名声は得たものの空虚な日々を送る映画スターが少年時代の親友の死をきっかけに自分を見つめ直そうとする姿を描く、製作総指揮、主演ダニエル・クレイグ、イヴ、クレア・フォーラニ、マーク・ストロング、オリヴィア・ウィリアムズ、監督ベイリー・ウォルシュによるドラマ。 |
・ドラマ
・マーク・ストロング / Mark Strong / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ベイリー・ウォルシュ
製作総指揮:ダニエル・クレイグ 他
製作
レーヌ・バウセガー
デイモン・ブライアント
ジュヌヴィエーヴ・ホフマイア
クラウス・クラウセン
脚本:ベイリー・ウォルシュ
撮影:ジョン・マシソン
編集:ストルーアン・クレイ
音楽:リチャード・ハートレイ
出演
ジョー・スコット:ダニエル・クレイグ
ジョー・スコット(少年期):ハリー・イーデン
オフィーリア・フランクリン:イヴ
ルース・デイヴィス:クレア・フォーラニ
ルース・デイヴィス(少女期):フェリシティー・ジョーンズ
マニー・ミーゼル:マーク・ストロング
グレイス・スコット:オリヴィア・ウィリアムズ
ペギー・ティッケル:ヘレン・マックロリー
ロジャース夫人:ミリアン・カーリン
シスター・ジーン:エミリア・フォックス
イヴリン・アダムス:ジョディ・メイ
ジャック・アダムス:ジェームズ・ダーシー
ジェシー・スコット:キーリー・ホウズ
ブーツ・マッケイ:マックス・ディーコン
イギリス 映画
配給 Anchor Bay Entertainment
2008年製作 113分
公開
イギリス:2008年4月18日
北米:2008年10月17日
日本:未公開
北米興行収入 $1,660
世界 $1,107,130
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
一時は人気を誇った、ハリウッドの映画スター、ジョー・スコット(ダニエル・クレイグ)は、今では仕事にも恵まれず、酒やドラッグ、そして女に溺れる自堕落な毎日を送っていた。
ジョーのアシスタントであるオフィーリア・フランクリン(イヴ)は、そんな彼を見て仕事を辞めることも考えるが、報酬の月額に700ドル上乗せするとジョーに言われて引き止められる。
その後ジョーは、訪ねてきたシスター・ジーン(エミリア・フォックス)からドラッグを買う。
夜を過ごしたアップルが置いていった犬を車に乗せようとしたジョーは、はずみでオフィーリアを殴ってしまい、それを目撃していた隣人と揉める。 事故だと言うオフィーリアは隣人を追い払い、鼻血が出た彼女を治療したジョーは、彼女が自分を見捨てはしないかと心配する。 そんな時、母親グレイス(オリヴィア・ウィリアムズ)から電話を受けたジョーは、幼馴染みのブーツ・マッケイが亡くなったことを知らされる。 その後、レストランでエージェントのマニー・ミーゼル(マーク・ストロング)と新人監督のリッチー・スミスと打ち合わせをしたジョーだったが、新作の配役のことでマニーと口論となる。 積極性が全く見えないジョーへの鬱積していた不満を爆発させたマニーは、彼を見限ってしまう。 酒を飲みながら車で海岸に向かったジョーは海に入り、沖で体を浮かべながら、少年だった日々を思い起こす。 25年前、夏休み。 ブーツが帰った後でジョーは、隣人の主婦イヴリン・アダムス(ジョディ・メイ)に迫られるものの、そこに隣人のロジャース夫人(ミリアン・カーリン)が現れたために気まずい思いをする。 グレイスに頼まれてイヴリンにピクルスを届けたジョーは、彼女に迫られて愛し合おうとする。 夫ジャック(ジェームズ・ダーシー)が帰って来たことに気づいたイヴリンは焦り、ジョーは彼女らの娘ジェーンと遊んでいた妹ジェシーを連れて帰る。 ある日、ブーツとゲームセンターにいたジョーは、ルース・デイヴィス(フェリシティー・ジョーンズ)に誘われて彼女の家に向かう。 ロック・グループ”ロキシー・ミュージック”の”ブライアン・フェリー”のメイクをルースにされてたジョーは、彼らの曲”If There Is Something”をかけて楽しい時間を過ごす。 デートの約束をしたジョーは、ルースにキスをして帰宅する。 翌日、ルースとのデートに向かう準備をしていたジョーは、ジャックが実家に行っていると言うイヴリンから誘われて、愛し合ってしまう。 ルースが待つゲームセンターに向かったジョーは、キスマークを付けたままだったことに気づかず、ルースは呆れてその場を去る。 傷ついたルースの身になれと、その場にいたブーツから忠告されたジョーは憤慨し、二人は殴り合いになる。 嵐が近づく中、帰宅したジョーは、母グレイスに八つ当たりしてしまう。 数日後、再びイヴリンに誘われたジョーは、欲望のままに彼女の家に向かう。 娘ジェーンを家から追い払ったイヴリンは、ジョーと愛し合う。 海岸に向かったジェーンは、嵐で流されてきた戦争時代の機雷に乗って遊ぶ。 