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夕陽のガンマン For a Few Dollars More (1965)

セルジオ・レオーネ(脚本兼)が新しいスタイルを確立した「荒野の用心棒」(1964)のヒットで製作された、主演クリント・イーストウッドリー・ヴァン・クリーフジャン・マリア・ヴォロンテ他共演のイタリア製西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇(イタリア製)

クリント・イーストウッド / Clint Eastwood 作品一覧
クリント・イーストウッド / Clint Eastwood / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:セルジオ・レオーネ

製作
アルベルト・グリマルディ

アルトゥーロ・ゴンザレス
脚本
フルヴィオ・モルセッラ

セルジオ・レオーネ
ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
編集
ジョルジョ・セラロンガ

ユージニオ・アラビゾ
音楽:エンニオ・モリコーネ

出演
クリント・イーストウッド:モンコ/名のない男

リー・ヴァン・クリーフ:ダグラス・モーティマー
ジャン・マリア・ヴォロンテ:エル・インディオ
ルイジ・ピスティリ:グロッギー
クラウス・キンスキー:ウイルド
マーラ・クラプ:メアリー

イタリア 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1965年製作 131分
公開
イタリア:1965年12月18日
北米:1967年5月10日
日本:1967年1月28日
製作費 $600,000
北米興行収入 $15,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
賞金稼ぎダグラス・モーティマー(リー・ヴァン・クリーフ)は、誰もが恐れるお尋ね者を簡単に片付け、次の獲物を狙うが、同じお尋ね者を捜している男がいた。

名もなき男・モンコ(クリント・イーストウッド)も、別の町でお尋ね者を倒し、2000ドルの賞金を手に次の獲物を追う。

2人が狙う凶悪犯エル・インディオ(ジャン・マリア・ヴォロンテ)は、生死にかかわらず、1万ドルの賞金がかかるお尋ね者だった。

仲間の助けで刑務所を脱獄したインディオは、自分を売った裏切り者を家族共々皆殺しにする。

モーティマーは、インディオが、警戒厳重なエル・パソの銀行を狙うと考え、モンコもそれを予測し姿を現す。

インディオは、グロッギー(ルイジ・ピスティリ)らの仲間を集め、銀行襲撃の計画を練る。
...全てを見る(結末あり)

