る悪党に立ち向かう姿を描く、監督ジョン・カサー、主演キーファー・サザーランドドナルド・サザーランドブライアン・コックスマイケル・ウィンコットデミ・ムーア他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト
監督:ジョン・カサー
製作
ケヴィン・デウォルト
ジョシュ・ミラー
ビル・マークス
ゲイリー・ホーサム
イザベラ・マルケーゼ・ラゴーナ
脚本:ブラッド・マーマン
撮影:ルネ・オオハシ
編集:スーザン・シプトン
音楽:ジョナサン・ゴールドスミス

出演
ジョン・ヘンリー・クレイトン:キーファー・サザーランド
サミュエル・クレイトン:ドナルド・サザーランド
ジェームズ・マッカーディ:ブライアン・コックス
ジェントルマン・デイヴ・ターナー:マイケル・ウィンコット
フランク・ティルマン:アーロン・プール
メアリー・アリス・ワトソン:デミ・ムーア
トム・ワトソン:グレッグ・エリス
エミリー・チャドウィック:シオバン・ウィリアムズ

カナダ/フランス/アメリカ 映画
配給 Momentum Pictures
2015年製作 90分
公開
北米:2016年2月19日
日本:未公開
製作費 $11,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1872年、ワイオミング州。
早打ちの殺し屋であるガンマンのジョン・ヘンリー・クレイトン(キーファー・サザーランド)は、故郷に戻る。

実家に着いたジョン・ヘンリーは、疎遠だった父で牧師のサミュエル(ドナルド・サザーランド)から、母親が死んだことを知らされる。

ショックを受けたジョン・ヘンリーは、知っていれば帰ったとサミュエルに伝える。

薄情なジョン・ヘンリーを非難するサミュエルは、妻の最期を訊かれ、息子の名を呼び泣きながら自分の腕の中で死んだと答える。

暫くいることを確認したサミュエルは、ジョン・ヘンリーが銃を捨てたことを知るものの、素直に信じる気にはなれなかった。

母の墓参りをしたジョン・ヘンリーは、花を手向けて祈りを捧げる。

サミュエルと共に町に向かったジョン・ヘンリーは、人々の視線を気にする。

雑貨店に向かったジョン・ヘンリーは、自分を覚えている店主のパーソンズから声をかけられたために挨拶する。

サミュエルから、酒場に酒が届いているか見てくるようにと言われたジョン・ヘンリーは、その場でフランク・ティルマン(アーロン・プール)に絡まれる。

手下のフランクを追い払ったデイヴ・ターナー(マイケル・ウィンコット)は、銃の腕は知っていることをジョン・ヘンリーに伝えて町に来た理由を尋ねる。

ジョン・ヘンリーは、何も語らずにその場を去ろうとする。

騒ぎは起こさないでほしいと言われたジョン・ヘンリーは、自分にその気はないとターナーに伝える。

町を仕切るジェームズ・マッカーディ(ブライアン・コックス)は、フランクからジョン・ヘンリーが戻ったことを知らされる。
...全てを見る(結末あり)