それに気づいたロジャース夫人が、それを止めさせようとするものの間に合わず、ジェーンは爆死する。 爆音に気づいた姉ペギー・ティッケル(ヘレン・マックロリー)とと共に、グレイスはショックを受けるロジャース夫人に寄りそう。 ジェーンの死を知ったイヴリンは取り乱し、家に戻り、グレイスと話して落ち着くものの、事故だと言われても、ジャックから責められると考える。 生まれた時からジェーンには嫌われていたと言うオリヴィアは、努力はしたが無駄だったとグレイスに話す。 子供の愛情表現は違うため、ジェーンには愛されていたと言って慰めたグレイスだったが、オリヴィアは、一人にしてほしいことを伝える。 オリヴィアの気持ちを察したグレイスはその場を去り、家の前の車の中で呆然とするジャックに気づきながら家に向かう。 葬儀の日、悲しむジョーは式に出席する気になれず、グレイスに何も言わずに家を出てしまう。 故郷に戻ったジョーは、母グレイスや伯母ペギーに歓迎され、ブーツの葬儀のことや彼の妻になっていたルース(クレア・フォーラニ)の近況などを聞く。 翌日、妹ジェシー(キーリー・ホウズ)とルースの家に向かったジョーは、墓地にいた彼女と再会する。 なぜか泣けないと言うルースとは簡単な会話を交わしただけで別れたジョーは、ジェーンの墓参りをしていたジェシーから、イヴリンの晩年のことを聞く。 イヴリンは娘ジェーンの死後、ジョーの友人ケヴィンとの浮気が夫ジャックにばれて2年後に離婚し、その後、交通事故死したということだった。 実家に戻ったジョーは、部屋にあった、かつてルースの家で聴いた”ロキシー・ミュージック”のレコードをかけて、”If There Is Something”の詞”ポニーテールの髪を振り、僕を連れて行って・・・”とメモし、小切手を同封して、ルースに渡すことをジェシーに頼む。 それをジェシーから受け取ったルースは、思わず泣き崩れる。 ロサンゼルスに戻ったジョーは、オフィーリアに迎えられる。
...全てを見る(結末あり)
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16歳のジョー(ハリー・イーデン)は、親友ブーツ・マッケイ(マックス・ディーコン)を母グレイスに紹介する。
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*(簡略ストー リー)
イギリス出身のハリウッド・スター、ジョー・スコットは、人気が低迷し生活も乱れる中、俳優活動への意欲もなくした日々を送っていた。
そんなある日ジョーは、少年時代に親友だったブーツが亡くなったという報せを、母グレイスから受ける。
新作の配役のことで、エージェントのマニーと意見が合わずに見限られたジョーは、少年時代を思い起こして自分を見つめ直す。
帰国したジョーは母グレイスに歓迎され、今も変わらぬ穏やかな実家の様子に心和む。
亡くなった親友ブーツとは喧嘩別れしたのだが、そのきっかけとなったルースは彼の妻となっていた。
そしてジョーは、かつて恋人になりかけたルースと、25年ぶりの再会を果たす・・・。
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1970年代の雰囲気や音楽が効果的に挿入され、この時代に青春時代を過ごした者にとっては郷愁を誘う作品でもある。
誰にでもある、子供時代の他愛もない出来事、喜びや挫折、そして大人への憧れ、それらの思い出を通して、主人公が人生を見つめ直していくというストーリー。
それらを自分の人生に照らし合わせながら鑑賞すると、共感できる場面が次々と登場する感じた方も多いはずだ。
残念ながら商業ベースには乗らなかった作品ではあるが、ダニエル・クレイグのファンならば、是非ともチェックしておきたい作品だ。
”007”シリーズの”ジェームズ・ボンド”役で、一躍、世界的スターとなったダニエル・クレイグが、長いキャリアを積んでハリウッドで成功した、自分の人生を投影したかのような作品で、彼自身が製作にも参加した意欲作でもある。
アクション・スターのイメージが先行するダニエル・クレイグだが、元々、実力派としても評価されているだけあり、ステップアップに行き詰る俳優を見事に演じている。
ダニエル・クレイグの実際の少年時代そのものと言っていいほど、表情やずんぐりした体型までが彼の雰囲気とマッチしているハリー・イーデン、主人公のアシスタントのイヴ、恋人になるはずだった女性クレア・フォーラニ、その少女期フェリシティー・ジョーンズ、どのように物語りに絡むのかと思いつつ期待したのだが、ワンシーンだけの登場がやや残念なエージェント役のマーク・ストロング、主人公の母オリヴィア・ウィリアムズ、伯母ヘレン・マックロリー、隣人の老婦人ミリアン・カーリン、ヤクの売人役のエミリア・フォックス(エドワード・フォックスの娘)、主人公が少年時代に誘われる隣人の主婦ジョディ・メイ、その夫ジェームズ・ダーシー、主人公の妹のキーリー・ホウズ、そして亡くなった親友マックス・ディーコンなどが共演している。