第一次世界大戦が激化する中、参戦していないアメリカから”ラファイエット戦闘機隊”に入隊し勇敢に戦った若者達を描く、主演ジェームズ・フランコ、ジャン・レノ、ジェニファー・デッカー他共演、監督トニー・ビルによる実話を基にした戦争ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:トニー・ビル
製作:ディーン・デブリン他
製作総指揮:デビッド・ブラウン他
脚本
フィル・シアーズ
デビッド・S・ウォード
ブレイク・T・エヴァンス
撮影:ヘンリー・ブラハム
編集
クリス・ブランデン
ロン・ロンセン
音楽:トレヴァー・ラビン
出演
ブレイン・ローリングス:ジェームズ・フランコ
ルシエンヌ:ジェニファー・デッカー
ジョルジュ・セノール大尉:ジャン・レノ
ブリッグス・ロウリー:タイラー・ラビーン
リード・キャシディ:マーティン・ヘンダーソン
ウィリアム・ジェンセン:フィリップ・ウィンチェスター
ユージン・スキナー:アブダル・サリス
エディー・ビーグル:デヴィッド・エリソン
ヴァーノン・トッドマン:キース・マケリーン
ライル・ポーター:マイケル・ジブソン
フランツ・ウォルフェルト:イアン・ローズ
アメリカ/イギリス 映画
配給 MGM
2006年製作 118分
公開
北米:2006年9月22日
イギリス:2007年6月1日
日本:2007年11月17日
製作費 $60,000,000
北米興行収入 $13,090,600
世界 $17,834,870
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
第一次世界大戦が激化する中、アメリカは中立の立場をとりに参加していなかった。
テキサス州、アバディーン。
ブレイン・ローリングス(ジェームズ・フランコ)は、農場を差し押さえられてしまう。
ネブラスカ州、リンカーン。
ウィリアム・ジェンセン(フィリップ・ウィンチェスター)は、戦闘に参加するため、家族や恋人に別れを告げてフランスへと旅立つ。
フランス、マルセイユ。
アフリカ系アメリカ人ボクサー、ユージン・スキナー(アブダル・サリス)は、自分に良くしてくれたフランスのために、引退して入隊し”ラファイエット戦闘機隊”に入り戦う決心をする。
ニューヨーク。 パリ。 フランス、ヴェルダン、”ラファイエット戦闘機隊”。 そこに、制服も着ないで現れたローリングスが加わり、被弾しながら機体を立て直して何とか帰還したリード・キャシディ(マーティン・ヘンダーソン)に嫌味を言われる。 言い返したローリングスはキャシディに一目置かれるが、セノールは彼の友が全員死んだことを隊員に知らせる。 そしてローリングスらは、2ヶ月間の訓練を始めることになる。 宿舎となる城に案内された隊員だったが、ローリングスが、キャシディが飼っているライオンに襲われそうになる。 隊員は部屋を割り振られ、ロウリーはスキナーを召使い扱いして同室を拒む。 その夜、エース(追撃王)と呼ばれていたキャシディに相手にされないローリングスらは、酒場からも追い出される。 その後、セノールの指導の下、訓練を始めた隊員は基礎を学び飛行から射撃までをこなす。 ある日ローリングスは、ビーグルとの飛行訓練でガス欠になり機体は墜落してしまう。 助けられたローリングスとビーグルは、娼婦達に介抱される。 ローリングスは、美しいルシエンヌ(ジェニファー・デッカー)の手当てを受け、迎えに来たジェンセンと共に部隊に戻る。 1カ月後。 キャシディに呼ばれたローリングスは、身寄りのない彼に帰国を勧める。 翌日、それを拒んだローリングスは、攻撃を受け墜落か死を選ぶ決断の際に必要な銃をキャシディから渡されて飛び立つ。 戦場の上空に到達した部隊は対空砲火を受け、直後に敵機が襲来し戦闘は始まり、トッドマンが死亡する。 敵機は不時着した兵士にも容赦なく攻撃を加え、犠牲者3人を出しながら部隊は基地に帰還する。 燃料を補給したキャシディは、単独で再び戦場に向かい敵を撃墜して戻る。 戦闘に参加した者達は酒場で歓迎されるが、ローリングスは飲む気になれなかった。 