刑務所で、エル・パソの銀行の金庫を隠す棚を作った男と出会ったインディオは、銀行の様子などを詳しく聞いていたのだった。

モンコは余所者を警戒し、まずモーティマーに目を付ける。

グロッギーやウイルド(クラウス・キンスキー)ら、インディオの手下が町に現れ、モーティマーが彼らを挑発する。

騒ぎを起こさず、その場を立ち去ったグロッギーらは、銀行の警備を偵察する。

それをモーティマーとモンコは監視するが、モーティマーはモンコに気付き、彼が賞金稼ぎだということを知る。

モンコも、モーティマーが賞金稼ぎで、かつては勇敢な兵士であり、銃の名士だという情報を入手する。

モーティマーに、手を引かせようとしたモンコだったが、お互いの腕を確かめ合った上で、手を組むことにする。

二人は、銀行襲撃時にインディオと手下を殺し、賞金を手に入れることに合意する。

モンコが、投獄されているインディオの手下を脱獄させ、一味に加わる計画を立てる。

モーティマーが、ある出来事をきっかけに人生が変わってしまったということだったが、彼はそれを話そうとはしなかった。

仲間を脱獄させ、インディオに一応気に入られたモンコは、エル・パソの警備を軽くするため、サンタクルーズの銀行を襲うよう指示される。

翌日、モンコは、同行した者を躊躇なく殺し、銀行が襲撃されたという電信を打たせる。

モンコは、エル・パソの警備隊がサンタクルーズに向かったことを確認して町に戻る。

しかし、モンコとモーティマーの思惑ははずれ、銀行は爆破されてしまう。

そして、インディオらは、金庫を一瞬のうちに奪ってしまう。

インディオを単独で追おうとしたモンコだったが、一味の賞金の合計が4万ドルに上がったことを、モーティマーから知らされる。

モーティマーは、インディオに怪しまれないよう、モンコの首に傷を負わせ、仲間の元に戻るよう指示する。

インディオと合流したモンコは、一応は疑われずに無法の村に向かう。

予定とは違ったが、インディオの行動を読んだモーティマーは、その村に先回りしてモンコと再会する。

ウイルドが、エル・パソで自分を侮辱したモーティマーに気づき、彼に因縁を付ける。

モーティマーはウイルドを簡単に倒し、金庫を開けることのできないインディオに、爆破せずに開ける方法を伝える。

金庫を開けたモーティマーは、ほとぼりが冷めるまで、現金を分配しないというインディオの意見に合意する。

その夜、現金の部屋に忍び込み、それを山分けしたモンコとモーティマーは、インディオに気づかれて袋叩きに遭う。

最初から、モンコが賞金稼ぎだとわかっていたインディオは、二人を逃がして手下を殺させ、金を独り占めにしようと企む。

しかし、グロッギーがそれに気づき、インディオに現金を確かめさせるが、二人はそれが奪われていることを知る。

モンコとモーティマーは、インディオの手下を次々と倒し、残ったインディオと最後の対決に挑む。

モーティマーは、インディオの賞金だけでなく、妹の命を奪った彼への復讐をしようとしていたのだ。

インディオは、モーティマーの妹の懐中時計を取り出し、それに仕組まれたオルゴールの音が鳴り止んだら撃てと言い放つ。

しかし、モンコが、モーティマーの懐中時計を手に現れ、自分の銃を渡し、インディオと決着をつけさせる。

モンコはそれを見守り、モーティマーは、インディオより一瞬早く銃を抜き、彼を倒す。

そしてモーティマーは、賞金を全てモンコに譲り去っていく。

モンコは、生きていたグロッギーを殺し、2万7000ドル分のお尋ね者と、現金を持ち村を後にする。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「荒野の用心棒」 (1964)
・「夕陽のガンマン」 (1965)
・「続・夕陽のガンマン」 (1966)

*(簡略ストー リー)
賞金稼ぎモーティマーと、同じお尋ね者を捜している男がいた。
同じ賞金稼ぎ、名もなき男・モンコも狙う凶悪犯インディオは、生死にかかわらず1万ドルの賞金が懸けられていた。
モーティマーは、仲間の助けで刑務所を脱獄したインディオが、警戒厳重なエル・パソの銀行を狙うと考え、モンコもそれを予測して姿を現す。
二人は、お互いの腕を確かめ合った上で手を組むことになり、モンコが、一味に加わる計画を立てる。
仲間を脱獄させて、インディオに一応気に入られたモンコは、銀行の警備を軽くするため、他の町の銀行を襲うよう指示されるものの、彼はそれに従ったように見せかける。
そして、エル・パソに警備は向かうものの、銀行を爆破して、インディオは金庫を奪ってしまう。
思惑が外れたモーティマーは、モンコが疑われないよう傷を負わせ、一味の元に戻し、賞金が上がったインディオらを倒す策を練るのだが・・・。
__________

荒野の用心棒」(1964)の続編ではないのだが、クリント・イーストウッド扮する”名のない男”の風貌は本作でも同じである。
しかし、同一人物だという設定でもない。

劇中で登場する、イーストウッドの名前”モンコ”は仇名であり、あくまでこの主人公は”名のない男”というのが正しい。
次回作「続・夕陽のガンマン」(1966)と合わせた、”ドル三部作”の主人公は、全て同じイメージだ。

正統派西部劇と比べるのはタブーであり、ドラマチックなストーリーと決闘シーンの盛上げ方など、独特のタッチが実に新鮮で、西部の町にたむろするラテン系の登場人物の中のイーストウッドが、異様な存在に見えるところが興味深い。

アメリカで公開されたのは1967年で、翌年の「奴らを高く吊るせ!」(1968)から、いよいよイーストウッドハリウッドでの活躍が始まることになる。

寡黙で、線は細いがめっぽう強いイーストウッドが、トレードマークの葉巻のくわえ方が、タバコ嫌いのせいで、あまり様になっていない所なども、逆にアクセントになっている。
お馴染みのポンチョとで、不思議な調和を感じさせる。

真昼の決闘」(1952)でデビューして、「OK牧場の決斗」(1957)や「リバティ・バランスを射った男」(1962)など、名作西部劇に多数脇役で出演していたリー・ヴァン・クリーフの、鷲のような鋭い眼光で相手を威嚇する賞金稼ぎ役の好演は光る。
まだ40歳とは思えない凄みと貫禄で、悪党どもを圧倒する迫力がある。

極悪非道の悪党のリーダー、ジャン・マリア・ヴォロンテ、その手下ルイジ・ピスティリクラウス・キンスキーなど、一度見たら忘れられない味のあるイタリアドイツ他、国際色豊かな俳優の共演も見所の一つだ。

エンニオ・モリコーネのドラマを盛り上げるテーマ曲も印象的で、セルジオ・レオーネと共にその後ハリウッドに渡り活躍することになる。
参考:
ワンス・アポン・ア・イン・アメリカ」(1984)


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