部下のターナーにジョン・ヘンリーのことを聞いたマッカーディは、彼がサミュエル側に着くと問題だと考える。

ジョン・ヘンリーは自分が監視していると、ターナーはマッカーディに伝える。

フランクらの様子が気になるサミュエルは、マッカーディが周辺の農家を買収していることをジョン・ヘンリーに話す。

土地を売らない者の子供を痛めつけていると話すサミュエルは、悪党の彼らとは関わるなとジョン・ヘンリーに伝える。

その夜ジョン・ヘンリーは、サミュエルから、息子として恥じているが、神を敬い生き方を変える気があるなら許すと言われる。

サミュエルは、この10年間のことは母のためにも許せないと付け加える。

林の木を伐り始めたジョン・ヘンリーは、土地を切り開くのが母の望みだったとサミュエルに話し、聞いたことがないと言う父に、自分一人でやるつもりだと伝える。

教会での集会を終えたサミュエルは、パーソンズから、自分たちも用心棒を雇うべきだと言われる。

争っても問題は解決しないと話すサミュエルは、保安官が逃げて以来、マッカーディが好き勝手に町を荒らしていると言われるものの、連邦保安官に連絡してあると伝える。

しかし、脅されているダニエルは、あてにはならないと言ってその場を去る。

かつての恋人メアリー・アリス・ワトソン(デミ・ムーア)と話したジョン・ヘンリーは、戦争が終わっても戻らなかった理由を訊かれる。

明確な返事ができないジョン・ヘンリーは、昔よく行った場所にメアリー・アリスを誘うものの、8年前に結婚して男の子がいると言われる。

待っていたと言うメアリー・アンに、君は悪くないと伝えたジョン・ヘンリーは、彼女がトム・ワトソン(グレッグ・エリス)と結婚したことを知り、いい男だと伝える。

町に向かったジョン・ヘンリーは、フランクに痛めつけられたダニエルを助ける。

夕食の際、昼間の件で苛立つジョン・ヘンリーは、説教を始めるサミュエルに、戦争で悲惨な死を目の前にして、神などいないと思ったと話す。

憤慨するサミュエルは、必要とする時に神は人を救ってくれなかったと言われ、殺人を何とも思わないために望んで戦争に行ったとジョン・ヘンリーに伝える。

そういう人生を選んだと言われたジョン・ヘンリーは苛立ち、それを否定して席を外す。

ダニエルの元に向かったターナーは、銃を手にする彼と話し合う。

しかし、手下のクライドがダニエルを射殺してしまう。

交渉を邪魔されたターナーはクライドを殺し、フランクらを黙らせる。

ダニエルの葬儀が行われ、対策を考えるパーソンズらはジョン・ヘンリーの手を借りようとするが、サミュエルはそれを許さない。

殺人まですることが信じられないサミュエルは、ジョン・ヘンリーから、これで殺しやすくなったので更に過激になると言われる。

殺し屋ではないと言うターナーが、自分のやり方に不満を持っていることを知ったマッカーディは、今後はフランクに任せることを伝える。

ジョン・ヘンリーが必ず銃を手にすると考えるマッカーディは、ターナーに彼のことを任せる。

弟ウィリアムが川で溺れ死に、自分が生きていたことを知った歳のサミュエルの失望した表情を覚えているジョン・ヘンリーは、それを否定する彼から、戦争での噂には心を痛めたと言われる。