戦場では毎日、誰かが死に、これが自分達の偲び方だと意見するキャシディの考えに同意できないローリングスは、その場を去る。 ルシエンヌのことが忘れられないローリングスは、娼館のマダムから、彼女が娼婦でなかったことを知らされる。 ローリングスは、馬に乗ってルシエンヌの家に向かい、言葉が通じないものの、会いたかったことを伝える。 常に死に直面している兵士と付き合うのは怖かったというルシエンヌが、亡くなった兄夫婦の子供達の世話をしていることを知ったローリングスは、馬に乗る姿を見せて彼女らを楽しませる。 次の出撃で、ローリングスは二機、ライル・ポーター(マイケル・ジブソン)が一機を撃墜する。 その後、ローリングスは機関銃の弾が詰まり、敵機はそれを知り見逃してくれたため、彼は無事に帰還する。 一機が撃墜され、ジェンセンが傷を負いながらも隊員は帰還する。 酒場で、初めて敵機を撃墜したローリングスらは称えられる。 酒を勧められたローリングスだったが、見逃されたことが気になり飲む気になれない。 キャシディは、相手が撃墜王フランツ・ウォルフェルト(イアン・ローズ)だとローリングに伝え、不時着兵士を撃ったことに対する詫びだろうと語る。 ローリングスはそれを聞いて酒を飲み、その場を楽しみ宿舎に戻る。 ロウリーは、ビーグルの行動が怪しいことを指摘し、何かを隠しているとローリングスに伝える。 その夜、ジェンセンの様子がおかしくなり、極限状態で限界に達したと判断したキャシディは、彼に飛行を中止させる。 戦闘機でルシエンヌに会いに行ったローリングスは、彼女を乗せて大空を飛ぶ。 雨のために着陸したローリングスは、木陰で、ルシエンヌの覚えた英語を聞く。 ルシエンヌから、”心配してしまうから・・付き合うのは良くない”というたどたどしい英語を聞いたローリングスは、それを考慮しつつ彼女との愛を確かめる。 宿舎に戻ったローリングスは、ビーグルに対するスパイ疑惑をセノールが追求することをロウリーらから知らされる。 翌日、改名したことなどの説明をセノールから求められたビーグルは、銃殺刑になるとローリングスから言われたために、国で銀行強盗を犯したことを告白する。 それを証明できないため戸惑うビーグルだったが、キャシディは、オモチャの銃で強盗をした、その証拠をセノールに渡す。 セノールは、ビーグルに飛行を続けさせるかをキャシディに判断させようとする。 しかし、キャシディはローリングスらの部隊だと言って彼らに任せる。 ローリングスは仲間達と話し合い、ビーグルを部隊に残すことを決める。 次の出撃で、ローリングスはウォルフェルトを撃墜するが、ビーグルが被弾して戦場に不時着する。 ローリングスは、ビーグルを見捨てられずに着陸し、手が挟まって動けない彼を助けようとする。 攻撃が激しくなり、ローリングスは、仕方なくビーグルの手首を切断して味方の陣地に向かう。 無事帰還したロウリーは、当初は使用人扱いしたスキナーの部屋に向かい、謝罪して高級コニャックを開けて酌み交わす。 酒場に向かったローリングスは、無駄死にしないよう戦う意味を見つけろと助言するキャシディと心通わせる。 キャシディは、同期を失った仇をうつため”ブラック・ファルコン”を撃墜することをローリングスに伝える。 その後ローリングスは、敵がルシエンヌの家の近くに向かったことを知り彼女と子供達を救おうとして愛機で飛び立つ。 先に子供達を基地に運んだローリングスは、ルシエンヌの元に戻り、彼女を戦闘機に乗せる。 ルシエンヌは銃弾を受けてしまい、ローリングスは基地に戻り、手当てを受けた彼女に付き添い夜を明かす。 意識を取り戻したルシエンヌは移送されることになり、規則を破ったローリングスはセノールに注意されるものの、処分を免れ勲章を授与される。 その後、部隊は飛行船”ツェッペリン”を攻撃することになり、ローリングス、ロウリー、スキナー、ポーターはセノールから撃命令を受ける。 ポーターが撃墜され、キャシディは”ブラック・ファルコン”の攻撃を受けて致命的な傷を負う。 キャシディは、”ブラック・ファルコン”のパイロットと顔を見合わせ、”ツェッペリン”に突っ込み爆破撃墜する。 隊員は帰還し、基地ではキャシディとポーターの追悼式が行われ、セノールは、生前にキャシディから預かっていた手紙をローリングスに渡す。 