ウィリアムならいい人生を送れたと思うだけだと、サミュエルはジョン・ヘンリーに伝える。

チャドウィックの農場に向かったフランクらは、待ち伏せていた彼らに襲われて町に逃げ帰る。

フランクは、酒場でチャドウィックの農場に向かうことを話した男を射殺する。

メアリー・アリスと話をしたジョン・ヘンリーは、戻らなかった理由を訊かれ、戻ることだけを考えて戦っていたと伝える。

終戦と共に戻ろうとしたが、人を殺した過去を忘れることができなかったとジョン・ヘンリーは話す。

去る際に渡した赤いリボンを持ち帰るようにと伝えたことを覚えているか訊かれたジョン・ヘンリーは、覚えていると答えて、トムと結婚したのは正解だと言ってその場を去る。

トムは、二人の様子を見守っていた。

マッカーディに呼ばれたフランクは、こじれているチャドウィックの件を早急に片付けるよう指示される。

その夜、ジョン・ヘンリーと話していたことを気にするトムに、メアリー・アリスは夫はあなただと伝える。

ジョン・ヘンリーは、大切にしていた赤いリボンを見つめる。

フランクはチャドウィックを殺し、仕方なく土地をマッカーディに売却した妻エミリー(シオバン・ウィリアムズ)は、いつか誰かが立ち向かうと伝えて彼を罵倒する。

サミュエルと共にパーソンズの店にいたジョン・ヘンリーは、現れたフランクらに挑発されるものの、相手にしなかった。

ジョン・ヘンリーは痛めつけられ、それをトムと見ていたメアリー・アリスだけが彼を助け、サミュエルと共に彼を馬車に乗せて家に向かう。

苛立つトムは酒場に向かい、マッカーディから、ことを解決させるために土地を売るようにと言われて合意する。

訪ねて来たターナーと話したジョン・ヘンリーは、争う気はないと伝えて、できれば戦いたくはないと言われる。

ジョン・ヘンリーの気持ちを理解したサミュエルは、母の望みであった土地を切り開く仕事を手伝う気になる。

そんなサミュエルの姿を見たジョン・ヘンリーは、何も言わずに一緒に作業をする。

その後サミュエルは、ジョン・ヘンリーが教会に現れたことを嬉しく思い主に感謝する。

帰り際にメアリー・アリスから声をかけられたジョン・ヘンリーは、トムから妻に近づくなと言われ、誤解していると伝える。

妻を愛していないと誓えて言われたジョン・ヘンリーは、何も答えずにその場を去る。

サミュエルから息子を誤解するなと言われたトムは、マッカーディの元に向かい、土地売却をやめたことを伝える。

契約を交わしていないと言われても納得しないマッカーディは、約束を守らなければ痛めつけると伝えてトムを脅す。

教会に向かい、自分が進むべき道を神に問うジョン・ヘンリーは、現れたサミュエルに、戦争後にあったことを話す。

町を渡り歩き、ある酒場で二人の男に絡まれ、結果的に待ち伏せまでして殺したことをサミュエルに話したジョン・ヘンリーは、流れ弾で子供も殺してしまったと伝える。

ウィリアムと同じくらいの子供で、自分は弟とその子も殺してしまったと話しながら涙するジョン・ヘンリーは、サミュエルから、ウィリアムの死はお前のせいではないと言われる。

二人の人生を思うと耐えきれないジョン・ヘンリーは、こんな人間になってしまった自分を恥じる。

謝罪しながら泣き崩れるジョン・ヘンリーを、サミュエルは抱き寄せる。

訪ねて来たマッカーディと話したメアリー・アリスは、夫が土地の売却に同意したと言われ、立ち退きを要求される。

ジョン・ヘンリーに相談するもののトムと話せと言われたメアリー・アリスは、あなたに対抗しようとして夫はこんなことをしたと伝える。

不幸になるだけだと言うジョン・ヘンリーは、町から出ることをメアリー・アリスに勧める。

訪ねて来たサミュエルから、メアリー・アリスの家族に手を出すなと言われたマッカーディは納得しない。

かつては友人だったとマッカーディに伝えるものの、考えを変える様子がないため、サミュエルはその場を去る。

サミュエルを追ったフランクらは、彼をナイフで痛めつける。

それを知ったマッカーディは憤慨し、愚かな行為だと言うターナーは、ジョン・ヘンリーを怒らせたとフランクに伝える。

サミュエルが襲われたことを知り町に駆けつけたジョン・ヘンリーは、医師から今夜が峠だと言われ、夜通し付き添う。

夜が明けて意識が戻ったサミュエルは、眠っていたジョン・ヘンリーを起こして、誤解していたことを伝える。

自分も襲った男達を殺したいが、お前を失うのが怖いと言うサミュエルは、何もするなと伝える。

そうはいかないと言うジョン・ヘンリーはその場を去ろうとするが、サミュエルに呼び止められる。

自分のために行かないでほしいと言われたジョン・ヘンリーは、正しいことをするとサミュエルに伝えてその場を去る。

家に戻り、納屋に隠してあったガンベルトと銃を身につけたジョン・ヘンリーは、パーソンズの店で”レ・マット・リボルバー”を借りる。

契約を済ませたトムは、メアリー・アリスと息子と共に町を去ろうとする。

メアリー・アリスや町の人々は、ジョン・ヘンリーが覚悟を決めたことを確認する。

酒場に向かったジョン・ヘンリーは、サミュエルを刺したリトル・ネッドを容赦なく射殺し、フランクらに二丁の銃を向けて、死にたくない者は銃を置いて出て行けと伝える。

怖気づいた者はその場から去り、銃撃戦が始まり、ジョン・ヘンリーは敵を次々と倒す。

最後に残ったフランクを射殺したジョン・ヘンリーは、店を出たところでターナーに話しかけられる。

サミュエルを襲った件は自分とは無関係だと言うターナーは、フランクらは自業自得であり、雇われた身の自分は逃げられないと伝える。

立ち去ればいいと言われたターナーは、契約があるとジョンに伝えて決着をつけようとする。

レ・マット”は重いので酒場に戻り”コルト”を持ってきたいとターナーに伝えたジョン・ヘンリーは、その場に銃を置き店に入る。

二階に上がったジョン・ヘンリーは、待ち構えていたマッカーディを射殺する。

マッカーディはバルコニーから通りに落下し、ジョン・ヘンリーは、これで雇われの身ではなくなったとターナーに伝える。

納得したターナーに知り会えてよかったと伝えたジョン・ヘンリーは、通りに出てきたサミュエルに、今後は名を売ろうとするガンマンに狙われることを伝える。

一人では土地は切り開けないので行かないでほしいと言われたジョン・ヘンリーは、種はまいたので、あとは実るだけだとサミュエルに伝える。

サミュエルに直ぐに会えることを約束したジョン・ヘンリーは、メアリー・アリスを見つめて町を去る。

その後のジョン・ヘンリーを知る者はいない。

カンザスコフィーヴィルに流れ着き、再び銃を手にしたという噂があったが、ジョン・ヘンリーは名前を変えて西に向かったかもしれない。

数年後、メアリー・アリスが亡くなった際、ジョン・ヘンリーは葬儀には現れなかった。

しかし、葬儀の翌日、メアリー・アリスの墓標には赤いリボンがかけられていた。

ジョン・ヘンリーの姿を見た者はいたが、サミュエルの死を境にその姿は見られなくなった。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1872年、ワイオミング州。
早打ちの殺し屋であるガンマンのジョン・ヘンリー・クレイトンは、故郷に戻る。
疎遠だった父で牧師のサミュエルから、母の死を知らされたジョン・ヘンリーはショックを受け、10年も戻らなかったことをサミュエルに責められる。
町を牛耳るマッカーディが、農地を買い占めるために人々を脅していることを知ったジョン・ヘンリーは、彼らに関わろうとしなかった。
元恋人のメアリー・アリスと再会したジョン・ヘンリーは、彼女が結婚して子供もいることを知る。
サミュエルとの関係は修復できないものの、平穏な暮らしを求めるジョン・ヘンリーは、マッカーディの住民への圧力が増すことが気になる・・・。
__________

24 -TWENTY FOUR-」シリーズのジョン・カサーキーファー・サザーランドが組んだ作品。

銃を捨てたガンマンが、人々を苦しめる悪党を倒すために立ち上がる姿を描く正統派西部劇。

過去の西部劇でよくある物語をミックスしたような内容に新鮮味はないが、足を洗ったガンマンの心の葛藤が克明に描かれ、クライマックスの悪との対決に向けて盛り上がる。

殺し屋であるガンマンを演ずるキーファー・サザーランドとその父親で牧師のドナルド・サザーランドとの、相いれない関係と修復が押しつけがましくなく描かれ、実の親子であることを考えると尚更、興味深く観れる。

町を牛耳る悪党のブライアン・コックス、憎き悪党の中で、雇われの身であることに徹し、それなりの相手への対応には常に配慮を欠かさないガンマンを印象深く演ずるマイケル・ウィンコット、その仲間で虚勢を張る悪党のアーロン・プール、結婚はしているものの主人公への思いを断ち切れない元恋人のデミ・ムーア、その夫グレッグ・エリス、殺された農夫の妻シオバン・ウィリアムズなどが共演している。


モバイルバージョンを終了