ローリングスはその手紙を読み、初めて友人を持ったというキャシディを命の恩人と呼び、決して忘れないと語る。 セノールに外出許可を得たローリングスは、市民病院に向かい回復したルシエンヌと再会する。 ルシエンヌは、子供達と共にイギリスに向かうことになり、終戦後にパリで会うことを約束してローリングスと別れる。 1917年4月。 義手を付けたビーグルも出撃することになり、セノールの指示でエースのマークが描かれた愛機に乗り、ローリングスは飛び立つ。 敵機襲来で戦闘は始まり、数機が撃墜され、機体が炎上したロウリーは自ら命を絶つ。 味方の爆撃機は目標を破壊し、援護したローリングスらは帰還する。 燃料を補給したローリングスは再び飛び立ち、敵の基地を攻撃する。 ”ブラック・ファルコン”はそれを迎え撃ち、両者は激しい戦いを繰り広げる。 ローリングスは敵の援護機に攻撃されるが、ジェンセンが現れて加勢する。 再び”ブラック・ファルコン”との戦闘が始まり、ローリングスは被弾して覚悟を決める。 しかし、旋回したローリングスは、拳銃で”ブラック・ファルコン”を射殺して撃墜する。 そしてローリングスは、援護してくれた仲間達と共に帰還する。 ジェンセンは終戦まで飛行を続け、帰国時には英雄として歓迎を受けた。 スキナーは、アメリカ軍に入隊するものの飛行は許されず、帰国後、アメリカ初の航空便パイロットとなった。 ビーグルはイタリア人女性と結婚し、曲芸飛行のサーカスを始めた。 ローリングスは、パリでルシエンヌを見つけられず、テキサスに戻りアメリカ有数の大牧場を作った。 彼は再び飛ぶことはなかった。
ブリッグス・ロウリー(タイラー・ラビーン)は、家名にこだわる父親の指示でヨーロッパの戦場に向かう。
...全てを見る(結末あり)
ロウリーやジェンセン、エディー・ビーグル(デヴィッド・エリソン)は、現地に到着して目的地に向かう。
志願兵ロウリー、ジェンセン、ビーグル、スキナー、ヴァーノン・トッドマン(キース・マケリーン)は、指揮官ジョルジュ・セノール大尉(ジャン・レノ)の話を聞く。
戦闘機を与えられたローリングスらは、キャシディの指揮で出撃することになる。
アメリカが参戦し、出撃命令を受けたローリングスは、未だ心の傷が癒えないジェンセンを励ます。
__________
*(簡略ストー リー)
第一次世界大戦が激化する中、アメリカは中立の立場をとり参戦していなかった。
テキサスの牧場を差し押さえられてしまった青年ブレイン・ローリングスは”ラファイエット戦闘機隊”に志願し、若者達と共にフランスのヴェルダンに集結する。
指揮官ジョルジュ・セノールの下、訓練を始めたローリングスらは、実戦を前に緊張が高まる。
訓練で墜落したローリングスは、娼館で働く女性ルシエンヌに介抱され彼女に惹かれる。
その後ローリングスら隊員は、初めての出撃で早くも仲間を失い、日常の出来事のように振る舞うエース”追撃王”のキャシディらの考えが理解できない・・・。
__________
実在の”ラファイエット戦闘機隊”の戦闘に加わった若者達の実話に基づく物語であり、リアリズムを追求した当時の再現映像などが実に興味深い。
先端技術を駆使した実写も加えた複葉機の空中戦の迫力や、戦場の場面やヨーロッパの寒村の雰囲気などもうまく描写されている。
陸上の歩兵戦などでも同じだが、出撃と同時に、何割かが犠牲になることを承知で戦場に向かう、兵士達の過酷な日々が痛々しく描かれている。
イギリス資本も加わった作品だが、戦争の悲惨さを訴えるだけでなく、異国の地で、正義を貫くために戦う勇気を描くアメリカ映画らしい作品でもある。
温和な表情から勇敢な兵士としての戦う姿を見事に演ずる主人公ジェームズ・フランコ、やや悲しい結末となる主人公と親交を深めるフランス人女性ジェニファー・デッカー、部隊指揮官のジョルジュ・セノール大尉を人間味豊かに演ずるジャン・レノ、ストイックな追撃王マーティン・ヘンダーソン、隊員のタイラー・ラビーン、フィリップ・ウィンチェスター、アブダル・サリス、デヴィッド・エリソン、キース・マケリーン、マイケル・ジブソン、敵パイロットのイアン・ローズなどが共演している。